ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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機動戦士ボール(ミヤビVer)

 宇宙世紀0078年、地球はコロニー落としの炎に包まれた!!

 海は枯れ、地は裂け……

 あらゆる生命体が絶滅したかにみえた……

 だが… 人類は死滅していなかった!!

 

 

 

 ミヤビです……

 何なんですか、この世界線!

 一年前倒しのスケジュールで始まった一年戦争。

 ジオンが旧ザク、ザクIを主力にして攻めて来ましたよ!!

 何がまずいって史実のRX計画の開始は宇宙世紀0078年3月。

 つまりRXシリーズの開発すら始まっていないところの開戦です。

 ガンダムもガンキャノンもガンタンクもジムも無い、ルナ・チタニウムも無い、今から開発しても間に合いそうにない。

 そんなわけで弊社、ヤシマ重工にも何とかして、と地球連邦軍から泣きが入りましたが、唯一間に合いそうなのは……

 

「宇宙作業用のワンマンポッドSP-W03を拡大設計した戦時急造メカ、ボールだけ?」

 

 仕方ないので造りましたよ。

 ボールと、あと『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』に登場していた、ボールを運用するために一部の武装を撤去し、専用プラットフォーム6基を増設したボール搭載型サラミス級巡洋艦を!

 

 

 

 史実と違うのは、漫画版『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場した『サダラーン級サイコミュ防御実証艦ファドラーン』を参考にしたところ。

 

 モビルスーツの出現以降、艦船の安全を確保することは難しくなっており、攻撃力の主力にはなり得ない存在となった。

 そのため一年戦争後はカタパルトで打ち出すなり、サブフライトシステムで送り出すなりして「モビルスーツによる戦闘はなるべく艦艇から離れた場所で行う」「艦艇は遠距離からの砲撃支援に徹する」という戦闘ドクトリンに変化していたが。

 しかし、ミヤビの前世の記憶の中にある『機動戦士Zガンダム』等の劇中でも「総力戦だ、突っ込め!」とばかりに艦艇も突入している場面、「中尉が無事なら良い! ラーディッシュを楯にしろ!」で撃沈されている場面が目立つので、必ずしもそうはならないでいた。

 

 それゆえに考えられたのか、ファドラーンはその持てる能力のほぼ全てを防空能力へと特化させ、作戦時の拠点として存在する艦隊を自力で徹底防御する戦術思想を実証すべく生み出されたもの。

 ゲーマルクに装備された物と同型のマザーファンネルとそれに搭載されたチルド・ファンネル、有線のインコム、リフレクター・インコム等で防衛する、という存在だ。

 

「参考にしたのはニュータイプでなくても操作可能な有線の準サイコミュ兵器のインコムだけれども」

 

 ボールを露天係留し、出撃時には撃ち出すためのプラットフォームにワイヤーリールを装備させ、ボールと接続する。

 ボールの何百倍もの質量を持つサラミス級巡洋艦が絶えず動く基点となり、ワイヤーをリールに巻いたり送ったりすることで高機動を実現するのだ。

 さらには、ボールに装備されたスラスター、そしてマニピュレータを振り回すことによって姿勢制御を行うAMBAC(Active Mass Balance Auto Control:能動的質量移動による自動姿勢制御)が姿勢、進行方向を調整した。

 燃料電池駆動のボールの出力ではマニピュレータを利用したAMBACによる姿勢制御は不可能だったが、有線でサラミスから供給される電力が、それを可能としたのだ。

 

「サイコミュによらない有線有人オールレンジ攻撃ユニット、かぁ」

 

 それが、このミヤビが転生した宇宙世紀でボール搭載型サラミス級巡洋艦に追加されたシステムなのだった。

 

 まぁ、ミヤビが持つ前世の記憶、その中では、

 

 有線オールレンジ装備は、艦載兵器より戦闘艦艇そのものにつけた方がコスパが良い気が昔からしています。

 スポンサーがバンダイじゃなくてタミヤだったら、そんなアニメになっていたかも知れませんね。

 

 なんていうファンも居たことだし。

 割と行けるのかもしれなかった。

 

 

 

(ところで、一年戦争が前倒しになってガンダムが存在しなくなったこのIFの世界線だけれども……)

 

 ミヤビが思い出すのは前世の記憶の中にある『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』

 あれはシャアがガンダムの手にかかって死ぬことになった世界線のララァが、その運命を回避するために造り出したパラレルワールド、IFの世界。

 ならば、そもそもガンダムを開発される前に戦争を終わらせてしまえば…… という発想に至るのも有り得るのかな、とミヤビは考える。

 

「それはそれでアリなのか……」

 

 と思うが、その代わりにボールという鉄のカンオケを戦場に投入した冷酷無比な存在として『ヤシマの人形姫』が語られるようになるだろう将来を思うと、

 

「勘弁して」

 

 とつぶやくほかは無かったのである。

 

 

 

 とはいえ、これはミヤビの杞憂に終わったが。

 モビルスーツの運用を前提に戦略・戦術を組んでいたジオン公国軍と違い、この時期の地球連邦軍にとってモビルスーツとは単にジオンのザクへの対抗策、兵種の一つでしかない。

 だからソロモンやア・バオア・クー戦でもモビルスーツと一緒にマゼランやサラミスを突っ込ませていたし、さらには『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の時代でも、バーミンガム級戦艦やマゼラン改級戦艦、サラミス改級巡洋艦といったモビルスーツ運用能力を持たない大艦巨砲主義に回帰した艦艇が建造、運用されていた。

 そんな軍からすれば、主戦力の宇宙艦隊をザクから守ってくれるこのボールとボールを利用した有線防空システムは非常にありがたいものであり。

 ミヤビは多くの艦艇と幾人もの軍人の命を救った救世主として神聖視されるまでに至った。

 一年前倒しで戦争を始めるということは、史実よりジオンの軍備が整っていないということであるし、モビルスーツの性能も劣っているということでもあり、こんな間に合わせでも連邦軍の物量で押せば何とかなったのだ。

 

 まぁ、崇拝の視線をまともに受けたミヤビはやはり、

 

「勘弁して」

 

 とつぶやくほかは無かったのであるが。

 

 

 

 なお、

 

「地上戦用ボールが欲しい?」

 

 無茶ぶりすんなという話が追加で来たり。

『ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』に出てたポリポッドボールとか?

 カニかクモか、ボールに四本脚を足したやつ。

 MGでプラモデル化もされてたが……

 

「いや、燃料電池駆動のボールじゃ難しいでしょ」

 

 となると、

 

「『ケロロ軍曹』のクルルロボMk-IIを真似るか」

 

 ということになる。

 クルルロボMk-IIはボールによく似たマシンだったが、スペースポッドモードの他に、ウォーカーモードといってマニピュレータを歩行用の鳥脚にも用いる形態を持っていた。

 ボール同様の宇宙作業ポッドを先祖に持つ簡易可変型モビルスーツ、ガザシリーズのモビルアーマーモードでも、同様にクローアームと足を共用するようなことをしてたし。

 

「出力の問題も、鳥脚は人間の脚よりはるかに必要とするエネルギーが低かったはず」

 

 ミヤビの前世、西暦の時代でもそのような研究結果が出されていた。

 まぁ、その代わり鳥脚には人間を模した脚のようには横移動ができないという弱点もあったが。

 で、出来上がった機体は、

 

「スターウォーズのAT-ST? いや……」

 

 マクロスのリガードだ、コレ!

 ということになった。

 まぁ、戦闘ポッドに鳥脚生やしたらそうなるよな、という話ではある。

 この機体、テスト用にサイド7に送られて、シャアの部隊に襲われたアムロ少年が乗り込み、

 

「ひどい、1/2しかエネルギーゲインがないぞ!?」

 

 となるのだが……

 この時のミヤビには、まだ知る由もなかったのである。

 

 

TO BE CONTINUED?




 昔、別作品でジオンサイドの『機動戦士ボール』を書きましたが、連邦サイドでミヤビが担当するとこんな具合、というお話でした。
 ファーストガンダムのシンプルなメカデザインが好きな私なので、ボールもなんだかんだ言って好きだったり。
 同じ理由で旧ザク、ザクIも好きなのでこの1年前倒しな一年戦争のジオンサイドにミヤビが居るお話も書いてみたかったり。

 ご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。

 今回のお話も、読者の方から寄せられた、

>因みに、有線オールレンジ装備は、艦載兵器より戦闘艦艇そのものにつけた方がコスパが良い気が昔からしています。
>スポンサーがバンダイじゃなくてタミヤだったら、そんなアニメになっていたかも知れませんね。

 というご意見から、そういえば漫画版『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場した『サダラーン級サイコミュ防御実証艦ファドラーン』があったよな、ということで書けたお話ですし。
 それではまた。
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