ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件 作:勇樹のぞみ
ミヤビです。
歴史改変の影響かモビルスーツ開発、その他諸々で遅れを取っていた月のアナハイムエレクトロニクス社でしたが、この度ジェガンを完成させました。
「えっ? ガンダムもジムも無いのにどうやって?」
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
案件でしたが……
一年戦争でラルさんが使っていた『にせガンダム』作成のため、ペーパープランで終わったRX-78に関する資料類を渡されていたところから地道に発展させ、年月をかけながらも到達した模様。
発展途中に試作機としてアナハイムのジム系派生機、ネモやネロが居たのには変な笑いがこみ上げましたが。
で、そこから少しして『スパーブ・ジェガン』というバリエーション機が登場。
これは正史ではスタークジェガンが登場する前に造られた対艦攻撃機で、ハイパー・メガ・ランチャーを運用するためジェネレーターをB型規格に換装。
バックパックに百式改のスラスターユニットを組み合わせて機動性や推進力を強化し、ジェダの胸部パーツをベースとした追加装甲も搭載した強化機体……
のはずでしたが、
「ああっ! 誰か! 誰かスパーブ・ジェガンを止めて!」
『うるさいですね……』
肩の上のモビルドールサラなサラちゃんが耳…… 頭部側面に存在する音響センサーを保護するように手で覆ってつぶやいていますが。
紫b、いえニナ・パープルトン女史が叫んでいるとおり、いきなり強奪されています。
と言っても史実とは違いアナベル・ガトー氏が乗り込んできた訳ではなく(大体、時期も違う)、普通にテロリストっぽい組織に狙われたようですが。
それはさておき、
「あれ? 普通のジェガン? 試作機らしく黄色で塗られているけど」
姿を晒した機体を見て首をひねります。
『武器も持っていませんし……』
とサラちゃんも首を傾げる中、両手を上げたジェガンはマニピュレーターの親指と人差し指、中指をそろえて、
「フィンガースナップ?」
俗に言う『指パッチン』をすると同時に閃光が走り、追跡に出たネモを真っ二つに切り裂く!
そのままモビルスーツの爆発をバックに、踊るように指パッチンを右に左に鳴らし周囲に群がるモビルスーツを切り裂いていく……
スパーブ・ジェガン、『スパーブ(superb)』とは英語で『素晴らしい』を意味する。
つまり……
「素晴らしきジェガン?」
『ジャイアントロボの十傑集じゃないですか!』
そう『機動武闘伝Gガンダム』の今川泰宏監督が手がけたOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』に登場する敵役、指パッチンをするだけで何でも切り裂いてしまう『素晴らしきヒィッツカラルド』のパロネタでした。
よく見ると目元、頭部カメラアイを覆うバイザーは白いし(ヒィッツカラルドは瞳孔の無い白眼)、ジェガンは頬にインテークが配されているので分かりにくいですが、フェイスガードにヒィッツカラルドと同じステキライン(ゴルゴ13の頬にもあるアレ)と呼ばれる線が走ってますし……
でもどうやってモビルスーツで再現したの?
という話だが、
『マニピュレーター、手のひら親指の根元に小さな照準用センサーが見受けられますね……』
と、サラがモビルドールサラのカメラアイに捉えられた静止画像をミヤビがかけたARグラス上に投影してくれるが、つまり、
「親指に極限まで収束率を上げたビーム砲を装備、割と照射時間の長いこれをフィンガースナップに擬態したモーションで薙ぐように放つことで対象を真っ二つに切り裂く?」
これがその正体か。
ミヤビの前世の記憶の中にある∀ガンダムのビームサーベルは、非常に細かったが威力はすさまじいものを持っていた。
これは収束率が馬鹿みたいに高いので細くなっていたものだ。
同様にメガ粒子砲の収束率を限界まで上げることができれば、照射時間長めの俗にいう『ゲロビ』であっても肉眼には一瞬閃光が走っただけで標的が真っ二つになったように見えるわけである。
そしてアナハイム製モビルスーツで指にビーム砲と言えば、
(『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場した『キャノンガン』、ジェガンA2型ベースの砲撃用試作型モビルスーツがある)
対戦型アクションゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』にも登場し、一時期猛威を振るっていた機体である。
手のひら親指の根元に小さな照準用センサーが、というのもこの機体と共通しているし。
(キャノンガンは大型化した両手の人差し指と中指にビーム砲を持っていたけれど)
それで二本の指を揃えてビームを放つ漫画『ドラゴンボール』に登場するピッコロの必殺技、魔貫光殺砲ごっこができたのだけれど。
これは親指だけか。
ミヤビは渡された資料を確かめる。
「なるほど、普通にビームライフルも使用するけど、リロード中でも撃てるように親指に装備した、か」
モビルスーツが使うビームライフルは、現代歩兵が使うアサルトライフルと同様、ピストルグリップを備えているのが普通。
そしてピストルグリップを握る親指はデフォルトで前を向いているか、そうでなくとも少し指を上げれば前を向く。
つまり、ビームライフルを握ったまま、さらに言えばトリガーから指を離さないままでも撃てるということ。
ミヤビの前世にあったネットワーク対戦ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』では武装の切り替え時間が使い勝手、強さに直結していた。
バズーカなどの攻撃でよろけやダウンを奪って動きを封じたところで追撃をする、というのがセオリーなのだが、切り替え時間が長い武装だと、その間に敵が立ち直ったり、別の敵からカットが入ったりと攻撃機会を逃がしてしまうのだ。
(それを考えれば、武器切換時間を限りなくゼロに近づけることができるこの武装は優秀)
また、親指は他の指よりも太い、つまり、
(キャノンガンのようにマニピュレーターを大型化しなくてもビーム砲が仕込める、つまり従来の携帯武器と互換性を保つことができるというわけか)
一年戦争時のジオン軍モビルスーツ、ドムはザクに比べ大型のマニピュレーターを持っていたがために、従来のザクの兵装はそのままでは使えず、ザクマシンガンもMMP-78/WGという、グリップをドムサイズに拡張したワイド・グリップ仕様のマイナーチェンジ版を必要としていた。
その点では、後に統合整備計画に沿って開発されたリック・ドムⅡ等の機体はマニピュレーターを共通化することでこの問題を解決しているように、マニピュレーターを元のサイズのままにできれば、武装の共通化に大いに役立つというわけである。
そして…… ビームが太いと保持したビームライフルの側面を焼いてしまうため、収束率を上げて細めた。
それの副産物として貫通力が上がった訳だが、ストッピングパワーが低下してしまうため、照射時間を多少伸ばし……
結果、ミヤビの前世の記憶の中にあるシミュレーションゲーム『スーパーロボット大戦α』に登場したヒィッツカラルドが、
「龍王機と虎王機の覚醒にはグルンガスト参式など必要ないだろう?」
等と言いつつ指パッチンでグルンガスト参式を真っ二つにしていたように、指パッチンでモビルスーツが真っ二つにされるという光景を生み出しているわけである。
また『機動戦士ガンダム』劇中でシャアのザクがアムロのガンダムに腹パンしていたように、モビルスーツは拳で敵機を殴りつけることもある。
技術者サイドからすれば繊細なマニピュレーターで装甲を持った敵モビルスーツを殴るなんて真似、やってもらいたくないのだが……
ともあれ、仮にパンチを放つ場合であっても、接触するのは親指以外の四指であるため、比較的ダメージを受けにくいという利点があったりする。
「いやぁぁぁ~!! 私のスパーブ・ジェガンが!」
叫ぶニナ・パープルトン女史ですが、
『この緊急事態でも、心配するのが自分の作品であるモビルスーツだけなんですか……?』
とサラちゃんが言うとおり、それはどうかと思うのですが。
まぁ、史実でもこのように私情を優先し、場の空気を全く読まない身勝手な言動の数々によって視聴者から嫌われ。
しかもヒロインでありながら過去彼を選んでガンダムをNTR、寝取られものに変え、普通に主人公コウ・ウラキに感情移入していた当時の視聴者の脳を破壊、『アンチ・ガトー』『アンチ・デラーズ・フリート』、リアルでティターンズめいた『アンチ・ジオン』な一部ファンを作り上げてしまった戦犯である。
(リアルタイムで見ず、動画とかスパロボとかで「ソロモンよ、私は帰ってきた!!」などのネタと知ってから見た人なら、そうはならなかったんでしょうけど……)
前世の記憶でも、その後もずっと尾を引いているガンダムファンが居たことを覚えている。
(そういう人物を作り上げたという時点で、罪作りな女性であったと言えるのでしょうね)
さすがは『ガンダム三大悪女』『本作の真のヒロインはシーマ様』など、散々な評価を受けていた人物。
そういうことだった。
『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』にスパーブ・ジェガンが実装されましたが。
スパーブは素晴らしいという意味と聞いて、思いついたネタでした。
よくわからないという方はyou tube等の動画サイトで『素晴らしきヒィッツカラルド』で検索してみてください。
なお、作中でも書いているとおり、この世界線では0083な展開はありませんので、心配している『アンチ・ガトー』『アンチ・デラーズ・フリート』『アンチ・ジオン』な方はご安心ください。
ご意見、ご感想等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。