上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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48 予言と未知なるもの

なのはに案内された部屋に入るとそこには金髪の女性と桃色のシスターと見覚えのある青年、はやて、フェイト、銀、あと巫女装束の二人の少女がいた。

 

「お待たせしました」

 

「ええんよ、なのはちゃん。うちらも今来たばっかやから」

 

「空、紹介するね。この人は聖王協会の騎士で」

 

「カリム・グラシアと言います。こちらはシャッハ・ヌエラ。シスターです」

 

「始めまして」

 

「それとこっちの二人は……」

 

「国土亜弥です」

 

「それと……」

 

「夕空?」

 

フェイトが紹介しようとしたとき、夜空がその少女の名前を告げた。少女は嬉しそうにしながら……

 

「お兄ちゃん。久しぶり。会いたかったよ」

 

「あぁ、僕もだよ……」

 

夕空という子は夜空に抱きついた。もしかして夜空の妹か?すると亜弥が嬉しそうにしながら

 

「夕空ちゃん、良かったですね。ずっと会いたかったんだもんね」

 

「亜弥ちゃん、それは……」

 

なるほど……夕空は夜空のことが大好きなんだな。というかこれも血筋か?

そう思いながら、僕は青年の方を見た。面影あるからすぐにわかった。

 

「クロノ、でかくなったな」

 

「今は僕のほうが年上だからな。だけど久しぶりだ。空」

 

僕とクロノは拳を合わせた。まさかクロノがここまで大きくなるとはな

 

「今回、君たちを……長い付き合いであり、リーダー格でもある空、夜空、巫女のひなた、夕空、亜弥、そしてこの間の戦いで合流した防人の教官銀、守人の桜をこうして呼んだのはある予言についてだ」

 

「予言?」

 

「神託みたいなものか?」

 

「似たようなものですね」

 

「彼女のレアスキル『預言者の著書』は、最短で半年、最長で数年先の未来の出来事を散文形式で書き出した預言書になっているんだ」

 

カリムの代わりにクロノが説明し、カリムは予言について話した。

 

「予言では『領域を超えた存在、その下僕たちが彼者古き結晶を用いて、世界を滅ぼさんとする。なおかつ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに、数多の海を守る法の船も砕け落ちる――』とでました」

 

領域を超えた存在……その下僕っていうのは奴らのことか……

 

「古き結晶はレリックのことやね」

 

「この予言……スカリエッティのことは告げられてないみたいだけど……」

 

「滅びをもたらすのはスカリエッティではなく、神の領域を超えた存在ということだ」

 

予言にまでこうまで出てくるとは……

 

「そして最近になって新たな予言が出ました。『2つの力を扱えしもの倒れし時、その存在は表へと現れる。だがそれと同時に未知なる世界から来訪者が現れる』と……」

 

「2つの力を扱えしもの……それって……」

 

ひなたは僕と夜空のことを見た。2つの力……僕と夜空のことを指しているのだろうけど……

 

「僕か夜空のことだろうけど……予言なんてものはいくらでも覆す。そうだろ。夜空」

 

「はい、そうですね」

 

僕らは互いに笑いあった。ただ気になるのは……

 

「来訪者……こいつは敵なのか味方なのか分からないな」

 

「未知なる世界……一体どのような世界から……」

 

とりあえず答えが出ないまま、僕らは解散することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「騎士ゼストが行方をくらましているのか……」

 

「はい、もしかするとルーテシアお嬢様を探しているのかと」

 

「情報では彼女たちは機動六課に捕縛されたみたいだが……」

 

「迎えに行かせますか?」

 

「そうだな。だが強襲ではなく隠密だな。そして出来れば……」

 

モニターには空と夜空、そして勇者たちの姿が映し出された。

 

「彼らを招待してもらいたいものだな」

 

「分かりました。隠密行動向きのセインとチンクを向かわせます」

 

「それと彼らは?」

 

「特に動きはないですね。未だに疑うのですか?」

 

「念の為だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけだから……協力してくれるなら約束は守るよ」

 

「………外道が!」

 

「いくらでも罵っていいよ。私は目的のためだったら手段は選ばないからね。ねっ、りっくん」

 

「……友奈。ごめん」

 

「謝らないで……私はりっくんを助けたいから……体は大丈夫?」

 

「意識を持ってかれそうになること以外はな……」

 

「ごめんね。助けてもらって……」

 

「いいんだ。大好きな人を助けるのは当たり前のことだから……」

 

少年は赤嶺をそっと抱きしめようとするが、急に苦しみだした。赤嶺はすぐに声をかけようとしたが……

 

「大丈夫だ………」

 

「その黒い鍵……蝕んでるんだね……」

 

「友奈……そんな顔をするな。大丈夫だから……」

 

「心配だよ。大好きな人が苦しんでるんだから……」

 

「………お前たちの目的が何なのか知らないが、そいつを助けるためにお前はこういった手段を取ったのか」

 

「そうだよ。大好きの人のためだから……」

 

「ならば最初から言え。メガーヌの件を持ちかけずに……助けてといえばよかっただろう。騎士としていくらでも手を貸す」

 

「おじ様、ありがとうね」

 

「ありがとうございます。ゼストさん」

 

「それでどうするの?」

 

「準備は整った。あとは……スカリエッティを裏切るだけだ。そのための戦力は整え、近い力を持つ存在の来訪を防いだんだ」

 

「……始めよう。りっくんを助けるために……」


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