上里空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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61 お守りの白い鍵

なのはSIDE

 

ティアナ、東郷さん、杏さん、夕海子ちゃん、キャロ、ルーテシア、ディエチ、セイン、チンク、アリシアちゃん、雪花さんで周りを警戒していくが、ティアナと杏さんの二人が突然攻撃を食らった。

 

「二人共!?」

 

「大丈夫です……」

 

「見えない砲撃……ここまで厄介だなんて……」

 

ティアナと杏さんの二人がすぐに立ち上がり、警戒するが……

 

「見えない攻撃って……ここまで厄介だなんてね」

 

さっきから私を含めた全員が二号の攻撃を喰らっている。二号を見つけ出さないといけないが、居場所がわからないでいる

 

「アリシアちゃん」

 

「補助魔法で何とかみんなのダメージを抑えてるけど……長くは持たないよ……」

 

どうする……どうすれば相手の居場所がわかる……考えろ。考えないと……

 

 

 

 

 

 

 

「ん?敵の居場所を知る方法?」

 

「はい」

 

これは十年前、空さんたちの世界に訪れた時、興味本位で空さんに聞いてみたことがあった。それは遠く離れて攻撃する相手の居場所を割り出すことだ

 

「ようするにスナイパーの動きを予測するっていうことだろ。いろいろと方法があるけど……」

 

「例えば?」

 

「そうだな。杏の切り札みたいに雪を降らして、相手の足跡をたどるとか……」

 

確かに杏さんの切り札はそういった相手を割り出すことが出来るけど……

 

「全本位の魔法とか……あとは結構難しいし、下手すればそのままやられることはあるけど……」

 

 

 

 

 

 

 

そうだ。思い出した。空さんが教えてくれたこと。それは……

私は静かに前へと出た。

 

「なのはさん?」

 

「なのはちゃん?何を?」

 

「みんな、動かないで……敵の居場所は私が!!」

 

私はアクセルシューターを展開させた瞬間、どこからともなく攻撃を食らった。その瞬間……

 

「シュート!!」

 

敵の攻撃してきた位置。それは攻撃を食らった場所から考えれば!

アクセルシューターを発射し、二号へと向かって放った。

 

『ちっ!?』

 

掠めたのか遠くの方から声が聞こえてきた。もう別の場所へと逃げたかもしれないけど……ある程度の位置を絞り込み……

 

「ブラスターシステム!!リミット1!リリース!!ブラストーシュート!!」

 

ブラスターシステム。これは言うなれば空さんたちが使う切り札に近い、使用者の限界を超えた強化。長時間の使用はできないし、更には負担が大きいけど……相手が相手だ。全て出しきらないと……

 

『こんな砲撃!!』

 

砲撃が抑え込まれた。これは二号も砲撃を撃って相殺しようとしている。

 

「杏さん……魔砲を撃ち終えた後……お願いします」

 

「なのはちゃん……分かりました」

 

杏さんはみんなに二号が動けなくなった瞬間、全員で集中攻撃をするように指示を出した。

 

「ブラスター2!!」

 

更に限界を超え、出力を上げた。だけど二号の砲撃も出力が上がってきた。

 

『こんな魔砲なんて……』

 

「私は負けない……みんなと一緒に帰るために!!この戦いに勝つ!!」

 

『ぐ、ぐううううう!!?』

 

二号の砲撃を相殺し、私は膝をついた瞬間、杏さんたちが追撃を放った。

 

「当たった?」

 

「いんや、手応えがないね……」

 

雪花さんがそう告げた瞬間、私の後ろから声が聞こえた。

 

『悪いけど……私の能力は見えない砲撃だけじゃないのよね。相手に居場所を特定されないように……一瞬で移動できるのよ……だから』

 

寸前の所で私の背後に回り込んだって言うの……杏さんやみんなが叫ぶ中、私はあることを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ママ、この鍵何?」

 

ある日、ヴィヴィオが私が天の神からもらった白い鍵のことを聞いてきた。

 

「これ?ある人にもらったの。レイジングハートに使えば何かしらの力が発揮できるって聞いたけど……」

 

前に試したけど、全く変化がなかった。一体どうすれば使えるのかわからないけど……

 

ヴィヴィオが目をキラキラさせて見ている。

 

「ヴィヴィオにあげるね」

 

「いいの?」

 

「うん、お守り。きっとヴィヴィオのことを守ってくれるから」

 

「う~ん」

 

何故か嫌そうな顔をしているヴィヴィオ。どうしてだろう?嬉しくないのかな?

 

「ヴィヴィオだけじゃなくってママたちのことも守りたい。駄目かな?」

 

本当にヴィヴィオはいい子だな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然ガラスが割れる音が聞こえた瞬間、誰かに殴られた。金髪のサイドテール、オッドアイの女性……どことなくヴィヴィオに似ている

 

「ママ。おまたせ」

 

「ヴィヴィオ?その姿は……」

 

『聞こえているか?潜入部隊』

 

レイジングハートからスカリエッティの声が聞こえてきた。もしかしてヴィヴィオをこんな姿にしたのは……

 

『誤解しているみたいだが、彼女の姿は白い鍵の力だよ。この世界と勇者たちの世界を繋ぐだけではなく、適応者……誰よりも守りたいと願っているものに力を与えるものみたいだね。そして今の彼女は魔導師であり勇者でもある存在だ』

 

「ヴィヴィオが……」

 

「ドクターがね。教えてくれたの。私は大昔の聖王のクローンだって言うこと……もしかしたらドクターに利用されて、ママと戦うことになっていたかもしれないけど……今は違うよ。今はママを守るために戦う!」

 

「ヴィヴィオ……」

 

『ごちゃごちゃと……一人戦力が増えた所で……』

 

『あぁそうそう。話している内にもう決着は付いてるみたいだよ』

 

スカリエッティがそう告げた瞬間、二号の胸を一発の槍が貫いた。

 

「ナイスだよ。アリシア」

 

「いろいろと話している内に御霊の場所をしっかり調べ終わってるからね

……ヴィヴィオ。ナイスだったよ」

 

「はい、アリシアさん」

 

『くっ、まさか……負けるなんてね……だけどあなた達の敗北は決まってる。アスク様には……』

 

「勝てるよ。空さんたちならきっと」


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