夜空SIDE
なのはとフェイトの二人の魔砲が闇の書に直撃した瞬間、闇の書にあった場所に白い球体が、そして海の方には黒い球体が現れた
「お~い、夜空~」
すると銀たちが何だか巨大な円盤に乗ってやってきた。
「状況は?」
「えっと……闇の書と防御システムを切り離したって言うことでいいのか?」
「うん、はやてちゃんの言うとおりなら」
「だとしたらあそこにあるのは……」
若葉さんは黒い球体の方を見つめた。あれが防御システムだとしたら……
すると白い光の周りに、4つの魔法陣が展開された。
「おいで…私の騎士達…」
「我等、夜天の主の下に集いし騎士」
「主在る限り、我等の魂尽きる事無し」
「この身に命在る限り、我等は御身のもとに在る」
「我等が主、夜天の王、八神はやての名の下に」
「シグナム!」
「ヴィータちゃん!」
復活したシグナムさん達を見て、なのはたちは嬉しそうにしている。更に白い光から声が続く
「リインフォース。私の杖と甲冑を」
「はい」
はやては黒いバリアジャケットを見につけ、杖を手にした。直後、光は消えて、中からはやてが姿を現した。
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風リインフォース。セーットアップ!!」
髪の色が変わり、騎士甲冑をイメージしたようなバリアジャケットを身に纏い、背中には翼のようなものが生えた。
そしてその両隣には空さんと友奈さんの二人がいた。
空SIDE
「戻ってこれたな」
「うん」
はやてのおかげで戻ってこれた僕ら。するとはやてたちは……
「はやて…」
ヴィータは目に涙を浮かべている。はやては優しく微笑んだ。
「すみません」
「はやてちゃん……あの…ごめんなさい」
シグナムとシャマルが、はやてに謝った。はやては首を横に振った。
「ええよ。みんなわかってる。リインフォースが教えてくれた。そやけど細かい事は後や、おかえり。みんな」
「う……うあああああ!!」
はやての温かい言葉を聞いた後、ヴィータが泣きながら抱き付いた。
「はやて!はやて!はやてぇぇぇぇ!!」
涙を流しながら、ヴィータははやての名前を叫んだ。はやては優しくヴィータを抱いて、頭を撫でた。
「なのはちゃんとフェイトちゃんもゴメンな。ウチの子達がいろいろ迷惑掛けてもうて」
「ううん」
「平気」
「空、傷が治ってないか?」
「そういえば……」
「あぁこっちに戻る時に治せるかなって思って治したんや」
はやてのおかげということか……するとクロノとアリシアがこっちにやってきた。
「すまないが、ゆっくり話している時間はない」
「あと数分であの闇の書の防衛プログラムが後数分で暴走を開始しちゃうの。どうにかして止めないと……」
「停止のプランは現在二つある」
クロノは待機状態のデュランダルを取り出した。
「まず一つは、極めて強力な氷結魔法で停止させる。二つ、軌道上に待機してあるアースラの魔導砲『アルカンシェル』で消滅させる」
「これ以外に他にいい手はないか?」
クロノが他に意見を求めた。シャマルが手を挙げた。
「えーと…最初のは多分難しいと思います。主のない防衛プログラムは、魔力の塊みたいなものですから」
「凍結させてもコアがある限り、再生機能は止まらん」
「アルカンシェルも絶対ダメ!こんな所でアルカンシェル撃ったら、はやての家までぶっ飛んじゃうじゃんか!!」
「そ…そんなに凄いの?」
「発動地点を中心に、百数十キロ範囲の空間を歪曲させながら、反応消滅を起こさせる魔導砲。っていうと大体わかる?」
「あの、私もそれ反対!」
「同じく!絶対反対!!」
「僕も艦長も使いたくないよ。でもあれの暴走が本格的に始まったら被害はそれより、遥に大きくなる」
『はい、みんな!あと十五分しかないよ』
どうにも話がまとまらなくなってきたな。それにあの防衛システムには……
「バーテックスもいるから、かなり厳しい戦いになるけど……」
「勇者の力でって言うのも無理そうですからね……」
僕と夜空も思いつかないでた。すると珠子があることをいい出した
「あぁもう、適当な場所まで誘導してぶっ飛ばすとかできないのかよ!」
「タマっち先輩……そんな単純なことじゃ……あれ?」
すると杏が考え込んだ。何か思いついたのか?
「クロノくん……聞きたいことがあるんだけど、アルカンシェルはどんな場所でも撃てるものなの?」
「えっ?それは……」
「杏、方法が見つかったのか?」
「はい、この場所で撃つのはだめだけど……アースラがある宇宙空間で撃てば……」
なるほど、それなら確かに被害は少ない。でも……
「可能なのか?」
『管理局のテクノロジー、ナメてもらっちゃ困りますなぁ。撃てますよ。宇宙だろうが、どこだろうが!』
エイミィが通信で自信満々に答えた。
「オイ!ちょっと待て君ら!ま…まさか……!」
「クロノ、やって見る価値はあるだろ」
「でも、あのバーテックスとかいうのは?」
「それは私達の出番だ。空、出し惜しみをしている場合じゃない」
「うん、私達も全力全開で」
若葉と友奈の二人は力強い目でこっちを見た。出し惜しみはなしだな。
「あぁ全力でやっていいぞ。須美たちもな」
「はい」
「みんなで一気にいっくよー!」
「それじゃ早い所始めようぜ」
「個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだが……やってみる価値はある」
「防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合四層式。まずはソレを破る」
「バリアを抜いたら本体がむけて、私達の一斉攻撃でコアを露出」
「そしたらユーノ君達の強制転移魔法で、アースラの前に転送!」
アースラ
「まぁ、発想がすごいわね」
リンディは驚き半分呆れ半分の、複雑な笑みを浮かべた。
「計算上では実現可能というのが、また恐いですね」
「だけど賭けてみましょう。彼女たち魔導師と勇者たちの力を!アルカンシェル!チャージ開始!」
全員が持ち場に着くと、僕、須美、園子、銀、友奈、若葉、夜空は並び立ち……
「それじゃ行くぞ!」
「「「「「カートリッジフルロード!!」」」」」
「「切り札発動!!」」
「「「「「満開!!」」」」」
「大天狗!!」
「酒呑童子!!」
若葉と友奈の切り札……これまで使ってきたものよりも大幅に強化され、発動すれば何者にも負けない切り札。
須美たちは神秘的な衣装に変わり、園子は巨大な船、銀は4つの巨大な腕に4つの斧が握られた姿に変わった。
夜空は友奈の酒呑童子と似たような姿に変わったが、右手にはランディニと左手には巨大な金棒を持った姿に変わった。
僕は9本の尾に、槍とアネモネが一つになった槍杖が握られた。
「僕らの満開は須美たちと違うみたいだな」
「僕らの場合は魔法との融合ですから……精霊ベースの方が扱い易いみたいですよ。空さんは九尾、僕は大嶽丸みたいですね」
とりあえずこれで僕らの準備は完了だ。
防衛プログラムの周辺に数本の禍々しい黒い柱が立つ。防衛プログラムが暴走を開始する。
「夜天の魔導書を、呪われた闇の書と呼ばせたプログラム。闇の書の『闇』」
はやてが呟いた。黒い球体が消え、中から防衛プログラムが姿を現した。カニのような足があり、カラスのような黒い翼が生えていて、獣のような鋭い爪を持った前足、幾つかの動物を合わせたような機械の怪物だった。頭部には、紫色の女性のようなモノがあった。
更にはキャンサー、スコーピオン、サジタリスが一つになったバーテックスが防衛システムに並び立った。
「あっちはコアが再生とかなさそうだな」
「あのバーテックスは防衛システムと繋がっとるから、防衛システムのコアを破壊すれば」
「ならやることは簡単だ!」
「チェーン・バインド!!」
「ストラグル・バインド!!」
アルフのオレンジ色のバインドと、ユーノの緑色のバインドが、防衛プログラムの周りにある尻尾のようなモノを捕らえる。
「鋼のくびき!!」
ザフィーラから白い魔力の線が出る。白い線は複数の尻尾を斬った。
「レイジングハート!エクセリオンモード!!」
レイジングハートの形が変形する。ヴィータがグラーフアイゼンを構えて近寄る。
「ちゃんと合わせろよ!高町なのは!!」
「ヴィータちゃんもね!!」
「『鉄槌の騎士』ヴィータと、『鉄の伯爵』グラーフアイゼン!!」
グラーフアイゼンは巨大なハンマーになる。
「轟天爆砕!!ギガント・シュラァアアアク!!!」
巨大ハンマーを、防衛プログラム目掛けて振り下ろす。防衛プログラムはバリアを張って、巨大ハンマーとぶつかる。衝撃で波が荒れる。バリアは、ヴィータの巨大ハンマーによって砕かれた。
「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン、行きます!」
足下に桜色の魔法陣を展開する。カートリッジロードをする。レイジングハートから桜色の翼が出る。防衛プログラムに向けて構える。
「エクセリオンバスター!!ブレイク・シュート!!!」
桜色の閃光を放ち、防衛プログラムのバリアに直撃した。桜色の閃光はバリアを破った。
「『剣の騎士』シグナムが魂、『炎の魔剣』レヴァンティン!刃と連結刃に続く、もう一つの姿」
鞘とレヴァンティンを合わせる。撃鉄を起こして、レヴァンティンと鞘は合わさって『弓』になった。
魔力で矢を作り、防衛プログラムに向けて構える。
「翔けよ、隼!!!」
矢は紫色に輝き、防衛プログラムに向かって放たれた。バリアに当たった矢は爆発し、バリアを砕いた。
「バルディッシュ!ザンバーフォーム!!」
「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュザンバー!行きます!!」
足下に金色の魔法陣が展開される。バルディッシュを上に掲げ、撃鉄を起こす。
「撃ち抜け、雷神!!!」
バルディッシュを振り下ろし、金色の魔力刃が伸びる。伸びた金色の魔力刃は、バリアを破って防衛プログラムを斬った。防衛プログラムからミミズのようなモノが現れ、光線を放とうとしていた
「『盾の守護獣』ザフィーラ!攻撃など撃たせん!!」
ザフィーラが白い魔法陣を展開する。白い魔力の柱が、攻撃を阻止した。
すると今度は合体バーテックスが無数の矢を放とうとしてきたが、珠子と銀が前に出て
「撃たせて!」
「たまるか!!」
珠子は炎をまとった旋刃盤を銀の前に出し、銀はそれを盾にしながら突き進み、四本の斧で矢の発射口を破壊した。だが……
「こいつ、再生しているぞ!」
「なら……切り刻むだけね」
「そのためには動きを封じないとね」
「それだったらアリシアちゃん」
「OK」
アリシアが歌野に強化魔法をかけると、歌野の鞭は巨大なものに変わり、バーテックスを縛り上げた。更に杏の雪女郎でバーテックスの傷口を氷で覆い、千景が切り刻んでいく
「あいつら、えげつないことをするな……」
「切り刻んで、再生しようとしたところを凍らせるって……」
杏たちが離れると、バーテックスは巨大な盾と巨大な尻尾を構え始めた。
「友奈!あれを打ち破れるか?」
「うん、任せて!全力全開の!」
友奈は拳を構え、巨大な盾に向かっていく
「勇者パンチ!!」
友奈の一撃で盾はすぐに破壊され、更に若葉は巨大な尻尾を切り刻んでいく
「止めを頼んだぞ!」
攻撃や再生を封じられたバーテックス。すると園子が船からオールみたいなものを発射し、突き刺していく。
「わっしー、お願いね」
「えぇ、銀の仇よ!!砲撃!」
バーテックス目掛けて放たれた巨大な砲撃。バーテックスはところどころ穴だらけになり行動不能になった。
「彼方に来たれ、宿り木の枝。銀月の槍となりて撃ち貫け!!」
はやては白い魔法陣を展開する。防衛プログラムの上空に、七ツの白い光を出す。
「石化の槍、ミストルティン!!!」
白い槍は防衛プログラムを貫き、防衛プログラムを石化させる。すると、石化した防衛プログラム内から、獣の顔をした機械やら尻尾やらが無茶苦茶に出てきた。
「うわ!?なんか凄い事になってるよ!」
『やっぱり並の攻撃じゃ通じない!』
「だが、攻撃は通っている。プラン変更はなしだ!」
クロノが氷結の杖・デュランダルを構えて、エイミィに応えた。
「悠久なる凍土、凍てつく柩の地にて、永遠の眠りを与えよ」
クロノがデュランダルを振った。直後、海が凍っていく。
「凍てつけ!!!」
そのまま防衛プログラムまで凍らせた。
「それじゃやるぞ!!」
「はい!」
僕と夜空は並び立ち、デバイスを構えた。
「行くよ、フェイトちゃん、はやてちゃん!」
「うん!」
なのはの言葉に、二人は頷いた。なのはの前に魔法陣が展開され、桜色の魔力が集束される。
「全力全開!スターライト――」
「雷光一閃!プラズマザンバー――」
足下に金色の魔法陣を展開し、バルディッシュを構える。空から紫色の雷が落ちて、金色の魔力刃に当たる。はやては杖を空に掲げて魔力を溜める。
「ごめんな…おやすみな……」
防衛プログラムを見つめ、はやては辛い顔をして呟いた。
「響け終焉の笛、ラグナロク――」
「フルテイル!」
「黒き咆哮!!すべてを砕け!!シャドウ・オーガ!!」
「「「「「ブレイカーーーーーーーーー!!!!」」」」」
5つの閃光が防衛システムに直撃し、大爆発が起きた。これ……下手すれば地形が変わりそうだな……
「捕まえた!」
シャマルが防衛プログラムのコアを捕らえた。
「長距離転送!」
「目標軌道上!」
「転送!!!」
シャマル、ユーノ、アルフの三人によってコアは転送された。
「アルカンシェル、バレル展開!」
キーボードを操作しながらエイミィが言った。リンディの前に発射装置が現れた。
「命中確認後、反応前に安全距離まで退避します。準備を!」
「了解!」
「アルカンシェル発射!」
キーを回す。アースラからアルカンシェルが発射された。光の中に飲み込まれ、コアは完全に消滅した。
『現場のみんな、お疲れ様!無事に終了しました!』
エイミィからの知らせを聞いて、みんなが喜び合う。結構きつい戦いだったな。バーテックスも処理できたし……
「本当にすごいものだね。人の子は」
全員が喜び合う中、聞き覚えのない声がその場に響いた。そして僕らは声が聞こえた場所を見るとそこには真っ赤な髪をポニーテールにした一人の少女がいた。
「平行世界からの使いをどうにかしようと思っていたけど、やるものね。流石は神に抗う人の子と魔導の子たちね」
「お前は……誰だ!?」
僕らは全員武器を構えると、少女は笑みを浮かべた
「お前たちにわかりやすく言ってやろう。この世界の天の神だ」
AS編もあと数話です。終了後は幕間を書いてStrikerS編に行きます