上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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26 それぞれの思い

12月23日。

 

すずか『明日の終業式の帰りの件。みんな大丈夫ですか?』

 

フェイト『はやてにプレゼントを渡しに行くんだよね』

 

なのは『でも、内緒で行って大丈夫かな?』

 

アリサ『まっ、もし都合が悪かったら、石田先生に渡してもらえばいいし』

 

すずか『あの人達も誘ってみよう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須美SIDE

 

12月24日。はやての病室。

 

私達三人とシグナム、シャマル、ヴィータがお見舞いに来ていた。

 

「はやて…ごめんね。あんまり会いに来れなくて」

 

「ううん。元気やったか?」

 

「めちゃめちゃ元気!」

 

何だか微笑ましい光景だった。この光景をどうにかして守らないと……

 

「こんちには」

 

ドアの向こうから、すずかの声が聞こえた。シグナム達は焦っていた。きっと連絡がなかったから来ないものかと思っていたのかもしれない。

 

「あれ?すずかちゃんや。はーい、どうぞ」

 

「こんにちは」

 

ドアが開かれて、すずかと他にも友達が病室に入ってきた。

 

「あ、今日は皆さんお揃いですか?」

 

「こんにちは、はじめまして」

 

「「あっ!?」」

 

中に入ってきた友達の中に見覚えのある人たちがいた。彼女たちは空さんの……

 

「えっ!?」

 

シャマルたちも驚きを隠せないでいた。そして空さんと夜空くん、杏さん、珠子さんは思いっきり顔をそむけていた

 

「あ、すみません。お邪魔でした?」

 

「い、いや、そういうわけじゃ……」

 

「本当に驚きました。いらっしゃい」

 

シグナムとシャマルはなんとか誤魔化す

 

「なんだ。よかった」

 

「驚かせてすみません」

 

「ところで今日はみんなどないしたん?」

 

はやてがすずか達に尋ねた。すずかとアリサは、笑顔で互いに顔を見合わせ、

 

「せーの!」

 

二人は同時に、コートで隠していたプレゼントを出した。

 

「サプライズプレゼント!」

 

プレゼントをはやてに差し出した。はやては嬉しそうな笑顔になる。

 

「今日はイヴだから、はやてちゃんにクリスマスプレゼント」

 

「わあ、ほんまか。ありがとうな」

 

お礼を言いながら、はやては二人からプレゼントを受け取った。

 

「みんなで選んできたんだよ。後で開けてみてね」

 

アリサ達は楽しそうに話をしている。ヴィータはまだなのはを睨んでいて、なのはは困った顔をしている。隣にいるフェイトも同じ表情をしている。

 

「ああ、みんなコートを預かるわ」

 

シャマルがみんなのコートを預かるのであったけど、この状況どうしよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

空SIDE

 

なのはたちに誘われて、はやてのお見舞いに来たのはいいけど……まさかの遭遇だった。

夜空も杏も珠子もどうしたらいいのか分からないでいる中、僕はシグナムに声をかけた

 

「なぁ何で今日いるんだよ」

 

「す、すまない……主に心配をかけたくなくって……」

 

「だからって、ほら、ヴィータだっけ?あいつ睨んでるからな」

 

「えと…あの…そんなに睨まないで…」

 

「睨んでねーです。こういう目つきなんです」

 

そんなヴィータをはやてが怒った。本当にこれはもう誤魔化しようがないな。

すずかたちが出ていったあと、シグナム達は近くのビルで話があるといい、僕は待機している若葉たちに連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くのビルでシグナム達はなのはたちに事情を話した

 

「はやてちゃんが、闇の書の主…」

 

シグナム達から話を聞いたなのはが呟いた。フェイトも困惑の表情を浮かべている。

 

「悲願は後わずかで叶う」

 

「邪魔をするなら、はやてちゃんのお友達でも」

 

「待ってください」

 

須美が話に割り込んできた。きっとこの状況をどうにかするために……

 

「これ以上は戦う必要は……」

 

須美が言い掛けた瞬間、ヴィータがグラーフアイゼンを須美に向けた。

 

「悪いが、アタシたちはもう止まることが出来ないんだ」

 

「シャマル、離れて通信妨害をしていろ。須美、私達はもう後戻りはできない」

 

シグナムがレヴァンティンを抜き、なのはたちが身構えた

 

「我ら守護騎士は…主の笑顔のためならば、騎士の誇りさえ捨てると決めた」

 

シグナムがバリアジャケットに着替えた瞬間、珠子が攻撃を仕掛けた。

 

「タマっち先輩!」

 

「事情を聞いてからどうにも苛ついてたんだよな……それにさっき後戻りができないだのなんだのって……」

 

珠子は切り札を発動し、シグナムたちに向かっていく。シグナム達は攻撃を避けていく。

 

「ふざけんな!!」

 

「うるせぇ!!」

 

ヴィータがグラーフアイゼンで珠子を殴りかかる。珠子は防ごうとせずただ直撃を食らった。だがそれでも珠子は立ち続けていた。

 

「じゃあどうすればいんだよ!!あたしらはそいつらや他の魔導師を襲ったんだ!!今更協力してくれるわけ……」

 

「してやる!!タマに任せタマえ!!」

 

珠子が力強く答えた瞬間、ヴィータは思いっきりひるんだ。

 

「いくらでも協力してやるし、それに闇の書とやらを完成だって……タマが管理局の魔導師に言って協力させる!たった一人の女の子のために手伝ってくれって」

 

全く珠子は……

 

「仕方ない。話を聞かないやつがいたら僕がぶっ飛ばしてやる」

 

「まぁあくまで協力者ということですからね。僕らの場合は特に怒られることはないですもん」

 

「それだったら私達も」

 

「うんうん、手伝うよ~」

 

「それに困ってる奴らがいるんだから協力しないやつはいないからな」

 

僕らも珠子の意見を聞き、協力すると伝えた。シグナム達は武器をおろしていた。もうこれ以上は戦う必要はないな。

そう思った瞬間、僕らはバインドで縛られた

 

「これは!?」

 

「拘束完了」

 

「よくやった」

 

僕らの前に仮面の男が二人現れた。

 

「では、始めるとするか」

 

仮面の男が右手を上げた。すると闇の書が現れた。

 

「いつの間に!?」

 

シャマルが驚く中、杏が仮面の男二人を睨みながらあることを告げた

 

「二人いたんですね。いえ、当然ですよね。ロッテさん、アリアさん」

 

杏の言葉を聞いて、僕らは驚いていた。この二人がリーゼさんたちだっていうのか?

 

「離れた場所を一瞬のうちに移動することはどう頑張っても無理ですよね。だから思ったんです。きっと二人いるって、それにグレアムさんが昔闇の書事件に関わっていたことを聞いたんです。もしかしたらこれは……」

 

「こいつ、気づいていたのか」

 

「く…構うな。何を知っていても、今の状態では我々の邪魔はできん」

 

闇の書が開くと紫色に光る。

 

「う…うああっ!!」

 

シグナム達から、それぞれ光の玉が現れる。

 

「最後のページは、不要となった守護者自らが差し出す」

 

「あああああ!!」

 

シャマルが闇の書に蒐集され、姿が消えた。次にシグナムの蒐集が始まる。

 

「ああああ!!」

 

シグナムたちが消えていく。

 

「何なんだ?何なんだよテメーら!?」

 

「プログラム風情が、知る必要はない」

 

「くそが!切り札発動!!」

 

 


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