6月中頃、また隣の部屋に誰か引っ越してきました。事前に聞いた話だと今回は2人でのシェアハウスなのだとか。
ちなみに、アンドロイド娘の瑞実ちゃんは彼氏くんと時々遊びに来たりしてくれてます。
あ、インターホンが鳴りました。今度の人はどんな人なのやら········。
「お休みのところ失礼する。隣の203号室に越してきた、ルドニア・ガルシアという者だ」
「はぁ、これは御丁寧どうも。私は202号室に住んでます本条と申します。これからよろしくお願いしますね」
ガルシアさんはなんというか、物凄く凛とした佇まいの西洋美人な女性です。······格好さえ除けば。
なんで鎧着てるんでしょうかこの人は。
「ホンジョウ殿?どうかされましたか?」
「いえ、その······。なんで鎧を着てらっしゃるのかなぁと」
「あ、いや、それはですね·······」
と、しどろもどろになるガルシアさん。美人が狼狽えてるとなんかそれだけで雰囲気がいらやしいですね。
「それはね、ホンジョウさん。ガルシアは鎧好きのちょっとエッチな女なのよ!」
「そ、それは違います姫様!」
ガルシアさんの背後からひょいと顔を覗かせたのは、これまたお人形さんみたいに可愛らしい金髪の女の子。
にしても、姫様ってまた怪しいなぁ·········。
「まあ、これから隣同士よろしくお願いしますね。鎧フェチさん」
「ですって!鎧フェチ!」
「く······くっ殺せぇ!」
怪しさはとりあえず置いておいて、リアル女騎士のくっころ頂きましたー。やっぱりこれはお約束ですよね。
──後日
あの時聞き忘れた姫様ちゃんの名前は、物凄く長ったらしかった。
なんだったっけかなぁ、アルビドゥニア・シルス・アクロニ・クルルなんたらって名前だった気がするのですが·······
結局、覚えるのが面倒なのでアルちゃんと呼ぶことになりました。
で、そのアルちゃんはちょくちょく私の休みの日に遊びに来るようになっており、ゲームしたりとなんだかんだ私も楽しんでいたりします。
良き隣人に恵まれて良かったです。
「ねぇ、ホンジョウ」
「どうしたの?アルちゃん、随分テンションが低いけれど」
ローテンションなアルちゃん曰く、アルちゃんを追ってきた何者かが、この街に来ているらしい。アルちゃん可愛いからストーカーでしょうか。
「なら、ガルシアさんと一緒に管理人さんに相談してみるといいんじゃないかな」
「管理人さんに?」
こういう時の管理人さんって、物凄く頼りになると思いますよ。
◇
結局、私が仕事に行っている間に管理人さんが全て片付けてくれたみたいです。
ストーカーの正体をアルちゃんもガルシアさんも管理人さんもら教えてくれませんでしたが、結局なんだったんでしょう。
それはそうと、アルちゃんとガルシアさんは異世界の人(?)だったらしくストーカーの件が片付いたので、引っ越してきてから2週間足らずで2人は部屋を引き払ってしまいました。
ただ、管理人さんから聞いた話によると、101が空き部屋だったので、そこに仮拠点を立てるから、と、あらためて借りて、そのまんまにしてるのだとか。
来年の春頃に戻ってくるらしいので、それまでにアルちゃんがやりかけのゲームを、片っ端からフルコンプしといてあげようかな。
◇◆
段々と夏に近づいて暑くなってきた、6月の終盤。やっぱり隣の部屋に越してくる人は居るみたいで、今度は7月頭に別の人が越してくるのだとか。
異世界とかアンドロイドとか、そんなの関係なさげな普通の人だといいなぁ········