時空管理局本部
僕らは戦いを終え、フェイト、若葉、クロノと共に医務室でなのはの様子を見ていた。
ひなたの話では突然なのはの胸から誰かの手が伸び、何かの結晶みたいなものから何かを吸い取っていたみたいだった。
「リンカーコアから魔力を吸い取ったって感じだな。命に別状はないがしばらくは魔法を使うことができない」
クロノの言葉を聞いて、僕らは安堵していた。にしても……
「あいつらは何者なんだ?」
「わからない。だが襲撃者の使っていた結界はミッド式のものじゃなかった」
「あの襲撃者……シグナムという人はかなり強かった。切り札を使って戦っても私は勝てていたかどうか……」
若葉がそう言うなら本当にそうかもしれないな。ただ僕としては気になったのは……
「アネモネ。悪いけど映像を出してもらいたい」
アネモネから映し出されたのは僕が戦った三人組だった。
「彼女たちは?」
「襲撃者たちの仲間みたいだけど……格好を見る限り勇者っぽいな。おまけに……」
何故か僕を見て驚いていたし……
「彼女たちは君たちの仲間じゃないのか?」
「それだったらちゃんと話すよ」
「だとしたら……」
「気になることはもう一つ、私の名前を聞いてシグナムは反応していた」
僕を見て、若葉の名前を聞いて反応……一体彼女たちは何者なんだ?
そうこうしているうちになのはが医務室から出てきた。
「空さん、みなさん……」
なのはは特に体に異常はないみたいだけど、暗い顔をしていた。やっぱりレイジングハートとバルディッシュの事が気になるんだな
「大丈夫だ。僕らが来たんだから……」
「は、はい……」
「そういえば空」
「何だ?フェイト」
「聞いたんだけどもうひとり仲間がいるって……」
仲間……そういえばあいつはどこに行ったんだ?
千景SIDE
用意された部屋で物陰に隠れるアリシア。何で隠れる必要があるのかしら
「アリシア」
「な、何?お姉ちゃん……」
「フェイトとプレシアに会いに行くわよ」
「えっと……それは……」
いつもと違い弱々しい。まさかと思うけど……
「どんな顔をして会えば良いのかわからないって感じかしら?」
「う、うん……」
本当にサプライズだの何だの言っていたくせに……私はため息をつき、アリシアの頭を撫でた。
「私だって両親のことを聞いて……みんなにどんな顔をすれば良いのか分からなかったの。でも貴方はそんな時に言ってくれたじゃない……きっとみんな、優しく向かえてくれるって……それにあの人も……」
「お姉ちゃん、惚気はいいから……」
だって両親の件で私はどうしたらいいのか分からなかった時に……彼は……
「優しく向かえてくれるか……そうかもね。それじゃ会いに」
『千景、今大丈夫?』
アリシアが立ち上がろうとした時、扉越しからフェイトの声が聞こえた。
「えぇどうしたの?」
『何だか空から行くようにって、それも母さんと一緒に』
『何かあるのかしら?』
「えぇとりあえず入ってきて」
私がそういった瞬間、アリシアは逃げ出そうとしたが、私は逃げられないように腕を掴んだ。
「お邪魔しま……」
「……嘘……」
フェイトとプレシアはアリシアのことを見て驚きを隠せないでいた。それはそうよね
「えっと……あはははは……こういう時なんて言ったら良いのかな?」
「ただいまで良いんじゃないの?」
「そうだよね……フェイト、ママ。ただいま」
「「アリシア!!」」
フェイトとプレシアはアリシアのことを抱きしめた。ここにいたら邪魔になるし、外に出ると
「貴方は行かないの?」
「千景……まぁ今は親子の再会だからさ」
アルフは三人の様子を見ながら涙を流していた。本当に良かったわね。フェイト
須美SIDE
私達はシグナムさんたちと一緒にある場所へと帰っていた。
「おかえり。何や園子ちゃんと銀ちゃんの二人ボロボロやけどどうしたんや?」
出迎えてくれたのはこの家の主である八神はやてであった。
「えっと……」
「ちょっと二人して転んで」
「あかんよ。気ぃ付けなきゃ……すぐに救急箱を」
「あ、それでしたら私が」
シャマルさんがそう言って救急箱を取りに向かった。するとシグナムは……
「怪我は大丈夫そうだな」
「まぁ、何とかだけど……」
「あの人強かったね~」
銀とそのっちの二人は私達が戦った彼のことを話した。正直彼はものすごく強かった。それに怖かった
とりあえず私達ははやてが作ってくれた夕食を食べ、自分たちの部屋に戻った。
「なぁ須美、あの人、なんなんだ?」
「わからないわ。でも服装を見る限り勇者みたいだったし、それに……」
「それに?」
「あの人の名前……上里って言うんだけど……」
「上里……」
「よっくんと同じだね~」
そのっちの言う、よっくん。私達と同じクラスの子であり、私達のサポートをしてくれる男の子。彼はこの場に来ていれば何かしらの話を聞けるのだが……
「もう一度あの人に会えないものかしら」
「そしたら色々と話を聞けるね~」
「それにしても……私達はいつになったら帰れるんだろうな……まぁ私は帰れるかどうか……」
銀が明るく言うが、私とそのっちは涙を必死にこらえていた。銀はバーテックスとの戦いで私達を守るために必死に戦った結果……
「おいおい、須美も園子もそんな顔するなよ……」
「だって~」
「悪いかったな。ほら、私と園子は後でシャマルさんに治療しに行こうな」
「うん……」
正直どうしてこの世界に来てしまったのかわからない。やはりあの人とまた会えば……まぁそうそう会えるかどうか……
シグナムSIDE
「それじゃシグナムちゃんが戦ったのは」
シャマルがカートリッジに魔力を込めながら驚いていた。私が戦った少女……彼女は乃木と同じ名字だった。だとしたら……
「何かしらの関係者だと思えるが……」
「あの子達の関係者……あの子達が来た世界では魔法についても知っていたのも気になるけど……」
彼女たちいわくサポート役の人間は魔法を使えるらしいが、どういった理由なのかは彼女たちは知らなかったみたいだった。
「シャマルも危なかったな」
「まぁ、かすり傷ですけど……」
シャマルは白い魔導師から蒐集した時、どこからともなく矢が飛んできたり、更には魔力弾が襲ってきたらしい。
「彼女たちも勇者であるならば……また戦うことになるだろうな」
「シグナムちゃん、嬉しそうね」
「あぁあの金髪の魔導師の一撃も、若葉の一撃も素晴らしいものだった」
金髪の魔導師から一撃を受け、若葉の一撃でレヴァンティンに小さなヒビを入れられたのであった
最初は彼らを出そうかなと思いましたが、やめました。