ソードアート・オンライン 閃光の弟は鬼の剣士 修正中   作:狂骨

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姉弟の再会そして忌まわしき過去

暗闇の中で光る方向へと歩んだ作斗の視界が突然暗くなり 少しずつ景色が鮮明としてきた。

「……ここは…」

目が覚めると作斗の目の前には涙を流している明日奈の姿があった。

 

「…!作斗!」

「ふぎ!?」

明日奈は目覚めた作斗を見た瞬間 涙を流しながら胸に抱き締めた。

 

「よかった…目が覚めて…!」

「……苦しい…ていうか何があった…?」

作斗は状況を知るため明日奈から離れると問い掛ける。すると明日奈は泣きながら答えた。

 

「作斗は…一週間も意識がなかったんだよ…!出血が酷くてあと少しでも遅かったら死んでたんだよ!お姉ちゃん本当に心配したんだから!」

「……ごめん…」

すると作斗の目からも涙が溢れ出てきた。二年間感じる事の出来なかった姉の温もり それが今まで堪えてきた悲しみをゆっくりと溶かしていった。

 

「けど……よかった……姉ちゃんに……やっと会えた…」

作斗は涙を流しながら『明日奈』ではなく幼き日々の呼び方にしながらその身を明日奈の懐に寄せた。

 

「私も嬉しいよ…ただいま。作斗…!」

 

明日奈も涙を流しながら作斗を抱き締め頭を撫でた。

 

それから数分後

落ち着きを取り戻した作斗は外の景色を見た。時刻は夜中であり 外の月の光が部屋を美しく照らしていた。

 

「よっ…うぐ…!?」

作斗は立ち上がろうとした時 身体中に謎の痛みが走る。

 

「ちょ!まだ動いたらダメよ!」

明日奈は起きようとする作斗を制止させた。作斗は何かおかしいと思い腕を動かしてみるとまたもや鋭い痛みが襲ってきた。

 

「ッ…あのゴミクズにやられた時の痛みがまだ残ってたのか…」

やはりペインアブソーバが0の状態で身体を何度も切り裂かれたのでその痛みは重かった。

「ごめんね…お姉ちゃんの所為で酷い目に合わせちゃって…」

「何言ってんだ。悪いのは全部あのゴミクズだ。明日奈が謝る事じゃねぇよ」

再び涙を流す明日奈の目を作斗はティッシュで拭き取った。

「んで…お前は大丈夫なのか?二年間以上も動いてないとなると歩くのがキツイだろ?」

「その事なら大丈夫。ちゃんとリハビリ受けてるから歩けるまでには回復したよ」

「そうか…なら…よかった…」

安心したのか作斗の身体からまたもや疲れが現れ起き上がった上半身が再び倒れた。

 

「もう少し寝る…」

「うん。おやすみ。明日はキリト君や妹さんも来るから」

「そうか…ていうか何でお前と同室なんだよ」

「ふふ♪久しぶりに作斗と同じ部屋で寝たいなって♪」

「小学生か…まぁいいや。おやすみ…」

作斗は布団を被ると意識を落とした。

作斗が寝たのを確認すると明日奈も自分のベッドへと戻り静かに眠りに入った。

 

「それかこのまま朝まで話そっか!」

「はよ寝ろ」

 

ーーーーーーーー

 

翌日の正午

 

作斗は今 泣き崩れている直葉に抱きつかれていた。

 

「うぐぅ……ざぐどざん……ほんどによがっだでずぅ!!!」

「あ…いや分かったのでもう泣くのはやめてください…ていうか和人よぅ…テメェ兄なら妹を泣き止ませろよ」

 

その言葉にリンゴを剥いていたキリトは「ん〜」と考え込むと拒否した。

 

「今は泣かせてやれ。俺や明日奈は勿論だけど直葉が1番心配してた様なモンだからな。お前の治療が終わってこの一週間 毎日来てたんだぞ?」

 

「そ…そうなのか…」

 

「そうだよ。ちゃんとお礼言いなさい」

 

「はい…」

和人や隣のベッドにいる明日奈に諭された作斗は自分の腹に顔を埋めて未だに泣いている直葉に苦労をかけたと思い包帯を巻かれた右手で頭を撫でた。

 

「私はもう大丈夫ですよ。心配をおかけして申し訳ありません。それとありがとうございます。毎日私の見舞いに来てくれて」

 

その言葉に直葉は泣き止むと顔を上げた。涙でぐしゃぐしゃになった顔が未だに治らず 言うまでもないが埋めていた作斗の腹部は涙と鼻水でびっしょびしょだった。

 

「うぅ……もう泣くのは止めてください。私はこの通り生きていますよ」

 

「でも私の所為で大怪我を……」

 

「こんなもの軽い怪我ですよ。そんなに心配する事ではありません。ですからもう泣き止んでください」

 

「うぅ……はい…」

ようやく直葉は泣き止むと作斗から離れた。そして作斗は包帯の巻かれている右手の指を動かした。

 

「(……思うように動かねぇし変な感覚だ…恐らく血が足りん…)」

 

貧血と思い込んだ作斗はどうしようかと考えていた。

すると

 

「作斗さん。口開けてください」

 

「え…」

見るとリンゴに楊枝を指しそれを片方の手で添えながら落ちないように持っている直葉がいた。

 

「い…いや自分で食べられるので…」

 

「いえ!作斗さんの右手が治るまで私がご飯とか食べさせますから!」

 

「そこまでしなくても……」

 

その様子を隣にいるゲームでできちゃった婚の2人は微笑みながら見守っていた。

 

「キリト君とそっくりで頑固ね。妹さんも」

 

「あぁ。アイツは一度決めた事は絶対に変えない奴だからな。それにしても…作斗ってグイグイくる相手には弱いんだな…」

 

「まぁね…」

 

一方で作斗は初めて他の女子からやられるかつ押しに弱い故にどうすればいいのか分からなかった。

 

「はい。あーんしてください」

 

「う…あ…あーん……」

作斗のあいた口に直葉はそっとリンゴを入れた。

リンゴが入った事を認識した作斗はゆっくりと味わいながら咀嚼した。

 

「美味しいですか?」

 

「…蜜が入ってて凄く甘いです…」

 

「よかった!」

「ッ!/////」

直葉の見せた満面な笑顔を見た瞬間 作斗の頬が赤く染まった。すると恥ずかしみを隠す為かベッドに潜り込んだ。

 

「え!?ちょ作斗さん!?」

ベッドの中で作斗は激しく鼓動する心臓を抑えながら葛藤していた。

「(な…なんだこの感覚は…!?アイツの顔を見た瞬間…へんな感情が…!)」

 

「作斗さん出てきてください。食べないと治りませんよ?」

 

「す…すいません…(気のせいだ…多分俺は疲れてるんだ…)」

そう思いながらも作斗はまたリンゴを受け取った。

 

それから作斗は昼食までも直葉に食べさせてもらう羽目になり気が休まる事は無かった。

食事を食べ終えた頃

「ちょっと明日奈のリハビリについてくるよ」

と言い2人は病室を出た。

後に残ったのは直葉と作斗だけだった。

 

「……貴方は行かないのですか?」

「いえ。作斗さんを1人にする訳にはいかないので私が一緒にいますよ」

「……(どうしよう…1人になりたい気分だが…コイツが出て行く気がしない…)」

作斗はどうにか1人になる為直葉が病室を出て行く言い分を考えた。

 

「どうしたんですか?」

「うわ!?」

いきなり顔を覗き込んできた直葉に作斗は驚いた。

「な…なんでもありません…」

赤面しながら驚く作斗に直葉は微笑んだ。

「ふふ。作斗さんってゲームでは仏頂面でしたけど意外と可愛い面もあるんですね」

「うぅ……」

直葉の言葉に作斗はまたもや現れた恥ずかしさを隠そうと布団を頭からかぶった。

「しばらく寝ます…」

「分かりました」

作斗は狸寝入りをし直葉が去って行くのを待つ事にした。

 

 

 

 

5分ぐらい待ったがまだ帰った気配がしないためもう少し待つことにした。布団の中はずっといると暑い為そろそろ出たい頃だ。

すると

カツ…カツ…カツ…

靴の音がし入り口の方へと消えていった。

「(…もういったか……)」

作斗は布団から顔を出した。部屋を見渡すと直葉の姿はなかった。

 

「ふぅ…ようやく休める…」

顔を出しながらベッドへと横たわるとそのまま眠りについた。

 

「スゥ…スゥ…」

 

ーーーーー

ーーー

ー

 

一方で退室した直葉は帰ったのではなく部屋の花瓶の水を交換の為、一時的に退室していたのだ。

水を入れ終え鼻歌を口ずさみながら病室へ戻った。

「よっこらしょと…あ…作斗さん顔出して寝てる…」

直葉は自分が帰ったと思い込み熟睡している作斗の側によるとその寝顔に顔を近づけた。

中性的な顔立ちの為 寝ている時の顔は緊張感や警戒心がなくなりとても清らかな表情となっており普段とは全く印象が違うだろう。

「初めて見るなぁ作斗さんの寝顔…すごく可愛いなぁ……ふわぁ…私も少しだけ…」

睡魔に襲われた直葉は椅子に座りながら作斗の布団に顔を乗せると目を閉じた。

 

ーーーーー

ーーー

ー

 

 

「……ぐか…コイツ……まだここにいたのか……」

数時間後 目を覚ました作斗は帰ったと思っていた筈の直葉が自分のベッドに顔を乗せて寝ている事に驚く。

 

「……(なんで俺に近づこうとしてくるんだこの女は…たった一度助けただけで…)」

頭に手を当てながら作斗は困惑した。するとベッドがやや揺れた為か直葉も目を覚ました。

「あ…すいません。私も寝てしまって」

「…別に構いません。そろそろ帰った方がいいのでは?もう夕方ですよ」

「え?あ!もうこんな時間!じゃあ失礼しますね!」

直葉はコートを着用するとそそくさと退室していった。

 

「…」

「いい雰囲気だったね♪」

「!?」

すると突然隣のベッドから声がし、見ると明日奈がニコニコしながらこちらを見ていた。

「見てたのか…」

「うん。いよいよ作斗にも春が来たんだな〜。お姉ちゃん嬉しいよ〜」

「ふざけんな。何故俺があんなガキに。それに女に興味はない」

「そうな事言って〜…直葉さんが一緒にいる時 凄く顔 赤くしてた癖に〜♪」

「!」

明日奈の嫌らしい笑みの攻撃に作斗は数時間前の事を思い出し赤面した。

 

「あれはただ気が狂っただけだ!あの女を好きになった訳じゃねぇからな!」

「……ツンデレ?」

「はっ倒すぞ」

作斗はモヤモヤとする気持ちを抑え込もうとベッドに寝転がった。

「ッチ!あと数日もこんな事が続くなんて最悪だよ!」

「そう?私は嬉しいかな〜♪キリト君来てくれるし♪」

「あっそ!(何なんだこの感覚は!)」

作斗はそれだけ言うと眠りについた。

 

 

翌日

 

「ふぅ…」

病院内にあるリハビリ施設にて、作斗は男性医師が付き添いの元、身体検査を受けていた。

 

あれ程の重傷だったというのに、傷口は完全に塞がれており、歩行能力も完璧に回復していた。

「うん。もう異常は無さそうだね。退院しても大丈夫だよ」

「はい。ありがとうございます」

若干引きながらも異常が無いことを伝えられた作斗はお辞儀をすると掛けてあるタオルを手にして身体を拭いた。

「すげぇ回復力だな…入院して間もないのに…」

「うん…流石に私もびっくりした…」

「筋肉が凄い…」

明日奈や付き添いである和人もその様子に驚いていた。

横にいる直葉の言う通り作斗の筋肉は凄まじく 決してマッチョとは言えない細い身体だが血管や腹筋の割れがくっきりと出ていた。

 

「…」

作斗は明日奈達から距離を取るようにリハビリ施設を後にした。

その様子を皆は見送る。が、直葉は少し複雑な表情を浮かべていた。

 

「なぁ明日奈。作斗って昔からあぁなのか?ヤケに直葉や俺を避けてる様に見えるんだが…」

その質問に対して明日奈は顔を暗くさせた。

「いや…昔は自分から積極的に人に話しかけていて凄く明るかったよ。けど…あの日から突然変わっちゃったの…」

そう言うと明日奈は座りながら2人へと話した。

 

あの日

 

作斗が剣道で犯してしまった事を。

 

ーーーーーーー

それはSAO事件が始まる一年前の事だった。

ある剣道の大会で私は作斗の試合を見に行ったの。

 

「面!」

「一本!終了!」

初戦で勝った作斗は満面の笑みでギャラリーにいる私に手を振った。

「明日奈ー!!勝ったよー!!!」

「うん!」

 

「君はあの子のお姉さんかな?」

「はい。弟がお世話になっております」

「彼は素晴らしいよ。あの技術…そして顧問である私が不在でも皆を引っ張っていくリーダーシップ性。おそらく次期部長は彼になるだろう」

作斗は活発な他に新入部員でありながら先輩や顧問が不在の時でも他の皆を引っ張っていて纏めていたらしく部員全員から慕われていたらしい。

 

私は作斗に飲み物を買って届けてあげようと思いその場を離れ自動販売機へと向かった。

 

「えぇと作斗は……スポーツドリンクでいっか」

 

ガタン

私はドリンクを作斗に渡そうとした時に道が分からなくなりどうしようかと迷っていた。すると

「何かお困りですか?」

私は知らない他校の同学年の人に話しかけられた。

話しかけてきたのは作斗よりも短いが男子としては長い髪と高い身長をもつ美形の人だった。その人も道着を着ているから選手だろうと私は思った。見る限り私と同い年だろう。取り敢えず私は選手の人がいる場所を聞いた。

「それでしたら私も向かうところです。一緒に行きますか?」

「はい!お願いします!」

私はその人に弟がいて同じ剣道をやっている事を話した。

「成る程。私も貴方の弟さんの剣道を先程見ました。すごいですね。動きがとてもしなやかです」

そう話していると入り口に着きそこに作斗の姿が見えた。

 

「ここですね。では私はこの辺で」

そう言うとその人は会場の中へと入っていった。

「あ!明日奈!」

彼とすれ違った作斗は私に向かって駆け寄ってきた。

「お疲れ様。はいドリンクだよ」

「ありがと!」

そう言い作斗はドリンクを受け取ると凄い勢いで飲んだ。

「ぷはぁ。じゃ。皆のところに戻るよ」

「うん!残りの試合 頑張ってね!」

作斗は走りながら部員の皆のところに戻っていった。

そのまま私も上のギャラリーに戻り再び観戦した。猛々しく剣を振り声を上げながら相手に向かっていくその姿は凄くカッコよかった。

 

そして

お昼後の試合の時 事件が起きた。

相手は私に道案内をしてくれた人だった。合同試合のため 1年も2年と当たることとなり体格的に作斗が不利だった。けど負けないでほしいと思い私は心から作斗にエールを送った。

 

試合が始まると同時に 両方ともすぐさま剣を構えて打ち合いになった。

けど見ている中 私は作斗の剣の振り方が妙におかしい事に気付いた。

 

まるで 相手の竹刀を抉り取ろうとするかのような動きだった。

 

パンッ!!

 

その時 相手の竹刀が手から離され作斗へ一本となった。本来ならここで一旦竹刀を下げるけど…何故か作斗はそれを後ろに投げ捨てた。

突然の行動に体育館中の人が静かになった。審判が下がるよう言うが作斗は止まらずゆっくりと籠手を外しながらその人へゆっくり近づいた。

 

その時 作斗の足がその人の胴を蹴った。陸上をやっていて筋肉がついている作斗の蹴りは重い装備を装着しているその人を簡単に倒した。

そこから作斗は乱暴にその人の面を外すと顔へ向けて何発も殴った。

周りの先生が一斉に止めに入り何とか事は収まったけど相手へ怪我を負わせた上に審判の指示を無視した事で作斗は退場となった。

 

その後 作斗は同じ部員の皆からイジメられるようになって先生からも罵倒を浴びせられて強制的に退部させられた。

けど…後から真実が発覚した。相手の人が作斗と同じ部員をリンチし強制的に棄権させた事が判明した。

 

ーーーーーーー

 

「それから作斗は別人のように変わって他人と関わりを持たなくなってしまったの…」

「そうなのか…アイツはただ部員の仇を取ろうとしただけなのにな…酷いもんだな」

「…」

和斗は初めて会ったときの姿を思い出した。 明日奈とは違う冷たい瞳に誰にでも敬語を使う。そうとなると見当がつく。直葉は何も言えずただ立ち尽くす事しか出来なかった。

 

「作斗はどう思ってるんだ?そのことに」

その問いに明日奈は答えた。

「凄く恨んでた。勿論 イジメられた事に対してだけど本当の事が分かった瞬間に皆は謝らずにただ『なんだ』って感じに済ませたらしいの。その時期と同時に助けられたその子も部活を辞めたらしいの」

「酷いもんだな。謝りもナシとは」

直葉も悲しみの表情を浮かべていた。

「作斗さん…そんなに辛い事があったんですね…」

「うん…その上私が2年間も独りぼっちにさせちゃったから…本当に悲しい思いをさせたとおもってる…」

「……」

直葉は冬に会った時を思い出した。

彼は たった1人の心を許せる大切な人を無くしても、決して涙は見せず、ただ 普通に振舞っていた。だが、ずっと耐えていたのだ。自分よりも辛い過酷な日常を2年間も。

 

ーーーーーー

 

一方で作斗は自動販売機へと来ておりジュースを購入していた。

 

「ふぅ…」

そしてそれを一気に飲み干し疲れた体に成分を与えると病室へと戻った。

 

 

その時

 

「あれ?作斗じゃん」

「!」

後ろから声を掛けられた。声の質からして同じぐらいの年。だがその声を聞いた瞬間に作斗の額に青筋が立つと同時にあの忌々しい大会の日を思い出させた。

 

「貴方は…『木村』さんですか…」

「ちっす!いやぁお前もこの病院で入院してたのか〜!感動の再会だな!」

その少年は笑いながら作斗の肩をバンバンと叩いた。この男の名は『木村 海斗』作斗と同じ剣道部員だった者だ。だがそれにつれ作斗の筋はだんだん増え始め目も凶暴性を剥き出しになりかけていた。

だがここで動くとなると流石に不味いと思い下手にでないように作斗は敬語で喋る。

「お久しぶりです。木村さん。なんの御用でしょう?」

「え?何って実は俺もSAOから帰ってくることができてさ〜!そんでリハビリして終わって歩いてたらお前を見かけて話そうと思ったって訳よ!」

「そうですか…ですが生憎私にはそんな時間はございませんので」

そう言い作斗は立ち去ろうと背を向けた。すると木村は笑いながら肩へと手を回してきた。

「おいおいなんでそんな他人行儀なんだよ。俺ら親友だろ〜!?久しぶりに話そうぜ!」

その瞬間、作斗の怒りが露わとなり、身体の表面へと出た。

 

「触るな」

作斗は手を掴むと引き離した。そして充血し怒りに満ちた目を木村へ向けた。

「お前と俺が親友?面白くない冗談はやめろ。お前 あの日に言った言葉…忘れてねぇだろうな…?」

「え?あの日?あーね。お前が相手を殴った事か。何か言ったっけ?」

「『剣道を汚しやがって。お前なんかもう友達でもなんでもねぇ。消えろ』…ハッキリと覚えてるぞ」

「あ〜。言ったなそんな事。いやぁ悪かったよ。まぁでも良かったじゃん?真実が証明されたんだし!」

そう言い笑顔を見せる木村。だが、それが作斗をさらに怒りへと導いてしまった。作斗はこの場で木村を八つ裂きにしたい感情に襲われた。だが、病院内の上に相手は筋肉が衰えており万が一手を出せばこちらが悪い。そうとなると最悪 強制退院の可能性も出てくる。それだけは避けようと思い作斗は必死にその感情を抑えた。

だが木村は更に言葉を続けた。

「でもさぁ。あれはお前にも悪い点はあったんじゃね?無理にあんな殴らなくても普通に剣道でやれば問題にならんかったし。まぁ自業自得ってやつなのかな?あとお前のいなくなった後の剣道も何か熱が抜けたみたいで涼しくなったし意外と楽しかったわ」

「ッ!」

その時 作斗の怒りが再び頂点へと達した。

 

 

 

 

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