ソードアート・オンライン 閃光の弟は鬼の剣士 修正中 作:狂骨
姉が仮想世界に閉じ込められても結城家の日常は変わらなかった。
最初は混乱していたが父が一喝し明日奈は必ず帰って来る。無事にアイツが帰ってこれるようにここで折れてはいけない。と言い皆をまとめた。
俺もそう言われ何とか頑張るしかないと思った。だが、子供の俺には少しキツかった。幾日か経てば寂しさが溜まり少し涙を流したことがある。だが俺はそれを必死に抑え込んだ。それが幾日か続き半年が経つとその感情はだんだん薄れてきた。
それから俺の日常は少し変わった。
平日は夜遅くまで中学範囲を進め土日は姉のいる病院へ行く。それが習慣となった。
土曜日の今日もバスに乗り姉のいる病院に向かった。
病室に着くと俺はいつも変わらぬ姉の姿を見ていた。
「……」
今日あった事を話しても何も返ってこない。笑い話をしても何も表情を見せない。何をやっても姉が笑顔を見せる事は無かった。
「じゃあ…今日はもう帰るで……」
俺はそう言い病室を後にした。すると角から誰かとぶつかり相手を倒してしまった。
「大丈夫ですか?」
俺は倒れた相手に手を差し出し立ち上がらせた。
「あ、いえいえ。私のほうこそすいません…」
相手は俺より背が高いショートカットの女子だった。ここにいるという事はコイツも俺と同じ誰かの見舞いだろう。
「あの…もしかして結城作斗さん……ですか?」
いきなり名前を呼ばれ俺は少し驚いた。この女子とは面識は無いはずだが…
「なぜ私の名前を?」
「あの…前の剣道の大会の時に試合を見てたので…その時 私も出てたんです」
「…」
その大会に俺はあまりいい思い出が無かった。準決勝戦の時に対戦した相手を俺が剣道とは全く違う完全な『暴力』で病院送りにしたからだ。
「そうですか…では私はこの辺で」
そう言い俺はその女に背を向け出口に向かった。
「ちょ…ちょっと待ってください!」
「待ちません。もうすぐバスが来るので」
「いやその……出口の階段向こうですよ…?」
「////ッ!!」
その日、俺は初めて顔を真っ赤にした。
家に着いた俺はベッドに寝転がった。
昼間に会ったあの女子の所為で恥ずかしい目にあった……。
まぁそんな事はどうでもよかった。俺は取り敢えず机に向かい中学範囲を進めた。因みに俺は2年となり、いま自習しているのは中3の中盤あたりだ。このままいけば夏休みかそれぐらい前には中学範囲はほとんど終わるだろう。
高い学力を示しクラスでトップを取る。今のところできる姉へのサプライズだ。
「作斗様、夕食のご用意が出来ました」
「あぁ。いつもすいません」
俺は夕飯を食べるため下へ降りた。
その頃、SAOにて、明日奈は休憩のためとある宿へパートナーである黒い少年『キリト』と泊まっていた。
「そういえばアスナ、お前 弟がいるって言ってたけど…どんな奴なんだ?」
「え?」
唐突な質問にアスナは驚きながらもう〜んと考える。
「まぁ……普通の子なんだけど……怒ると…私より怖いよ…?」
「え…マジで…?」
キリトの冷や汗を垂らす質問にアスナは頷いた。
「うん。それに今の私の剣術でも絶対に勝てないくらいに剣道が強いの。それに多分…ソードスキルを使っても勝てないかもね…」
「え!?嘘だろ!?あれ……?ちょっと待て……弟さんの名前は…?」
「あ。『作斗』っていうの」
「ッ!」
その名前を聞いた瞬間、精神だけとなったキリトの頭の中に昔 自分の妹から聞いた話が再生された。
『お兄ちゃん、今日の剣道の試合さ、凄い人がいたんだよ!』
妹が顔を真っ赤にさせ興奮しながら語ってきた。
『どんな奴だったんだ?』
『あのね!竹刀を片手で持っててね それで相手の攻撃をすり抜ける様に流してたんだよ!でも何か反則しちゃって退場になっちゃったんだ…』
『そりゃ残念だな…んで、なんて名前なんだ?」
「えっとね…確か名前が…
【結城 作斗】
自分の妹が言ったその名前が何度も頭の中で再生された。
「なぁ…アスナ…」
「どうしたの?」
「いや…何でもない…おやすみ」
キリトはその事について聞こうとしたがやめておいた。聞いたらマズイと思ったからである。その判断は正しい。
現実世界ではもうすぐ夏となる時期だった。