上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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46 脅威

千景SIDE

 

突然現れたのは私の彼……友達の神宮くんだった。

 

「貴方……どうして……」

 

「色々とあってこっちに連れてこられたんですよ。まぁ防人の方々と合流でき、貴方を助けることが出来ました」

 

彼は優しく笑うと何故か私は安心できた。

 

「千景さんは休んでいてください。ここは僕がやります」

 

『守人……防人と呼ばれる前の存在』

 

「未来ではそうみたいですね。とはいえ未来のことは関係ないですよ。今は僕の大切な人を傷つけた罪を……償ってもらいますよ」

 

『面白い』

 

人型バーテックスと神宮くんがぶつかりあい始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子SIDE

 

私達の前にいる人型バーテックスはどこからともなく二対の鉄扇を取り出した。

私、ミノさん、キャロちゃん、エリオくん、にぼっしー、メブちゃん、ちゅんすけ、しずくん、ヌンチャクの人、槍の人が攻撃を始めるが、人型バーテックスは攻撃を受け止め、私達を吹き飛ばしていく。

 

『この程度で勇者と名乗るのか……』

 

「何だか舐められてるわね」

 

「舐められているなら……舐められないようにするだけよ」

 

にぼっしーとメブちゃんの二人が突っ込んでいこうとしたが、ミノさんがそれを止めた。

 

「夏凜、芽吹、突っ込むな!」

 

二人はミノさんの言葉を聞いて、突っ込むのを止めた。

 

「前に教えただろ。無謀なことはしないようにってさ」

 

「分かってるわよ」

 

「だがどうすればいいんですか?教官」

 

「無謀じゃない時を狙うんだよ」

 

「「了解」」

 

何だかミノさんが本当に頼もしく感じるよ。すると槍の人……名前は確か……

 

「えっとせっちゃん?」

 

「それあだ名?まぁ良いけどさ……そっちの教官してる子はすごいわね」

 

「三ノ輪銀。銀でいいよ」

 

「私は秋原雪花。よろしくね。それでどうするのさ?アレ、結構強いよ」

 

「そうだな……キャロは補助的なこと出来るんだっけ?」

 

「は、はい。あと召喚魔法を……」

 

「それだったら……ごにょごにょ」

 

「……分かりました」

 

「雪花さんは遠距離からお願い。私、園子、棗さん、エリオ、しずくで隙を作るから」

 

「あれ?私は?まぁ役目がないならいいんだけど……」

 

「雀は夏凜と芽吹がダメージを喰らわないように盾で守るように」

 

「盾役!?」

 

「期待してるわよ。雀」

 

「うぅ~」

 

ミノさん、やっぱり凄いな……防人の子たちからも信頼されてるんだ~

 

「それじゃ行くよ!」

 

ミノさんとしずくんが先に前に出て、人型バーテックスに攻撃を繰り出していく。人型バーテックスは鉄扇で防いでいくが……

 

「おらおらおら!!防いでるだけか!」

 

何だかしずくんの性格変わってない?もしかして戦いになると変わるタイプ?

 

「シズク!もっと押して行くぞ!」

 

「分かってるよ!」

 

二人の攻撃が人型バーテックスの鉄扇を一つ弾くと、エリオくんが突撃していき、人型バーテックスを抑え込もうとしていた。

 

『良い突撃だが……その程度!!』

 

「ハッ!!」

 

エリオくんを鉄扇で殴ろうとした瞬間、棗がヌンチャクで鉄扇を弾いた。

 

「今だ!!」

 

にぼっしーとメブちゃんがミノさんの号令を聞き、人型バーテックスに斬撃を喰らわした。人型バーテックスは傷を押さえずに……

 

『良い攻撃……いや、良いコンビネーションだ。指導者がいいみたいだな』

 

「こう見えて、須美達のためになにか出来ないかって頑張っていたんだよ。空さんが残してくれたトレーニングメニューやフォーメイションとか色々とな。あと……私達だけ見ていないほうが良いぞ」

 

ミノさんがそう告げた瞬間、入口の方からグラーフアイゼンを構えたヴィータんが飛び出してきた。

 

「アイゼン!カートリッジロード!ラケーテン・ハンマー!」

 

回転しながら人型バーテックスを思いっきり殴り飛ばしていった。

 

「ヴィータさん、お久しぶりです」

 

「銀?何だ?人が増えてねぇか?」

 

「もしかして転移してきたのでしょうか?」

 

「リイン、そこら辺は後だ。今は吹き飛ばしたやつのことを気にしてろ」

 

吹き飛んだ人型バーテックスのところは煙に包まれていたが、煙の中から無傷の人型バーテックスが歩いてきた。

 

『やりますね……』

 

「無傷っていうのは気に入らないな」

 

『まぁ無傷に見えますが、ダメージは受けていますよ』

 

落ちた鉄扇が塵に変わり、人型バーテックスの手には新しい鉄扇が握られていた。

 

『私達を倒すなら御霊を破壊しないと……』

 

人型バーテックスはフードを取ると、顔は黒い目が描かれた仮面をかぶっていた。

 

『自己紹介がまだでしたね。私は三号。あちらで戦っているのは四号。他には遠距離中心の二号と全体能力が高い一号がいます』

 

「ずいぶんとおしゃべりだね~」

 

『私はそういうものなので……私達の主の事は聞いていますね』

 

「神の領域を超えた奴だろ。天の神が教えてくれたらしいな」

 

『えぇ、主は凄いですよ。天の神を殺し、ありとあらゆる世界を渡り歩きました。その最中に面白い世界を見つけました。凶暴な生物が住み、その世界にある国の一つは恐怖で人々を支配している国を……こちらとは関わりがなかったのですが、主はあるものに興味を示しました』

 

「興味?」

 

『ある武器ですよ。それもまた神の領域を超えていたりしますね……またある世界は邪悪な存在を浄化する戦士もいましたね』

 

三号はそう言い残して姿を消すのであった。何だか気になることが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空SIDE

 

赤嶺と対峙する僕、樹、友奈、アリシアの四人。友奈は思いっきり拳を振りかざし、

 

「勇者……」

 

「合わせてあげるよ。勇者……」

 

「「パンチ!!」」

 

赤嶺も同時にパンチを繰り出した。だけど友奈は吹き飛ばされた。

 

「友奈さん!?」

 

「ちっ!モード2!」

 

ランディニの作り出した拳具で僕は殴りかかるが、赤嶺はそれを避けると

 

「勇者キック!」

 

鋭い回し蹴りを食らわしてきた。僕は防御するが、防御が崩され、右腕に激痛が走った。

 

「痛っ!?」

 

「夜空さん!?」

 

「私と同じ技……」

 

「似てるからかな?」

 

「それでも威力は違うみたいだな」

 

「あはは、こう見えて強化されてるからね」

 

「強化?」

 

「りっくんからの愛の力でね」

 

愛の力とか……それだったら……

 

「僕と樹の愛の力を!」

 

「いや、惚気けなくていいからさ……」

 

アリシアに思いっきり突っ込まれてしまった。

 

「あはは、表の子孫は面白いね……幸せだからかな?本当に……憎らしいよ」

 

赤嶺から感じる殺気……表って何なんだよ……

 

「ここで殺すのは簡単だけど……そろそろルーお嬢様が始めるかもね」

 

赤嶺が指を鳴らした。僕らが身構えるが……何も起きなかった。

 

「あれ?どうしたんだろ?」

 

赤嶺が不思議そうに思っている瞬間、赤嶺のちょうど真上の天井を突き破って、切り札を発動した空さんが現れた。

 

「セブンテイル・バスター!!」

 

7つの魔砲が赤嶺に襲いかかるが、赤嶺は魔砲を避けていった。

 

「ここで来るとはね。表の先祖が……」

 

「表?というか友奈にそっくりだな……そのうち第四、第五の友奈とか現れたりしないよな」

 

「さぁてね。とりあえず自己紹介。赤嶺友奈だよ」

 

「僕のことは知ってるみたいだな。なら自己紹介はいらないな」

 

「そうだね。因みにルーお嬢様とアギトは?」

 

「ん?あの虫で遊んでいた子か?怪しいから捕縛しておいた。今は友奈とギンガの二人が抑え込んでるし、他に仲間がいることを考えて、若葉たちが警戒してる」

 

「へぇ、天井を突き破ってくるとか凄いと思うけど……今回はここで撤退させてもらうよ。ナンバーズの子たちにも連絡は行ってるから大丈夫だよね」

 

赤嶺が逃げようとしたが、空さんは6つの尻尾で赤嶺を囲んだ。

 

「逃がすと思ってるのか?」

 

「思ってないよ。でも気をつけたほうが良いよ」

 

どこからともなく無数の矢が降り注いできた。空さんと僕、アリシアは咄嗟に障壁を貼り、矢を弾いていった。

 

そして気がつくと赤嶺の姿はなく……

 

『一応言っておくけど、今のはサジタリウスじゃなくってりっくんの攻撃だからね』

 

りっくんって……まさかと思うけど……

 

「バーテックスの力を扱えるって思ったほうが良いのか?」

 

「そうみたいですね」

 

こうして僕らの休日は終わりを告げるのであった。だけど……敵が強大な力を持っていて、僕らは脅威を感じるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天の世界

 

「厄介なことになったな……」

 

「厄介って何が?」

 

私の目の前にフードをかぶった女の子が姿を見せた。彼女は私達天の神と同じだが、位が上になった自由な天の神だ。

 

「例の存在の力が思っていたよりも強いわね」

 

「それだったら彼らの力を借りるべきだね」

 

「彼には断られたけど……神様っていうのは勝手だったりするからね。お願いできるかしら」

 

「えぇ、いいわよ………と言いたいけど彼らを送ることができなくなったわ」

 

自由な天の神は残念そうに言った。できなくなったって……

 

「例の存在……これを予想していたのか。鍵をかけたみたい。彼らが来れないようにね」

 

「では……」

 

「えぇ、彼らを連れてくることができなくなったわ」

 

「こっちとしては本当にありがたいことだけどね」

 

今度は私達より幼い天の神が姿を現した。通称幼女神

 

「彼らの他にあの魔導師を連れて来いって言われたけど、正直トラウマな相手と話したくないからね!」

 

「残念ね……怯える貴方を見るのが楽しみだったんだけど……」

 

さてどうしたものか……現状では例の存在に勝つことができなくなった。彼ら……境界の勇者、女神の勇者、守り神の勇者みたいな存在はもう……

 

「まぁまだ手があるわ」

 

自由な天の神が笑みを浮かべた。手って……

 

「勇者だけじゃないわ。運命を変えた存在はね。そいつは自分の死の運命を変え、愛の力で戦った存在……私達とは関わりがないけど……手を貸してくれないか言ってみるわ」

 

その存在……一体何者なのかしら?




凶暴な生物が住み、その世界にある国の一つは恐怖で人々を支配しているとある世界は邪悪な存在を浄化する戦士と自分の死の運命を変え、愛の力で戦った存在は自分のある作品のオリ主です。

出すかどうか迷いましたが、出すことにしました。

ヒントはタグにかかれています

また個人的なイメージですが、結城・高嶋の勇者キックは飛び蹴りというイメージがあり、赤嶺は回し蹴りというイメージが着いている感じです

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