僕、東郷、園子は突然の再会で驚きを隠せないでいる中、友奈、風先輩、樹、夏凜、スバル、ティアナたちはと言うと……
「あれ?知り合いじゃないの?」
「でも前に聞いた話じゃまだ9歳位の女の子だって……」
「どうみても私達より年上じゃない!?」
「それに……」
樹は自分の胸となのはの胸を見比べていた。いや、いちいち比べなくていいから……
「知り合いじゃないの?」
「何だか複雑な事情でもあるのかしらね?」
「えっと……なのはでいいんだよな」
「はい」
「なのちゃん、二年ですごく成長したね~」
「そのっち、二年じゃないと思うけど……」
「二年?あの夜空さんたちと会うの十年ぶりなんですけど」
「「「十年!?」」」
何なんだこの時間の違いは……すると金髪の女性と赤髪の少年、ピンク髪の女の子がこっちにやってくるのが見えた
「なのは、どうかしたの?ってもしかして夜空たち?」
「その声……フェイトでいいのか?」
「フェイタンも十年後みたいだね~」
「夜空君、もしかしてシステムの不具合で十年後の未来に転移したとか?」
「かもしれないな……」
とりあえず僕らはなのはたちに色々と落ち着いて話したいと言うと、自分たちが現在所属している舞台の部署まで連れて行ってくれることになった。
なのはとフェイトの二人に僕らは部隊長室に案内された。機動六課の部隊長……まぁなのは、フェイトと来たんだから……
「久しぶりやね。夜空さん、須美ちゃん、園子ちゃん」
やっぱりはやてだったか……というか部隊長って……
「須美って、東郷の昔の名前だっけ?」
「はい、あのはやて、今は鷲尾須美じゃなくって東郷美森なの」
「ん~なんか色々とあったみたいやね。それに一緒に来た子たちの中に見覚えのある子がおるんやけど……」
はやては友奈のことをじっと見つめていた。まぁ僕も初めてあった時は驚いたけど……
「えっと……」
「高嶋友奈さんじゃないんよね?」
「えっと、私、結城友奈です」
「何だか夜空が入部したときみたいな感じね」
「確か夜空たちが平行世界であった300年前の勇者の一人に友奈そっくりな奴がいたって話だっけ?」
「写真とかないんですか?」
写真は……僕らは持ってないな。
「なのはちゃんたちから聞いた話だと、夜空さんたちは、前に会ったときから二年後……」
「私達からしたら十年……」
「時間の流れなのかな……夜空さんたちはこの二年間何があったの?」
「この二年間……」
僕は東郷、風先輩の方を見た。二人はただ黙ったまま頷いた。話すべきだよな
「まず……色々と話す前に僕らの世界のこと話すべきだよな」
「確かバーテックスに進行されていて……夜空さんたちはバーテックスと戦ってるんだよね」
「うん、だけど僕らの世界は……四国だけしか残ってないんだ」
「四国だけって……」
「でも、空の話じゃ街は壊滅してるけどって……」
「あの天の神やね。何かしらの力を発揮したって言うことって考えてええの?」
「あぁ」
300年前、勇者たちが大規模侵攻でバーテックスと戦っている最中に隙をつかれ、四国以外の全てが炎の世界へと作り変えられた。
それから長い歴史の中でバーテックスとの戦いを繰り広げていった。
そして僕らが帰還し、少ししたあとのこと……
「それじゃ銀は……」
「あぁ大赦側は、銀を勇者から下ろすって話になった」
「それって……納得は……」
「わっしー、落ち着いて、これは別に悪いことじゃないんだよ。ミノさんは勇者じゃなくなったわけじゃなくって、ミノさんが使っていた勇者システムを改良。ミノさんには新たな勇者システムを作り上げるまでの間、休んでもらうことになってるの」
「新たな勇者システム……」
「あっちで使っていたカートリッジ式はまだ不安定だからな。負担を減らすば威力は落ち、威力をあげれば負担が大きい……安定させるために銀にはシステムの実験に付き合ってもらうことになってる。まぁそれだけじゃないけどな……」
壁の外の調査ということで、現在作られている防人システムの調整を手伝ってもらっている。それに銀には防人に選ばれた子たちの鍛錬教官をしてもらうために、今も頑張ってくれているからな。上里家に残されたトレーニングメニューを使って
「システムの安定のため、しばらくはカートリッジ無しでの戦いになるけど……二人共絶対に無理だけはするなよ」
「それは……」
「夜空くんもだよ」
言われてしまった……いや、僕は無理は……結構してるかもしれないな
「とりあえず次の戦いはかなり大きいものになるから……気を引き締めていこう」
「「おぉー」」
それからバーテックスの大規模な進行が始まった。敵の力は強大で、須美と園子は満開を使わざるおえなかった。
満開には後遺症として散華と呼ばれる体の一部が欠損してしまうものがある。
須美は二回使用し、両足の機能と記憶を失い、園子は20回満開を行い、動けない体になってしまった
僕は二人に大きな負担をかけてしまったことを悔いた……もう誰にもこんなつらい思いをさせたくない
だから……
「そんな事が……」
「でも須美は……じゃなかった。東郷は私達のことを覚えてるってことは……」
「はい、記憶は戻ってます」
「そこら辺の話もしないとね。ここにいる勇者部のみんなのことを……」
二年後
僕は勇者になる確率が最も高い讃州中学の勇者部に所属することになった。
風先輩は大赦の関係者のため、僕の事情を知っていたけど……
「えっと結城友奈です」
「あぁ、ごめん。知り合いに似てたから……」
記憶を失った須美の友達である友奈と初めて会った時は本当に驚いた。友奈さんにそっくりだったから……
そしてバーテックスの進行で友奈たちは勇者になり、僕は魔導師としてバーテックスと戦うことになった。
だけどまた大規模侵攻で、夏凜以外のメンバーは満開をしようし、散華を受けた。
そして園子は友奈と東郷の二人に満開と散華の事を話し、東郷には壁の外のことを話した。
このとき使っていた勇者システムは精霊は主を絶対に死なせないようにしているが、それは死ぬことなく戦い続けることだと気がついた東郷は、世界を破壊しようとした。
僕らは東郷を説得し、友奈の活躍によって何とかバーテックスの進行を止めることができた。
「美森ちゃんは無理するな~」
「ご、ごめんなさい」
「でも何となく分かるよ。友達のためになんとかしようとしてたのって、うちの子たちと同じやから……」
はやては守護騎士たちのやったことと東郷がやったことを重ねていた。確かに誰かのために、悪いことだってわかった上で行動するところは似てる気がする……
「それでその完全に安定した勇者システムの実験で、こっちに転移したってことでいいのかな?」
「そうなんだよ。鍵の力を使えば戻れると思ったんだけど、どうにも無理そうだし……」
「それじゃはやてちゃん」
「せやな。勇者部の部長さん」
「ん?」
「こっちにいる間でいいんだけど、協力してもらっていいかな?私達も今はある事件を追ってるんや。そのためには魔導師だけじゃなくって、もしかしたら勇者の力が必要になるかもしれへん」
「断ったら追い出すとかは?」
「しないよ。そんな事、絶対に」
フェイトは力強く答えた。すると風先輩は笑みを浮かべた
「まぁここで協力しないって言ったら部員全員に怒られるしね。それに私自身、断る気はないから!協力するわ」
こうして僕らは機動六課に協力することになった。とはいえ……
「所で夜空さんにちょっと聞きたいことがあるんやけど」
「何だよ?」
「夜空さんも年頃やから勇者部の誰かとお付き合いとかしてるん?」
はやて……お前な……
「まぁいるけど……」
「そこら辺、詳しく聞きたいな~」
何だか絶対に誂われるなこれ……僕は黙ることにしたのだった。
空たちの出番は……いつになるのか……