光がガルガとバディを組み、颯樹と対戦した翌日、光達三人はガルガを連れて、相棒学園に登校していた。
光「ここが、わたし達の通う相棒学園。バディファイトに力を入れてて、強豪校なんだ。
もちろん普通の学園生活も楽しいけどね。」
ガルガ「ここが光達の学び舎か……見たところお前達と年のかけ離れた者もいるな。」
尚「相棒学園は小中一貫だもの。私達全員、初等部から中等部に上がったのよ。」
光「でも、最近はやけに賑わってる感じだね。」
京香「そりゃそうッスよ! もうすぐABCカップの予選が始まるんスから。」
京香から出た単語に、ガルガは首をかしげる。説明に出たのは尚だ。
尚「ABCカップっていうのは、年に一度小中が合同で行うバディファイトの大会よ。この大会で、
その年のナンバー1ファイターが決定するの。」
ガルガ「ほう? では、我と光もその大会に出られるのだな?」
光「確かにエントリーはまだ締め切ってないはずだけど……なんだかんだでわたし、
初心者だしなぁ。」
ガルガ「心配することはない。闘いの神である我が付いているのだ。優勝は決まったも
同然だろう。」
京香「いやいや~。アタシのアギトや、尚先輩のクロスだって負けてはいないッスよ~?」
尚「それに、優勝候補も何人か上がってるみたいだし……今年はかなりレベルの高い大会に
なると思うわ。」
光「う~ん……。」
尚の話を聞いて、ますます大会参加に迷いが生じる光だった。
・・・・・・・・・・・
一年下の京香と別れ、同じクラスである光と尚は、2年の教室に入る。
生徒1「あっ、光ちゃんだ!」
生徒2「ガルガもいるぞ!」
その時教室にいたクラスメイト達が、一斉に光達に詰め寄る。
光「な、何事!?」
生徒3「聞いたよ光ちゃん、天才少年バディポリスの盛谷颯樹さんとファイトしたんでしょ!」
生徒4「ううっ、あの颯樹様にお近づきになっただけでなくファイトをお願いされ、挙句の果てに
勝つなんて、初心者のくせに生意気よ~~っ!」
尚「み、みんな落ち着いて……。」
詰め寄られたのは光だけに限らず、ガルガも生徒からもみくちゃにされていた。
生徒1「わあ、ガルガって可愛い~♪」
生徒2「おい、触ってみろよ。結構ふさふさしてて気持ちいいぜ?」
ガルガ「ぬおおおお、やめんかああああああ!!」
ガルガのその叫びと同時に、その体がビカッと光りだす。それを見た光は、慌てて止めに入る。
光「わーーーーっ!! ガルガ、ここ教室だから! でっかくなるのはまずいから!」
?「騒がしいですねぇ。」
落ち着いた声色で入ってきたのは、焦げ茶髪のウルフヘアと眼帯をし、陣羽織っぽさの残るコートを羽織った男性だった。その男性を見たガルガは、大きくなるのをやめ、彼の眼をじっと見つめる。
ガルガ「……光、あの者は?」
光「え? 今年赴任してきた天児 刀哉先生だけど…。」
生徒1「天児先生、光ちゃんとバディのガルガのことで盛り上がってたんです。」
天児「ああ、そのことなら俺も先ほど耳にしました。……ですが皆さん、明日乃さん達を
困らせるようなことはいけませんよ。点呼を取りますので、席についてください。」
先ほど同様落ち着いた声色でそういうと、生徒たちは「はーい」と一斉に席に戻る。しかしガルガだけは、いまだ天児のほうを見ていた。天児もガルガに気づき、声をかける。
天児「どうしましたか? …ああ、敬語のことならお気になさらず。昔からの癖ですので。」
ガルガ「いや、そうではなく----------」
光「ほら、ガルガもカードに戻って。わたしも席につかなきゃいけないんだから。」
光に急かされ、仕方なくガルガはカードとなって光のデッキに収まる。
・・・・・・・・・・・
天児「では皆さん、本日はこれで終了です。気をつけて帰ってくださいね。」
放課後になり、帰りの礼をした後、天児は相変わらず落ち着いた雰囲気で教室を出る。
ガルガ「少しいいだろうか?」
そんな天児にガルガが後ろから話しかけ、天児もそれに応じる。
天児「あなたは確か、明日乃さんのバディでしたね?」
ガルガ「ガルガンチュア・ドラゴンだ。…貴殿は中々いい目をしている。」
天児「ふむ…確かに俺は剣を習ってはいましたが。」
ガルガ「我にはわかる。貴殿の実力はその謙遜に収まるものではないと。どうだろう、我と
手合わせをしてみないか?」
光「ちょっとガルガ!?」
話を聞いていた光が教室から飛び出し、ガルガを止めに入ろうとする。
天児「……少しの時間ならば。」
光「天児先生!?」
天児が了承したことに、光は驚きを隠せなかった。
稽古場
天児「ふっ……!」
ガルガ「とああぁぁぁっ!」
天児とガルガ、二人の持つ木刀がバンッとぶつかる。身長はSDサイズのガルガのほうが圧倒的に低いはずなのだが、天児も天児で、自分と同じ背の相手と戦っているような気迫で挑んでいる。
京香「なるほどー、先生が手合わせを受けてガルガと一騎打ちしてると。」
光「まあねー……。」
そんな二人の激突を光と尚、そして一緒に帰ろうとした京香が正座してみていた。しばらくして試合が終わり、二人は頭を下げる。
ガルガ「いい試合をさせてもらった。」
天児「こちらとしてもいい経験になりました。鬼丸も、審判をありがとうございます。」
鬼丸「いや…。」
天児が目を向けた先には、陣羽織を羽織った人型の豹のモンスターが正座して沈黙していた。
ガルガ「こやつは?」
天児「俺のバディの鬼丸です。幼き頃、祖父から譲り受けました。」
ガルガ「なるほど…ではどうだろう? 次は我とバディの光、そして貴殿と貴殿のバディとで
バディファイトで手合わせというのは。」
光「えっ!?」
いきなり自分まで巻き込まれたことで、光は間抜けな声を上げる。
天児「俺は構いませんが、明日乃さんの許可はよろしいのですか?」
ガルガ「構わぬ。これは光にとっても修行になるだろう。」
天児「…わかりました。では明日の放課後、ファイティングステージにて。行きましょう。」
天児は鬼丸とともに稽古場を後にする。ガルガも満足げな顔で、光の下へ戻る。
ガルガ「聞いたな光? 明日はあの者との一騎打ちだ。心してかかるがよい。」
いまだ茫然としている光の方に、ポンっと尚の手が置かれる。
尚「……頑張って。」
小さくサムズアップする尚に、光はこれ以上何も言えなかった。
次回、天児先生とのファイトです。