上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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15 アリシアと理由

教室に集まった僕ら、何でこうして集まっているかというと……

 

「お前はアリシアで良いんだよな。フェイトの姉の……」

 

「そうだよ」

 

元の世界に帰ってきた僕らを出迎えてくれたのはフェイトの姉であり、死んだはずのアリシアだった。何で彼女がここにいるんだ?それに……

 

「私はカプセルに入った貴方を見たけど……少し成長してないかしら?」

 

確かカプセルに入っていたときはまだ5歳位だけど、今のアリシアは少し成長している

 

「そうだね。色々と話すべきだよね。そうだよね。アネモネ」

 

『はい』

 

僕のポケットからアネモネが出てきて、アリシアの横に来た。アリシアが生き返った理由を知っているのか?

 

「私はあの時……時の庭園の崩壊で虚数空間に落ちたんだ」

 

「うん、それは私も、ぐんちゃんも空君も見ていたから知ってるよ」

 

「虚数空間に落ちて、気がついたら私は真っ白で暖かな場所にいたの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリシアはそこがどこなのか分からないでいた。すると人の言語とは思えない声が聞こえた。だが意味は理解できた

 

『命を失いし少女よ。我はこの世界で土着神が集まり一つになった存在……神樹と呼ばれるもの』

 

「神樹?」

 

『お前は虚数空間と呼ばれる場所へ落ち、我の中に流れ着いた。そしてお前に役割を与える』

 

「役割……」

 

『運命を変える事ができる存在に三本の鍵を……一つは勇者の力を、一つは魔導師の力を、一つは絆ぐ力を与えた。そして我の声を聴くことができる巫女には支える力を与えた』

 

アリシアいわく、その時急に頭の中に僕らのことが入ってきたらしい。

 

「この人達は……そっかフェイトとママを助けてくれた人だよね。それで私の役割は?」

 

『お前の役割は……彼らの力になってもらいたい。いや彼らだけではない。お前の家族、その友達の力にもなってほしい……運命を変えるために、そのために我は時を超え、彼女たちをも導いてきた』

 

「力になる……でも私は魔法資質とかないし……力になれることは……」

 

『安心しろ。お前にも彼と同じ力を与える。勇者の力で天の使いを倒し、魔法で守る力を……』

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして気がついたら私の手にはこの鍵があって、この世界に来ていたんだ」

 

「なるほどな。じゃあ、僕のこの鍵とひなた達の鍵は神樹様がくれたものなんだな……でも運命を変えるって……」

 

『マスター、貴方は運命を変えていますよ。特に死ぬはずの人間の運命を……』

 

それってつまりプレシアのことだよな。僕が……というより僕らが運命を変えたのか……

 

『そしてこれから先……いえ、これは言わないほうが良いですね』

 

「うんうん、言ったらショックを受ける人がいるからね」

 

アリシアとアネモネはこれから先のことをちょっと知ってる感じなのか?だとしたら頑張らないとな。

 

「空、これから私達は……」

 

「とりあえずこっちでやるべきことはやらないとな」

 

バーテックスとの戦いは終わっていないからな。そのためには僕も、それに若葉達も鍛えなければいけないしな

 

「大体のことは説明できたかな」

 

『そうみたいですね。それと巫女お二人、よろしいでしょうか?』

 

「はい?」

 

「えっと、なんですか?」

 

アネモネがひなたと水都の二人に声をかけた。すると二人の持っている鍵が浮かび上がり、錫杖に形を変えた。

 

「これは……」

 

「なのはさんやフェイトさんみたいなデバイス……」

 

『喋ることは出来ませんが、巫女の力を扱う際にサポートをすることが出来、癒やしの力の他に補助的な事ができます。それに体への負担も少なくなっていますのでご安心を』

 

「これはいいですね」

 

「うたのんたちのことを守ってあげられる……」

 

二人は本当に嬉しそうだな。とりあえず大体の説明も終わったことだし……

僕はアネモネを持ち、外に出た。

 

「みんなは今日のところは休息な。歌野と水都の部屋は空いてる場所があるからそこを使うように、アリシアは……」

 

「う~ん、折角だからフェイトがお世話になったことだし、千景の部屋にお世話になるよ」

 

「勝手に決めないでもらえないかしら……」

 

「駄目なの?」

 

アリシアは目をうるませながらいうと、千景はため息を付いた。

 

「強引に押し切られそうね……わかったわ」

 

「わーい」

 

部屋割りは決まったことだし、大社に報告して、あとは……

 

「アネモネ、ちょっと魔法の練習に付き合ってもらうぞ」

 

『えぇいいですよ。魔力弾関係ですか?砲撃関係ですか?』

 

「その両方。技のバリエーションを増やしたいし、それに出来れば……収束砲を撃てるようになりたいな」

 

『ブレイカーですか、良いかもしれませんね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大社にはそれとなく事情を説明、人々には生存者発見などの発表を行われるのであった。

 

そして月日が経ち……僕らは新たな戦いに巻き込まれるのであった。

 




次回、AS編スタートです

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