上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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27 目覚めたもの

切り札を発動し、バインドを破った僕は、仮面の男二人に向かっていくが、

 

「お前と戦うのは骨が折れる」

 

「それだったら……もう二度と破られないように何重にも縛り上げておこう。バインド」

 

いくつものバインドで縛り上げ、更にはチェーンバインドで僕を振り回していき、そのまま屋上へと放り投げた

 

「やばっ!?」

 

「さよならだ」

 

「空!?」

 

「空さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上から落とされた僕は何とかバインドを破ろうとするが、中々それができない。このまま落下の衝撃で僕は……

 

「切り札発動!!一目連!」

 

聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、誰かが僕をキャッチしてくれた。

 

「友奈!?」

 

「じっとしていなさい」

 

更に千景が大鎌でバインドを切り裂いた。普通魔法での拘束を切れないだろ

 

「拘束系の無効化。どう頑張っても?千景姉」

 

アリシアが笑顔でそう言ってきた。なるほどな。アリシアの補助魔法なら……

 

「空、何があった?」

 

「かくかくしかじかで結構やばい状況だ」

 

ひなたから教わったけど、かくかくしかじかは本当に便利だな。一発で説明できるなんて

 

「闇の書が完成……」

 

「それに伊予島さんの推理だと仮面の男の正体は……」

 

「ほとんどはそのグレアムって言う人がブラックカーテンってことね」

 

「うたのん、ブラックカーテンって」

 

「黒幕って言うことですね」

 

「とりあえず急いで戻らないと……」

 

その時屋上から爆発音が聞こえ、全員で空を見上げた瞬間……

 

「あれは!?」

 

空には巨大な生物が三体いた。まさか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空SIDE

 

仮面の男二人ははやてを連れ出し、目の前でヴィータとザフィーラを消し去り、闇の書を完成させた。

そしてその依代とされたはやては銀髪に黒い羽をはやした女性に変えた。

 

「はやて……ちゃん?」

 

「なのは、今は……」

 

「勇者確認!封印解呪の条件に基づき、封印を解呪!」

 

女性は闇の書を広げた瞬間、3つの光を僕らの前に出した。3つの光は形を変え続けていき……

 

「あれって!?」

 

「そんな!?」

 

「おいおい、まさかと思うけど……」

 

「封印がどうとか言ってたけど……まさか闇の書に封印されていたって言うことか?」

 

僕らの目の前に現れたのは銀を殺したスコーピオン、サジタリウス、キャンサーのバーテックスだった。こんな状況で出てくるなよ!!

 

「須美、銀、園子……こいつらは僕がなんとかする。お前らは……」

 

「ううん、一緒に戦おう」

 

「ミノさんの仇だもんね」

 

「まぁ生きてるんだけどさ……とりあえずリベンジだ!!」

 

「夜空君……」

 

「なのはたちはあれをどうにかしろ!」

 

「気をつけて」

 

なのはとフェイトの二人は闇の書の意思に向かっていくのであった。

 

「全員!気を引き締めろよ!」

 

 

 

 

 

 

 

杏SIDE

 

夜空君たちがバーテックスに挑む中、タマっち先輩は闇の書の意思に向かっていった。

 

「お前!!」

 

タマっち先輩の攻撃を闇の書の意思は障壁で防ぎ

 

「また、全てが終わってしまった。決して終わらせる事が出来ない悲しみ…」

 

闇の書の意思は涙を流しながら言った。闇の書は片手を上に掲げると、黒い球体を作り出した。

 

「デアボリック・エミッション」

 

闇の書の意思の言葉の後に、黒い球体が大きくなっていく。

 

「空間攻撃!」

 

「闇に…染まれ……」

 

黒い球体はどんどん大きくなる。なのははフェイトの前に出て、障壁を展開した。何とか、防ぎきったなのはたちはビルの陰に隠れていた。私はタマっち先輩が炎の盾で守ってくれたけど、タマっち先輩はもう限界に近い

 

「なのは、ゴメン。ありがとう。大丈夫?」

 

「うん。大丈夫」

 

「あの子、広域攻撃型だね。避けるのは難しいかな。バルディッシュ」

 

フェイトはバリアジャケットを変えた。レイジングハートをなのはに渡す。

 

「……はやてちゃん」

 

「なのは!」

 

「フェイト!」

 

ユーノとアルフが二人の所にやってきた。直後、突風が起こり、街を何かがスッポリと覆った。

 

「前と同じ、閉じ込める結界だ」

 

「やっぱり、私達を狙ってるんだ」

 

「今、クロノが解決法を探してる。それにプレシアさんも」

 

「母さんも?」

 

「それまで、僕達で何とかするしかない」

 

「うん」

 

「タマっち先輩……下がってて、ここは私が」

 

「杏……タマはまだ」

 

「もう限界だよ。ユーノ君」

 

「は、はい」

 

タマっち先輩をユーノくんに任せた私は、前へと出て

 

「切り札発動!雪女郎!」

 

切り札を発動し、闇の書の意思の動きを封じていく。それにバーテックス三体の動きを……

 

「範囲を絞りつけていけば……」

 

「無駄だ!」

 

闇の書の意思がそう呟いた瞬間、空から無数の矢が降り注いできた。私は避けるが足に何本か矢が突き刺さった

 

「痛っ!?」

 

「杏!?あの野郎!バーテックスを操れるのかよ!」

 

「長い間封印していたから……洗脳したのかな?でもそれでもまだ……」

 

更に矢が降り注ぎ、タマっち先輩、なのはちゃん、フェイトちゃん、ユーノ君、アルフさんが防いでくれたけど、尻尾付きのバーテックスが私達を薙ぎ払った。

 

倒れた私達。矢を放ったバーテックスは私達に向けて巨大な矢を向けた。

 

「うくっ……」

 

もう終わり……なの?私は目をつぶった瞬間

 

「目をつぶるなよ!最後まで」

 

目を開けた瞬間、7つの魔砲がバーテックスに直撃させた。

 

「空……さん」

 

「さぁて……バーテックスに闇の書か……相手に不足はない!」


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