空SIDE
アネモネの調整のために海鳴市に来たはずなのに、たどり着いた場所はどこかの森だった
「ここ……どこだろう?」
「海鳴市のどこじゃないかしら?」
友奈と千景の二人があたりを見渡す中、杏があることに気がついた。
「何だか空がちょっとおかしいですね」
「僕がおかしいって?」
「いえ、空さんじゃなくって……」
「分かってる。言ってみただけだ」
杏の言うとおり、空がちょっと違う気がする……もしかして転移の事故でミッドチルダに来たのか?まぁそれなら丁度いいかもしれないな
「アネモネ。クロノに連絡をしてくれ」
『了解しました』
連絡して、迎えに来てもらえばいいと思った。だけどいつまで経っても繋がらない
「故障か?」
『かもしれませんね』
「じゃあどうするんだよ」
「あのまずは森から出たほうが」
「みーちゃんの言うとおりね。そっちのほうが早いわ」
「ん?空、あっちに建物があるぞ」
若葉が指さしたほうを見ると、何だかホテルみたいな場所がある。それだったらあっちまで行って事情を話せば……
そんなとき、突然ひなたと水都の二人が頭を抑えた。
「うぅ」
「これって……」
「どうした?」
「バーテックスが……」
「来ます」
二人がそう告げた瞬間、僕らの方に向かって奥から星屑の群れが現れた。僕らは変身し、星屑を倒していく。
「なんでこっちにいるんだよ……」
「分からないけど……関係ないわ」
「千景姉!?何だかホテルの方が様子がおかしいよ」
アリシアは何かを感じ取ったのか、僕らはホテルの方を見るとそこには二体の大型が見えた
「僕らに対してってわけじゃないな。ホテルの方にいる人たちが心配だ……」
僕は考えた。この状況でいい方法は……
「僕、若葉、珠子の空を飛べる三人で先行する!友奈たちは地上から向かってくれ」
「地上からって……」
「お兄ちゃん、森の中からあっちに向かうのは無理なのでは?」
「普通だったらな。友奈、酒呑童子を使っていいから真っ直ぐ向かってくれ」
「真っ直ぐ……うん、わかった」
「上里くん……考え方が土居さんに似てるわね」
そういうなよ。緊急事態なんだから、効率的にはこういう力技が一番なんだから……
「それじゃ行くぞ!」
「「切り札発動!!」」
僕らは空からホテルへと向かった。ホテル近くに行くと大型バーテックスの近くに何人か倒れている人物が見えた。
「管理局か?遠くて見えないけど、助けておくか」
大型を一体倒し、その側にいた夜空の近くに僕らは降り立った。
「空さん……どうしてここに?」
「分からない。僕らはアネモネの調整のために来たんだけど……お前、何で成長してるんだ?」
「僕は前に会ったときよりも二年先から来てるんですよ」
時の流れって言うことか……色々と聞きたいことがあるけど、目の前の大型が回転を始めた。
「気をつけてください!あいつは回転して竜巻を……」
「空、どうする?竜巻を切り裂くのは無理そうだぞ」
「だったら私が回転して……」
竜巻と竜巻をぶつけるのもいい作戦かもしれないけど………他にも方法があるんだよな
「竜巻相手なら……」
僕は空へと上がり、竜巻の上まで行った。
「やっぱり……竜巻の中心は大丈夫そうだな!」
アネモネを構えて、魔力をため始めた。先には3つほどの小さな魔力弾を作り出し、魔力でつなぎ始めていき槍の形に変えた。
「バスタースピア!シュート!」
砲撃をし、大型に直撃した瞬間、爆発し、大型は消えていった。
「空さん……流石ですね」
「いや、僕らがここに来る前にみんながダメージを与えてくれたからな……さて」
僕はアネモネを構え、森の方へと向けた。何となく気配を感じたけど……逃げられたか?
「空さん?」
「ん?もう敵はいないみたいだな」
「ふぅ、すごいね。バーテックスを撃破しちゃうなんてね。まぁ挨拶できたからいいけどね。さてさて次くらいにはちゃんと挨拶しないとね」
敵の反応も消え、友奈たちの事を待っている間、僕は夜空たちから事情を聞くことにした
「なるほどな……ここは十年後の世界か……」
「やっぱり驚きますよね」
「まぁそれも驚いてるけど、お前も二年後から来てるし、おまけに……」
僕は結城の方を見た。やっぱり似てるよな……まぁ結城の方は友奈より幼い感じがするけど……
「空く~ん」
ふっと森の中から友奈たちが木を倒しながらやってきた。真っすぐ進んできたんだろうけど……やっぱり木を倒しながらは時間がかかるよな
「もう戦いは終わって……えっ?」
「あっ?」
友奈と結城の二人が驚きを隠せないでいた。まぁ予想はしていたけど……
「千景から見てどう思う?」
「似てるけど違う気がするわね」
「あの何だか夜空さんがいるんですけど、何かあったんですか?」
とりあえずみんなに事情を話しつつ、なのはたちに会わないとな……