ソードアート・オンライン 閃光の弟は鬼の剣士 修正中   作:狂骨

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直葉と作斗

私はサクヤと別れキリト君と一緒にアルンへと向かっていた。

先程の一件は大問題にはならずすぐに収束となった。けど、1つの不安があった。

 

ムゲンのことだ。

あの子は一体何者なのだろう…そしてあの子が口にしていた“目的”も…『姉に会うため』とは一体なんなのだろう…。キリト君は知っているのだろうか…

私は聞いてみた。

「ねぇキリト君…さっきのムゲンが言ってた『姉に会うため』ってどういうことなの…?」

するとキリト君は答えた。その表情にはやや悲しみの面影があった。

「実はな…ムゲンの姉はSAOの事件に巻き込まれたんだ。クリアした後もずっと目が覚めなかった。だが、世界樹でアイツの姉が発見されてな。自分も行くと言ってこの世界に来たのさ」

「そうだったんだ…じゃあもう2年くらい喋ってないのか…」

「あぁ。ムゲンのお父さんが言うには ほぼ毎日 見舞いに来ていたらしい」

「だからあんなに必死だったんだ…」

私は今までの事を思い返す。そう思うと私は少し罪悪感を背負った感じがした。だから私は決めた。

 

「だったら、早く見つけてあげなくちゃね!」

最初の森で助けてくれた恩、サクヤやアリシャさんを助けてくれた恩 を返すため私もその子の姉を見つけてあげる事を決めた。

「ありがとな」

「さぁ!急ぐよ!」

私はスピードを上げアルンへと飛んだ。

 

ーーーーーーーー

 

「何故ダァ…何故開かん…!!」

一方で 目的地であるアルンでは1人のプレイヤーが最難関クエストであるグランドクエストへと挑戦していた。

このクエストはソロから大規模パーティまで参加が可能であるが幾人ものプレイヤーが挑戦したが誰もクリアできなかった。だがそんな最難関なクエストをその少年1人が受けていたのだ。

その少年は鬼の如き強さで向かってくる無数のガーディアンを切り捨て必死の末に 遂に奥までたどり着いた。だが、あったのはただの壁 クリアする入り口らしきものはどこにもなかった。

それに対してその少年は激怒していたのだった。

 

 

「(く…ガーディアン供がくる…一旦出直しだ…!)邪魔ダァァぁぁ!!!!!」

その少年は叫ぶと向かってくる無数のガーディアンを刀で八つ裂きにしクエスト入り口へと戻っていった。

 

 

ーーーーーーー

 

「わぁ〜!ここがアルンかぁ〜!」

リーファとキリトはついにアルンへと到着した。辺りは夜となっており大都市であるアルンの街中の光が夜を照らし神秘的な光景を生み出していた。その光景にリーファは目を輝かせマジマジと夜景を見つめていた。

 

「よし、今日は宿でも取って明日にでも行くか!」

「うん!」

そして2人はログアウトした。

 

ーーーーーーー

 

 

次の日

キリトこと本名 桐ヶ谷 和人は雪が降る中 1人の妹と供に病院へと来ていた。

病院へとついた和人は未だ目を覚まさない明日奈へと歩み寄る。

 

「明日奈…今日は妹を連れてきたよ」

そう言いながら和人は手を握る。

 

その様子を見ながら直葉は花を近くに置く。

すると病室のドアが開く音がし ロングコートを纏った1人の少年が入ってきた。

和人はその姿を見ると手を挙げ挨拶をする。

 

「よう。お邪魔してるぞ 作斗」

「和人さん…いつもありがとうございます」

そう言い作斗は入ると動きを止めた。そこには一度 会った直葉が立っていたからだ。

「貴方は…」

「ど…どうも…」

直葉も少し固まると手をゆっくりあげて挨拶する。

「何だ?お前ら会ったことあるのか?」

「うん。結構前に一度だけね」

「成る程。作斗 コイツは俺の妹の桐ヶ谷 直葉だ。同じ剣道をやってるから仲良くしてやってくれ」

「……そうですか。私は弟の結城 作斗です。よろしくお願いします。直葉さん」

「あ…よろしくお願いします」

作斗は足を進め直葉へ手を差し出す。直葉も動揺するが手を差し出し握った。

すると和人は飲み物を買ってくるといいその場から離れる。

部屋の中は作斗と直葉だけとなった。

「えぇと…お久しぶりですね」

直葉は何とかこの重たい空気を断ち切ろうと言葉を出した。それに対して作斗は何気なく返す。

「そうですね。だいたい数ヶ月ぶりでしょうか」

因みに2年の夏以来 数ヶ月おきだが何度か会っていた。だがあまり話すことはなく。毎回素通りという形だった。

「……」

無言が続く。直葉はこう見えて緊張していた。全国でトップクラスの強さを持つかつ可憐な容姿に直葉はどう話しかけたらいいか分からなかったのだ。

そんな時でも作斗はブレる様子を見せることなく黙々とキリトと自分が持ってきた花を花瓶に入れた。

「どうしたんですか?ずっと立ちっぱなしでは疲れますよ?」

ずっと直立していた直葉を不思議に思ったのか作斗はパイプ椅子を用意して直葉の側に置いてあげた。

「す…すいません…」

直葉はオロオロするもゆっくりと座った。

その時 直葉は一瞬だけだが、作斗の表情が悲しみに満ちた表情へ変わるのを見た。

故に直葉は思った。

「(作斗さん…私と同じなんだ…)」

直葉は目の前にいる作斗と自分の兄が帰って来る前の自分の姿を重ねた。

 

「あの…寂しいですよね…お姉さんがいないと…」

その問いに対し作斗はゆっくりと返す。

「はい。唯一の姉なので。早く目を覚ましてほしいです」

そう言い作斗も椅子に座る。

「かれこれ2年は話していません。いつ目を覚ますのやら」

「……」

直葉は自身よりも酷い境遇にいる作斗に何も言葉を掛けることが出来なかった。

「まぁどうあれ、私はただ待つだけです。明日奈が帰って来るのを」

そう言うと作斗は「では失礼」と言い残し部屋から出て行った。

その姿を直葉は見送る事しか出来なかった。

 

「いや〜遅くなった。コーヒー売り切れててさ。あれ作斗は?」

「今帰ったよ…」

そう言う直葉の顔は少し哀しみが混じっていた。

「そうか…アイツと仲良くできたか?」

「うん…ちょっとだけね」

そう言い直葉は窓の景色を見る。

「(何で…作斗さんはあそこまで隠すんだろう…それに…あの後ろ姿…)」

直葉はとあるオンラインゲームの中で出会った少年の姿を思い浮かべ作斗と重ねた。

「まさかね…」

 

外には空からゆっくり降ってくる雪が景色を染めていた。

 

 

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