僕たちはクロノに着いていき、次元空間航行艦船『アースラ』に来ていた。
「ああ。もうバリアジャケットとデバイスを解除しても平気だよ」
「あっ、そうですね」
なのはが変身を解き、僕たちも変身を解くとクロノはユーノのことを見た。
「君も、元の姿に戻ってもいいんじゃないかな?」
「ああ、そういえばそうですね。すっかり忘れてました」
「え?」
僕たちが首を傾げると、ユーノの体は光り輝き、なのはとそう変わらない歳の少年に戻った。
「ふぅ。なのはにこの姿を見せるのは久しぶりになるのかな?」
「ふえええええええ!?」
なのはは思いっきり驚いていた。というかなのは知らなかったのか……
「な…なのは?」
「ユーノ君って…ユーノ君って…!人間だったの」
「どうやら君たちの間で、見解の相違があったみたいだね」
「えっと…なのは、僕達が初めて会った時、僕はこの姿じゃ?」
「ち…違う違う!最初からフェレットだったよ?!」
「ああっ!そういえば、この姿まだ見せてなかった」
「だ…だよね?ビックリした!?」
まぁ驚くのも無理も無いよな。僕らも驚いてるし……だけど珠子があることをいい出した。
「そういえばユーノって私らと温泉に入らなかったか?」
「タマっち先輩……たしかにそうだけど……」
珠子の言葉を聞き、なのはは顔を真赤にし、友奈、若葉、ひなたは苦笑いをし、千景から殺気が……溢れていなかった。
「何だ?怒ったりしないのか?」
「別に……彼の場合は動物の姿でやったことだし、お互い彼が人間だって知らなかったから事故みたいなものじゃないの?」
「ならいいけど……」
てっきり友奈の裸を見たことで怒り出すかと思ったんだけどな……とりあえず僕はユーノの肩を叩き
「ユーノ、今のうちだけだから女の子の裸を見て許されるのは」
「空さん、お願いだから変なことを……」
「まぁたまに私とお兄ちゃんは一緒にお風呂に入ってますから、兄妹ならまだ許されるんじゃないんですか?」
「そうだったな」
『いやいやいやいや、そっちもおかしいから』
若葉、杏、珠子の三人が思いっきりツッコミを入れるのであった。別に兄妹なんだし、それに嫌だったらひなたは拒否するから……
「んんっ、話はもういいかい?君たちには今から艦長にあってもらう」
「そういえばクロノ。何で僕らが勇者だってわかったんだ?」
「それについてもだ」
僕らはクロノに案内された部屋に入るとそこは、、盆栽やお茶の道具、畳や獅子脅しが置かれていた。そして畳の上には緑色の髪の女性と二人の少女が座っていた。
「艦長。来てもらいました」
「ようこそ。まぁ皆さんとりあえず座って楽にしてくださいね」
「はぁ……」
全員が畳に座る中、若葉だけは立ち尽くしていた。
「貴方は……白鳥さんか?」
「やっぱり乃木さんだったんだね」
白鳥?もしかして諏訪の勇者か?その隣りにいるのはもしかして巫女の藤森水都なのか?
「やはり知り合いだったみたいね。彼女たちは突然アースラに現れたの」
「僕らは彼女たちを保護し、事情を聞いたんだ」
「だから勇者について知っていたんだな」
そこら辺は納得いった。とりあえず若葉に再会を喜びあうのは後にするように伝え、話を聞くことにした。
「私は時空管理局提督『アースラ』の艦長、リンディ・ハラオウンです」
僕らは互いに自己紹介を終わらせ、ユーノがジュエルシードを集めていたことを話した
「まぁそうだったの。あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのは貴方だったんですね」
話を聞き終えたリンディが言った。
「…それで僕が回収しようと…」
「立派だわ」
「だけど同時に無謀でもある!」
「あの『ロストロギア』って何なんですか?」
僕らはロストロギアについて改めて説明を受けた。
次元空間の中には幾つもの世界が存在する。その中には他の世界よりも進化しすぎた世界がある。その世界を滅ぼした危険な技術の遺産。それらを総称して『ロストロギア』と呼ぶ。使い方によっては世界どころか次元空間を滅ぼす程の力になるらしい
「なるほどな。それで僕らが元の世界に戻る方法については?」
「それについては……」
「まだ調査中なのよね。貴方達の世界も大変みたいだし、なるべく急ぐわ」
「大変?」
「いい機会だし、なのはやユーノにはちゃんと話しておくか」
僕らの世界は突然現れた天の使い……バーテックスと呼ばれる化物に人類は滅ぼされかけた。そんな中人類を守ろうとするいくつもの土着神が集合した存在、神樹様に認められ、バーテックスと戦う力を授かったのは若葉たち勇者とひなたたち巫女だった。
僕らは大きな襲撃を何とか退け、他の地方の生存者を探すことになった。
「その時に僕らはこの世界に来たって言うことだ」
「次元転移系の何かに巻き込まれたということね」
「それに君たちの世界は言うなれば平行世界みたいだね……」
「まぁ帰るまでの間はジュエルシードの集めの方は手伝うよ。なのはもそうだろ」
「あ、はい」
「だが君たちは戦う力があっても……」
「まぁいいじゃない。彼らは断られても関わってくるみたいだしね。これからよろしくね」
リンディさんは握手を求めてきた。僕はそれに応じ、これからも協力することになったのだった。