僕らが機動六課に来てから数日が経った。そんなある日、なのはからある任務に参加してほしいと言われて、ヘリに乗って移動していた。
「任務って……私達も来てよかったのかな?」
「まぁ聞いた感じだと警備の仕事だって言うらしいけど……」
友奈と夏凜の二人がそんな話をしている中、ヘリの窓からホテルが見えてきた。
「あれがホテルアグスタだよ」
ヘリはホテルに着き、僕らは早速警備に着くのであったのだが……
オークションが行われる会場の入口では、チケットを受付の男に見せて次々と人が入っていく。はやてがチケットではなく、機動六課の身分証を見せた。
「あっ!」
身分証を見た受付の男は驚いた。
「こんにちは。機動六課です」
はやて、フェイト、なのは三人がドレス姿で受付の前に立っている中、なぜか僕はスーツ、園子はドレス姿で一緒にいた。
「何で僕らも?」
「中の方にも何かしらあるかもしれないからって思って」
「もしものことを考えてって、事前に風に話しておいたから大丈夫だよ」
フェイト、そうは言うけど……こういう格好はあんまり着慣れてないんだけどな……
「まぁ何事もなければいいよね」
なのはの言う通りかもしれないけど……ふっと気がつくと来客者の中に友奈みたいな後ろ姿を見つけた。追いかけようとしたけどすぐに人並みに隠れてしまった
「気の所為か?」
「どうしたん?」
「いや、なんでもない」
「そういえば~リインフォースも来るんだよね~」
「そや、ちょっと遅れてるみたいやけど、夜空さんたちに会うの楽しみにしてるよ」
リインフォースと会うのか……まぁ楽しみにしておいてもいいな
「まさかこんな所に来るなんてね~まぁいいや。騒動が起きたら関係ないもんね」
ティアナSIDE
(今日は、八神部隊長と守護騎士団全員集合かぁ)
(そうね。あんたは結構詳しいわよね?八神部隊長とか副隊長の事…)
スバルと念話で話をしながら周辺を確認しながら、スバルに聞いた。
(うん。お父さんやギン姉から聞いたことぐらいだけど……。八神部隊長が使ってるデバイスが魔導書型で、それの名前が夜天の書。副隊長達とシャマル先生、ザフィーラは八神部隊長個人が保有してる特別戦力。で、それにリインフォース部隊長補佐とリインさんを合わせて七人揃えば、無敵の戦力って事。まぁこんな所かな。ティア、何か気になるの?)
(別に)
(そ。じゃ、また後でね)
スバルとの念話は終わり、一人考え込んだ。六課の戦力は、無敵を通り越して明らかに異常だ。隊長格全員がオーバーS、副隊長でもニアSランク。他の隊員達だって、前線から管制官まで未来のエリート達ばっかり。あの年で、もうBランクを取ってるエリオと、レアで竜召喚士のキャロ。危なっかしくはあっても、潜在能力と可能性の塊で、優しい家族のバックアップのあるスバル。そして十年前になのはさんたちと共に戦った勇者たち……
(やっぱり…うちの部隊で凡人は私だけか………)
一人で落ち込む。だけどそれでも私は立ち止まるワケにはいかないんだ。
そう決心していると夏凜がこっちにやってきた。
「真面目にやってるみたいね」
「任務だから……夏凜は?」
「ヴィータに言われて他の方の様子を見にね。まぁ気楽にやってるみたいね」
「気楽って……」
「仕方ないでしょ。私達は別に軍人とかそういう訳じゃないんだからさ」
「そうだけど……」
「でもやる時はやるから安心しなさい」
二人でそんな事を話していると突然クロスミラージュから警告音が鳴り響いた。
「シャーリー!」
「はい!」
管制室にいるロングアーチのメンバーのシャリオ・フィニーノ、通称シャーリーが返事をした。管制室でも、ホテルに接近しているガジェットを感知した。ティアナがシャマルの近くまで駆け上がった。
「シャマル先生!私も状況を見たいんです。前線のモニターもらえませんか?」
「了解。クロスミラージュに直結するわ」
モニターを見ると大量のガジェットが姿があった。隊長たちも応戦している。
「私達も行くわよ!」
「えぇ」
私と夏凜はすぐにみんなと合流しに行くのであった。
夜空SIDE
外が騒がしくなってきた。僕と園子は互いに顔を見合わせ……
「なのは、僕らは外に行く」
「みんなことが心配だからね~」
「わかった。何かあったらすぐに知らせて」
僕らは急いで外へと出て、みんなと合流した。どうにも別方向から転移してきたみたいだし、数も多く大変みたいだった。
(防衛ライン!もう少し持ちこたえてね!ヴィータ副隊長が、すぐに戻ってくるから!)
シャマルさんが念話で、スバル達に伝えた。ティアナの表情が険しくなる。
「守ってばっかじゃ息詰まります!ちゃんと全部倒します!」
(ちょっと…ティアナ大丈夫?無茶はしないで!)
「大丈夫です!毎日朝晩、練習してきてんですから!」
そう言いながら、クロスミラージュを構える。ティアナは、エリオとキャロに顔を向けた。
「エリオ、センターに下がって!私とスバルのツートップでいく!」
「は、はい!」
「スバル!クロスシフトA、いくわよ!」
「おお!」
スバルはウイングロードを使って、怪物達の注意を引き付ける。その隙にティアナは、カートリッジを四発もロードした。
(証明するんだ。特別な才能や凄い魔力がなくたって…どんなに危険な戦いだって)
ティアナの周りに、複数のオレンジ色の魔力弾が現れる。
「私は…ランスターの弾丸は、ちゃんと敵を撃ち抜けるんだって!」
クロスミラージュを構える。
「クロスファイヤーシュート!!」
無数の魔力弾が放たれ、ガジェットを破壊していく。だが一発だけそれてしまい、スバルに迫っていた。
「まずい!」
僕と駆けつけてきたヴィータが魔力弾を弾こうとするが、間に合わない。だけど一発の弾丸が魔力弾を相殺した。
「今のって……」
「間に合ってよかった。」
東郷が銃を持ってこっちにやってきた。東郷のおかげで何とかなったけど……
ティアナは自分がやったことに関して落ち込んでいた。
「ティアナ…お前……」
「ヴィータ、今は……」
叱ろうとするヴィータを止めようとした瞬間、ランディニから警告音が鳴り響いた。
『反応確認!』
「反応?何のだ?」
僕がそう聞いた瞬間、友奈たちの端末からアラームが鳴り響いた。
「これって樹海化警報?」
「でも音がいつもと違う……」
「何だか嫌な予感がするわね……」
「こっちにはいないって……」
「分からないけど、やるしかないわね」
「ヴィータん、悪いんやけどスバルんたちを下がらせたほうがいいよ。慣れてないと危ないから」
「おい、まさか……」
森の奥からなにか白いものが無数に姿を見せてきた。あれは星屑……
「バーテックスがなんで!?」
森のなかで、紫色の髪の少女とフードをかぶった男と赤髪の少女がいた。
「あれは?」
「バーテックスだよ。まぁあの白いの星屑って呼んでるけどね」
「お前が呼んだのか?」
「そう、まぁ呼んだのはりっくんだけどね。因みにちょこっとドクターに改造してもらったけどね」
「目的は何だ?」
「う~ん、挨拶代わりかな?」