ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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機動戦士ドラッツェ『蒼き流星JLDヅダ』

「私の名はジャン・リュック・デュバル。サイド2は狙われている!」

 

 

 

 ミヤビです。

 とうとうジオンと地球連邦軍の戦いが始まってしまった訳なんですけど……

 その直前にJLD…… ジャン・リュック・デュバル(Jean Luc Duvall)少佐がヅダを持ち出して地球連邦に亡命してしまいました。

 

 いえね、ザクIとヅダが争ったコンペ、ヅダが空中分解した史実を知っている身としては、さすがに見殺しにするわけにも行かないじゃないですか。

 それでツィマット社に…… だけだと不公平なのでジオニックにもヤシマの系列企業、八洲軽金属(史実ではガンダムのフレーム作成に協力したメーカーの一つ)のチタン技術と素材を提供してヅダの機体を補強してもらったんですけど、それでも足りず。

 しょうがないのでサポートAIとして開発中だったサラちゃんのゼロナンバー、個体識別名『サラ=レイ』を載せてもらって、上手い具合にリミッターをかけてもらうことで事故を防いだんですが……

 

 

 

 サラ=レイ、通常『レイ』と呼ばれるサポートAIによるリミッターがかけられたEMS-04ヅダはコンペで事故を起こすことなく、重元素を推進剤とする熱核ロケットエンジンである木星エンジンの性能を遺憾なく引き出して次期主力兵器競合試験においてザクに対し優位に立った。

 もっともザクの約2倍(史実では1.8倍とも言われていたが、チタン素材を入れたことでコストは更に上昇)という高コストが会計監査院から問題視された結果、正式採用は見送られ史上初の実戦用モビルスーツの座をザクIに明け渡すこととなったのだが。

 

 ともあれ、事故が起きなくてほっとしたミヤビだったが、しかし彼女は前世の記憶の中にある彼の存在を忘れていた。

 そう、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』でヅダと共に登場したジャン・リュック・デュバル少佐のことである。

 ヅダがコンペで空中分解して、その欠陥から不採用が決まっても尚それをジオニック社の裏工作によるものとして断じて認めようとはしなかった彼。

『機動戦士ガンダム MS IGLOO』でも、

 

「ジオニック社のやり口だ!ツィマッド社が先進的技術を開発すれば産業スパイを送り込みそれを盗む、ザクとヅダの制式化競争の時には政治的圧力!! ザビ家に近いというだけでのし上がってきた汚い企業だ!」

 

 と主張していたこの人物が、事故が無くても却下された、この状況でどう思うか。

 さらに言えば、サラ=レイが上手く制御しきったせいで機体強度の問題が、彼の視点では認識できなかったことも災いした。

 そしてミヤビがやり過ぎてドラッツェに『フレキシブル・バインダー』と『ロングテール・バーニア・スタビライザー』という未来の機能をぶち込んだ結果、他の高機動型宇宙機の必要性が著しく低下したことがダメ押しになり、思い詰めた彼は……

 

 

 

『この子が苦しがっている』

 

 そう、語りかけるサラ=レイ。

 

『V-MAXは使わないで』

「了解! V-MAX発動!」

『レディ(って命じられたらそう答えるしかありませんが、使えっていうフリじゃないんですよ!?)』

 

『機動戦士ガンダム00』、この世界では『機動戦士ガンガル00』のネタ「トランザムは使うなよ」「了解!トランザム!」と同じく「押すなよ!絶対に押すなよ!」なノリで命じられても……

 本当に使うやつがあるか! という話で。

 

 そうやってリミッター全解除のV-MAXモードを発動!

 モノアイが紫の光を放ったかと思うと蒼き流星と化したヅダは追撃を振り切って行ってしまったのだ。

 なお、このV-MAXモード、代償無しに使えるものではなく離脱後に、

 

「ヅダ、動け! ヅダ、なぜ動かん……!」

 

 活動限界を迎え、気化した冷却用蓄熱媒体を吹き出しながら放熱するヅダ。

 V-MAXモードはヅダ本来の驚異的な機体性能を発揮する反面、機体の自損を防ぐためにも発動時間を制限する(もしくはサラ=レイが限界と判断した時点で強制停止する)リミッターが課せられている。

 また発動終了後、『蒼き流星SPTレイズナー』登場のV-MAXと同じく機体は強制的に放熱体勢に入るため、約10分間はまったく身動きが取れなくなるのだ。

 

 ミヤビの知る史実では連邦のジムと追いかけっこをした結果、先にジム3機が空中分解、1機がエンジントラブルで落伍していたものの、既にヅダ自体も限界を超え土星エンジンの加速が止められなくなり、アワレ爆発四散! していたが。

 だったら危険域に入りそうになったら、その前にサポートAIが強制的に停止冷却させればいいんじゃない、という考え方である。

 

 そうして、

 

『こんなところまでレイズナーと一緒じゃなくても……』

 

 ツィマット社の狂的技術者(マッド・エンジニア)陣にせがまれたからといって、西暦の時代のロボットアニメを見せるんじゃなかった、と後悔するサラ=レイだった……

 

 

 

 なお、このド派手でヒロイックな機体の登場に連邦軍の目が釘付けになった結果、ジオンは逆に緒戦を完全な奇襲、不意打ちで進めることができ。

 ミヤビの記憶の中にある史実を完全に上回る戦果を挙げることとなった。

 

「これもシナリオの内ですか? ギレン総帥」

「ああ」




 ミヤビ、ジオン側IFルート『機動戦士ドラッツェ』では、強化したドラッツェを一年戦争時に導入したわけですけど。
 みなさんのご感想を拝見しているうちに、

「もうヅダとかいらないんじゃないかな」
「えっ?」

 という話で「これ、宇宙用の高機動機がすべて不要になりかねないよなぁ」と実感しまして、そこから思いついたネタでした。
 ヅダも青いし。

 まぁ、普段リミッターで抑えているってだけ、V-MAXって言いつつ、実際には史実どおり、素のままのヅダに一時的に戻しているだけなので、特別な技術など何も使っていないのですが。
 というか、史実でも可能な対処法ですよね、これ。

 ご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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