ソードアート・オンライン 閃光の弟は鬼の剣士 修正中 作:狂骨
あれから数ヶ月が経ち俺は中学3年となった。その事を姉に報告したが姉は何も返してはくれなかった。
「はぁ…」
俺はため息をつくと部屋を出た。何故か今の俺の日常が変わりつつあった。
家に着くと即座に机に向かう。中学の範囲はもうすぐ終わる。
中学3年になってもこれの繰り返しだった。
それから時が経ち夏休みとなった。中学範囲は終わり今は復習している。
俺は熱い日でも鍛錬は欠かさなかった。いつも通り庭に木を立たせる。
「すぅ……」
目を閉じ心を落ち着かせ精神を全て刀の切先に集中させる。
集中…集中…
一閃ッ!!
俺は筋力を全て腕に集中させたと同時に刀を振るう。そして振るった後も筋力を緩めず速やかに切れた木片目掛けて更に剣を振る
「セィッ…!!」
何回振ったかは分からない。だが、刀を鞘に戻した時には切った木片は何十当分にも分けられていた。
後ろを振り返る。そこには微笑みながら自分の姿を見守っている姉の姿があった。風が吹くと同時に俺は正気に戻った。見るとそこには誰もいなかった。
「……早く帰ってこいよ…」
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ーーーー
ー
それからまた、幾日か時が進んだ。夏から秋へそして冬。中学もそろそろ終わりに近づき入試の時期となっていた。。俺は姉のいる部屋でずっと顔を見つめていた。
「もうすぐ…俺 入試なんだ…まぁ推薦だけど頑張るからお前もそっちで頑張れよ…」
俺は部屋を出た。寂しさ。そして姉を救えない自分への不甲斐なさに腹が立つ。悔しみのあまり歯を噛み締めた。
2024 11月 7日
この日俺はすぐさま学校から姉のいる病院まで走っていった。囚われていたプレイヤー達が次々に目を覚ましたからだ。
嬉しさのあまり俺は笑顔を出したまま走っていた。プレイヤーが目覚めたのなら、明日奈もそうだ。きっと起きている。そう思いながら俺はバスへ飛び乗り病院へ着くとすぐさま明日奈のいる病室へ走った。
「明日奈!」
俺は勢いよくドアを開けた。だが、俺の感情はそこから地へと落とされた。
「え……?」
そこにはいつも変わらず寝たきりの姉の姿が映っていた。
「何でだよ…?ゲームはクリアされた筈だろ…?何で…何で起きねぇんだよ明日奈!!」
俺は悲しみのあまり怒声を出してしまった。
「ふざけんなよ……起きて……起きてくれよ……起きてくれよ!!明日奈!!」
目から何かが出てきた。俺は何度も姉の名前を叫んだ。看護婦が俺を引き離そうとしたが俺は姉から離れなかった。途中 父さんが駆けつけ俺を沈静化してくれた。
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「落ち着いたか?」
「うん…」
俺は父さんのお陰で冷静になる事が出来た。父さんも父さんで辛いんだ…。
「確かに明日奈は目覚めていない。だが信じろ。他の皆が目覚めたんだ。明日奈だって必ず目覚めるさ」
俺の肩に父さんの手が置かれた。とても暖かく優しかった。
「そうだね…信じてみるよ…」
俺がそう言うと父さんはニッコリと笑ってくれた。
俺は明日奈に近づくと手を握った。
「さっきはごめん……でも、必ず帰ってこいよ明日奈」
何も反応が無くても俺は良かった。
「今日はもう帰りなさい。疲れただろう。父さんはまだやる事があるからな」
「うん」
俺は病室を出ると家へと戻った。目覚めなかったとしても待てば時期に目覚めるかもしれない。俺は目覚めた時のサプライズのため、1ヶ月後に控えた推薦試験の勉強を進めた。
そしてその1ヶ月後 俺は試験を終えその後すぐ発表された合格発表で受験を終えた。
俺は姉に報告する為に病室へ向かった。父さんもいるらしく丁度よかった。
「父さん」
病室にいくと父さんの他に知らない男がいた。
「あの…誰?」
俺がそう聞くと父さんが教えた。
「作斗、彼は向こうの世界で明日奈を守ってくれていた『桐ヶ谷 和人』くんだ。挨拶しなさい」
成る程。ネットの友達ってことか。取り敢えず挨拶だけはしとこう。
俺は手を差し出した。
「初めまして。私は結城家次男の『結城 作斗』です。向こうの世界では姉がお世話になりました」
「初めまして。俺の名前は『桐ヶ谷 和人』だ。向こうの世界では君のお姉さんにお世話になったよ」
握手をしてみると男性にしては少し柔らかすぎる。2年となると流石に筋肉が衰えるか。
俺は握手し終えると父さんに合格発表の事を知らせた。すると父さんは笑顔になり俺の肩を叩いた。
「流石は私の息子だ。明日奈もきっと喜ぶぞ」
すると、入り口から誰かが入ってくる足音がした。
「社長」
「ッ!」
この声に俺の感情は怒りに変わった。今まで聞いた中で1番頭にくるノイズ。俺はゆっくりと後ろを振り返った。
そこには眼鏡を掛けた成人男性が立っていた。だが、俺たち 兄姉弟にとっては1番嫌な奴だった。
須郷…!
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ーーー
俺はSAOをクリアした後 未だに目覚めないアスナの見舞いをしに病院へと向かっていた。
病室に着くとそこには未だにナーブギアを装着している姿があった。
俺は持ってきた花を棚に置いた。
すると入り口から誰かが入ってきた。
「やぁ桐ヶ谷君 いつもすまないね」
この人はアスナのお父さんだ。ゲームを攻略し終えた際に病室で会いSAOでの出来事を話したら凄いお礼を言われた。
「こちらこそ。いつもお邪魔してすいません…結城さん」
「いや、娘も喜ぶよ。いつでも来てもらって構わないよ」
そう言いアスナのお父さんは俺よりもデカイ花束を棚に乗せた。さすが社長…
「父さん 」
その時 入り口から少し高い声がした。その声の主はゆっくりと此方へ歩いてきた。
身長は小柄で髪が長い。一瞬アスナに見えてしまったが彼女と違いポニーテールにツリ目だった。妹さんかな?
「作斗、彼は向こうの世界で明日奈を守ってくれていた『桐ヶ谷 和人』くんだ」
いや…正確には守られていたな…ご飯とか凄い作ってもらってたし…
ん…?作斗…?
俺は聞いたことがあるような感じがしSAOでの会話を思い出した。
『私の弟の名前は『結城 作斗』っていうの』
ってことはこの子がアスナの弟か。少し似てるな…
そう思っていると作斗と呼ばれたアスナの弟は俺に近づき手を出した。
「初めまして。私は結城家次男の『結城 作斗』です。向こうの世界では姉がお世話になりました」
差し出された事に対し俺も手を差し出した。
「初めまして。俺の名前は『桐ヶ谷 和人』だ。君のお姉さんにはお世話になったよ」
握った瞬間 少しウッときた。見た目は小柄な事に対して腕の筋力がとても強かった。俺の筋肉が衰えているのか分からないがとにかく今まで握ってきた奴で1番強いと確証した。確かに怖いな…お前以上に…
その子は手を離すと結城さんと話し始めた。
するとまたもや入り口から誰かが入ってくる音がした。次に入ってきたのは眼鏡を掛けスーツを着用した人だった。
「あぁ。彼とは初めてだね。私の会社の研究所の主任だ」
「初めまして、私は『須郷 伸之』と申します。よろしく」
自己紹介尚且つ名刺を出され少し戸惑いながらも俺も自己紹介をした。すると凄い握手をされた。痛い…
「彼は腹心の息子でね。昔から家族同然の付き合いなんだよ」
「社長…その事なんですが…そろそろ正式に決めさせていただきたいのです…」
そういうと須郷さんは急に顔をしかめつかせ真剣さをだした。
「そうか…でもいいのかね?君はまだ若い。新しい人生だって…」
「いいのです。僕の心は昔から決まっています」
え?どういう事だ?この二人は何を話しているんだ?横を見ると弟である作斗は須郷さんを睨んでいた。
「明日奈さんが今も美しい姿でいる間にドレスを着せてあげたいのです」
その言葉で俺は理解した。須郷さんは明日奈と結婚するという事だった。
「そうだな…あ、もう時間だ。では失礼するよ。続きはまた」
そう言うと結城さんは病室から出て行った。病室には俺と須郷さんと作斗だけとなった。作斗は下に顔を向けたまま表情を見せない。
俺も驚いた。許婚なのか…?
「君はあのゲームで、明日奈と一緒に暮らしていたんだってね。だとしたら僕と君は少し複雑な関係になりそうだね」
「ッ!」
その時、須郷さん…いや、須郷の顔の色が変わった。
「さっきの話はね?僕と明日奈が結婚すると言う事だよ」
その顔に先程の面影はなくただ欲望に溢れた顔だった。
「そんな事…出来るわけが…!」
「確かに、法的な入籍はできないから僕が養子になると言う事かな…?まぁ、この娘は昔から僕の事を嫌っていてね」
そう言うと須郷は明日奈の顔へ手を近づけた。
その時だった。
「ッ!?」
病室に巨大な殺気が流れた。俺は辺りを見回した。こんな殺気…SAOでも感じた事がない…。見ると横にいた作斗が姿を消していた。須郷の方へゆっくりと首を回すとそこには、須郷の首筋に木刀を突き付けている作斗の姿があった。しかも作斗の表情は確実に殺す目だった。
「それ以上近づくな…」
言葉一つ一つに殺意が込められていた。須郷は手を止めると作斗を睨んだ。
「おいおい。何をしているんだい作斗君?もうすぐ君のお兄さんになるこの僕に」
「失せろ。お前の様な奴はいらねぇ。俺の兄は浩一郎だけだ」
「フン。君がどう言おうがもう変わらんよ。それに良いのかい?SAOの総合サーバーは君のお父さんの会社の僕が務めている部門に委託されている。つまり、君のお姉さんの命は僕が握ってい……」
その言葉は最後まで続かなかった。須郷が明日奈の顔へ再び触れようとした時 作斗の姿が突然須郷の横に現れその顔に向かってゆっくりと拳を打ち込んだ。
その拳によって須郷は吹き飛ばされ壁へと胴体を打ち付けた。
「なんだ?姉の命はお前が握っている?なら、今ここでお前を殺せばコイツが目を覚ますって事か?ハッ。冗談なら笑えないな。それが事実なら……
“縛り上げてしっかりと事情を聞かないとな…!!”
その言葉を聞いた瞬間 須郷は顔を抑えながら病室から出て行った。
「ッチ…逃げたか…すいません和斗さん。見苦しいところを見せてしまって」
そう言い俺の方へ顔を向け頭を下げる作斗に少し恐怖感を得た。
「私はもう帰ります。また来てください」
そう言い作斗は病室から出て行った。
「アスナ…俺はどうすれば……」
その時 携帯が鳴り出した。見るとエギルからだ。内容は『明日の昼に来い。見てほしいものがある』との事だった。
俺は『わかった』とだけ返信した。
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翌日、俺は東京のとあるバーへと来ていた。
「よう。待ってたぜ」
出迎えてくれたのは肌の黒い筋肉質のおっさん。コイツの名前は『エギル』かつてSAOで一緒に戦った仲間だ。
「で、見てもらいたいものって…」
俺は早々にカウンターへ着くと昨日の事について聞いた。するとエギルはPCを取り出しある画像を見せた。
「これって…鳥籠…?」
その画像はある風景の写真だった。複雑な形状をした巨木の先端に一つの鳥籠がぶら下げられていた。
「これはあるゲームの中の画像だ。その鳥籠がネットに上げられていてな。ちと、画質は悪いが拡大してみるとこんなのが写っていた」
「ッ!」
俺は目をまさぐりながら見た。そこには、アスナの姿があったからだ。
「アスナ!なんで!?」
「詳しい事は分からん。取り敢えずこれは知ってるか?」
そう言いエギルは俺にあるゲームソフトを見せてきた。
「SAOの後に発売された安全性のある『アミュスフィア』というハードと一緒に発売された『アルヴ・ヘイム・オンライン』という人気ソフトだ。通称 ALO。さっきの画像はこのゲームの中の画像だ。レベルなしでPK推奨だと。まぁ属に言えばソードスキルなし魔法ありのSAOだな」
「そんなハードなゲームが人気なのか?」
「あぁ。何でも『飛べる』らしいからな。ま、滞空時間ってのがあって無限には無理だが」
そう言いエギルはソフトの裏側にあるマップの中心を指差した。
「プレイヤーは九つの種族に分かれてこの『世界樹』というところを目指しているらしい。それで、とあるプレイヤーが五人肩車をしながら飛んでったところ奇妙なものが写っていたんだと。それでその鳥籠が写って解像度をギリギリに引き上げ拡大したのがこれって訳さ」
そう言いエギルはアスナの写真を指差した。俺はソフトの裏側に表示してあるゲーム会社に目がいった。
『RCT PROGRESS』
そして思い出した。このゲームは須郷のいる部門で作り出されたゲームだという事を。
「エギル…このソフトもらって良いか…?」
「構わんが…行くのか?」
「あぁ…これに写っているのは確かにアスナだ…俺が絶対助け出してみせる…!」
俺がそう言った時
「そうか。そのソフトの中にアイツがいるって訳か」
「「ッ!?」」
突然 入口の方から声がした。聞き覚えのある声 俺がゆっくり振り返るとそこには アスナの弟である作斗が立っていた。
「作斗…」