バディファイト~アナザーコード~   作:ハナバーナ

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やっと、ABCカップ編最終回です。


13話 ついに来た、ABCカップ決勝!!

「ねぇねぇ、なーちゃん。」

 

「なぁに、ひーちゃん?」

 

公園で一人の元気な少女が、もう一人のおとなしい少女に話しかける。おとなしい少女は元気な少女に手を引かれ、あるものを目にする。それは、砂で作られたお城だった。

 

「わたしがつくったの、すごいでしょ。」

 

「うん、ひーちゃんすごい。」

 

えっへんと胸を張る元気な少女に、おとなしい少女はパチパチと小さく拍手する。

 

「わたしね、いつかこんなおおきなおしろで、たのしいことをいっぱいするんだ!」

 

「そっかぁ、ひーちゃんらしいね。」

 

「そのときはね、なーちゃんといっしょにあそびたい。」

 

その言葉に、おとなしい少女は目をきょとんとさせる。

 

「わたしなんかと、いっしょにあそんでくれるの?」

 

「うん、なーちゃんとあそびたいの。だからなーちゃん、もしおしろができたら、いっしょに

 あそんでくれる。」

 

「…うん、あそぶ。ひーちゃんとあそぶ。」

 

「それじゃあ、やくそくだよ。」

 

「うん、やくそく。」

 

二人の少女は、笑顔で指切りする。いつか夢をかなえようと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ABCカップ最終日 ファイティングステージ

 

サキ『さてさて、1週間前より始まったABCカップ本選も、いつの間にか決勝戦へと突入しました!

   長かったようで短かったABCカップ、その最後を飾るは、スタートドラゴンワールド使い、

   星河尚選手と、ドラゴンワールド使いの、明日乃光選手です!』

 

サキが目を向ける先には、光と尚が、向かい合うように立っていた。

 

京香「光センパ~イ、尚センパ~イ! どっちも頑張ってくださいッス~!」

 

アギト「フレー、フレー!」

 

観客席の一番手前では、京香が大声で応援し、SDサイズのアギトが応援用の旗を振っていた。

 

尚「……。」

 

クロス「とうとうここまで来ましたね。」

 

尚「ええ。私は光ちゃんに必ず勝つ…そのために最善の戦略を練りこんできた。」

 

クロス「私は尚を信じております。共に勝ちましょう。」

 

クロスの激励に、尚は深くうなづく。一方で光とガルガも、会話をしていた。

 

光「本当に、決勝まで来ちゃったんだね…。」

 

ガルガ「うむ、しかし相手は尚だ。我らの手の内を隅まで読んでくるだろう。」

 

光「それでも、わたしはわたしのファイトを楽しむよ。そして、尚に勝つ!」

 

ガルガ「その意気だ!」

 

光とガルガは、互いに強くうなづく。そして光と尚は、デッキを構える。

 

サキ『さあ、泣いても笑ってもこれが最後! ABCカップ決勝戦、スタートです!』

 

尚「星と星をつなぐ線は、勝利への道しるべ。ルミナイズ《ギャラクシー△》!」

 

光「闘神率いるドラゴン軍団、ここに降臨! ルミナイズ《神ドラ》!」

 

『バディーーーファイトッ!』

 

オープン・ザ・フラッグ

 

尚「スタードラゴンワールド!」

尚の手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《天占竜 クロス・アストルギア》

 

光「ドラゴンワールド!」

光の手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《ガルガンチュア・ドラゴン》

 

光のターン

 

光「わたしのターン、ドロー! チャージ&ドロー!」

光の手札6→7/ゲージ2→3/ライフ10

 

光「装備、《神竜剣 ガルブレード》!」

光の手札7→6/ゲージ3→2

 

ガルブレード 攻6000/打2

 

光「これで尚にアタック!」

 

尚「受けるわ。」

尚のライフ10→8

 

光「ターンエンド。」

光の手札6/ゲージ2/ライフ10

 

尚のターン

 

尚「私のターン、ドロー! チャージ&ドロー! 光ちゃんに展開をさせるのはまずい。

  だから…このターンで決めるわ。」

尚の手札6→7/ゲージ2→3/ライフ8

 

尚は一息吐くと、眼を鋭くして光を見据える。

 

光「…!」

 

ガルガ「凄まじい覇気だ…光、凌ぎきれ!」

 

光「うん!」

 

一瞬尚から発せられるプレッシャーに気圧された光は、グッと身構える。

 

尚「キャスト、《スタージャック・ブースト》でゲージとライフを1枚ずつ追加。続けて設置、

  《宣告「占闘準備」》。ゲージ1を払って装備、《占弓バビロン》。続けてレフトに

  《管星竜フレット》をコール。効果でゲージ2プラスして1ドロー。占闘準備の効果で

  ライフ1追加して1ドロー。」

尚の手札7→6ゲージ3→5ライフ8→9

 

バビロン 攻6000/打2

 

フレット サイズ1/攻3000/防1000/打1

 

サキ『尚選手、盤面を整えると同時に、手札やゲージも補充していく!』

 

尚「まだよ。レフトに《占闘竜イン・シェブロン》をコール。元居たフレットはドロップに。

  そしてセンターに《天占竜クロス・アストルギア》をバディコール。」

尚の手札6→4ゲージ5→3ライフ9→10

 

クロス サイズ2/攻6000/防5000/打2→3/ソウル1

イン・シェブロン サイズ1/攻4000/防1000/打2→3

バビロン 打2→3

フレット退却

 

カナメ『打撃力を上げ、貫通を付与するギャラクシーF……冷静ながら、豪快な盤面だな。』

 

尚「ライフ1を払いキャスト《布告「星命操作」》。デッキの上4枚めくり、その中の2枚を手札、

  残りをゲージに。続けてキャスト《布告「占闘補給」》。ゲージと手札を2枚追加してライフ

  1回復。」

尚の手札4→6/ゲージ3→7

 

京香「うわぁ…尚先輩、容赦ないッス。」

 

淡々と恐ろしい盤面を築いてゆく尚に、京香もアギトも顔を引きつる。

 

尚「…バトル。クロス、ファイターにアタック。」

 

クロス『我が攻撃を食らいなさい!』

 

光「ぐっ…!」

光のライフ10→7

 

クロス『2回攻撃!』

 

光「キャスト《神・緑竜の盾》! 無効化してライフ3回復!」

光の手札6→5/ライフ7→10

 

尚「イン・シェブロンで攻撃。」

 

光「キャスト《ガル・パリィ》! 攻撃を無効化し、1ドロー!」

 

尚「イン・シェブロンの2回攻撃。」

 

光「受けるよ!」

光のライフ10→7

 

尚「バビロンで攻撃。」

 

光「受ける…。」

光のライフ7→4

 

尚「バビロンの2回攻撃。」

 

光「きゃぁ!」

光のライフ4→1

 

サキ『光選手、防御魔法で防ぐも、早くもライフは風前のファイヤーだぁ!』

 

尚「ファイナルフェイズ。キャスト《裁きを告げる三ツ星》」

尚の手札6→5/ゲージ7→4

 

光「…!!」

 

サキ『なななななんとぉ、尚選手、必殺技もすでに手札に来ていたぁ!!』

 

クロスの背中にエネルギーが集約され、尚は淡々と弓を引いていく。

 

尚「これで終わりよ…必殺、裁きを告げる三ツ星。」

 

クロスからエネルギーが発射され、光に向かっていく。

 

京香「光先輩!!」

 

同時に京香が、悲痛な叫びをあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光「キャスト《ドラゴッド・クリスタル》!! ライフが0になるとき、代わりに1にする!」

光の手札5→4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚「なっ……!!」

 

サキ『これはすごい! 2回戦の時と同様、復活魔法でこの場を切り抜けたぁ!!』

 

サキが驚愕し、観客たちも歓声を上げる。一方で尚は、凌がれたことに呆然としていた。

 

尚「な、なんで…それはドロップに《ドラゴッド》がないと使えないはず…。」

 

光「信じてたんだ。」

 

尚「え?」

 

光「尚は絶対わたしにターンを回さないために、このターンで勝負を決めに来るって。だから

  わたしは、尚が必殺技も使ってくると思って、最初のターンに手札のガルガをゲージに

  置いて、そのゲージでガルブレードを装備したの。」

 

ガルガ「流石のお前でも、キーとなるカードをゲージに置くほど大胆に行くとは、思って

    いなかったようだな。」

 

尚「…ターン…エンド。」

尚の手札5/ゲージ4/ライフ10

 

尚がか細い声で、エンド宣言をする。

 

光のターン

 

光「わたしのターン、ドロー! チャージ&ドロー!」

光の手札4→5/ゲージ2→3/ライフ1

 

サキ『光選手、なんとかターンが回ったものの状況は絶望的だ。この局面を、どう

乗り切るのか!』

 

尚「(大丈夫…私の手札には、十分防御札がある。このターンを凌げる!)」

 

光「レフトに《ガルキャット》をコール! 効果でゲージ1追加して1ドロー! そして、ライトに

  《ガルガンチュア・ドラゴン》をバディコール!」

光の手札5→4/ライフ1→2

 

ガルガ『我が剣の前に、敵はなし!』

 

ガルキャット サイズ1/攻5000/防1000/打1

ガルガ    サイズ2/攻7000/防4000/打2/ソウル1

 

尚「ここ! キャスト《通告「不動占術」》! ゲージ1を払ってガルガをレスト、このターン、

  ガルガはスタンドできない!」

尚の手札5→4/ゲージ4→3

 

ガルガ『ぐおぉ!』

 

光「…! このままバトル、ガルブレードで、クロスに攻撃!」

 

尚「ソウルガード!」クロスのソウル1→0

 

光「ガルブレードの2回攻撃!」

 

尚「キャスト《マーズバリア》。攻撃を無効に!」

尚の手札4→3

 

光「ガルキャット、クロスにアタック!」

 

クロス『ぐわあああ!』クロス撃破

 

光「キャスト《ガルガンチュア・モードスイッチ》! ガルガをチェンジ、モード・ブラスト!」

光の手札4→2/ゲージ3→2

 

モード・ブラスト サイズ2/攻10000/防7000/打3→4/ソウル2

 

尚「キャスト《結晶化現象》! カードを1枚引いて、ガルガを無効化してレスト!」

尚のライフ10→9

 

サキ『これも防いだああ! 光選手、もはやこれまでか!』

 

光「まだまだぁ! キャスト《闘神の鼓動》!!」

光の手札2→1

 

尚「見たことのないカード…?」

 

光「デッキの上4枚を捨てて、その中のガルガを場の神竜族に重ねてコールできる!」

 

京香「ガルガは既に2枚見えてるッス…一世一代の大博打ッス!!」

 

光「デッキトップ4枚を……確認!」

 

近衛兵リンク・ガルドラ

 

神・ガルガンチュア・パニッシャー

 

剣の守護者ガル・アイナー

 

ガルガンチュア・ドラゴン

 

光「あった! ガルガンチュア・ドラゴンを、モード・ブラストに重ねてコール!」

光のゲージ2→1 ガルガのソウル2→4

 

ガルガ『ウオオオオオオオオオオオッ!!』

 

サキ『なんとなんと光選手、この土壇場でガルガを再び立ち上がらせた!!』

 

尚「まだよ、キャスト《通告「緊急占術」》!! ドロップのクロスをコール! 占闘準備の効果で、

  ライフと手札を追加!」

尚のライフ9→10/ゲージ3→0

 

光「ガルガ、クロスをアタック!」

 

ガルガ『心得た!』

 

尚「キャスト《マーズバリア》! 攻撃を無効に!」

尚の手札4→3

 

ガルガ『我に2回攻撃あり!』

 

尚「ソウルガード! 耐えた!!」クロスのソウル1→0

 

光「これが最後の1枚…G・EVO発動!!」

 

尚「!!?」

 

光「チェンジ、《ガルガンチュア・ドラゴン“モード・レギオン”》!!」

光の手札1→0

 

瞬間ガルガの鎧は、青から黄金へと変わる。

 

モード・レギオン サイズ2/攻9000/防7000/打2/ソウル5

 

サキ『光選手、ここにきてガルガを新モードに進化させたぁ!』

 

京香「すげぇ、すげぇッス二人とも!」

 

息もつかぬファイト展開に、会場はヒートアップしていく。

 

ガルガ『モード・レギオンとなった我は、ドロップよりサイズ1以下の下僕2体を場に

    呼び起こす!』

 

光「効果で《近衛兵リンク・ガルドラ》をレフトに、《剣の守護者ガル・アイナー》をセンターに

  コール! これらのカードはサイズ0に。リンクの効果、登場した時、リンクの打撃力+1。

  さらに、効果で登場したなら、場のカード全ての打撃力+1!」

 

モード・レギオン 打2→3

リンク      サイズ1→0/攻5000/防1000/打1→3

アイナー     サイズ0/攻3000/防1000/打1→2

 

光「リンクでクロスにアタック! リンクは貫通持ちだよ!」

 

クロス『申し訳ありません……。』クロス撃破

尚のライフ10→7

 

光「アイナーで尚をアタック!」

 

尚「ぐっ!」

尚のライフ7→5

 

光「ガルガ…ファイターにアタック!」

 

ガルガ『心得た! ウオオオオオオオ!』

 

尚「受ける!」

尚のライフ5→2

 

ガルガ『我に2回攻撃あり!』

 

尚「キャスト《アースバリア》! 攻撃を無効化してライフ回復、これで----」

尚の手札3→2/ライフ2→3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光「…ううん、これで終わりだよ。ガル・アイナーの効果、ライフ1を払って、ガルガのソウルへ!

  そしてそのガルガを…スタンドする!!」

光のライフ2→1 ガルガのソウル5→6

 

尚「あっ……。」

 

光「ガルガ、最後の攻撃!」

 

ガルガ『受けるがいい!』

 

尚「……。」

尚のライフ3→0

 

サキ『き…き…決まったあああああああ‼ 激しい攻防の末、光選手が最後の力を振り絞り、見事

   尚選手を下した! ABCカップ優勝は、明日乃光選手です!!』

 

サキの叫びと同時に、会場内が歓声を上げ、京香とアギトが感動の涙を流しながら抱きしめあう。

 

光「お、終わったぁ……。」

 

ガルガ「見事だったぞ、光。」

 

光「うん、ガルガもお疲れ様。」

 

緊張が解け、しりもちをついた光が、ガルガと軽くハイタッチを交わす。

 

尚「……。」

 

一方で尚は、がくんと膝を落としながら、下を見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒学園 校門前

 

京香「光先輩、優勝おめでとうございます!」

 

光「あはは、ありがとう京香。」

 

京香はピョンピョンと跳ねながら、光の優勝を祝い、トロフィーを手に持っている光は、そんな京香を見て苦笑いする。その時、尚がいないことに光は気づく。

 

光「そういえば、尚は?」

 

京香「アタシは見てないッスよ。お手洗いッスかね? ちょっと電話かけてみるッス。」

 

・・・・・・・・・・・・

 

校舎裏

 

携帯が振動していることに気づいた尚は、すぐに電話に出る。

 

尚「…もしもし。」

 

京香『尚先輩、今どこッスか? 光先輩、気にしてるッスよ?』

 

尚「教室。ちょっと忘れ物しちゃってね。」

 

京香『そうッスか…あの、この後ファミレスでお祝いパーティーしましょう! お二人とも

   激しいファイトのせいでお腹すいてるでしょうし、今日は全額アタシに奢らせて

   くださいッス!』

 

尚「そう? じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな?」

 

京香『了解ッス。アタシら、校門の前で待ってますんで。』

 

尚「うん、またあとで。」

 

尚はそう言って、電話を切る。隣では、クロスが心配そうな表情で尚を見上げていた。

 

クロス「尚…。」

 

尚「…光ちゃんより長く、バディファイトしてるのに……勝つために、デッキの構築を何度も

  見直してきたのに……それでも、勝てないの……?」

 

尚の頬を、大粒の涙が伝う。今の尚にかける言葉が、クロスには見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒学園 中等部2年教室

 

天児「今日は皆さんに、転校生を紹介します。仲良くしてあげてくださいね。」

 

直後、教室の扉が開き、一人の少女が入ってくる。少女は黒板に自分の名前を大きく書いて振り返る。

 

「今日からこの学校でお世話になる…《盛谷 智夏(もりや ちなつ)》です。よろしくお願いします!」

 

その少女、智夏は、笑顔で挨拶する。

 

光「…え……ええええええええええええっ!!?」

 

智夏を見た光は、机をバンッと叩いて立ち上がり、驚愕の声を上げる。これは、ABCカップから3日経った日の出来事である。




いかがでしたでしょうか? 次回からは、新章に突入します!

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