時の庭園に訪れた僕ら。その前には大量の傀儡兵が待ち受けていた。
「敵がこんなに!?」
「くっ、急がないと行けないのに……」
なのはとクロノの二人が焦る中、僕らは二人の前に出た
「こいつらは僕らがなんとかする。お前らは温存しておけ」
「で、でも……」
「危ないよ」
フェイトの奴は千景たちと行動してたんだから分かってると思ったんだけどな……まぁいいか
「空、お前が指示を出せ」
「若葉、いいのか?」
「お前はそういうのが得意だっていうのは分かってるからな」
「そっか……それだったら全員……全力で目の前の道を切り開け!!」
「「「「「切り札発動!!」」」」」
僕と歌野以外が切り札を発動し、それぞれ衣装が変わった。若葉の切り札『義経』友奈の切り札『一目連』千景の切り札『七人ミサキ』杏の切り札『雪女郎』珠子の切り札『輪入道』
若葉たちは並び立ち、傀儡兵に向かっていった
「ハアアアアアアアア!!」
若葉は素早く動きながら傀儡兵を切り裂いていき、千景は分身して、七人で傀儡兵を倒していく。
杏は雪を降らせて傀儡兵の動きを止めていき、止まったところを珠子が全て撃退していく。
友奈は傀儡兵を殴っていき、さっきまで大量にいた傀儡兵を全て撃退していった。
「これが……勇者たちの力なのか……」
「空さん、これは……」
「僕ら勇者には精霊というものの力が宿っている。その力を発動し、とてつもない力を発動させるのが……切り札だ」
「これが切り札……」
なのはたちも驚きを隠せないでいるが、切り札には体に負荷がかかる。それに精神的にもだ……まぁ精神面は気持ちを強く持てば何とかなりそうだけど……
「とりあえず僕らも行くぞ。歌野」
「OK、若葉さんたちに負けてられない」
僕は槍で傀儡兵を貫いていき、歌野はムチで傀儡兵を破壊していった。しばらくして全て撃退し、僕ら奥へと進んでいった。
中に入り、走っていくと床がところどころ穴が空いていて、覗き込むと空間が歪んでいた。
「クロノ、これは?」
「その穴『虚数空間』だから気をつけて!」
「虚数空間?」
「あらゆる魔法が一切発動しなくなる空間だ。落ちたら重力の底まで落下する。二度と上がってはこれない」
「気をつけて進まないとな」
「上里くん、貴方は特に気をつけて」
「千景、何で僕だけなんだよ。落ちそうなのは珠子だぞ」
「タマは一番気をつけてるだろ!」
「何で君たちは……」
僕、千景、珠子の三人の言い争いを見てクロノは呆れ、若葉、友奈、杏、歌野は……
「こういう時に……」
「でも変に気を張ってるよりかはいいかもしれないよ」
「えぇ少しは気を抜いてね」
「空さんが戦いに参加してからそういう風にできるようになった気がしますね……なのはちゃんとフェイトちゃんも、気を張りすぎないようにね」
「「はい」」
そうこうしているうちにある部屋にたどり着き、中にはいると大量の傀儡兵と上へと続く階段を見つけた。
「ここから二手に別れよう」
クロノの提案にみんなが賛成すると、杏が僕にあることを言ってきた。
「あの空さん」
「もしかして僕に別れるメンバーを決めろってか?」
「はい」
「わかったけど……フェイト、プレシアの部屋は」
「母さんがいる場所は多分あっちの方に」
フェイトが指を刺した方は階段とは別の道だった。だとしたら……
僕、フェイト、アルフ、千景、クロノ、友奈でプレシアの部屋まで向かうことになった。
「空君、どうしてこのメンバーなの?」
「ん?」
友奈は何故かこの振り分けに疑問を持っていた。まぁ戦力的にうまく分けたって言うこともあるし、それに……
「色々と言いたいことがある奴がいるからかな」
僕は千景の方を見ていうと、千景は黙り込んだままだった。
杏SIDE
最上階にやってきた私達は大量の傀儡兵と対峙していた。
「防御は僕が、なのは、封印の方を」
「うん、いつも通りだね」
「え?」
「ユーノ君、いつも私と一緒にいてくれて、守っててくれたよね?」
ユーノに笑顔を向けながらなのはちゃんが言う。
「だから戦えるんだよ。背中がいつも暖かいから!」
なのはちゃんは嬉しそうにいい、ユーノくんは恥ずかしそうにしていた。
「何だかいいな~ああいうの……」
「杏、何言ってるんだ?杏の背中はタマに任せタマえ!」
「タマっち先輩……うん!」
「いいね。ああいうのも」
「あぁそれだったら私の背中を頼むぞ。歌野」
「OK!任せて!私達には背中を守ってくれる人もいるし、それに帰りを待ってくれる人がいるからね」
「あぁ!!」
私達は傀儡兵に向かっていくのであった。
空SIDE
大きな部屋に出てくると壁を壊して今まで以上の大きさの傀儡兵が現れた。
「でかい!?」
「それにあの傀儡兵……障壁を張ってる……」
クロノとフェイトの二人が警戒していると、突然アネモネが喋りかけてきた。
『マスター』
「何だよ?魔導師に変わったほうがいいか?」
勇者の状態であれを倒すのは無理だっていうなら魔導師に変わるけど……
『いえ、今こそ使うべきです!三本目の鍵を』
「三本目……」
僕は三本目の鍵を手にすると白く輝き出した。
『三本目は絆ぐ力が宿してあります。それは世界を絆ぎ、勇者と魔法の力を絆ぐ……』
「なるほどな……それだったら」
僕は三本目の鍵をかかげて、叫んだ。彼女たちと同じ力を使えるように……
「切り札発動!!」
叫んだ瞬間、白い光が僕を包み込み、光が消えると右手には杖を、左手には槍を持ち、腰辺りには三本の尻尾みたいなものが生えていた。
「これが上里くんの……」
「切り札……」
「僕の精霊は妖狐みたいだな。さて……」
僕は駆け出し、巨大傀儡兵の右腕を槍で貫き、破壊した。
「障壁を!?」
「あんな簡単に!?」
「あいつ、化け物じみてないか?」
クロノ、フェイト、アルフが驚く中、僕は巨大傀儡兵の攻撃を避けながら、杖を構えた。その瞬間、三本の尻尾の先から銃口が飛び出し、
「フォーステイル・バスター!!」
四本の砲撃で巨大傀儡兵を破壊するのであった。切り札の力はすごいけど、結構体に負担が大きいな。
「空君、大丈夫?」
「切り札自体初めて使ったのだからあとは休んでいたら?」
「いや、僕は大丈夫だ……」
友奈たちはこの負担を抱えながら戦ってきたんだから、僕だけ休む訳にはいかないよな。
時の庭園 最下層
プレシアはアリシアの入ってるケースの隣に立っている。
「誰か乗り込んできたみたいね…」
上を見ながらプレシアは呟いた。
(恐らく乗り込んできたのは管理局の執務官…でも無駄よ。私を捕まえても…私はもう長くはない……)
悲しい表情を浮かべながら、プレシアはアリシアを見つめた。
「アリシア…ごめんなさい。こんな事になってしまって……フェイト…貴女だけでも幸せになって……」
プレシアがそう言った直後、背後から爆音が聞こえた。
「きたわね」
執務官が来たと思い、プレシアは杖を構えた。そこにいたのはバルディッシュを持ったフェイトとボロボロの僕たちだった。
「母さん」
「フェイト」
次回、無印編終了……できたら良いな……
無印編のあとは1話分幕間的な話をやるつもりです