ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

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機動戦士ノーマルスーツ

「駆逐してやる!! この地球上から… 一体… 残らず!!」

 

 

 

「何で対MS特技兵がザク相手に立体機動装置で『進撃の巨人』してるの!?」

 

 ミヤビの前世の記憶の中にある『機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線』登場の対MS特技兵は、史実では対モビルスーツ用にスケールアップされた有線ミサイル、対MS重誘導弾M-101A3リジーナでザクと戦っていたのだが……

 

『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』等で無重力のデッキ移動などに使われていたワイヤーガン。

 アレをミヤビが小型化し、ノーマルスーツのウエストベルト左右どちらの位置にも取り付けられるターレット式ワイヤーガンとして作成した結果……

 それを左右両方に取り付けると『進撃の巨人』の立体機動装置じみた動き、

 

1)まず左右のアンカーを前方上方へと射出し適当なものに貼り付ける。

2)この状態でワイヤーをリールにより高速で巻き取ることで、パチンコで弾き飛ばされるように人体が空中に。

3)勢いが付き、宙に飛んだなら、後は左右のワイヤーガンを交互に射出、巻き取ることを繰り返しながら空中を進み続ける。

 

 というワイヤーアクションが可能となり、対MS特技兵の指揮官であるベン・バーバリー中尉は部下たちと共にこの立体機動をしながらザクと戦っているというのだ!

 

『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のシロー・アマダも米軍のM72 LAWに似た引き出し構造の、軽量な対MS用ロケットランチャーでザクIにダメージを与えていたし……

 立体機動でザクの弱点に肉薄して撃ち込めば何とかなる、のだろうか。

 他にも、

 

「南斗爆殺拳!」

「火薬に頼ってなにが拳法だ」

 

『機動戦士ガンダム』第14話「時間よ、止まれ」や『機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線』でワッパ兵がモビルスーツに肉薄し取り付け爆破していた吸着爆弾(一個でルナ・チタニウム製のガンダムシールド上半分が跡形も無く吹っ飛ぶ威力)、そのコピー生産品などもあるのだし……

 

 

 

「何でこんなことにぃぃ……」

 

 何でこんなことになっているかと言うと、もちろんミヤビって奴のせいなんだ。

 コロニー建設も手掛けるヤシマ重工。

 その作業環境の改善を考えていたミヤビは、ふと(いらんことを)思いついた。

 

「ノーマルスーツにワイヤーガンとサポートAIを組み込んだらどうかしら?」

 

 宇宙世紀のワイヤーガンは、マグネットの付いたアンカーを有線で飛ばし吸着させ、ワイヤーを巻き取ることで推進剤を消費せずに無重力空間を移動できるというもの。

 劇中で登場したモデルは、ほとんど取っ手だけの形をしたコンパクトなものだったが。

 

「これならノーマルスーツに組み込んでもいいんじゃない?」

 

 軽装型ノーマルスーツ、『機動戦士ガンダム』劇中ではパイロットスーツとも呼ばれていたそれは、酸素発生器や応急修復用パッチなどの生命維持機能が腰ベルト脇にコンパクトにまとめられていたが。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではシャアがノーマルスーツ右腰のそれにジオン軍士官用レーザーガンをマウントして(そしてマウントしたまま)使っていたように、オプションの取り付け自体は可能。

 というわけで、ノーマルスーツのウエストベルト、左右どちらの位置にも取り付け可能なターレット式ワイヤーガンを作成してみた。

 

 アンカーはグフカスタムのヒートワイヤーを参考に、マグネットの他に展開式の爪を付け、これを制御することでマグネットでは吸着できない物にも引っ掛けることが可能に。

 

 また『ファイブスター物語』でユーリ・バシュチェンコ大尉が見せた発振機付きのケーブルを機体に貼り付け、音声の振動を直接機体の内部に響かせることで会話を行う直振通話。

 こちらの機能も盛り込まれた。

 ミヤビはミノフスキー粒子による通信障害を見越して実装させたが、無線通信と違って他に傍受されることがないためその点でも評価を受けた。

 

 あとはアンカーが接触した相手に電流を流すテーザー機能も。

 これは宇宙空間作業者から宇宙海賊等、犯罪組織に対する護身として欲しいとの要望を受けて搭載した機能である。

「そもそもフルパワーでアンカーをぶち当てれば良くね?」という意見もあったが、テーザーなら低致死性兵器(less-lethal weapons)として相手を無力化できるため、一般人でもためらわずに使用できるということで実装された。

 

 これらの機能、そしてワイヤーガン自体の操作も、手動で行っても良かったが……

 

「制御はサラちゃんにやってもらいましょう」

 

 サポートAIサラをインストール。

 意思の疎通は音声、そしてヘッドアップディスプレイを組み込んだヘルメットを使用することに。

 ミヤビの前世、西暦の時代でも開発されていた(SHOEIの「OPTICSON(オプティクソン)とか)枯れた技術であり、民生品に使われていた一般的なものなので問題無く導入することができた。

 

 そしてこれはミヤビの目指す宇宙空間での作業環境改善にもつながる。

 西暦の時代でもウェアラブルデバイス、ARスマートグラスで離れた現場の人間に指示を出したり、操作手順を表示したりというソリューションがあったが、それと同等のことが可能となるのだ。

 暗い宇宙空間でライトを照らし、手をふさぐ操作手順書をグローブ越しの指でめくる…… など、誰だってやりたくないのだし。

 

 そしてサラは未来においてSガンダムに搭載されるルーツ博士開発の人工知能、AIである『ALICE(アリス)』、その原型となったプログラムから株分けしてもらいミヤビたちが育てた存在である。

 史実においてRXシリーズに搭載された教育型コンピュータはパイロットの言葉や所作から意思を推測して、その操作を補足する機能を持っていたという。

 要するにパイロットの考えや、やりたいことを察してフォローしてくれるということだが。

 この機能はパイロットの挙動をサンプリングすることでより精度を増し、技量の高くないパイロットにも熟練兵の操縦を可能とするもの。

 そうやってパイロットを教え、導きながら、同時に自らも成長していくという意味で教育型と名付けられていた。

 

 そういう意味ではまさに、人格を持ち、人間を、人の心を理解し、主となる人間、マスターのために尽くす存在がサポートAIサラなのであって、彼女の存在があるがゆえに、教育型コンピュータと同様、いやそれ以上にマスターのやりたいことを先回りしたり補足したりして助ける、ターレット式ワイヤーガンを自由に制御することができるのだ。

 

 そうして試作品を試してみた結果、

 

『これ、左右両方の腰に付ければ『進撃の巨人』の立体機動装置みたいなこともできそうですね』

 

 と、サラ。

 

「そうね」

 

 もしくはアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』登場のKMF、ナイトメアフレームが装備していたスラッシュハーケンを使ったワイヤーアクション。

 KMFグラスゴー等では円盤状の発射装置兼リールを胴と肩の間に配置、独立して動くこれで上下の射出角を調整していたが、それを小型化して腰に装備させたようなものではあるし。

 

『進撃の巨人』の立体機動装置では人体を2本のワイヤーで吊り下げ、ブランコのように大きく振れては飛び回るといった激しい動作を伴うため、装置は腰と太腿辺りを中心に全身に張り巡らされたベルトによって固定されていたが。

 ノーマルスーツでは身体に密着するように仕立てられた宇宙服全体が同じように作用する、身体全体が面で力を受けるためそれよりも楽だった。

 機動戦士ガンダムにおけるパイロット用ノーマルスーツは非常によくできたもので、信じられないほど薄くしなやかに動きを阻害しないようにできているが、それでも宇宙服として生命維持機能を持っているもの。

 それゆえ生じる適度な硬さが『進撃の巨人』の立体機動装置におけるベルトの代わりとして、それ以上に機能しているのだ。

(ベルトなら、それが身体に食い込み圧迫することになるが、適度な硬さを持つノーマルスーツは包まれた身体全体に力が分散、面で受けることができる)

 

「別にランドムーバー、ジェットパックも併用できるから、しくじって落下しかけてもリカバリーが可能でしょうし」

『そちらも私が自動制御しますから、初心者でも安心です!!』

 

 そんなことをやっていたら、

 

「本当にザク相手に『進撃の巨人』しなくても……」

 

 となってしまったのである。

 

 地上用のジオン軍モビルスーツには対人近接防御兵器Sマインが搭載されており接近しての戦闘は危険だったが……

 ランドムーバー単体ではなく、ワイヤーガンのリール巻き取りを使った強引な加速、スピードなら、

 

「Sマインが射出されたのを見てから離脱余裕でした」

 

 と、その効果範囲から逃れるのは難しくないらしい。

 まぁ、参考にされたのが第二次世界大戦でドイツ軍が使用した跳躍地雷『S-マイン』およびそれを応用した戦車用装置『近接防御兵器』であり。

 機体各所から発射され空中で爆発、小型鉄球の雨を降らせて至近に迫った敵兵を駆逐するというものなので、発射から効力発揮までタイムラグがあるのだ。

 

 

 

 なお、サポートAIサラも、ターレット式ワイヤーガンも兵器ではなくただの民生品であることからジオン軍でも使用され……

 ゲリラ戦の専門家、ランバ・ラルがこれにより多大な戦果を挙げたり。

 地球連邦軍モビルスーツの登場後は、逆にジオンからこれで歩兵による肉薄戦闘を行われるなど活用されていた。

 

 また、このターレット式ワイヤーガンは、さらに別の装備を付けられるようラッチを外側に付けているのだが。

 これにライセンス生産させてもらったジオン軍士官用レーザーガンを付け、そして、

 

「ターレットの動きを取り付けたレーザーガンにそのまま伝えれば……」

 

 恐ろしいことにレーザーターレットとしても使用できるということに。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではシャアがやっていたように腰にマウントしたまま撃てるようにもなっている代物だったが。

 それが自動化されたような感じだろうか。

 腰だめに撃つさまは、

 

「ヴェスバー(V.S.B.R.)みたいな感じかしらね」

 

 とミヤビが言うとおり『機動戦士ガンダムF91』に登場するF91のような射撃姿勢だった。

 ヴェスバー (V.S.B.R.)は未来においてサナリィが開発する可変速型ビーム・ライフル(Variable Speed Beam Rifle)。

 その名の通りビームの射出時に加速器側から粒子に干渉し、その射出速度と収束率を無段階に調節する機能が盛り込まれている。

 ミヤビがライセンス生産させてもらったジオン軍士官用レーザーガンにも、レーザートーチモードなど幅広い出力調整機能が盛り込まれていたりするので、その機能まで似たようなものになる。

 

 また『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではサイド7に侵入するザクがレーザーでコロニー外壁に位置するエアロックの鍵を焼き切ることで侵入を果たしていたが。

 同様に立体機動でモビルスーツに取りついた兵が、レーザートーチモードにしたレーザーガンでハッチのロックを焼き切り、内部を破壊する、などという使い方がされた。

 モビルスーツのハッチに限った話ではないが、映画やドラマと違って拳銃やライフルではロックやカギは壊せない。

 弾を撃ち込んでも跳弾で怪我をするのが落ちであるから、武器にも使えるレーザーガンで焼き切ることができるというのは良い手だった。

 

 こうしてターレット式ワイヤーガンを利用した立体機動による戦いは一年戦争を通じて過熱し各所で、

 

 

「いくぞ遊昇凄舞!!」

 

(ぬぅ、たしかに動きが読めぬ)

 

 

 などと白熱した戦いが繰り広げられたという……




 ワイヤーガンって面白いツールですよね。
『魔法少女リリカルなのはStrikerS』のティアナ・ランスターが初期に使用していたアンカーガンとか。
 というわけでネタをいろいろ考えていたわけですが、ふとした拍子にこんなお話を思いついてしまったので書いてみました。

 あとは無動力で身体機能を増強する『アンプラグド・パワードスーツ』、つま先やかかとにエアポンプを設けて、踏み込みの衝撃をエア圧に変換、これで必要な個所に配した人工筋肉を動かし走行や投擲などといった動作を補助する機能。
 この辺もノーマルスーツに組み込んでみたい気もしますが、コスト上昇や複雑化の弊害も考えるとどうかな、と迷うところですね。

 それではまた。
 ご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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