この間の温泉旅行から数日がたった。僕は千景たちに連絡を取り近くの公園であっていた。
「それじゃ今のところは特に……」
「そうなんだよな~」
「すみません。あの子はお母さんのためって言って……」
「母親のために……」
千景は暗い顔をしていた。僕の役割上、みんなの家庭の事情やら何やら知っていたりするから、千景が暗い顔をしている理由がわかる
「あんまり思いつめたりするなよ。千景」
「分かってるわよ……」
「あの空さん、フェイトちゃんは今晩動くと言ってました。だから……」
「なのはたちにも伝えておくよ」
「はい、それと切り札のことなんですが……」
杏自身、切り札のことが気になってるみたいだな。僕も確定していないから予想した上での話をした。
「あくまで予想だけど、切り札はどうにも肉体の疲労……そして精神異常をもたらせる感じだと思う」
「やっぱり……控えたほうがいいですよね」
「千景、今の所は大丈夫そうか?」
「え、えぇ、前みたいに嫌なことを考えなくなったわ……」
「とりあえず全員、心を強く持ったほうがいい。これから先の考えればな」
千景たちが頷き、ここら辺で解散しようとした時、珠子があることを言い出した
「そういえば空は何で勇者になったり、魔導師になったりできるんだ?」
「ん?言ってなかったな。この鍵のおかげかも知れない」
僕は三人に鍵を見せた。この鍵を手にしてから僕は戦う力を手にしていた。とはいえ、魔導師としてはまだまだだけどね
「不思議な事があるものね……」
「よし、今晩の戦いは私と戦え!空!杏の敵討ちだ!」
「タマっち先輩、敵討ちって……」
「まぁいいぞ。油断するなよ」
三人と別れて、家に帰ろうとすると友奈が待っていた。
「どうしたんだ?友奈?」
「あっ、空君。ぐんちゃんたちと会ってたんだよね」
「あぁ、友奈も会えばいいのに……」
「う~ん、会いたかったけど、空君の邪魔をしたら駄目かなって思って……」
「そっか」
僕は友奈のことをそっと撫でた
「空君…恥ずかしいよ」
「あ、ごめん」
ついついひなたにやる感じで頭を撫でてしまった……
「空君はいっぱい頑張ってるね」
「頑張ってるって……」
「私達の訓練メニューとか……私達が無理をしてないとか落ち込んでないとか……いつも気にかけてくれてありがとうね」
「友奈……」
友奈の笑顔はやっぱり眩しいな……僕の役割はかなりきついものだ。だけど友奈の笑顔を見るたびに……僕は前を向いていける。
「あのさ、友奈」
「何?」
「お前に伝えたいことが……」
「空さん~友奈さん~」
僕があることを言いかけた瞬間、なのはの声が聞こえてきた。なのはとユーノは僕を見つけてこっちに駆け寄ってきた。
「何かあったんですか?」
「ううん、ちょっと散歩してて……」
「あぁ、うん、何にもなかったよ……うん」
「空さん、何だか落ち込んでるけど大丈夫ですか?」
ユーノが心配そうに声をかけてきた。ユーノ、お前もいつかは分かるはずだからな……今は伝えないようにしておくよ
なのはとユーノの二人に今夜またジュエルシードが現れることを話しておき、若葉たちと合流して警戒していると空が暗くなり、海では激しく雷鳴が轟いた。
「こ…これは!?」
別々に探してたユーノが街の異変に驚く。
「こんな街中で強制発動!?く…!広域結界!間に合え!」
ユーノの足元に緑色の魔法陣が展開され、街周辺に結界が張られた。これで街への被害はないということか
「街中でジュエルシードを発見させるためにって……」
フェイトって子は目的のために手段を選ばないのか?いや、考えられることとしたら……
「急いでる感じがする……」
僕は勇者に変身し、そのまま駆け出していくと珠子が僕の前に立ちはだかった。
「約束しただろ。今回は私と戦うって」
「あぁそうだったな……」
僕と珠子は戦いを始めるのであった
なのはSIDE
私はフェイトちゃんと戦っていた。お互い目的がある同士だから、ぶつかり合うのは仕方ないのかもしれない…
私は真っ直ぐフェイトちゃんを見つめた。
「この間は自己紹介できなかったけど…私、なのは!高町なのは!私立聖祥大付属小学校三年生!」
名前を告げるがフェイトちゃんはバルディッシュを鎌の形に変形させた。
なのは「!!」
レイジングハートを構え、ぶつかり合っていった。どうして……どうしてそんなに寂しい眼をしてるのか…
私ははフェイトちゃんの攻撃を避けながら後ろに回った。ディバインシューターを放つが、フェイトちゃんは障壁を張って攻撃を防いでいた
「フェイトちゃん!」
「!!」
「話し合いだけじゃ…言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど…話さないと、言葉にしないと伝わらない事だってきっとあるよ!」
「…………」
「何も知らないのにぶつかり合うのは私、嫌だ!私がジュエルシードを集めるのは、それがユーノ君の探し物だから。最初はユーノ君のお手伝いで集めてたけど、ジュエルシードの力で街の人や大切な人に危険が降り懸かったら嫌だから!」
「…………」
私は自分の想いを必死にフェイトちゃんに伝えた。
「これが…私の理由!」
「…私は……」
フェイトちゃんは戸惑いながら口を開こうとした瞬間、
「フェイト!答えなくていい!!」
ユーノくんと戦っていた女の人が止めに入った。
「優しくしてくれる人達の所で、ヌクヌクと甘ったれて過ごしてきたガキんちょに何も教えなくていい!!あたし達の最優先事項はジュエルシードの捕獲だよ!」
さっきまで戸惑っていたフェイトちゃんは急いで封印したジュエルシードのところへ向かった。私もすぐに追いかけ、同時にジュエルシードの前で自分たちのデバイスがぶつかりあった瞬間、互いのデバイスにヒビが入り、ジュエルシードから強烈な光が放たれてきた。
「フェイト!」
「なのは!」
ユーノくんたちが声を掛ける中、フェイトちゃんはデバイスを待機状態に戻し、ジュエルシードを掴み取って抑え込もうとしていた。
「フェイトちゃん!?」
「あれは……珠子!戦いは中止だ!あのフェイトって子が無茶をしてるぞ」
「あいつ……杏!千景!」
「若葉!友……」
空SIDE
ジュエルシードを抑え込もうとするフェイトだったが僕が友奈の名前を呼ぼうとした瞬間、フェイトを突き飛ばし、代わりに友奈が抑え込もうとしていた。
「無茶だ!?魔導師じゃないのにジュエルシードを抑え込もうとするなんて……」
「高嶋さん!?」
「……切り札発動!!一目連!!」
友奈の衣装が変わり、片目を隠した姿へと変わった。あれが友奈の……精霊を肉体に宿すことで発現する……切り札一目連。
友奈が必死に抑え込んでいくとジュエルシードの光が消えていった。
「……貴方は……」
「私は高嶋友奈……これ、もう大丈夫だよね」
友奈は笑顔でフェイトにジュエルシードを渡し、フェイトは困惑しながらもジュエルシードを受け取り、どこかへ帰っていった。
「高嶋さん……」
「おい、千景、帰るぞ」
「あの空さん、後で」
「分かってる」
僕は千景たち三人と赤毛の女性を見送り、友奈に近寄った
「友奈……お前……」
「あはは、何とかなったね……」
友奈は弱々しい笑顔でそう告げた瞬間、血を流しながらその場に倒れ込んだ
「友奈!?」
「切り札の反動!?」
「いや、違う……友奈さんはもしかして無理やりジュエルシードの暴走を抑え込んだからその反動が……」
「そんな……ユーノくん……」
「僕は回復魔法は……」
僕、若葉、なのは、ユーノが困惑する中、ひなたはそっと倒れた友奈に触れた。その瞬間、友奈の傷がふさがっていった。
「ひなた……お前……」
「お兄ちゃん……お兄ちゃんが勇者の力と魔法の力を手にしたように……私も……」
ひなたは僕らに桃色の鍵を見せた。僕が持っている青、赤、白の鍵と同じ……
「この力は巫女としての力を上げているのかもしれません。だから……」
友奈の傷は全てふさがっていくと同時にひなたはそのまま倒れ込んでしまった。
「この鍵……本当になんなんだよ」
僕はただただそうつぶやくしか出来なかった。
空のもつ鍵……青は勇者に変身し、赤は魔導師。白はそのうちです