ABCカップ6日目 ファイティングステージ
サキ『ABCカップも、残り2日となりました。今日の2回戦第2試合で、明日の決勝戦、
第1試合を勝ち抜いた尚選手とファイトするファイターが決まります! では、
まいりましょう。2回戦第2試合、ドラゴンワールド使いの明日乃光選手と、
エンシェントワールド使いの、阪野京香選手の対戦です!』
会場内は盛り上がり、ファイティングステージには光と京香が真っ直ぐな目で向かい合っている。観客席には、尚がクロスを膝に乗せ、真剣な眼差しで2人を見ていた。
クロス「今回のファイトで、明日決勝で戦う相手が決まる…楽しみですね。」
尚「……。」
クロスの言葉に反応せず、尚はただただ2人を見つめるだけである。それを見たクロスは何も言わず、彼女同様ファイティングステージを見る。一方で光も、見直した自分のデッキを見つめる。
光「(買い集めたカードで、色々と構築は変えてみた…あとはそれが実際どこまで通用するか。)」
ガルガ「光よ。」
ガルガに声を掛けられ、光はガルガのほうを向く。
ガルガ「勝つ姿勢は大事だが、楽しむことも忘れるな? 一点だけを見ていては見落としを
してしまうかもしれん。」
光「…うん、分かった。ありがとう。」
光は一息はき、ガルガに微笑む。そして現れたファイトテーブルに、自分のデッキを置く。
サキ『それではまいりましょう! 2回戦第2試合、スタートです!』
光「闘神率いるドラゴン軍団、ここに降臨! ルミナイズ《神ドラ》!」
京香「弱気も集えば、デッカイ力に変わるッス! ルミナイズ《スパイラル・絆竜団》!」
『バディーーーファイトッ!!』
オープン・ザ・フラッグ
光「ドラゴンワールド!」
光の手札6/ゲージ2/ライフ10
バディ《ガルガンチュア・ドラゴン》
京香「エンシェントワールドッス!」
京香の手札6/ゲージ2/ライフ10
バディ《雷斧 アギト》
光のターン
光「わたしのターン、ドロー! チャージ&ドロー!」
光の手札6→7/ゲージ2→3
光「ゲージ1とライフ1を払って、《神竜剣 ガルチェイン》を装備。」
光の手札7→6/ライフ10→9/ゲージ3→2
ガルチェイン 攻4000/打1
京香「(新しいアイテムッスか…。)」
光「ガルチェインでアタック!」
京香「受けるッス!」
京香のライフ10→9
光「ターンエンド。」
光の手札6/ゲージ2/ライフ9
尚「(光ちゃんはカードを1枚だけ使ってターンを終えた…でも京香ちゃんのデッキは、1ターンで
十分に決められる可能性が高い。御神楽君の例もあるし、光ちゃんは防げるかしら?)」
京香のターン
京香「アタシのターンッス! ドロー! チャージ&ドロー! …悪いですけど光先輩、このターンで
決めさせてもらうッス!」
京香の手札6→7/ゲージ2→3
光「え?」
京香「ライトに《満腹 ハラハラ》を、レフトに《早耳 ジセン》をコール! ジセンの登場時、
ゲージを1枚追加ッス! 加えて《団斧“ワイルドアクス”》を装備。さあ、出番ッスよ!
ゲージ2を払って、デッキの上1枚をソウルに入れ、センターに《雷斧 アギト》を
バディコールッス!」
京香の手札7→3/ゲージ3→2/ライフ9→10
アギト『任せろ京香! 自分達が必ず勝たせてやるぞ!』
京香「絆竜団、D・シェア発動ッス!」
サキ『出たぁ、各カードの能力が全てのカードに備わるD・シェア! いったいどんな能力が
備わるのか!』
京香「アギトの能力で、全員が2回攻撃。ジセンの能力で、全員効果破壊されず、ハラハラの
能力で、攻撃する度にライフを2回復。ワイルドアクスの能力で、全員パワー+3000。
絆竜団、超強化ッス!」
アギト サイズ1/攻6000→9000/防3000/打2
ハラハラ サイズ1/攻4000→7000/防4000/打1
ジセン サイズ1/攻3000→6000/防1000/打2
ワイルドアクス 攻3000→6000/打1
京香「まだまだ行くッスよ! ゲージ2を払ってキャスト、《絆竜団の誓い》! 場のD・シェアを
持つカード全てに、攻撃力+10000、打撃力+1ッス!!」
京香の手札3→2/ゲージ2→0
アギト 攻9000→19000/打2→3
ハラハラ 攻7000→17000/打1→2
ジセン 攻6000→16000/打2→3
ワイルドアクス 攻6000→16000/打1→2
サキ『なななななんとぉ、京香選手の場のカードが、大幅に強化されてしまったぁ! 光選手、
大ピンチです!』
カナメ『全員が2回攻撃を得てしまう故、攻撃が全て通るとなると合計ダメージは20。
防御が1枚や2枚じゃ守り切れんぞ?』
京香「仕上げにデッキの上2枚をドロップしてキャスト、《絆竜団の絆》! ゲージ3プラスして、
ライフ1回復ッス。最後にゲージ1でキャスト、《絆竜団の狩り》。効果でモンスターの数、
3枚引いてライフ3回復。行くッスよ~先輩!」
京香の手札2→3/ゲージ0→2/ライフ10→13
光「(来る…!)」
京香「アギトでファイターにアタック! ハラハラのD・シェアによりライフ2回復ッス!」
京香のライフ13→15
光「受けるよ!」
光のライフ9→6
京香「アギトの2回攻撃! ライフ回復!」
京香のライフ15→17
光「キャスト、《神・緑竜の盾》! 攻撃を無効化し、ライフ3回復!」
光の手札6→5/ライフ6→9
京香「ハラハラでアタック!」
京香のライフ17→19
光「受ける。」
光のライフ9→7
京香「2回攻撃!」
京香のライフ19→21
光「ぐぅ…。」
光のライフ7→5
この後、京香は残ったジセンとワイルドアクスで攻撃。光はジセンの2回目の攻撃を2枚目の神・緑竜の盾で防ぎ、再びライフを回復するも、ワイルドアクスの2回の攻撃を受けてしまい…。
光「はぁ…はぁ…。」
光の手札5→4/ライフ5→1
京香「むぅ、手札に《雷電竜巻嵐舞》がないのが残念ッス…アタシはターンエンドッス。」
京香の手札3/ゲージ2/ライフ21→29
光のターン
サキ『光選手、何とか京香選手の猛攻を凌いだものの、ライフはたったの1!! 加えてハラハラの
D・シェアにより、京香選手のライフは驚異の29! とんでもない差ができてしまったぁ!!』
クロス「早くもまずい状況ですね…。」
尚「ええ、でも光ちゃんの目は、諦めていない。」
尚が見た光の目は、真っ直ぐに京香を見ていた。
ガルガ「よくぞ耐えた、光。」
光「なんとかね…でも、勝負はここから。わたしのターン、ドロー! チャージ&ドロー!」
光の手札4→5/ゲージ2→3/ライフ1
光「《ガルキャット》をレフトにコール。効果でゲージ1プラスして、1ドロー。ゲージ1を払い、
《ガルガンチュア・ドラゴン》をライトにバディコール! ガルチェインの効果、わたしの
ライフ6以下なら打撃力+1!」
光の手札5→4/ライフ1→2
ガルチェイン 打1→2
ガルガ『我が剣の前に、敵はなし!』
光「キャスト、《ガル・ブレイク》。このターン中、場のカードの打撃力は減らされず、
ガルガが攻撃するたびに相手の場のカード1枚を破壊できる。」
光の手札4→3
京香「(うっ…これは痛いッスね…。)」
光「バトル! まずはガルキャット、ジセンにアタック!」
京香「どうせやられるくらいなら…キャスト、《不死身の絆竜団》! 攻撃を無効化し、
場のD・シェアを持つカード分…つまり、4回復ッス!」
京香の手札3→2/ライフ29→33
サキ『なななななんとぉ、京香選手、とうとうライフが30を超えたぁ!!』
カナメ『恐ろしい回復量だな…いくら攻撃的な神竜族でも、削り切るのは至難の業だぞ?』
光「構わない! 次はガルチェインでジセンに攻撃!」
京香「通すッス!」 ジセン撃破
光「ガルチェインには【3回攻撃】がある。よってスタンド! 次にガルガで、アギトに
アタック! ガル・ブレイクの効果で、ハラハラを破壊!」
京香「ハラハラはドロップに、アギトはソウルガードッス!」
ハラハラ撃破 アギトのソウル1→0
光「ガルガで再びアギトにアタック! 今度はワイルドアクスを破壊!」
京香「アギト…!」 アギト・ワイルドアクス撃破
光「ガルガ、《G・EVO》発動! チェンジ、《モード・ソニック》! 効果でライフ2回復して、
2ドロー! ガルガ、京香にアタック!」
光の手札3→4/ライフ2→4
ガルガ『心得た!』
京香「うう…!」
京香のライフ33→31
光「ガルチェインには、残り2回攻撃が残ってる。京香に攻撃!」
京香「2回とも受けるッス!」
京香のライフ31→27
光「ターンエンド。」
光の手札4/ゲージ3/ライフ4
サキ『光選手、何とか京香選手の場を全滅。しかし、京香選手のライフはまだ27も
残っているぞ!』
京香のターン
京香「アタシのターン、ドロー! チャージ&ドロー!」
京香の手札2→3/ゲージ2→3/ライフ27
京香「まずは2枚目のワイルドアクスを装備! 次に《機転 ツマサキ》をレフトにコール。
ツマサキは場にD・シェアを持つカードがないとコールできませんが、コールした時、
ゲージと手札を1枚追加するッス。」
京香の手札3→2/ゲージ3→4
ツマサキ サイズ0/攻1000/防1000/打1
京香「先輩に、アタシのとっておきを見せるッス! 場かドロップから合計6枚をソウルに
入れ、ゲージ2を払うことでコールできるカードがあるッス。アタシはドロップから、
《雷斧アギト》、《襲撃タテガミ》、《早耳ジセン》、《満腹ハラハラ》、
《団斧ワイルドアクス》、《重撃カイナ》、この6枚をソウルに入れてセンターに
コールッス! 《螺旋雷斧キングアギト》!!」
京香の手札2→1/ゲージ4→2
京香の場にコールされたのは、翼を広げた巨大化したアギトだった。
キングアギト『自分は今、猛烈に闘志を燃やしているぞ!!』
キングアギト サイズ3/攻7000/防7000/打2 ソウル6
サキ『京香選手、ここにきてサイズ3のモンスターをコールした!』
京香「キングアギトはソウルを捨てられないD・シェアに加え、『スパイラルD・シェア』を
持つッス。」
光「スパイラルD・シェア?」
京香「ソウルにあるカード全てのD・シェアを、キングアギトは得るッス! キングアギトは
2回攻撃を得て、効果で破壊されず、攻撃のたびにライフを2回復し、打撃力+1され、
攻撃力はプラス3000ッス! D・シェアを持っているから、アタシのワイルドアクスの
D・シェアも受けるッスよ!」
キングアギト 攻7000→13000/打2→3
ワイルドアクス 攻3000→6000
ツマサキ 攻1000→4000
京香「タテガミのD・シェアにより、ガルガのソウル1枚をドロップするッス!」
ガルガ『ぐっ…光!』ガルガのソウル2→1
光「分かってる! ガルガをセンターに移動!」
京香「まずはツマサキとワイルドアクスで、ガルガに連携攻撃! 攻撃力は合わせて10000、
ガルガの10000にピッタシッス!」
光「ガルガのソウルガード!」ガルガのソウル1→0
京香「キングアギト、ガルガにアタックッス!」
京香のライフ27→29
キングアギト『応! うおおおおおおお!!』
勢いよく飛び出したキングアギトの爪が、ガルガを切り裂く。
ガルガ『ぐああああああああ!!』 ガルガ撃破
京香「ファイターに2回攻撃!」
京香のライフ29→31
光「キャスト、《神・青竜の盾》! 神竜族があれば使えて、攻撃を無効化し、ゲージ3追加!」
光の手札4→3/ゲージ3→6
キングアギトの猛攻を、光は青い盾で防ぐ。
京香「流石ッスね先輩…でも、これで終わりッス! ファイナルフェイズ!!」
光「……!」
京香「キャスト、《雷電竜巻嵐舞》! スパイラルD・シェアを持つカードがあれば、ゲージを
払う必要はないッス!」
京香の手札1→0
キングアギト『ウオオオオオオオ!!』
1回戦とは違い、今度はキングアギト1体から竜巻が生み出される。そして京香は、雷を纏った斧をその竜巻に向かって投げる。
京香「これが、絆竜団が結束して生み出す一撃ッス。必殺、《雷電竜巻嵐舞》!!」
そして光は、その竜巻の中に飲み込まれていく。
サキ『京香選手の必殺技が、光選手に炸裂したぁ! これは勝負ありか?』
尚「(光ちゃん……!)」
冷静にファイトを見ているはずだった尚も、いつの間にか必死の表情で、手を合わせていた。
光「……。」
光のライフ4→1
しかし竜巻が終わっても、ファイティングステージには光がライフ1を残して立っていた。
京香「なっ……!」
光「キャスト、《ドラゴッド・クリスタル》……ドロップに《ドラゴッド》がいるなら、ライフが
0になるとき、代わりに1にできる。」
光の手札3→2
サキ『なんと光選手、魔法でゲームエンドを回避したぁ!!』
サキは驚愕し、会場の人々は予想外の出来事に歓声を上げる。尚も安堵し、ホッと胸を下ろしていた。
京香「タ、ターンエンドッス…。」
京香のゲージ2/ライフ31
光のターン
ガルガ『何とか耐えたが、それでもライフは30の差がある…どうする?』
光「それは…カードを引いてから考える! ドロー! チャージ&ドロー!」
光の手札2→3/ゲージ6→7/ライフ1
光「ゲージ1を払って再びガルガをライトに。そしてドロップの神竜族1枚を入れて、ゲージ1を
払って、レフトに《ランツェ・ガルドラゴン》をコール。元々いたガルキャットは退却。」
光の手札3→1/ゲージ7→5
ランツェ サイズ2/攻6000/防1000/打2 ソウル1
サキ『光選手、ここにきて新たなモンスターをコールした。』
光「ランツェは場にガルガがいればサイズ1になり、ガルガにレスト耐性と、『貫通』を付与、
そしてこのカード自体も、3回攻撃を持ってるよ。」
ランツェ サイズ2→1
京香「でも、ライフを削るには程遠いッス!」
光「そう、だからこれを使う。キャスト、《ガルガンチュア・レキシコン》! ライフ4以下で使え、
手札を全部捨てて、ゲージ1を追加して、カードを3枚ドロー!」
光の手札1→3/ゲージ5→6
サキ『光選手、逆転の一手を引けたのか?』
光「…バトルに入ります!」
京香「ツマサキのDシェア! 相手ターン中、場の防御力3000+ッス!」
キングアギト 防7000→10000
ツマサキ 防1000→4000
光「ランツェ、ガルガ…キングアギトに連携攻撃! ガルガは貫通を得ているよ!」
京香「ソウルガードッス!」
京香のライフ31→29 キングアギトのソウル6→5
光「ランツェとガルガ、2回目の連携攻撃!」
京香「ソウルガード!」
京香のライフ29→27 ソウル5→4
光「G・EVO発動! チェンジ、《ガルガンチュア・ドラゴン“モード・アキュート”》!」
光の手札3→2
モード・アキュート サイズ2/攻12000/防6000/打2
ガルガは、ブラストともソニックとも違う、槍を持った姿に変化した。
京香「新モードッスか!?」
ガルガ『モード・アキュートとなった我は、装備しているアイテムに貫通を与える。』
光「ランツェとガルチェインで、アギトに連携攻撃!」
京香「耐えるッス!」
京香のライフ27→25 ソウル4→3
光「ガルチェインとガルガで、連携攻撃! アキュートの効果、連携攻撃すれば、カードを1枚
引いて、相手にダメージ2!」
光の手札2→3
京香「うぅ…。」
京香のライフ25→19 ソウル3→2
光「ガルガとガルチェインの、2回連携攻撃! 効果発動!」
光の手札3→4
京香「ソウルガード…耐えたッスよ、先輩!」
京香のライフ19→13 ソウル2→1
光「まだだよ! ゲージ1を払ってキャスト、《ガルガンチュア・モードスイッチ!》」
光の手札4→3/ゲージ6→5
京香「ガルガンチュア・モードスイッチ…?」
光「手札からG・EVOを発動できる! アキュートからチェンジ、《モード・ブラスト》!
効果で打撃力+1!」
光の手札3→2
モード・ブラスト 打3→4
サキ『なななななんとぉ、光選手、怒涛の連続モードチェンジだぁ!!』
光「ガルガ、アギトにアタック!」
ガルガ『心得た!』
京香「ソウル、ガード…!」
京香のライフ13→9 ソウル1→0
ガルガ『2回攻撃、これで終わりだあああああああああ!!』
キングアギト『うわああああああああ!!』 キングアギト撃破
京香「そ、そんな…。」
京香のライフ9→5
光「そしてファイナルフェイズ!! キャスト、《神・ガルガンチュア・パニッシャー!!》」
光の手札2→1/ゲージ5→3
光の頭上に黄金の剣が舞い降り、勢いよく京香に振り下ろされる。
光「必殺! 神・ガルガンチュア・パニッシャァァァァァッ!!」
京香「うぎゃあああああああああっ!?」
京香のライフ5→0
サキ『決まったあああああ!! 光選手、驚異の30というライフ差から、怒涛の連続攻撃で、
見事逆転勝利を収めました!』
ガルガ「見事だったぞ、光。」
光「うん。次はいよいよ決勝…尚とのファイトだ。」
光はそう言って、尚のいる観客席へ目を向けるも、そこには既に尚はいない。
光「尚…?」
いつの間にか彼女が消えていた為か、光は首をかしげるのだった。
尚「……。」
会場の外に出た尚は、自分のデッキを見つめる。
尚「光ちゃん、本当に強くなったね…。でも、私は負けない。負けるわけにはいかないの。」
尚の瞳には、少しずつ、しかし確実に、決意の炎が燃え盛っていた。
次回、いよいよ決勝戦。光VS尚です。