夜空SIDE
なのはからの連絡を受け、僕らはすぐにスバルたちと合流した。スバルはエリオとキャロが発見した金髪の女の子を抱えていた。
「その子がレリックを運んでいたっていうのか?」
「うん、なんだか鎖で繋がれてて……」
何かしらの事情があるのかもしれないけど、聞ける状態じゃないことは確かだな。スバルたちはヘリでやってきたシャマルに女の子を頼んだ。
「とりあえずまだレリックがこの下水道の先にあるっていうことでいいのか?」
「うん」
今の所集まってるのは僕ら勇者部とスバルたちフォワードとシャマルと一緒に来た千景さんとアリシアだけか……
「空さんたちは?」
「あとで合流するって、何だかどっかの部隊の……」
「多分だけどギン姉かな?」
「ギン姉?」
「ギンガさん。スバルの姉よ。とりあえず私達は先を急ぐわよ」
ティアナに言われ、僕らは下水道の中へと入っていくのであった。それにしてもギン姉って……最初あいつのことを言ってるのかと思ったよ
「はっくしょん!」
「教官?風邪ですか?」
「いや、誰かが噂してるのかもしれないな……」
下水道を進んでいくと、何十体ものガジェットが姿を現した。レリックを狙って現れたって言うことなのか?
「あのロボットがまた出たみたいね!!ここは!」
先輩が大剣を大きく振りかざしたが、場所が場所だから大剣が天井に当たってしまった。
「先輩、狭い場所だと……」
「ここは私がやるわ!東郷!ティアナ!援護を頼むわよ!」
夏凜が前に出て、ガジェットを倒していく。援護としてティアナと東郷の銃撃で倒していくけど……
「前みたいにバーテックスが出てくるって感じじゃないみたいだな……」
「う~ん、つながりはないってことでいいのかな~」
「でも油断はしないほうが良いわ」
千景さんが大鎌でガジェットを切り裂いていく。とりあえず今はレリックの回収を急がないとな……
空SIDE
「はじめまして、陸士108部隊のギンガ・ナカジマです。機動六課の民間協力者の方々ですよね」
「まぁそうなってるな。僕は上里空」
「高嶋友奈です」
「妹から話を聞いてます」
「なら詳しく話す必要はないな。みんなと合流しないとな」
「動けるのは私達だけみたいだからね」
若葉たちは念の為待機している。現状では僕らで何とかするしかないけど……
「スバルたちからの連絡ではガジェットと交戦しているみたいです」
「バーテックスは出てこないか……」
「でも何が起きるかわからないから急ごう」
僕ら三人は急いでスバルたちと夜空たちのところへと向かうのであった。
夜空SIDE
下水道を進んでいくと広い場所に出てきた。
「敵は?」
「確認は出来ないわね」
「全部倒しちゃったって言うことなのかな?」
友奈が安堵していると、キャロがケースが落ちているのを発見した。
「あれでしょうか……」
キャロが近付こうとした瞬間、キャロに魔力弾が迫ってきていた。エリオは咄嗟にキャロを助けに入ると、ケースの近くに紫髪の女の子がいた。
「誰?」
「これは渡せない……」
女の子が手をかざした瞬間、ガジェットが現れた。まさかガジェットを操っていたのはこいつなのか?
「カートリッジロード!ランディニモード2!エリオ!一緒に行くぞ」
「はい!」
「しょうがない。スピードアップさせておくね」
アリシアが補助魔法を僕らにかけ、僕とエリオの二人でガジェットの群の間を抜けていき、女の子の近づいた。
「ガリュー」
女の子が小さく呟いた瞬間、僕らは何かに蹴り飛ばされた。そこには四つ目に赤いマフラーを身にまとった人型の龍がいた。
「あれって!?召喚獣?」
「それじゃあの子は私と同じ……」
「ガリュー、お願い」
ガリューと呼ばれた存在は僕らに向かってくる。僕らはガリューの攻撃を防いでいくが……
「夜空さん!」
「分かってる。補助魔法でスピードが上がってるのに……こいつ、ついてきている……」
「……あの人の仕業?」
「みたいだよ。ルールー」
今度はリインみたいな奴が出てきたよ……
「アギト」
「それにしても管理局も暇だね。こんなところにまで来るなんてね。まぁいいや、あいつから借りてきた戦力も使わせてもらうよ」
アギトが指を鳴らした瞬間、どこからともなく大量の星屑が現れ、僕らに襲いかかってきた。
「バーテックス!?」
「何だかんだ関係はあったみたいね!」
みんながガジェットと星屑を相手にしていく中、女の子はレリックが入ったケースを拾い上げ、
「それじゃ……」
立ち去ろうとしていた。だが突然女の子に向かって槍と銃撃が放たれた。女の子は咄嗟に星屑を盾にしたが……
「誰?」
「バーテックスを操ってるって言うことは私達の敵って言うことでいいのかな?」
「だとしてもどういった関係なのでしょう?」
女の子の前にはメガネを掛け、槍を持った女の子と白い鎧を纏った人がいた。あの装備って……
「防人?」
僕がそう呟いた瞬間、周辺にいたガジェットと星屑が倒されていった。そこには防人の装備をしているのが三人と見覚えのある赤い戦装束を纏った奴とヌンチャクを持った女の子がいた。
「あれって……」
「うん、来てたんだ~」
「よぉ、須美、園子、元気そうだな。って須美は今は東郷だっけ?」
「「銀!?」」
「銀って東郷さんのお友達で……」
「確か夏凜さんの教官だった人ですよね」
「えぇそれにあの白い鎧を着てる奴に見覚えがあるやつがいるわ」
夏凜は防人の一人に近寄った。防人の一人も夏凜に気がつき
「三好夏凜、久しぶりね」
「芽吹……本当にね」
「状況はわからないけど、あの子は敵ということでいいのかしら?」
「まぁそうみたいね」
夏凜と芽吹の二人が星屑を倒していく。何でまたここにいるんだよ……
でも戦力が増えた。このまま行けば……
「人が増えちゃったみたいだね。仕方ない……」
突然馴染み深い声が聞こえた瞬間、僕ら全員は何かに吹き飛ばされた。そしてレリックを持った女の子とアギトの前に……
「これもりっくんの力が強くなってるからかな?それとも危機を感じて神樹様が送り込んだって言うことでいいのかな?」
赤い髪に褐色の肌……そして赤と黒の戦装束を身にまとった少女……
「私達の時は……ううん、りっくんの時は助けてくれなかったのに、神樹様は不公平だね。まぁいいや。はじめまして、私の盟友の子孫、お姉さま、後輩ちゃん、そして表のりっくんの子孫……」
その少女は友奈にそっくりだった。そして少女は笑みを浮かべ……
「はじめまして、私は赤嶺友奈」