上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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37 はじめての任務

僕らが機動六課に来てから数日が経った。そんなある日、なのはからある任務に参加してほしいと言われて、ヘリに乗って移動していた。

 

「任務って……私達も来てよかったのかな?」

 

「まぁ聞いた感じだと警備の仕事だって言うらしいけど……」

 

友奈と夏凜の二人がそんな話をしている中、ヘリの窓からホテルが見えてきた。

 

「あれがホテルアグスタだよ」

 

ヘリはホテルに着き、僕らは早速警備に着くのであったのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

オークションが行われる会場の入口では、チケットを受付の男に見せて次々と人が入っていく。はやてがチケットではなく、機動六課の身分証を見せた。

 

「あっ!」

 

身分証を見た受付の男は驚いた。

 

「こんにちは。機動六課です」

 

はやて、フェイト、なのは三人がドレス姿で受付の前に立っている中、なぜか僕はスーツ、園子はドレス姿で一緒にいた。

 

「何で僕らも?」

 

「中の方にも何かしらあるかもしれないからって思って」

 

「もしものことを考えてって、事前に風に話しておいたから大丈夫だよ」

 

フェイト、そうは言うけど……こういう格好はあんまり着慣れてないんだけどな……

 

「まぁ何事もなければいいよね」

 

なのはの言う通りかもしれないけど……ふっと気がつくと来客者の中に友奈みたいな後ろ姿を見つけた。追いかけようとしたけどすぐに人並みに隠れてしまった

 

「気の所為か?」

 

「どうしたん?」

 

「いや、なんでもない」

 

「そういえば~リインフォースも来るんだよね~」

 

「そや、ちょっと遅れてるみたいやけど、夜空さんたちに会うの楽しみにしてるよ」

 

リインフォースと会うのか……まぁ楽しみにしておいてもいいな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかこんな所に来るなんてね~まぁいいや。騒動が起きたら関係ないもんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティアナSIDE

 

(今日は、八神部隊長と守護騎士団全員集合かぁ)

 

(そうね。あんたは結構詳しいわよね?八神部隊長とか副隊長の事…)

 

スバルと念話で話をしながら周辺を確認しながら、スバルに聞いた。

 

(うん。お父さんやギン姉から聞いたことぐらいだけど……。八神部隊長が使ってるデバイスが魔導書型で、それの名前が夜天の書。副隊長達とシャマル先生、ザフィーラは八神部隊長個人が保有してる特別戦力。で、それにリインフォース部隊長補佐とリインさんを合わせて七人揃えば、無敵の戦力って事。まぁこんな所かな。ティア、何か気になるの?)

 

(別に)

 

(そ。じゃ、また後でね)

 

スバルとの念話は終わり、一人考え込んだ。六課の戦力は、無敵を通り越して明らかに異常だ。隊長格全員がオーバーS、副隊長でもニアSランク。他の隊員達だって、前線から管制官まで未来のエリート達ばっかり。あの年で、もうBランクを取ってるエリオと、レアで竜召喚士のキャロ。危なっかしくはあっても、潜在能力と可能性の塊で、優しい家族のバックアップのあるスバル。そして十年前になのはさんたちと共に戦った勇者たち……

 

(やっぱり…うちの部隊で凡人は私だけか………)

 

一人で落ち込む。だけどそれでも私は立ち止まるワケにはいかないんだ。

 

そう決心していると夏凜がこっちにやってきた。

 

「真面目にやってるみたいね」

 

「任務だから……夏凜は?」

 

「ヴィータに言われて他の方の様子を見にね。まぁ気楽にやってるみたいね」

 

「気楽って……」

 

「仕方ないでしょ。私達は別に軍人とかそういう訳じゃないんだからさ」

 

「そうだけど……」

 

「でもやる時はやるから安心しなさい」

 

二人でそんな事を話していると突然クロスミラージュから警告音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャーリー!」

 

「はい!」

 

管制室にいるロングアーチのメンバーのシャリオ・フィニーノ、通称シャーリーが返事をした。管制室でも、ホテルに接近しているガジェットを感知した。ティアナがシャマルの近くまで駆け上がった。

 

「シャマル先生!私も状況を見たいんです。前線のモニターもらえませんか?」

 

「了解。クロスミラージュに直結するわ」

 

モニターを見ると大量のガジェットが姿があった。隊長たちも応戦している。

 

「私達も行くわよ!」

 

「えぇ」

 

私と夏凜はすぐにみんなと合流しに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空SIDE

 

外が騒がしくなってきた。僕と園子は互いに顔を見合わせ……

 

「なのは、僕らは外に行く」

 

「みんなことが心配だからね~」

 

「わかった。何かあったらすぐに知らせて」

 

僕らは急いで外へと出て、みんなと合流した。どうにも別方向から転移してきたみたいだし、数も多く大変みたいだった。

 

(防衛ライン!もう少し持ちこたえてね!ヴィータ副隊長が、すぐに戻ってくるから!)

 

シャマルさんが念話で、スバル達に伝えた。ティアナの表情が険しくなる。

 

「守ってばっかじゃ息詰まります!ちゃんと全部倒します!」

 

(ちょっと…ティアナ大丈夫?無茶はしないで!)

 

「大丈夫です!毎日朝晩、練習してきてんですから!」

 

そう言いながら、クロスミラージュを構える。ティアナは、エリオとキャロに顔を向けた。

 

「エリオ、センターに下がって!私とスバルのツートップでいく!」

 

「は、はい!」

 

「スバル!クロスシフトA、いくわよ!」

 

「おお!」

 

スバルはウイングロードを使って、怪物達の注意を引き付ける。その隙にティアナは、カートリッジを四発もロードした。

 

(証明するんだ。特別な才能や凄い魔力がなくたって…どんなに危険な戦いだって)

 

ティアナの周りに、複数のオレンジ色の魔力弾が現れる。

 

「私は…ランスターの弾丸は、ちゃんと敵を撃ち抜けるんだって!」

 

クロスミラージュを構える。

 

「クロスファイヤーシュート!!」

 

無数の魔力弾が放たれ、ガジェットを破壊していく。だが一発だけそれてしまい、スバルに迫っていた。

 

「まずい!」

 

僕と駆けつけてきたヴィータが魔力弾を弾こうとするが、間に合わない。だけど一発の弾丸が魔力弾を相殺した。

 

「今のって……」

 

「間に合ってよかった。」

 

東郷が銃を持ってこっちにやってきた。東郷のおかげで何とかなったけど……

ティアナは自分がやったことに関して落ち込んでいた。

 

「ティアナ…お前……」

 

「ヴィータ、今は……」

 

叱ろうとするヴィータを止めようとした瞬間、ランディニから警告音が鳴り響いた。

 

『反応確認!』

 

「反応?何のだ?」

 

僕がそう聞いた瞬間、友奈たちの端末からアラームが鳴り響いた。

 

「これって樹海化警報?」

 

「でも音がいつもと違う……」

 

「何だか嫌な予感がするわね……」

 

「こっちにはいないって……」

 

「分からないけど、やるしかないわね」

 

「ヴィータん、悪いんやけどスバルんたちを下がらせたほうがいいよ。慣れてないと危ないから」

 

「おい、まさか……」

 

森の奥からなにか白いものが無数に姿を見せてきた。あれは星屑……

 

「バーテックスがなんで!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森のなかで、紫色の髪の少女とフードをかぶった男と赤髪の少女がいた。

 

「あれは?」

 

「バーテックスだよ。まぁあの白いの星屑って呼んでるけどね」

 

「お前が呼んだのか?」

 

「そう、まぁ呼んだのはりっくんだけどね。因みにちょこっとドクターに改造してもらったけどね」

 

「目的は何だ?」

 

「う~ん、挨拶代わりかな?」


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