ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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 今回は開戦前の過去話。
 開発における悲喜こもごもです。


機動戦士ザクI 格闘戦についてのアレコレ

「「流派! 東方不敗は!」」

「王者の風よ!」

 

 互いに演武を行いながら、掛け合いを始めるザクI!

 

「全新」

「系裂!」

「天破」

「驚乱!」

「「見よ! 東方は赤く燃えている!!」」

 

 

 

(なぁにこれぇ……)

 

 ミヤビは頭を抱えた。

 ジオンのモビルスーツのサポートAIとしてサラを入れた、その弊害が如実に現れていた……

 

(それは『機動戦士ガンダム』作中でタックルを行ったせいか、ゲームなんかでも肉弾戦を行う格闘機、『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX』とかだと八極拳使いになっていたけれども!)

 

 だからと言って、

 

(『機動武闘伝Gガンダム』、この世界では『機動武闘伝Gガンガル』に置き換わっている物語を見たサラに影響され、流派東方不敗がジオン軍内部に広まってしまうなんて思わないでしょ!!)

 

 という話だった……

 

 

 

「素人め! 間合いが遠いわ!」

 

 相手のショルダータックルを見切るガデム、しかし!

 

「グラビトンハンマー!!」

 

 その瞬間、ザクIの左肩に装備されているショルダーアーマーが、まるでボルトガンダムの左肩にあったグラビトンハンマーのように撃ち出され、ガデムの機体を捉える!

 

「ぐふっ!?」

 

 吹っ飛ぶガデムのザクI!

 

 

 

「いや、グラビトンハンマーじゃなくて、ゾロアットの『ウェポン・バインダー[打突]』よね、これ」

 

 と慄くミヤビ。

 ゾロアットは『機動戦士Vガンダム』に登場するザンスカール帝国の主力量産モビルスーツ。

 ショルダーアーマーがパカッと割れ、そこに装備された5基の電磁ワイヤー射出装置を使うことができたが。

 メカニカルアームで繋がれたこの部分が割と自由に動くため、これを打突武器として応用する戦法も劇中で見られた。

 ネット対戦ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』でも『ウェポン・バインダー[打突]』という名称で再現されていて。

 

「下格闘は少し貯めてからの正面ショルダータックル。前進する上にショルダーパーツがにょきっ、と前方に伸びるから、思われるよりレンジが長くてやられてる人も多かったっけ」

 

『ウェポン・バインダー[打突]』は命中時、相手を吹き飛ばしダウンさせる効果があった。

 今のガデム機のように吹っ飛ばされるのだ。

 

 そしてそれが何故ザクIでできたのかというと、もちろんミヤビのせいだったりする。

 

「ザクのショルダーアーマーのマウント方法問題、かぁ」

 

 ミヤビは前世で様々なザクのプラモデルを組んだ経験があるので実感しやすかったが。

 そうでなくても想像はできるだろう。

 そう、ザクの左肩に装着されたショルダーアーマーは、マウント方法を工夫しないと邪魔になって脇が開けなく、肩が上げられなくなるのだ。

 初期のガンプラではそれが無かったため、肩は開かないか、不自然な肩関節になるかの二択だった。

 その後、固定方法は工夫され、肩を上げる際はショルダーアーマーを逃がすような構造になっていたが。

 

「RE/100のザクII改と同様に自在に動くアームジョイント、アクチュエーターを配した接続、か」

 

 ザクの右肩に固定されたシールドは日本の甲冑の大袖、袖と呼ばれる部品と同じく、両手を使って武器を操りつつも上手くかざすことで防御を行うことができるものだ。

 もっともミヤビの記憶の中にある『機動戦士ガンダム』劇中ではシャアがガンダムのバルカンをこれで受けていたが、それ以外のパイロットが活用していた描写は少なく、利用には技術が必要だったということが見て取れた。

 そのせいかガンダムのゲームではザクにシールド防御が無いとされたものもあったぐらいである。

 

 一方『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』劇中のFZ型ザクの描写では、このシールドは割とフレキシブルに動いており、それを再現するためにプラモデル『RE/100 ザクII改』では肩とシールドを接続するパーツとして自在に動くアームジョイントが配されていた。

 後に連邦軍でもジェスタやグスタフカールなどが、バックパックから伸ばしたサブアームでシールドを肩口に保持していたが、それに準じた機構が採用されていたと言えよう。

 

 そしてミヤビがつぶやいたとおり、RE/100のザクII改においては左のショルダーアーマーも右肩シールドと同じ構造のアームジョイントで接続していた。

 これにより肩を上げてもショルダーアーマーを逃がすことができ、可動範囲を確保することができていたのだが。

 

 ミヤビの発案で開発された流体パルスアクセラレーター機能を搭載したアクチュエーターの登場で、この左のショルダーアーマーを保持するアームジョイント、アクチュエーターもまた反応速度と駆動力が上昇しており。

 タックル時に、それを伸ばすことでショルダーアーマーを瞬間的に突き出しリーチと打撃力を伸ばす、ゾロアットの『ウェポン・バインダー[打突]』と同様に攻撃に生かすことができるようになったわけである。

 スコープドッグのアームパンチ、その肩アーマー版みたいなものだろうか。

 

「いや、そのために作ったわけじゃないけど!」

 

 恐るべきは学習型OSとサポートAIサラのコラボレーションか。

 さらには『ジオン驚異のメカニズム』を支える、CAD/CAMシステムを高度に発展させた『設計開発生産支援システム』にそれらの管理を統合したために生じたサラの、

 

『あれ? この機構、本来の使い方以外にも役立ちますよね? 計算上でも』

 

 という提案が裏付けデータ込みでされ、採用されてしまう運びになってしまったのだ。

 

 ともあれ、

 

「さっさとヒートホークの開発を終わらせよう」

 

 と心に刻むミヤビ。

 格闘武器が無いから、皆が徒手空拳の拳法使いに走ってしまうのだ。

 ヒートホークさえ開発できてしまえば、こんな訳の分からない状態は終わるはず。

 

 ミヤビの知る史実では、ヒートホークはザクIIのロールアウト後に開発されたことになっていたが。

 そもそもヒート兵器はコロニー建設に用いられる作業用宇宙艇搭載の高周波誘導切断器にルーツを持つ器材であり、コロニー建設も請け負うヤシマ重工が協力すれば開発の促進は可能だろう。

 

「出来上がるまでは模擬戦用のモビルスーツに傷を付けないトレーニング向け武器を用意してもらって……」

 

 ミヤビ自身はヒートホークの完成に注力するために、このトレーニング向け武器の用意をジオニックの下請け企業に任せたのがまずかったのか数日後……

 

 

 

(なぁにこれぇ……)

 

 ミヤビはくずおれる。

 そこには、

 

「大阪名物ハリセンチョップや!」

「なんでやねん!!」

 

 モビルスーツサイズのハリセンでドツキ合うザクI。

 えっ?

 ちょっと待って今の声、ガルマとシャアでは?

 ここって、まさかマンガ『機動戦士ガンダムさん』時空なの?

 

「どーしてあんたたちはそーやって――――――!! いーかげんにしてよね。まったくも――っ!!!」

 

 女性パイロットの操縦するザクIが持つ、ファンシーな装飾の布団叩きでケツを叩きまくられる敵、連邦機を演じるアグレッサー機体。

 うわ、マンガ『魔法の少尉ブラスターマリ』の1日ザク!!

 

「光になれえぇぇ!」

 

 という絶叫と共に振り降ろされる巨大な金色のピコピコハンマー(なおパイロットはミヤビがサイド2からスカウトしてきた『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の主人公シロー・アマダ氏)

 このデカブツの運用データはジャイアント・ヒートホーク(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で高機動型ザクII、黒い三連星のオルテガ機が使っていたやつ)の開発に役立ったので微妙に文句が言いにくいのがアレだったり。

 

「叩いても機体に損傷が生じない打撃武器には、ジオン軍パイロットたちを童心に返らせる働きがあったのかしらね」

 

 と嘆息するミヤビ。

 それにしたって……

 と言う話だった。

 

 

 

 チャン♪ チャン♪

 

 To Be Continued




 バトオペ2のゾロアットで打撃系格闘兵装『ウェポン・バインダー[打突]』が実装されていたのでザクでも行けるな、と思って書いてみました。
 こういう、本来の使い方じゃない戦法を劇中で見せてくれるのがガンダムシリーズの殺陣の面白さですよね。
 そしてそれをちゃんと拾ってくれるクリエイターの方々には感謝ですね。

 次は射撃武器でしょうか?
 バトオペ2のザクⅠ指揮官仕様が使っていたマゼラ・トップ砲[試作型]とか?

 ご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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