上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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58 お互いの気持ち 空×友奈

「さて、全力で良いんだな」

 

「うん」

 

僕らは互いに勇者に変身し、向かい合っていた。何でこんな事になったのかは数十分前……

 

 

友奈とデートをしていたのだが、特に何事もなくただ普段どおりに話すだけだった。

 

「……空くん」

 

「ん?」

 

「そのはやてちゃんから聞いたよ」

 

もしかしてキスの件をか?だとしたら……

 

「何というか……こういうのは正直大切にしたいよな。お互い……その……」

 

初めてだからって言いたいけど、結構恥ずかしいな……

 

「うん、いざっていうときはその……ね」

 

何というかお互い一歩踏み出せないな。こういう時のためにミナトに参考に聞いたけど……

 

『戦いのときに咄嗟に必要だと思ってな……』

 

あいつのは参考にならない……というか咄嗟に必要になるってどういう時だったんだよ……

 

「ねぇ空くん、模擬戦やらない?」

 

「模擬戦?」

 

「うん、空くんが勝ったら……キスしていいよ」

 

「お前が勝ったら?」

 

「私のは勝ったら言うよ。あと全力でお願いね」

 

全力でか……仕方ないな。

僕らは隊舎に戻り、なのはから訓練場を貸してもらうことになった。

 

 

 

 

 

「それじゃ審判は私で」

 

「あぁ、でも何でみんな、観戦してるんだ?」

 

夜空、樹、ミナトたち、あと園子と風以外全員、見てるし……

 

「二人の全力の戦いをみんな、見たいんだよ」

 

「まぁそれはそれでいいけど……」

 

「行くよ!空くん」

 

「あぁ……」

 

僕は槍を構えた瞬間、なのはがスタートの合図をした。

合図と同時に友奈は動き出し、パンチを繰り出す。僕は槍で友奈の拳を防ぎ、距離をとった。

 

「重いな……強くなったな。友奈」

 

「大好きな人の教えがいいからだよ!」

 

恥ずかしいことを言いながら、蹴りを繰り出していく。僕の教えがいいって言うが……

 

「正直、彼女がここまで強くなってるのは本気で嬉しいよ」

 

僕の攻撃を友奈はギリギリで避けていく。

 

「えへへ、嬉しいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜SIDE

 

「何というか……恥ずかしくないのですかね……」

 

「というかこれ、ただイチャイチャを見せつけられてるだけだよね……」

 

僕とアリシアは呆れながらそう言うと、ひなたさんは何故か笑っていた。

 

「お兄ちゃんたちらしい気がしますよ。面と向かって気持ちを伝えるのは恥ずかしいみたいですが、こうして戦ってというのが一番いいと思ってるんですよ」

 

「まぁ聞いてるほうが恥ずかしいけどな……」

 

「まぁ付き合いは短いけど、はっきりわかることはあるよ」

 

「……あの二人らしいやり方だって言うことは」

 

雪花さんも棗さんも空たちのことを理解し始めてるみたいですね

 

「とりあえず見届けましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空SIDE

 

互いの攻撃を防ぎ、避けている。このままだと決着が付きそうにないな。ここは動くべきだな

 

「切り札発動!!妖狐!」

 

「切り札発動!!一目連!」

 

お互い切り札を発動した。友奈も今の状況を覆すために切り札を発動したんだな

 

「空くんのことはよく分かってるよ」

 

「大好きだからか?」

 

「うん」

 

「僕も大好きだ!」

 

友奈は拳の連打を、僕はアネモネに切り替えて魔力弾を放ち続ける。僕が放つ魔力弾を友奈は殴って相殺していく。

 

「行くよ!勇者!」

 

「フルテイル!」

 

「パンチ!」

 

「バスター!」

 

お互いの必殺技がぶつかり合った瞬間、爆発が起き、あたりが煙に包まれた。

 

「満開!!」

 

「切り札発動!酒呑童子!」

 

僕は満開を発動し、煙の中から飛び出すと友奈は酒呑童子に切り替わっていた。

 

「フルテイル!」

 

「全力全開!勇者!!」

 

「ブレイカー!!」

 

「パンチ!!」

 

僕のブレイカーを友奈はそのまま突っ込んでいく。ダメージ覚悟でやっているんだろうけど……どんだけだよ!?

 

ブレイカーを喰らってもなお、友奈は突っ込んでいき、僕の目の前に出てパンチを繰り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンチを食らった僕はそのまま地面に落ち、倒れるのであった。

 

「むちゃするな……友奈」

 

「空くんも無茶するよね」

 

お互い笑い合うのであった。こういった模擬戦はいいかもしれないな……

 

「そういえば友奈が勝ったときのは何なんだ?」

 

戦う前にそういった話になったけど……

 

「えっとね……」

 

友奈は恥ずかしそうにしながら、僕にキスをしてくれた。

 

「私が勝ったら、空くんとキスをするだよ」

 

「どっちみちキスするんだな……」

 

「えへへ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやてSIDE

 

物陰に隠れながら、模擬戦の様子を見ていた私……ちゃんと任務完了やね

 

「さてと園子さんに報告を……」

 

「マスター見つけましたよ」

 

「サボりは駄目ですよ~はやてちゃん」

 

突然バインドで縛られた私、後ろを見るとリインフォースとリインの二人が怒った顔をしていた。

 

「えっと……堪忍……」

 

「さぁ戻りますよ」

 

「まだ仕事が溜まってるんですから」

 

「堪忍してぇぇぇ~」


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