上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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55 交渉

ミナトSIDE

 

「ハアアアアアア!!」

 

「ハアアアアアア!!」

 

レガオンとレヴァンティンがぶつかり合い、互いに距離をとる俺とシグナム。

 

「ミナトと言ったか……強いな」

 

「シグナムだっけ?あんたもな」

 

現在陸都一派の居場所がわかるまでの間の準備期間、各々が鍛錬に励む中、俺はシグナムに模擬戦に誘われたのだった。

 

「模擬戦とは言え、お前の太刀筋からは全て殺気が感じる。そしてどれも相手を殺すほどに……」

 

「少し前までは暗殺者だったからな。模擬戦でも相手を殺すくらいじゃないとな」

 

「面白い男だ」

 

シグナムが笑みを浮かべる中、見学していたエリオの方を見た。

 

「どうだ?参考になったか?」

 

「い、いえ……その……」

 

「まぁ参考にならないよな。俺の戦い方はあくまで殺すための戦い方だからな」

 

「それでも……僕が強くなるための道が見えた気がします」

 

「そうか、とりあえず俺が教えられることは、確実に相手の急所を貫けだ」

 

「はい」

 

何というかこんなことを教えて良いものかどうか……俺自身、教える側になるのは慣れてないからな……

 

「ミナト、今回の戦い………勝てると思うか?」

 

シグナムがそんな事を聞いてきた。現状の戦力で戦いとなると……

 

「結構厳しいな。みんな、そう弱くはないけど、それ以上に敵が強すぎるからな……」

 

あの時戦った戦闘員の一人は隙を突き、もうひとりの方は挑発しまくっての桜とのコンビネーション+愛龍騎で勝てたけど、本気の相手となると……

 

「一対多人数となると誰かしら犠牲になるかもな」

 

「そうか……」

 

「まぁ戦力が多ければ何とか犠牲はなくせそうだけど……」

 

正直俺とえみるとルールーとミアの四人だけ呼ばれたのはきついな。メンバーの誰かしら呼んでくれれば良いものを……

 

ふっとある話を俺は思い出した。

 

「そういえば、なんとかエッティって奴に協力は頼めないのか?」

 

「スカリエッティにか?それは難しいだろう。確かに戦力が増えるのは良いが、協力してもらえるか……」

 

「そこら辺は俺に任せてもらっていいか?仲間に教わった方法を試すから」

 

俺はそう言って、シグナムとエリオの二人と別れるのであった。

 

 

 

 

 

 

俺が訪れた場所は教会のある一室だった。本来の本拠地は壊されてしまい、一時的にここに仮の隊舎を置くことになった。

中に入るとそこにははやて、フェイト、なのはの三人がいた。

 

「ミナトさん、どうしたん?」

 

「何かあったの?」

 

「いや、ちょっと提案をな」

 

「提案?」

 

はやてたちが何のことか気になっていた。それにしても会った時から気になっていたけど、このなのはって奴の声、やっぱりルールーとあいつに似てるよな……というかバリアジャケットの格好も前にあいつがしていた格好に似てるし……

今はそこを気にするところじゃないな。

 

「今回の戦いに向けて、戦力を上げたほうが良いと思ってな」

 

「ミナトさんもそう思ってたんやね。もしかしてスカリエッティ一派に協力を?」

 

「そんなところだ」

 

「私達もそれは考えたんやけど……」

 

「頼んでも断られたよ」

 

もうすでに試した後か……

 

「陸都たちを倒すためとは言え、管理局に協力する義理はないって……」

 

「まぁ普通はそうだろうな」

 

こういう時、組織とかは真面目な頼み方をするな……だけど……

 

「俺にちょっと交渉させてくれないか?」

 

「「「はい?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカリエッティがいる独房まで来た俺。そこには例のスカリエッティがいた。

 

「やぁ君は誰だい?」

 

「俺はミナト・ユウ。異世界から来た人間だ」

 

「異世界ね……そんな君が私に何か用か?」

 

「分かってるんだろ。俺がここに来た理由は」

 

「そうだね。陸都たちを倒すために協力しろってことだね。はっきり言うが断る。機動六課の部隊長にも言ったが……」

 

「管理局という組織に協力する義理はないだろ」

 

「そうだ」

 

普通ならここで交渉は決裂なんだろうけど……俺はレガオンを抜き、スカリエッティの入っている檻を破壊し、首筋にレガオンを当てた。

 

「じゃあ、殺されたくなければ俺に協力しろ」

 

「脅しかね?悪いが脅されても管理局には……」

 

「あんたは管理局に協力する義理はないんだろ。だけど俺はその管理局の人間じゃない。ナイトイェーガーズだ」

 

「管理局じゃないから協力できるだろうってことかい?」

 

「あぁそれに……俺の持つ武器に興味はないか?これは魔法とかじゃない全く別の武器だ」

 

「異世界の武器か……確かに興味深いね」

 

「近くで見る分には協力するべきだと思うけどな」

 

取引材料としては良いものだと思った。スカリエッティは少し考え込み……

 

「いいだろう。君には協力しよう。それに魔導師の力を持った勇者たちがあの陸都を倒すところを見てみたいからな」

 

「交渉成立だな。とりあえずそっちの戦力、ナンバーズとやらを使わせてもらうぞ」

 

「あぁいいだろう……」

 

何というかやけにすんなりと交渉がうまくいったけど……何か裏があるのか?

 

「正直、君に興味が湧いたよ」

 

「あんた、マッドサイエンティストだったりするのか?」

 

「そう呼ばれていたりもするね」

 

「なんかそういう奴らに興味を持たれるな俺……」

 

まぁまだスカリエッティはまともそうだけど……知り合いのマッド二人に比べたら……

 

「そういえば彼女もここにいると聞いたが……」

 

「彼女?」

 

「赤嶺友奈だよ。彼女を捕縛したのだろう」

 

「あぁ、あいつなら俺の仲間が話してるな」

 

天の神から渡された残った光、渡すとしたら……

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