上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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35 空が未来に残したもの

機動六課に協力することになったのはいいけど、なぜか僕らは訓練場に来ていた。

 

「なぁ、なのは。何でこんなところに連れてきたんだ?」

 

「ほら、夜空さんたちがこれから協力することになったからみんなのことを紹介しようと思って」

 

なのはに案内された所にはスバル、ティアナの他に二人と見覚えのある二人がいた。

 

「よぉ、夜空、須美、園子じゃんか」

 

「久しいな」

 

「シグナムさん。お久しぶりです」

 

「ヴィーたんも久しぶり~」

 

「おい、園子、その呼び方やめろ」

 

「えぇ~」

 

シグナムさんとヴィータの二人は変わってないな……まぁプログラムみたいなものだから成長とかしないんだろうな

 

「機動六課の部隊についてちょっと説明するとね。スターズ、ライトニング、ロングアーチの3つに別れてるの。スターズは私が隊長で、副隊長はヴィータちゃん。ライトニングの隊長はフェイトちゃん、副隊長はシグナムさん。ロングアーチは部隊長のはやてちゃん、補佐としてリインフォースさんとリインちゃん。リインフォースさんはちょっと今度の任務の準備をしてて今はいないけど……」

 

「はじめまして、リインフォースⅡです。夜空さんたちのことは聞いてます」

 

ちっちゃいリインフォースが僕らの前に出てきた。もしかしてリインフォースの妹的な存在か?

 

「精霊って……訳じゃなさそうね」

 

「でもちっちゃくって可愛い……」

 

「風先輩、リインフォースさんはユニゾンデバイスと言って……」

 

「わっしー、それ長くなるから~簡単に言うと物凄い子なんだよ~」

 

園子、説明を面倒くさがるなよ……

 

「それで……スバルとティアナはもう会ったよね。この子達はスターズの子で、ライトニングの子たちは」

 

「はじめまして、エリオ・モンディアルです」

 

「キャロ・ル・ルシエです。この子はフリードです」

 

赤い髪の子はエリオで、桃色の髪の子はキャロで、ちっちゃい龍はフリードか……そうだよな。普通にドラゴンとかいる世界だもんな……絶対に銀あたり喜びそうだな

 

「それでちょっとお願いがあるんだけど……」

 

「お願い?」

 

「折角だから模擬戦やってもらえないかな?」

 

模擬戦って……まさかこのために僕らをここに連れてきたって言うことか。まぁ僕らの実力を見たいって言うのもあるんだろうな。僕は先輩の方を見た。

 

「面白そうじゃない。でもそっち人数が少ないけど大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「それじゃ始めるか」

 

「じゃあ私がスタートの合図をしますね。スタート!」

 

リインが合図を出した瞬間、友奈、園子はスバルへ向かっていき、夏凜、先輩はエリオのところへ、樹、僕、東郷の三人は後ろへ下がり援護することになった。

 

「ウィングロード!」

 

スバルが地面を思いっきり殴ると同時に空色の道路が出来上がり、スバルは友奈から逃げていく。自分の得意なフィールドで戦うつもりか……それだったら……

 

「シュート!」

 

僕は魔力弾を放ち、スバルの動きを止めていくが、放った魔力弾はティアナに撃ち落とされていく

 

「射撃ね。それだったら私の出番!」

 

東郷が二丁の銃を取り出し、ティアナの魔力弾を撃ち落としていく。先輩たちの方は、エリオのスピードに対して先輩が大剣でルートを防いでいって、夏凜が攻撃を仕掛けていく。園子は友奈の動きに合わせて上手くサポートに回ってるし、樹は補助に回ってるキャロの妨害……

 

「みんな上手く立ち回ってるけど……」

 

みんなの動きを見ながら、僕はあることに気がついた。どうにもみんな……特に友奈、先輩、樹の三人は攻撃することを躊躇ってるな……原因は何となく分かってる

 

逆に東郷、園子は十年前に空さんたちと戦ったし、夏凜は訓練していたからか慣れてるな。

僕はなのはの方を見ると、なのははすぐに模擬戦中止するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦が終わり、僕はなのはに呼び出された。

 

「あの子達は……対人戦の経験はないみたいだね」

 

「まぁ今まで化物と戦ってきたからな……」

 

「須美……東郷さんと園子さん、夜空さん、夏凜さんは慣れてるみたいだけど……」

 

「僕らの場合は前から経験してるし、夏凜は勇者になる前の鍛錬で対人戦を経験してるから……空さんが残してくれた鍛錬本の言うとおりにして……」

 

上里家に伝わる鍛錬本……今では勇者たちの育成に必要なものになってる

 

「そっか……実はね私も空さんからもらったものがある」

 

なのはは一冊のノートを僕に見せてきた。これって……大赦にある鍛錬本……

 

「あの戦いの後に私達は空さんたちの所に行ったの。その時、この本をもらったの。もしかしたら必要になるかもしれないって……この本に書かれたものを基盤として、今はフォワードのみんなに教導してるんだよ」

 

なのはは嬉しそうに語っていた。時間の違いで会えないけど、空さんが残してくれたものは未来で大きく役に立ってるんだな……

 

「そういえばはやてちゃんから聞いたけど、あの樹ちゃんとお付き合いしてるんだっけ?」

 

「あいつ……というかなのはもそういうのが気になるタイプか?」

 

「気になると言うか……てっきり東郷さんたち三人の誰かとお付き合いするのかなって思ってたんだよね。どういった経緯で付き合うことになったの?」

 

これは話さないといけないのか……仕方ないか……というかいつの間に僕が樹と付き合ってること知ってるんだよ

 

「なのは、誰から聞いた?」

 

「ん?はやてちゃんがそうじゃないかなって言ってたよ」

 

あの野郎……まぁなのはに話しても大丈夫そうだな

 


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