番外編2 ある日の裕也の休日
愛里寿の家に滞在して7日、流石に盆までは駄目だろうと思い千代さんに「そろそろ地元に帰ろうかと思います」と伝えたら愛里寿に凄い泣き付かれたのでもう少し滞在する事になった。
別に滞在するのは良いのだが、愛里寿が戦車道をしている時が一番暇なのだ。
群馬の峠に行こうと思っても時間的に夜ではないので無理、ハチロクの改造を施そうにも道具やパーツを持ってない、戦車道に関わってるにしても肝心の愛用戦車の19式が学校にお蔵入りしているので持って来させるにしても陸送費用は自腹だし、第一に学校が持って行って良いとか言わないだろう。
戦車整備の手伝いをしても対した時間潰しにもならないし、ふて寝しようにも普段から寝る気の無い俺は何もする事が無いんだよ、どうすればいいんだ?
圭一に電話?いや駄目だ、アイツ阿部さんに呼び出し食らってて未だに音信不通だったな、出てきたの阿部(兄)さんだし、おまけに浩二の声も聞こえた。
拓也?アイツ普段からスマホ手元に持たない事あるから着信掛けるだけ無駄だろう。
大介?うーん・・・確かに良いけどアイツデート中だろうし邪魔したくないしなぁ・・・。
どうしよ・・・詰んだわ。
千代さんの仕事でも手伝・・・無理か、俺頭悪いし、逆に千代さんの足を引っ張りかねん。
千代「手伝ってくれるの?助かるわ」
あら、良かったのか。
意外にも書類は簡単なもので、父がしている仕事の見積りや請求、確定申告等よりも楽だった。
これで後数時間は潰せる・・・(マ・クベ感)
必要書類は14時頃に終わり、結局暇を持て余してしまった、取り合えず千代さんの話し相手にでもなろう・・・。
と思えば千代さん戦車道連盟本部に出てったし、連れてって下さいよ暇なんですから、ボディーガード位ならしますよ。
え?西住流家元来てるの?前言撤回、行きたくないです。
あ^、兎に角暇で暇で仕方ない、YouTube見てても飽きてきたし仕方ない、群馬にあるチューニングショップにでも行きますか。
チューニングショップと言えど殆どが戦車道関連だから車のチューニングショップはほんの一握りなのだ、地元の方が群馬の10倍以上はあるだろうけどなんか良いものがないか見て回る事にした。
結論から言おう。
来て正解だったよ、うん、絶対入手が難しい絶版品が売ってる、オークションじゃウン十万を越える桜の弥生ホイールが売ってるし・・・え?この弥生ホイール、初期の鋳物製?はい、買います、買わせて下さいお願いします。
弥生のホイールで何よりも珍しいのは鋳物で作られた弥生のホイールなのだ、時よりオークションで出品されてる弥生のホイールは大体がアルミか鉄のどっちか。
(鋳物で作られた桜印の弥生ホイールは数量限定らしくプレミア付き以上の代物で、作者の家にも最初は4本あったものの、売ったりして2本だけが当時のタイヤを着けたまま飾られている、まだ誰にも売らない、)
その後見事に入手したホイールを積み込んでその他もパーツを買い漁る、いやぁ、良い所ですねぇ。
マフラーのトラスト、フジツボ等色々あって欲しいの一杯!これもう堪らねぇ。
ここで店長に声を掛けられた。
「GT-APEXの後期のレビンもついでにいかがかね?タダで良いから」
裕也「レビンですか・・・現車確認良いです?」
「こっち」
「これ」
裕也「後期の2ドアレビンか・・・ボンネット開けますね」
裕也「フルノーマルの115000㎞で所々の錆や腐食は無し、テールランプの割れは無し、足回りもほぼ手付かずでワタナベ装着、機関及びミッション共に良好、車検は切れてるけど内装も小綺麗でタダとは・・・何故売れなかったんです?」
「中々買い手が見付からなくて・・・場所も取るし、処分しようにもAE86型はプレミア付きですので処分の選択が出来なくてですね、居たは居たんですよ、買い手、だけど音信不通で、この際だから貴方にどうかなと」
裕也「ハチロク持ってるしな・・・3台、唯一持ってないのが2ドアのレビンだけだけど、なんかカッコ悪いんだよなぁ・・・」
裕也「まぁすいません現金で、今から銀行で下ろしてくるんで待っとって貰えます?買いますんで」
「毎度!」
取り合えず現金下ろしにその場を後にする。
現金下ろして来て35万程支払った後は陸送手配をしてもらい、この2ドアレビンが地元に来るのは九月頃になるだろう。
パーツ取りに使うのも勿体無さ過ぎる。
書類が無かったら間違いなくパーツ取りだ、陸運局での書類再発行は出来なかった筈だし。
取り合えず整備して車庫に放置しとくか。
だいぶ時間は経った、今日は何とか時間を潰せたが明日もこの様に潰せるとは思えない、あぁ、帰ろうかな・・・愛里寿連れてっても良いけど地元で何かあったら洒落にならんしな・・・。
圭一というロリコン野郎に近付けさせない為にもやはり連れて行くのは無理だな。
第一帰りも車だし、愛里寿は絶対疲れるだろうから。
次は まほの所にも行かなきゃならんのか・・・次は新幹線で行こう、車も良いけど向こうは向こうで何か傷つけられそうだし、特にティーガーとかに。
大洗で見たけど蝶野さんが低空降下で学園長の高級車を10式で踏み潰したの見ると流石に無理だわ、学園長の高級車ってアレ現行車だから修理とか大丈夫だろうけど俺のハチロクとかトラックは現行車じゃない旧車だ、修理にも限度はある。
まぁ、熊本行くのは良いけどまた みほにボコについてじっくり聞かされるのか・・・それは流石にもう嫌だ。
この際はっきり言おう、俺はボコはあんまり好まない、行くなら出来る限り一人で行ってくれ、愛里寿は心配なので一人で行かせる訳には行かないからついて行く。
同伴は姉の まほに頼んでくれ、俺はなんと言われようと行かん。
そうだ、明日は愛里寿は休みだ、どっかに連れて行こう。
季節は夏、海か?
・・・君達は群馬に海があると思っているのかい?無いんだよ、海は。
愛里寿の休みはバラバラだからウチの別荘擬きな所にも連れて行けそうにもないし、取り合えず千代さんに聞いてみる事にした。
千代「?別に良いわ、愛里寿ちゃんが羽伸ばし出来るなら」
裕也「そうでしたか」
千代「あっ、そうだわ、ちゃんと避妊はしてね?」
裕也「そうですね、避妊は・・・って、しませんよ!?」
千代「あら、愛里寿ちゃんは嫌いなの?」
裕也「嫌いではありません、好きですよ、異性としてでなく妹として、愛里寿を異性で見たら俺ロリコンですよ!?」
千代「愛に歳は関係無いわ」
裕也「そうでしょうけど俺が社会的に抹殺されるのでヤメテクダサイ」
千代「お付き合いは良いけど居るの?お相手は」
裕也「藪から棒に話変えましたね・・・居ますよ、西住まほって人が」
愛里寿「・・・」グスッ
えっ・・・愛里寿?何故ここに?何故泣くの?
愛里寿「奪われてしまえば奪い返す・・・」グスッ
泣きながら言うなよ・・・それに俺は愛里寿のじゃないし。
取り合えずハンカチで涙を拭き取る。
裕也「愛里寿、俺は確かに西住家の長女と交際をしてるのは否定しないよ、だけどそんなに長続きしないと考えてるから今は付き合ってるだけだよ、向こうの母親にメッチャ嫌な顔されてるのに」
千代「ならば別れる方が楽よ?」
裕也「それもそうでしょうけど別れようって気にはならないんですよね、何故か」
愛里寿「お兄様は私とのお付き合いは嫌なの・・・?」
裕也「嫌じゃないさ、だけども世間体から見ればどうしてもアウトなんだ・・・愛里寿の事は好きさ、一人の女性でなくどうしても妹として見るんだよ、幼さが故に、かな」
愛里寿「・・・・・・」
千代「愛里寿ちゃん、これから頑張れば良いじゃない、少なくとも後3年で結婚は出来るんだからそれまでに立派な女性になるのよ」
裕也「俺成人してますやん、というより高校生じゃないですか、おまけに成人してないと自分的に抵抗あるんですけど」
愛里寿「・・・お兄様」
裕也「ん?」
愛里寿「後7年待って下さい」
裕也「え」
愛里寿「それまでにお兄様の理想な女性になります」
裕也「(俺みたいな後先考えん奴よりも良い人と結婚してくれ頼むから)」
結局7年は経たなかったがその5年後、愛里寿はとんでもない爆弾発言をする。
その事はまだ誰も知らない。
その後2日間滞在し、7月31日に地元に戻った。
7月の後半全部居た気がする。
8月15日の夜に千代さんと愛里寿が地元に来た、8月の31日まで滞在するらしい。
さてと、滞在中の間に地元の良い所、一杯教えてやりますかね。
※結局、熊本の側には行かなかった、まほから凄い電話で怒られた。