バディファイト~アナザーコード~   作:ハナバーナ

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今回から新章です。この章では、キャラクターの過去や心情も書いていこうと思います。ドラマの展開も、アニメとは異なっていきます。

それではどうぞ。

変更点 磯村の立場:司令→局長


神バディファイター決定戦編
14話 超東驚に迫る不穏


ドスンッドスンッと大きな足音を立て、一体の恐竜にも見えるモンスターが、背中にサングラスのいかつい男を乗せて街中を走る。

 

「あの中に入れ!」

 

途中、路地裏への入り口を見つけ、モンスターはぎりぎり入れるだろうと踏んだ男は指示を出す。モンスターはそれに応答し、何とか路地裏へと入ることに成功する。

 

「よし、ここまで来れば--------」

 

『そこまでだ。』

 

突如声が響き、空から影が降りてくる。マントを羽織り、白い仮面をかぶった騎士のようなドラゴンは、逃げているモンスターの行く手を阻む。

 

?『クリミナルファイターだな? 貴様を拘束する。』

 

?「大人しく捕まってよね~。手荒なことは苦手なんだからさ。」

 

ドラゴンに抱えられた人参色のサイドポニーをしたギャル風の少女は、軽口で男に警告する。

 

クリミナルファイター「クソッ、戻れ!」

 

言われてモンスターは、来た道を戻ろうとする。その時だった、モンスターの影からニュッと手が出て、モンスターの足を引っかける。

 

クリミナルファイター「ぐえっ!」

 

バランスを崩したモンスターは盛大に転び、その衝撃で背中から放り出されたクリミナルファイターは顔から地面に激突し、気絶する。

 

?『捕縛完了、だな。』

 

?「ああ。」

 

その1組を、忍者のような黒い竜と焦げ茶の目をした制服姿の少年が見下していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒学園 中等部2年教室

 

生徒1「えっ、智夏ちゃんって颯樹様の妹さんなの!?」

 

生徒2「苗字が《盛谷》だったからまさかとは思ってたが…!」

 

生徒3「ねぇねぇ、智夏ちゃんもバディファイトやってるの?」

 

智夏「うん、やってるよ。ついでに言うと、バディもいるんだ♪」

 

生徒3「じゃあ、今度ファイトしてよ。」

 

休み時間、クラスの生徒たちは一堂に智夏の席に集まり、質問攻めしていた。しかし智夏は疲れる様子を見せず、笑顔で対応している。

 

光「……。」

 

そんな様子を光は、自分の席で肘をつきながら見ていた。先程までは自分のクラスに転校してきたことに驚いていたが、よくよく考えれば中学生の年齢の女の子が引っ越してきたのだから、転校してきても不思議はないかと改めて理解し、今はじっと見ているだけである。

 

智夏「……うん?」

 

そんな光の視線に気づいた智夏は光のほうを向くと、ニカッと笑って光のほうに小さく手を振る。光も手を振られたことにビクッと肩を揺らしたが、すぐに手を振りなおす。

 

尚「光ちゃん最初見た時驚いてたけど、あの子と知り合い?」

 

尚が不思議そうな顔をしながら、光の席に歩いてくる。

 

光「うん、ABCカップの時、ショップで会ってね。」

 

尚「そうなの…ファイトはしたの?」

 

光「したよ……負けちゃったけど。」

 

尚「そうなん…え?」

 

納得しかけたその時、「負けた」という言葉に尚は過剰に反応する。

 

尚「負けたって…光ちゃんが?」

 

光「うん。」

 

尚は驚いた表情のまま、光同様智夏のほうを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バディポリス 司令室

 

磯村「クリミナルファイターとそのバディモンスターは無事移送された。二人とも、任務

   ご苦労だった。」

 

?「はっ。」

 

?「ありがとうございま~す♪」

 

磯村に対して敬礼するのは、バディポリスユースのリーダーである少年、影山満月と、後輩の少女、高倉穂波である。

 

?「穂波、仮にもバディポリスユースなのだから、もう少し緊張感を持ったらどうだ?」

 

穂波「あはは、ごめんごめん。どうにも落ち着くのは苦手でさ。」

 

?「……苦労しているな、ゲイル。」

 

穂波を注意するのは彼女のバディであるゲイル。そんなゲイルに同情するのは、影山のバディ、ブレードアッシュドラゴンだ。

 

影山「それで局長、今回のファイターについてですが…。」

 

磯村「今、解析中だ。そろそろだと思うが…。」

 

颯樹「失礼します。磯村局長、解析が終わりました。」

 

穂波「あっ、颯樹センパ~イ♪」

 

司令室に颯樹が、資料を持って入ってくる。直後、穂波が颯樹に向けて「ヤッホー」と手を振る。

 

磯村「どうだった?」

 

颯樹「はい。モンスターを調べてみたんですが、どのワールドにも生息していないモンスター

   でした。やはり今回も…。」

 

影山「《オニキス》が絡んでいるか…。」

 

影山の言葉に、颯樹はうなづき、司令室は重い空気に包まれる。

 

 

『オニキス』……10年以上前から存在が確認されているバディテロリスト集団である。世界各地で破壊活動やバディ関連施設の襲撃を行っており、彼らの使役するモンスターの多くは、モンスターの世界でも確認されていない新種である。そして彼らの行動原理の中に、【違法なファイターや組織へのモンスター売買】も含まれているため、《死の商人》とも呼ばれている。

 

 

穂波「物騒な連中ですね~。」

 

影山「それだけで済むならまだいい。問題なのは、それほど大規模な活動をしていながら詳細を

   全く掴めていないというところだ。」

 

磯村「今まではこの超東驚でそういった痕跡は見られなかったが…ついに奴らは、超東驚にも手を

   出してきたということだ。」

 

「加えて、新たな問題も発生した。」

 

磯村は、眉間にしわを寄せて隊員たちにそう説明する。直後、颯樹の横にSDサイズのアジ・ダハーカが現れる。

 

ダハーカ「以前、我と半身である颯樹で違法地下ファイトを検挙したのだが、来た時には既に

     支配人は震えながら自首の準備をしていたのだ。」

 

アッシュ「それはまた、なぜ?」

 

ダハーカ「奴はこう呟いていたよ……《ロストワールド》とな。」

 

ゲイル「ロストワールド……?」

 

穂波「は~い。ロストワールドって何ですか?」

 

穂波が元気に手を挙げて、アジ・ダハーカに質問する。

 

ダハーカ「遥か昔、神々がモンスターのワールドを創造していた時代、一つの恐ろしい世界が

     生まれた。奴らは破壊と殺戮に飢え、他のワールドにも手を出した。それを危惧

     した神々は、激闘の末、奴らを次元の彼方に封印した。」

 

影山「だからロストワールド…失われた世界というわけか。」

 

颯樹は真剣な表情でうなづく。

 

颯樹「そのロストワールドに、オニキスが絡んでいる可能性も0ではない。そうでないにしても、

   何らかの形で封印が解けた以上、人間界に危険が及ぶ可能性は大いにあると思う。」

 

磯村「そうだな…2つの危険が迫っている以上、各局でさらなる対処が必要だ。君達も、

   十分に警戒してくれ。」

 

磯村の言葉に、全員が敬礼する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒学園 屋上

 

京香「うぇええええええええ!? 光先輩、負けちゃったんスかぁ!?」

 

光「ちょっ…声が大きいって。」

 

昼休み、屋上で光・尚・京香が昼食をとっていた。光からしてみればいつものことなのだが、今回違うのは、その輪の中に智夏が入ってるということである。

 

智夏「でも、ギリギリだったよ。全部終わったら、手札もゲージもすっからかんだったし、

   精進しないとなーって思った。」

 

京香「謙虚ッスね~。」

 

感心しながら京香は、お弁当のおかずを頬張る。

 

尚「クラスでも人気だったわね。「颯樹さんの妹だー」とか言われて。」

 

智夏「あ~あれね。私もお兄ちゃんは自慢だし好きだけどさ、そうゆう肩書は好きじゃないな。

   お兄ちゃんはお兄ちゃん、私は私だし。」

 

ディス「ウム、智夏のそういった姿勢を、我は気に入っている。」

 

バディのディスも感心しながら、ガルガ達と共に食事をしていた。

 

?「お前だな、噂の転校生ってのは!」

 

智夏「うん?」

 

智夏が振り向くと、オレンジの短髪をしたツリ目の男子が立っていた。

 

智夏「あなたは?」

 

鹿島「俺の名前は鹿島竜、相棒学園のドラゴンキラーだぜ!」

 

智夏「ドラゴンキラー?」

 

京香「言葉通り、ドラゴンタイプに強いカードを使うってことッス。ぶっちゃけて言えば、

   メタデッキッス。」

 

鹿島「だってかっこいいじゃねぇか、ドラゴンキラーって響き!」

 

智夏「そのドラゴンキラー君が、何か用?」

 

鹿島「放課後、俺とファイトしろ! 天才ファイターの妹と呼ばれているドラゴン使いの力、

   図らせてもらうぜ!」

 

智夏「いいよ。」

 

光「即答…というかいいの? 彼のデッキ、ドラゴンデッキに強いんだよ?」

 

智夏「望まれたら受ける主義だからね。それに、メタデッキの壁を乗り越えて勝てれば、

   気持ちいいと思うんだよね。」

 

智夏はそう言って、ディスと顔を向けあう。二人とも、どこかニヤッと挑発的な笑みを浮かべていた。




次回、ドラゴンVSドラゴンキラーです。
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