バディファイト~アナザーコード~   作:ハナバーナ

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11話 僅かな隙間をくぐれ

ABCカップ5日目 ファイティングステージ

 

サキ『ABCカップ5日目、いよいよ2回戦突入です! 早速まいりましょう、2回戦第1試合は、

   ダンジョンワールド使いの鈴神ミッショル選手と、スタードラゴンワールド使いの、

   星河尚選手の対戦です!』

 

サキの宣言と同時に、ファイティングステージには尚とミッショルが向かい合うように現れる。観客席では、京香が尚に向けて手を振っていた。

 

京香「尚センパ~イ、ファイトッス~!」

 

光「……。」

 

一方で光は、特に何の動作もしないまま、尚のほうを見つめていた。それに気づいた京香が、首をかしげる。

 

京香「光先輩、どうしたんスか? 元気ないように見えますけど?」

 

光「…え? ああ、大丈夫大丈夫。少し考え事してただけだから。」

 

京香「?」

 

どうやら京香に心配をかけさせてしまったらしい。それに気づいた光はすぐさま笑顔になって尚に手を振る。

 

ガルガ「……。」

 

しかしガルガは、光が智夏とのファイトの件についてまだ引きずっているのだろうと感じる。

 

ガルガ「(我に人のことは言えぬが。)」

 

明日は京香とのファイトだ。今日の試合が終わったら、改めて光に釘を刺しておこうとガルガは誓う。

 

ミッショル「お互い、いいファイトにしようぜ!」

 

尚「はい…全力でいかせてもらいます。」

 

笑顔で陽気に尚に挨拶するミッショルに対し、尚は真剣なまなざしで一礼する。できる限りの対策はしてきた。それはバディであるクロスが、何より尚自身がそれを知っている。

 

サキ『それでは2回戦第1試合……スタートです!』

 

ミッショル「轟け魔獣の咆哮よ、穿て魔銃の弾丸よ! さあ、滅びの時間の始まりだ!

      ルミナイズ《クロスデモンズ・ラグナロク》!」

 

尚「星と星をつなぐ線は、勝利への道しるべ。ルミナイズ《ギャラクシー△》!」

 

『バディーーーファイトッ!!』

 

オープン・ザ・フラッグ

 

ミッショル「ダンジョンワールド!」

ミッシェルの手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《魔皇砲獣 ティベルシウス》

 

尚「スタードラゴンワールド。」

尚の手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《天占竜 クロス・アストルギア》

 

ミッシェルのターン

 

ミッショル「俺のターン、ドロー! チャージ&ドロー!」

ミッショルの手札6→7/ゲージ2→3

 

ミッショル「まずはゲージ2を払って装備、《魔皇銃 ティベルシオン》!」

ミッショルの手札7→6/ゲージ3→1

 

魔皇銃 ティベルシオン

フラッグ:ダンジョンワールド

種類:アイテム 属性:魔王

攻5000/打1

■【装備コスト】ゲージ2を払う。

■君の場に「ミッション」を含むカードが2枚以上あるなら、君の場の《魔王》は相手のカードの効果で場を離れない。

■君の場の「ミッション」を含むカードが場を離れた時、相手にダメージ2!

【2回攻撃】

 

ミッショル「続けて《裁きのミッションカード“大魔法アポカリプス”》を設置し、コストで

      デッキの上3枚を裏向きでこいつのソウルに。」

ミッショルの手札6→5 アポカリプスのソウル3枚

 

尚「(ここまでの動きは昨日見た通り…。)」

 

ミッショル「さらに《ミッションカード“経験値を稼げ!”》を設置してバトルだ。

      ティベルシオンで攻撃、経験値の効果で、デッキの上1枚を経験値の

      ソウルに入れる。」

ミッショルの手札5→4 経験値のソウル1枚

 

尚「受けます。」

尚のライフ10→9

 

ミッショル「ファイナルフェイズ!! 手札のこのカードを、アポカリプスに重ねることで設置。

      《真・闇のファイナルミッションカード“絶対終焉儀”》!」

ミッショルの手札4→3 絶対終焉儀式のソウル4

 

真・闇のファイナルミッションカード“絶対終焉儀”

フラッグ:ダンジョンワールド

種類:必殺技

『設置』

■【使用コスト】君の場のカード名に「ミッション」を含むカード1枚の上に重ねる。

■君の場の《魔王》のバトル終了時、君のデッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れる。

■【対抗】ゲージ2を払う。払ったら、このカードのソウル全てを裏向きにする。

■お互いのファイナルフェイズ開始時、このカードの裏向きのソウルが6枚以上なら、相手の場のカードの能力全てを無効化して破壊し、相手のライフを1にする。12枚以上なら、代わりに相手のフラッグを裏にする。

■お互いのターン終了時、このカードのソウル全てが裏向きなら、このカードを破壊する。

 

尚「(来た……!)」

 

サキ『鈴神選手、昨日のファイトを一瞬で終わらせたあの必殺技を設置しましたぁ!』

 

京香「うわあああ! いきなり発動されちゃったッス~!」

 

光「尚…!」

 

ミッショル「ターンエンドだぜ。」

ミッショルの手札3/ゲージ1/ライフ10

 

尚のターン

 

尚「(鈴神先輩に勝つには、このターンに決めるか、あるいは…。)私のターン、ドロー!

  チャージ&ドロー!」」

尚の手札6→7/ゲージ2→3/ライフ9

 

尚「《宣告「占闘準備」》を設置。そしてレフトに《管星竜 フレット》をコール。登場時、

  場に他の天球竜があるため、2ゲージプラスし、1ドロー! 占闘準備の効果で、ライフ

  1増やして、1ドロー! さらに、《占弓 バビロン》をゲージ1を払って装備!」

尚の手札7→6/ゲージ3→4/ライフ9→10

 

サキ『尚選手、設置魔法やアイテムを配置し、着々と攻勢に出る準備を進めていく!』

 

尚「そしてバディコール! 《天占竜クロス・アストルギア》!」

尚の手札6→5/ゲージ4→2/ライフ10→11

 

クロス『星の導きに従い、尚を勝利へ導きましょう!』

 

尚「クロスのギャラクシーF、発動!」

 

クロス  打2→3

フレット 打1→2

バビロン 打2→3

 

サキ『来ました! 天球竜の十八番、ギャラクシーF!』

 

カナメ『これで星河の場の天球竜全ては、打撃力が1上がり、【貫通】を付与された。加えて

    バビロンはギャラクシーFが完成したことで、【2回攻撃】を得ている。この攻撃が

    全て通れば、星河の勝利だが…。』

 

ミッショル「来ると思ったぜ! キャスト、《ダンジョン・ピット》。センターにコールされた

      サイズ2以下のモンスターをレストできる。当然クロスをレストだ!」

ミッショルの手札3→2

 

クロス『ぐあ…!』

 

尚「……!」

 

サキ『おお~っと鈴神選手、手札にレスト魔法を持っていた。これでクロスは攻撃できない!』

 

京香「大丈夫! クロスは封じられても、ギャラクシーFは健在ッス。フレットとバビロンで

   攻撃すれば、ライフを大幅に減らせるッス!」

 

尚「バトルに入ります。」

 

ミッショル「キャスト、《ヒドゥン・クロスボゥ》! 防御力3000以下のモンスター、フレットを

      破壊だ!」

ミッショルの手札2→1

 

尚「くっ…!」フレット撃破

 

サキ『尚選手、レフトのモンスターを破壊されたことで、ギャラクシーFを解除されたぁ!』

 

京香「のああああああ! 破壊魔法までもってたッス!」

 

尚「…バビロンでファイターにアタック。」

 

ミッショル「受けるぜ!」

ミッショルのライフ10→8

 

尚「…ターンエンド。」

尚の手札5/ゲージ2/ライフ11

 

京香「ヤバイヤバイヤバイッス!! 次の鈴神先輩のターン、絶対に【アレ】が来るッス!」

 

光「……。」

 

京香は大慌てしているが、光はじっと尚を見つめている。光から見てみると、尚は次に来るであろうミッシェルの戦術を予想しているだろうが、その割にはやけに落ち着いているように感じた。

 

ミッショルのターン

 

ミッショル「俺のターン、ドロー! チャージ&ドロー!」

ミッショルの手札1→2/ゲージ1→2/ライフ8

 

ミッショル「手札のサイズ2以上のモンスターの《審判の冷王ミセリア》を捨ててキャスト、

      《ボーナスクエスト》! 効果でゲージ2追加、ライフ1追加、2ドロー!」

ミッショルのゲージ2→4/ライフ8→9

 

ミッショル「さて、俺のバディのお出ましだ。ドロップのカード1枚をソウルに入れ、ゲージ2と

      ライフ1をコストにライトにバディコール、《魔皇砲獣ティベルシウス》!!」

ミッショルの手札2→1/ゲージ4→2

 

ティベルシウス『一瞬で終わらせるぜ、ミッショル!』

 

魔皇砲獣 ティベルシウス

フラッグ:ダンジョンワールド

種類:モンスター 属性:Dエネミー/魔王

サイズ2/攻9000/防7000/打2

■このカードは君の場に「魔皇銃 ティベルシオン」がなければコールできない。

■【コールコスト】君のドロップのカード1枚をこのカードのソウルに入れ、ゲージ2とライフ1を払う。

■【対抗】君の場の「ミッション」を含むカード1枚をレストしてよい。そうしたら、このカードをスタンドして、君のデッキの上から1枚を君の場のカード1枚のソウルに入れる。

■君の場の「ファイナルミッション」を含むカードのソウル1枚につき、君が受けるダメージを1減らす。

【ソウルガード】

FT「勝利への道は、俺が切り開く! ラグナリュートブラスト!」

 

ガルガ「来たか、奴のバディが!」

 

光「本当に恐ろしいのはここから…!」

 

尚「キャスト、《通告「防衛占術」》。相手の場のカードの攻撃力・防御力ー5000して、

  打撃力もー1します。」

尚の手札5→4

 

ティベルシウス 攻・防9000→4000 打2→1

ティベルシオン 攻5000→0 打1→0

 

サキ『尚選手、魔法で相手の攻撃を通らなくした!』

 

京香「ダメッス尚先輩、それだけじゃぁ…!」

 

ミッショルの戦術を知っている京香は、ガタガタと体を震わせていた。

 

ミッショル「構わねぇ! ティベルシウス、クロスに攻撃だ!」

 

ティベルシウス『おうよ!』

 

ティベルシウスから放たれる砲撃は、クロスを傷つけることはない。しかし…、

 

ミッショル「ティベルシウスの能力発動! 場のアポカリプスをレストして、ティベルシウスを

      スタンド! そしてデッキの上1枚を絶対終焉儀のソウルへ!」

絶対終焉儀のソウル4→5

 

尚「(これで5枚…。)」

 

ミッショル「ティベルシウスでもう1度クロスに攻撃! 攻撃は通らねえが、絶対終焉儀を

      レストしてスタンド、デッキの上1枚を絶対終焉儀のソウルへ!」

絶対終焉儀のソウル5→6

 

サキ『6枚! 条件が成立してしまったああああああああああ!!』

 

ミッショル「攻撃は中断だ。ここで絶対終焉儀の効果、ゲージ2を払って、こいつのソウル全てを

      裏返す!」

ミッショルのゲージ2→0

 

クロス『尚!』

 

尚「分かってるわ!」

 

ミッショル「ファイナルフェイズ!! 絶対終焉儀の裏のソウルが6枚以上なら、絶対終焉儀の雷は

      相手のカード全てを無効化し、破壊するぜ!!」

 

尚「占闘準備の効果で、場の天球竜は無効化されません!」

 

ミッショル「だが、破壊は防げねぇ!」

 

直後、尚の場の真上に暗雲が立ち込め、そこから放たれる雷が場の占闘準備を、バビロンを、クロスを破壊していく。

 

尚「……! クロスはソウルガードで残ります!」

 

ミッショル「破壊した後、相手のライフは1になる。」

 

尚「くぅ…!」

尚のライフ11→1

 

サキ『なんとぉ、11もあった尚選手のライフは、今やたったの1! しかもライフを『変更』する

   効果なので、ダメージ減少・無効関連のカードは役に立ちません!』

 

ミッショル「これで終わりだ! ターン終了時、絶対終焉儀のソウル全てが裏なら、このカードを

      破壊! ここでティベルシオンの効果、ミッションカードが場を離れれば、相手に

      2ダメージだぜ!」

 

破壊された絶対終焉儀のエネルギーがティベルシオンに収束され、銃口が尚に向けられる。

 

尚「(…ダメージを防ぐカードは、手札にある。けど、おそらく鈴神先輩の最後の手札は…)」

 

ミッショル「(そう、お前の予想通りだ。俺の最後の手札のカードは…)」

 

 

「「(《魔皇神技 オーバー・ラグナリュート》!!)」」

 

 

魔皇神技 オーバー・ラグナリュート

フラッグ:ダンジョンワールド

種類:魔法 属性:魔王

■【使用コスト】君のライフを半分払う(奇数の場合は切り上げるぞ)。

■【対抗】次の3つから1つを選んで使う。「魔皇神技 オーバー・ラグナリュート」は1ターンに1回だけ使える。

・このターン中、相手はライフを回復できない。

・このターン中、相手のライフが0になった時、相手はライフを変更できない。

・このターン中、君が相手に与えるダメージは減らない。

 

 

ミッショル「ダメージ2を食らいやがれ!」

 

ティベルシオンから放たれた火を纏った銃弾が、尚に迫る。

 

尚「キャスト!」

 

ミッショル「(どんなカードだろうと、オーバー・ラグナリュートの前では-------)」

 

尚「《プリズム・ガーディアン》! センターにモンスターがいれば、このターン中私は

  ダメージを受けません!」

尚の手札4→3

 

尚の前の前に現れた盾が、銃弾を消し去る。

 

ミッショル「んな……!」

 

サキ『なななななんとぉ、尚選手、攻略不可能と思われていたコンボを、見事突破したぁ!!』

 

ダメージを防いだことにより、会場内がワアアと湧き上がる。

 

ガルガ「奴の手札には恐らく、ライフ回復、変更、ダメージ軽減を無効にする魔法があった。」

 

京香「けど、そもそもダメージを『受けなければ』問題なかったんスね!」

 

光「そうか、尚が相手のステータスを下げたのは、センターのクロスを破壊させないため!」

 

ミッショル「…はは、マジかよ。ターンエンド。」

ミッショルの手札1/ゲージ0/ライフ9

 

必殺コンボを突破されたことに、ミッショルはもはや笑うしかなかった。

 

尚のターン

 

尚「私のターン、ドロー! チャージ&ドロー!」

尚の手札3→4/ゲージ2→3/ライフ1

 

尚「レフトに《占闘竜 イン・シェブロン》をコール。そしてバビロンを再び装備!

  ギャラクシーF発動!」

尚の手札4→2/ゲージ3→2

クロス      打2→3

バビロン     打2→3

イン・シェブロン 打2→3

 

尚「ここはせっかくだから…クロス、イン・シェブロン、そして私で、連携攻撃!」

 

ミッショル「はは、最後の最後に派手な攻撃しやがって…俺の負けだ!」

ミッショルのライフ9→0

 

サキ『決まったあああ! 尚選手、わずかなスキを突いたで、見事勝利をつかみました。』

 

京香「やっぱすげぇッス、尚先輩……!」

 

光「うん、わたしも尚と戦いたくなってきた……!」

 

尚の姿を見て胸を躍らせる光。ガルガはそんな彼女を見て、釘を刺す必要はなくなったなと感じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイティングステージ 待機室

 

尚「ふぅ…。」

 

待機室に戻った尚は、勝利したことに安堵の息を吐き、椅子に腰かける。そんな尚に、SDサイズのクロスが話しかける。

 

クロス「お見事でした、尚。」

 

尚「ありがとう。クロスもお疲れ様。」

 

尚は膝の上に乗っているクロスの頭を優しく撫でる。

 

クロス「明日は、尚の戦う相手が決まります。」

 

尚「ええ。誰が決勝に進んでも、全力で戦うつもりよ。」

 

クロス「…そこまで言うのであれば、もはや占いは不要でしょう。」

 

尚はうなずき、自分のデッキを見つめる。

 

尚「(…絶対に勝ち進んで。そして私と戦って……光ちゃん。)」

 

尚の瞳には、どこか決意めいたものが込められていた。

 




次回は光VS京香です。

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