上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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32 それぞれの世界へ

「それじゃ先に帰るんだな」

 

「はい」

 

防衛システムとの戦いから数日が経った。僕らも元の世界に帰ることになった。

 

「本当にいろいろとありがとうね。はやて」

 

「ええんよ。須美ちゃん。またいつでも遊びにね」

 

「よっくん、そこら辺は?」

 

「まぁ大丈夫だと思うけど……」

 

「なぁ夜空、私は本当に戻っていいのか?一応死んだことになってるし……」

 

「一応前もって大赦には死んだことにしないようにって言っておいたから大丈夫だと思うけど……」

 

「僕らもそうだけど、お前らの方も頑張れよ」

 

「空さん……空さんたちも頑張ってください」

 

僕と夜空は互いに拳を合わせた。本当に未来のことは任せたぞ。夜空

 

「それじゃ帰ろうか。ランディニ」

 

『はい』

 

夜空がランディニを使い、白い扉を開いた。四人は扉の中へと入り……

 

「それじゃまた」

 

手を振りながら元の場所へと戻っていくのであった。

 

「帰っちゃったな……」

 

「まぁまた遊びに来るって言ってたしな……」

 

「せやな」

 

「それでテスタロッサたちの方は大丈夫なのか?」

 

シグナムがフェイトたちの事を聞いてきた。フェイトたちの場合は……まぁ千景が何とかしてくれるだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千景SIDE

 

アリシアの今後の事が気になり、私はアリシアの所に訪れていた。

 

「それで結局貴方はどうするの?」

 

「どうするって……」

 

「プレシアとフェイトと再会できたのだから、こっちに残っていいのよ」

 

「あ~実は言うと私ね。千景お姉ちゃんたちと一緒に残ろうと思ってるの」

 

「貴方……本当にいいの?折角……」

 

折角再会できたのだから家族一緒に住んでもいいのに……

 

「うん、このことはね。ちゃんとママたちと話し合ったの。私にはまだやるべきことがあるから……まだ帰れないって」

 

やるべきこと……バーテックスとの戦いのことね。確かに彼女の場合はそういう役目を担うようになっていたわね

 

「中途半端で終わりにしていいものじゃないから……それに空が言ってた例の存在っていうのも気になるから……」

 

「そう……」

 

この子はきっと考えて考えて、ちゃんと答えを出したんだ。だから私はこれ以上色々と言う必要はない。

 

「それにね。千景お姉ちゃんの恋人との関係が気になるから」

 

「それは気にならなくていいから」

 

「えぇ~お姉ちゃん、こっちに来てから偶に端末の写真を見てるじゃない。ものすごく会いたいんでしょ」

 

「貴方ね……」

 

呆れながら私はアリシアの頭を撫でるのであった。

 

「えへへ~そういえば聞いた?」

 

「何を?」

 

「実は……」

 

アリシアから語られたこと、それは……上里くんと高嶋さんのことについてだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空SIDE

 

帰る準備をしている中、部屋に友奈が訪ねてきた。

 

「どうしたんだ?準備終わったのか?」

 

「うん、何とか……それで……その……」

 

「ん?」

 

「この間のお返事なんだけどね」

 

「返事……」

 

返事って言われて最初は何のことか分からないでいた。頑張って思い出していくと……

 

「返事って……あっ……」

 

「空くん、忘れてたの?」

 

「いや、色々とあったから……そ、それで……」

 

「う、うん……その……私、高嶋友奈は……」

 

友奈は顔を赤らめながら、僕のことをじっと見つめた。そして友奈はずっと悩み続けて出した答えを告げた。

 

「空くんの事が好きです。だから……お付き合いしてください」

 

「友奈……」

 

僕はそっと友奈の事を抱きしめた。友奈は体を震わせていた。

 

「お付き合いしてくださいって……」

 

「えへへ、だってなんてお返事すればいいのかわからないから……」

 

「そっか……」

 

「ちゃんとみんなに言ったほうがいいよね」

 

「そうだな。特に……」

 

千景としっかり話し合わないと行けない気がするからな……

 

「空さん、少しお聞きしたことが……」

 

すると突然部屋になのはが訪ねてきた。なのはは僕らの現在の状況を見て顔を真赤にさせていた。

 

「え、えっと……お邪魔しました」

 

なのははものすごい勢いで扉を締めるのであった。何というか……申し訳ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから僕らの帰還の日、その前の日には友奈と付き合うことになったことをみんなに伝え、千景には泣かせたりしたら許さないと釘を差されたりした。

 

「今回も助かった」

 

「いいってことよ。今度はそっちから遊びに来いよ」

 

「それもいいですね。せっかくですからその時はみんなで温泉にでも入りましょうか」

 

ひなたが笑顔でいう中、なのはは僕にあるものを見せた。

 

「確かこの鍵で行けるんですよね」

 

「あぁ、あとはレイジングハートに差し込めば、何かしら出来るって聞いたけど……」

 

「それと昨日、あの神様がいい忘れたことがあるって言って……」

 

「いい忘れたこと?」

 

「はい、『他の人間に渡してもいいが、その時はちゃんと適正があるか確認するように』って」

 

適正って……何のだよ

 

「まぁ使わないことがあればいいな」

 

「はい」

 

なのはの持っている鍵……どんな力が宿っているのか気になるけど……そのうち分かるだろうな。

僕は鍵を使い、扉を出現させた。

 

「それじゃまたな」

 

みんなにそう告げ、僕らは元の世界に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前

 

海上に2つの影があった。

 

「バーテックスが合体するなんてね……本当に驚きだよ」

 

「魔法の力が混ざりあったから……」

 

「でも良かったね。これで全部だよ」

 

「あぁ……後は……」

 

「また時を渡らないとね。りっくんを元に戻すために」

 

「本当にいいんだぞ。これは僕の……」

 

「だめだよ。好きな人が苦しんでるんだから……それにその鍵が言ってたんだからさ。助けるために必要なことだって」

 

「あぁ」

 

「それじゃ行こうか。この世界の十年後あたりね」

 

 

 

 

 




次回は幕間をはさもうかと思いましたが、StrikerS編になります

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