ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

184 / 212
 以前に書いたお話の続きを書いてみたくなったので。
 続きものですので、割り込み投稿してます(今回の更新はこの1話分のみです)


ZZのプチモビを開発した場合 第2話 プチモビ破壊命令

 サイド7コロニーでは接近するジオン軍巡洋艦ムサイからのミサイル攻撃に対し、ミサイル砲座による迎撃を試みていた。

 

「民間人でもいいんだ、男手をまわしてくれ!」

 

 レーダーもデータリンクも役に立たないミノフスキー環境下では、砲座の一つ一つに砲手がついて、マニュアルで操作するしかない。

 連邦軍兵士も必死にミサイルを放って抵抗を試みるが、

 

「おっ、ああっ、く、来るぞ」

 

 迎撃をするということは、その位置を敵に知らせることに等しく。

 濃密な弾幕を形成できるわけでも、本格的な軍事要塞のように厚い遮蔽物があるわけでもない状態では動かないミサイル砲座は格好の的だった。

 

「うわーっ!」

 

 迫るミサイルに悲鳴を上げる兵士。

 そこにサポートAIであるサラの単独制御による3体のプチ・モビルスーツが割り込む!

 

『そこですっ!』

 

 ワイヤーアンカー射出装置にパンツァーファウスト状の弾頭を差し込んで発射されるスペースデブリ・バリアネット。

 要するにコロニー補修用のトリモチに類似した特性を持つゲルを網状に放って危険なスペースデブリをキャッチ、無害化するもので、これにより軌道を逸らしたりミサイルの信管に動作不良を起こさせ不発にしようという作戦である。

 コロニー外壁に足裏のマグネットで吸着、二本の足でガッシャンガッシャン走りながら散開するプチ・モビルスーツたち。

 その姿を、パオロ艦長たちはコロニーのベイエリア管制塔から見下ろす。

 そこに、

 

「パオロ艦長、プチモビ利用のバリア・システム作動可能です」

 

 ミヤビから通信で報告が入る。

 

「おお、そうか!」

「しかしコロニー全体をカバーするには数が足りません」

「そうか、コロニーは確かに大きすぎる。限界があるか……」

 

 だが、ミヤビには策があった。

 

「艦長、苦肉の策です。ごらんください」

 

 モニターにコロニーの図が示される。

 配置されたプチ・モビルスーツを中心に、カバーできる範囲が円で表示され、

 

「敵の攻撃にそなえて、このようにバリアをはります。敵が他の場所を襲ってきたときには、プチ・モビルスーツを移動して防ぎます」

「なるほど」

「この移動ポイントの指定は、コロニーを見渡せるその位置からみなさんにやって頂きます。以後、これを『ピンポイント・バリア』と呼んでください」

「ん、よくやってくれた」

 

 

 

 そんなわけでコロニーから突き出た管制塔から敵のミサイル攻撃に合わせてプチ・モビルスーツに指示を出してもらうわけだが、

 

『せこいバリア……』

「サラちゃん!?」

 

 小声でそう呟いてしまうサラに、ミヤビはシーッ、とばかりに人差し指を唇に当てる。

 まぁ、間に合わせの産物なのでそういう感想が出るのも分かるが。

 プチ・モビルスーツへ指示を出すデバイスには民生用レーザーポインターが使われていたりするし……

 

 とはいえレーザー誘導は車両や航空機から照射されるレーザービームによってミサイルや誘導爆弾(レーザー誘導爆弾)を目標へ誘導する、割とメジャーな技術ではある。

 もっとも、そのレーザー照射をプチ・モビルスーツが追いかける様はミヤビからすると、前世でも動画やgif画像で見た、

 

(レーザーポインターの照射を追いかけるネコみたい)

 

 という話だが、すかさずサラが、

 

『にゃあ』

 

 とあざと可愛く鳴くので、

 

「……勝手に私の思考を読まないでくれる?」

 

 そんなに自分は読みやすいのか、と首を傾げるミヤビ。

 あと管制システム上に表示されたサラたちのアバターにネコミミ生やすのは反則。

 ついでに首輪をハメちゃうのはもっとアウト!!

 

 

 

 なお…… プチ・モビルスーツのサラたちへの指示の操作に用いるデバイスは、もちろんアレ。

 ゲーム用トラックボールである。

 ゲームセンターに置かれたアーケードゲーム筐体に付属していたような、手のひらで転がすでっかいヤツ。

 

 もちろん発想の元ネタはミヤビの前世の記憶の中にあるアニメ『超時空要塞マクロス』劇中の同名の技術『ピンポイント・バリア』から。

 そして人手不足故、パオロ艦長以下、軍人たちが操作をするわけであるが、

 

「ミサイル第2派接近。ピンポイント・バリア展開」

『『『はいっ!』』』

 

 元気に返事をするサラたち。

 コロニー表面を模したモニターに小さな円形が表示される。

 それが一機のプチ・モビルスーツがスペースデブリ・バリアネットでミサイルを防ぐことができる範囲である。

 プチ・モビルスーツの配置位置はオペレータの操作により自由に移動できる。

 敵ミサイルが接近するが、着弾点付近にプチ・モビルスーツがまわりこみスペースデブリ・バリアネットで無害化を図る。

 しかし……

 

『ああん、間にあわない!』

『いやあ、横から襲っちゃいや、前から来て~!』

『や~ん、そっちはダメぇ』

 

 真剣にトラックボールを回す軍人たちと対照的に、サラたちの悲鳴が錯綜するのが実にアレであった。

 

 

 

 ムサイからも、その様子は観測され、

 

「な、なんだあれは!? くそお、小馬鹿にしおって!」

 

 さらにミサイル攻撃が激しくなる。

 

 

 

「しまったっ!?」

 

 猛攻を前に操作をミス、管制塔に至近弾が迫り……

 

『『『侍女式レシーブ』』』

 

 サラたちが単独制御する3体のプチ・モビルスーツがロケットエンジンを吹かしながら飛翔、それぞれバレーのレシーブのような構えをとり(実際には左のマニピュレータで右のマニピュレータを支え)右手のひらから射出したワイヤーアンカーを一点で結合。

 それをネットのようにして、ミサイルを何とか受け止める。

 なお、サラたちが口にした『侍女式レシーブ』とは、小説、そしてアニメにもなった『境界線上のホライゾン』登場の侍女式自動人形たちが攻撃、その他を受け止め、弾き返すために使った技で、サラたちのアバターもそれに合わせて三河の侍女式自動人形の格好をしていたりする。

 この技は自動人形がデフォルトで所持する能力、重力操作によって作られる重力障壁の応用だったが、サラたちが使ったのはミヤビからすると、

 

(ヤザンが使った『クモの巣』じゃない)

 

 ということになるが。

 

『クモの巣』とは『機動戦士Ζガンダム』登場の可変モビルスーツ、ハンブラビ、ヤザンとその部下たちが3機でワイヤー・ネットを展開して使った電撃兵器である。

 

 しかしまぁ、サラたちの張ったワイヤーアンカーでは何とか直撃を避けることはできても爆発による被害は避けられず、パオロ艦長たちは、

 

「「「うわっちゃーっ!!」」」

 

 と、史実と同じく負傷し、

 

『『『救護ーっ!』』』

 

 慌てて駆け付けたサラたち(ナース服アバターVer)の制御するプチ・モビルスーツに助けられ、ベッド送りになってしまう。

 それでも死に至るほどの重症ではなかったところが、サラたちの頑張りのおかげと言えるだろうか。

 

 

 

 一方、帰還したスレンダーの報告を受けたシャアは、ドズルに撃破されたザクの補給を要請すると共に、

 

「少尉、突撃隊員を三名招集したまえ」

「は? 補給艦の到着を待つのではないので?」

「戦いとはいつも二手三手先を考えて行うものだ。できれば敵機体を手に入れ物的証拠としたい。スレンダーは脱出した。ということは逆もまた可能ではないのかな?」

 

 生身、ノーマルスーツでのサイド7への侵入を試みる。

 

 

 

「やっば!」

 

 シャアとセイラ、兄妹の再開現場に立ち会ってしまったミヤビ。

 シャアに拳銃で撃たれるが、その銃弾はミヤビに届く前に弾かれる。

 

「バリアーかっ!」

『そのとおりです』

 

 とミヤビの乗るプチ・モビルスーツの制御をサポートするAIサラは答える。

 

『硬化テクタイト複合の強化ガラスです。傷も付きませんよ!! 赤い軍人さん!!』

「ウソばっかり……」

 

 テクタイトとは隕石の衝突によって生じたとも言われるガラス質の鉱石。

 実在する物質だったが……

 

 サラの言う『硬化テクタイト』は松本零士作品に出てくる架空物質だ。

 それを受けて『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の脚本を務めた庵野秀明氏の過去作『ふしぎの海のナディア』でも「私の周りには硬化テクタイトが貼ってある。その銃では傷もつかんよ」などと使われたりしていたが。

 サラが口にしたのはマンガ『ヘルシング』でマクスウェル大司教が使った(この後すぐ死ぬ)やつの方だ。

 

「縁起でもない……」

 

 とミヤビにジト目を向けられたサラは「テヘッ」と笑って「ペロッ」と舌を出す、いわゆる『てへぺろ』をしたかと思うと、

 

『すみません、私嘘言いました。言うほど強くありません』

 

 と告白する。

 実際、このプチ・モビルスーツのキャノピーはスペースデブリ衝突事故に備えガンタンクの頭部コクピットやガンキャノン、ジムの頭部センサーゴーグルと同じくポリイミド系材料を発展させた多層構造物によるグレイズ・シールドを使用しているものだが、拳銃弾でも撃たれたら貫通こそしないが普通に傷付く。

 一方的に撃たれるのはよろしくない。

 

 そんなわけで、ミヤビは左手側に移設されたワイヤーアンカー射出装置に、コロニー補修用のトリモチ弾の尻から伸びているスティック状の部分を差し込み、発射準備をする。

『機動戦士Zガンダム』第一話においてシャアのリック・ディアスがノーマルスーツを着た人間を拘束するのに使用したように、動きを制限し拘束するための非致死性兵器として使おうとしたのだが、

 

「ちっ」

 

 さすがというか、やはりというか、シャアは舌打ちするだけでそれをあっさりと回避。

 背中のランドムーバーを吹かして飛び上がり、逃走してしまう。

 

「兄さん……」

 

 そうつぶやくセイラをミヤビは見ないふり聞かないふり。

 この兄妹に隔意はないが、不用意に関わるのは危険すぎた。

 特に周囲の者が死にまくることになるシャア。

 

 

 

 そしてホワイトベースがコロニーのドッキングベイから出港するのだが、

 

「こんなこともあろうかと! プチモビの背面プロペラントタンクをコア・ファイターにも搭載されている空対空ミサイルAIM-79を左右互い違いに4発搭載したものに交換しておいたのだ!!」

 

(よりによってミサイルを何で推進剤タンクの中に装備しやがるんですか!)

 

 ミヤビが開発したプチ・モビルスーツは『機動戦士ガンダムZZ』に登場したそれとほぼ同じデザイン、性能を持っていたが。

 背面に横向きに背負っている円筒状のプロペラントタンクは、汎用の交換式のものに変えられていた。

 

 ミヤビの知る前世の記憶、史実にあった高機動型ザクII、MS-06Rは推進剤消費量の問題を解決するため、背部と脚部の燃料タンクをカートリッジ式に改修されたものがR-1A型としてリリースされていた。

 これにより母艦内での補給が簡便化されたほか、宇宙空間での補給も可能となり、R-1A型を擁する小隊には補給用カートリッジを搭載したザクが随伴することとされていた。

 この運用により作戦行動時間の延長が可能となったのだ。

 

 同様な効果を狙っての実装であって……

 これをミサイルポッドとして運用するためのものでは無いのだが!

 

(シェル・チューブ型熱交換器みたいに推進剤タンクシェルにチューブを貫通させてミサイル発射筒にしてる、タンク内の推進剤と隔離してるのは分かるけど……)

 

「サラちゃん、推進剤の容量は大丈夫なの?」

 

 ミサイル発射筒を内装した分、搭載できる推進剤の容量は当然減る。

 

『テム・レイ博士から伝えられたスペックが正しければ』

 

 というのがサラの答え。

 まぁ『機動戦士ガンダムZZ』でもタイガーバウムコロニーで使用されていた緑色のカラーリングの機体が自機の何倍もあるような大きな岩塊を運び作業をしていたように、元々余裕がある設計なのでホワイトベース周辺で戦う分には十分なのだろう。

 しかし、

 

『でもこの機体、燃料計が付いていないので推測航法になりますが』

 

 というサラの補足に冷や汗をかく。

 そう、この機体に利用されている安価な汎用の交換式推進剤タンクには燃料計が付いていなかった。

 満タンにして提供、注入の際には注入器に流量計が付いてるのでそれで計測するという割り切った代物なので。

 

 そもそもミヤビの前世、21世紀でも、宇宙機には燃料計が付いていないことがほとんどだった。

 無重力の宇宙空間では、液体燃料がタンクの中でふわふわと浮いたり、壁面に張り付いたりするため自動車のような「浮き(フロート)」を使った燃料計は利用できない。

 電波、静電容量等による解析、加速により一方に寄せて計るなどの方法は考えられていたが、普通はブッキーピング(Bookkeeping:記録技術)といってエンジン噴射の時間と推進力から「どれくらいの燃料を消費したか」をコンピュータで計算し、残量を予測するという方法が取られていた。

 これは誤差が出るのが難点だったが、ハードウェアをほぼ必要とせずソフトウェアだけで済むことから取られていた方法。

 そしてプチ・モビルスーツもミヤビが、

 

「製品コンセプトは必要最低限。安価を突き詰めた合理性のみの機体です」

 

 と言っていたとおりの製品だったので、燃料量の管理は実測ではなくブッキーピング、サラが運転ログを解析して推測する方法で補っていた。

 

(まぁ、このコンセプトの参考にしたスズキの原付スクーター、チョイノリよりはマシでしょ。あれは、燃料計はもちろん燃料警告灯、オド(オドメーター:走行距離計)すら積んでなかったし)

 

 つまり燃費と走行距離から燃料の残量を計算する、ということすらできなかったということ。

 そんな原付、どうやって使ってたのよ、という話だが。

 給油口からのぞき込む、車体をゆすってガソリンがチャプチャプ立てる音やタンクを軽く叩いて返って来る手ごたえ、反響音で大体の残量を知る。

 あとはタンクにリザーブが付いているので、燃料が切れたらこちらに切り替え、ガソリンスタンドまで走って給油する。

 そんな方法が取られていた。

 

 このプチ・モビルスーツも機体本体に小型のリザーブタンクを内装しており、メインのタンクの燃料が切れたらこっちに切り替えて補給に行きましょう、という設計だ。

 

(昔のバイクだと、給油後もリザーブを戻し忘れて次に燃料が切れた時にはリザーブまですっからかん、ということもあったけど)

 

 プチ・モビルスーツでもこの切り替えは手動だが、その辺サラがちゃんと警告してくれるので安心だ。

 今どき手動? という話だが、部品点数を削り信頼性を上げるとともに軽量化を計る、ついでにコストも削れるということで市場の反応は良好だった。

 

 まぁ、ユーザーの中には、かたくなに少女の人格とアバターを持つサラに否定的な意見を持つ硬派な人々も居たのでサラ非搭載モデルもあって。

 その場合は「ヨシ!」「何を見てヨシ!って言ったんですか?」というヒューマンエラーによるガス欠が起こったこともあったが。

 

 そんなこともありつつ、アムロの操るガンタンクと連携してシャアの赤いS型ザクIIに対抗する。

 

 

 

 シャアは、まずちょこまかと動くプチ・モビルスーツを始末しようとするが、

 

「速い!」

 

 普通では考えられない速度で狙いを外し、

 

「何という運動性!!」

 

 あまつさえ姿勢を制御し反撃してくることに仮面の下の目を見張る。

 

 

 

「まぁ、タネはあるんだけどね」

 

 とミヤビ。

 彼女はプチ・モビルスーツの左手に装備されたアンカー付きワイヤーをアムロのガンタンクと繋げているのだ。

 

 プチ・モビルスーツの何十倍もの質量を持つガンタンクが絶えず動く基点となり、ワイヤーをリールに巻いたり送ったりすることで高機動を実現する。

 

 また、プチ・モビルスーツ自身にもスラスターは装備されており、手足をぶん回すことによって姿勢制御を行うAMBAC(Active Mass Balance Auto Control:能動的質量移動による自動姿勢制御)と共に、それが姿勢、進行方向を調整した。

 

「サイコミュによらない有線有人オールレンジ攻撃ユニットみたいなものね!」

 

 ということ。

 そうやってシャアの赤いザクとその僚機、スレンダーのザクを相手に戦うのだが、

 

 

 

「タマが…無い…?」

 

 うろたえるアムロ。

 

「無い! 僕のタマが無い! 何故!?」

 

 不慣れなゆえの連続射撃にガンタンクの弾薬を使い切ってしまったのだ!

 

 

 

「アムロ、いったん戻って弾薬を補給して!」

 

 指示を出すミヤビ。

 そうなるとプチ・モビルスーツは単独でこの場を凌がなくてはならなくなるし、ワイヤーアクションを使ったトリッキーな機動も使えなくなるが。

 

 牽制のために二発目のミサイルを放つミヤビ。

 

(シェル・チューブ型熱交換器みたいに推進剤タンクシェルにチューブを貫通させてミサイル発射筒にしてる、タンク内の推進剤と隔離してるのは分かるけど……)

 

 しかし、その後の機体の挙動に、

 

(いや違う、これ本当に熱交換器だ!)

 

 と気付く。

 

(ミサイルの発射炎による熱をミサイル発射筒のチューブ越しにタンク内に伝えて推進剤の加熱に使ってる)

 

 つまり、

 

(これにより加速性能と燃費が一時的に向上、同時に推進剤を冷却媒体にすることでミサイル発射に伴う機体の加熱を抑えている、熱ステルス性を向上させているのか!)

 

 ということだった。

 この向上した機動力をもって、何とかシャアたちの攻撃をかわし続ける!

 

(でも左右発射できるミサイル背負って、って『マクロス』のクァドラン・ローですか!?)

 

 西暦の時代の前世の記憶を持つミヤビにしてみればそんな感じ。

 

(AIM-79はグフの正面装甲も破って撃破できていた、ザクにも通じるってことではあるのだけれど!!)

 

 しかし、残り二発でシャアたちを退けることができるとも思えない。

 ならば、

 

「ここは予定どおりに!」

 

 シャアたちを誘い込む!

 

 

 

「うっ!!?」

 

 目を見張るシャア。

 

「そ…… それは!!!」

 

 

 

『『『ダイダロス・アタック!!!』』』

 

 唐突に宇宙が割れ、現れた白亜の船体がシャアたちのザクを弾き飛ばす!

 

 

 

 そう、ミヤビは自分たちが敵を引き付けている間に、他の機体、サラが単独制御するプチ・モビルスーツたちに命じ、ステルス効果を持つ布地……

 AAAの軍事機密であったホワイトベースを建造するにあたり、光学、電波、赤外線等のセンサーを遮断するためにドックを覆うのに使われていたカバー、ホワイトベースに積まれていたこれを展開。

 ホワイトベースの姿を隠していたのだ。

 

 

 

「ぐあっ!!」

 

 ホワイトベースとの予期せぬ接触で吹き飛ぶシャアのザク。

 一方、その僚機を務めていたスレンダーのザクは、

 

「ぐあああ~っ!!!」

 

 錐もみ状態で制御不能となっていた。

 

 

 

「ぐああああああっ!!!」

 

 ――やられる、このままでは!!!

 

 焦るスレンダー!

 

「はっ!!!」

 

 そうして見る。

 自機を吹き飛ばしたペガサス級強襲揚陸艦ホワイトベースの艦首モビルスーツデッキ。

 木馬の前肢とも言うべきハッチが開き、そこに固定されていたガンタンクが、「逃がさん!!!」とばかりに全武装を一斉射撃してくる光景を!

 

「ぐああっ」

 

 

 

 ダイダロス・アタック。

 それはアニメ『超時空要塞マクロス』において、登場した攻撃法。

 マクロスの右舷に接続された強襲揚陸艦ダイダロスの艦首にピンポイント・バリアを集中し、敵艦に突き刺す。

 艦首を開放、デストロイドが敵艦の内側から一斉砲撃というとんでもない戦術である。

 ミヤビはそれを、宇宙空間に展開した黒い布地でホワイトベースを覆い隠すという、考えようによってはアホなマンガ的手法で再現して見せたのだ。

 

 これを目の当たりにしたシャアは、

 

「は……発想のスケールで……… ま……………………まけた」

 

 と呟き撤退したのだった。




 プチモビの第2話でした。

>(でも左右発射できるミサイル背負って、って『マクロス』のクァドラン・ローですか!?)

 ということからマクロスネタが思い浮かんだので書いてみました。
 あと、スズキのチョイノリ。
 こういうプロダクツ、好きなんですよね。

 それではまた。
 ご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。