バディファイト~アナザーコード~   作:ハナバーナ

6 / 14
6話 我らは絆竜団!

相棒学園 ファイティングステージ

 

ABCカップ1日目、相棒学園の恒例イベントということもあり、観客席はいつも以上に多くの生徒でにぎわっていた。そのステージの周りを、カナメのスーツをまとったサキが飛びまわっている。

 

サキ『さあ皆さんお待ちかね! 1回戦第1試合は、エンシェントワールド使いの阪野京香選手と、

   マジックワールド使いの御神楽雫選手の対戦です!』

 

サキの宣言と同時に、ファイティングステージには京香と雫が向かい合うように現れる。

 

京香「御神楽先輩、学年が上だからって、手加減はしないッスよ!」

 

雫「僕だって優勝のために出場したんだ。全力で行かせてもらうよ。」

 

やる気満々の二人は、お互いのコアデッキケースを構える。

 

サキ『さあ、試合開始です! 両者、ルミナイズしちゃってください!』

 

雫「魔法の力で、老若男女勇気百倍! ルミナイズ《ショータイム・マジック》!」

 

京香「弱きも集えば、デッカイ力に変わるッス! ルミナイズ《スパイラル・絆竜団》!」

 

『バディーーーファイトッ!!』

 

オープン・ザ・フラッグ

 

雫「マジックワールド。」

雫の手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《見習い魔術師 ホーリー》

 

京香「エンシェントワールドッス!」

京香の手札6/ゲージ2/ライフ10

バディ《雷斧 アギト》

 

雫のターン

 

雫「僕のターンからだ。ドロー、チャージ&ドロー。」

雫の手札6→7/ゲージ2→3

 

雫「まずは装備、《ガンロッド エクスシュタイナー》! 早速センターにバディコール、

《見習い魔術師ホーリー》! コストでデッキの上から2枚をホーリーのソウルへ。」

雫の手札7→5/ゲージ2→0

 

ホーリー『はいは~い、早速出番だね!』

 

見習い魔術師 ホーリー

フラッグ:マジックワールド

種類:モンスター 属性:魔術師

サイズ1/攻5000/防5000/打2

■【コールコスト】ゲージ1を払い、君のデッキの上から2枚をソウルに入れる。

■“愉快!ゴーカイ!マジックショー!”このカードが登場した時、手札を1枚捨ててよい。捨てたら、君のデッキからそれぞれ名前の違う魔法2枚を手札に加え、デッキをシャッフルする。“愉快!ゴーカイ!マジックショー!”は、1ターンに1回だけ使える。

■君が魔法を使ったターン中、このカードは【2回攻撃】を得る。

■このカードが破壊されたとき、君のデッキの上から2枚をゲージに置き、君のドロップゾーンの【対抗】を持つ魔法1枚を手札に加える。この能力は1ターンに1回使える。

『移動』『ソウルガード』

FT「ぱんぱかぱーん! ホーリーちゃんのマジックショー、開演です!」

 

ガンロッド エクスシュタイナー

フラッグ:マジックワールド

種類:アイテム 属性:武器/魔術師

攻6000/打2

■【コールコスト】ゲージ1を払い、ライフ1を払う。

■君が魔法を使ったとき、君のデッキの上から1枚をゲージに置き、そのターン中このカードは『貫通』を得る。この能力は1ターンに1回使える。

■君のターン終了時、君のドロップゾーンに魔法が3枚以上あるなら、手札を1枚捨て、ゲージ1を払ってよい。そうしたら、ドロップゾーンのそれぞれ名前の違う魔法2枚までを手札に加え、相手にダメージ1!

FT「最新型のガンロッド。説明書さえ読めばどんな動物でも使える。」

 

雫「ホーリーの登場時効果発動。手札の《ソロモンの鍵 上巻》を捨てて、デッキから

《ソロモンの鍵 下巻》と《セフィロトの講義》を手札に加える。」

雫の手札5→6

 

京香「上巻がドロップに行って下巻が手札にあるってことは…。」

 

雫「キャスト、《ソロモンの鍵 下巻》。ライフ1回復し、ドロップに上巻があるので1枚ドロー。

 エクスシュタイナーの効果で、魔法を使ったためゲージ1追加。このターン魔法を使ったので

  キャスト、《セフィロトの講義》。デッキの上から2枚を見て、《ソロモンの壁》を手札に、

  残り1枚をゲージに送る。」

雫のゲージ0→2/ライフ10→11 

 

光「御神楽君、先行からかなりカードを使うね。」

 

尚「マジックワールドはその名の通り、魔法を多く使うワールドよ。使う魔法次第で、

  最初からライフやゲージ、手札的にも、大きなアドバンテージを得られるの。」

 

雫「ゲージ1を払いキャスト、《ナイスワン!(最高だぜ)》。効果で2枚ドロー。レフトにコール、

  《伽藍の絶対少女 メアリー・スー》。アタックフェイズ、ホーリーでアタック!」

雫のゲージ2→1

メアリー・スー サイズ2/攻5000/防3000/打2

 

ホーリー『そ~れ!』

 

京香「うう…。」

京香のライフ10→8

 

雫「ここでキャスト、《オゥバースタンド!》。与えたダメージ分、つまり2枚ゲージ追加。

  メアリー・スーの効果、魔法を使ったので1枚ドロー。」

雫のゲージ1→3

 

京香「流石、一向に手札が減らないッス。」

 

雫「まだまだ! ターン終了時、ホーリーの効果。ドロップに魔法が5枚以上あるため、ライフを

  3追加し、1枚ドロー。エクスシュタイナーの効果、手札の《バトルウィザード・ザ・エース》

  を捨てて、ゲージ1払って、ナイスワンとセフィロトの講義を手札に。さらに相手に

  1ダメージだ!」

 

京香「あうっ。」

京香のライフ8→7

  

雫「捨てたエースの効果で、ライフ1払い1ドロー。これでターンエンド。」

雫の手札6→9/ゲージ3→2/ライフ11→13

 

サキ『御神楽選手、最初のターンにもかかわらず盤面を整えたのみならず、手札とライフも

   潤沢だ!』

 

カナメ『上手いな。バディの能力で欲しい魔法を確実に手にできるため、多くの種類の魔法を

    入れても回せる。加えて、防御魔法を手札に入れたことで相手にプレッシャーを与えて

    いる。対戦相手はどう出るかな……?』

 

京香のターン

 

京香「アタシのターン。ドロー、チャージ&ドロー!」

京香の手札6→7/ゲージ2→3/ライフ7

 

京香「まずはキャスト、《竜王伝》! ゲージとライフと手札をそれぞれ1増やすッス。」

京香のゲージ3→4/ライフ7→8

 

京香「ライトに《断固ヒラテ》、レフトに《襲撃タテガミ》、ゲージ2を払いデッキの

   上1枚をソウルに入れ、センターにバディコール!!《雷斧アギト》! さらに、

   団斧“ワイルドアクス”》を装備ッス!」

 

アギト『我ら絆竜団! 力を合わせて京香を勝利に導くぞ!』

京香の手札7→3/ゲージ4→2/ライフ8→9

ヒラテ サイズ1/攻3000/防1000/打2

タテガミ サイズ1/攻5000/防1000/打1

アギト サイズ1/攻6000/防3000/打2

ワイルドアクス 攻3000打/1

 

光「京香はゾーンを埋めたね。」

 

尚「エンシェントワールドはサイズ3のモンスターを主体に戦うのが基本のワールドなんだけど、

  京香ちゃんの使う《絆竜団》は、サイズ2以下のモンスター達が能力を共有しあって

  戦うの。」

 

ガルガ「能力を共有?」

 

尚「見てればわかるわ。」

 

京香「絆竜団の『D(ドラゴン)・シェア』発動ッス!」

 

雫「D・シェア…?」

 

京香「D・シェアを持つカード同士が、その効果を与える能力ッス! アタシの場のカードは全部

   D・シェア持ち。アギトの『2回攻撃』、ヒラテの手札に戻されず、レストされない能力、

   タテガミの登場時に相手のソウル1枚をドロップする能力。ワイルドアクスの

   攻撃力+3000。各々の能力が、全てのカードに備わるッス!」

 

ヒラテ 攻3000→6000

タテガミ 攻5000→8000

アギト 攻6000→9000

ワイルドアクス 攻3000→6000

 

京香「タテガミとアギトの順で登場したので、タテガミの能力が2回分発動ッス! 当然、

   ホーリーにある2枚のソウルをドロップ送りッス!」

 

ホーリー『えぇ!? なにそれズルイ!』

ホーリーのソウル2→0

 

京香「ゲージ1を払ってキャスト、《絆竜団の狩り》! 場のD・シェアを持つモンスターの数、

   ドローしてライフ回復ッス。これでアタックに入るッス! まずはアギトでホーリーに攻撃! 

   アギトは『貫通』持ちッス!」

京香の手札3→5/ゲージ2→1/ライフ9→12

 

雫「キャスト、《ソロモンの盾》。攻撃を無効に。メアリー・スーの効果で1枚ドロー!

  エクスシュタイナーの効果でゲージ追加!」

雫のゲージ2→3

 

京香「アギトの2回攻撃ッス!」

 

雫「もう1度キャスト、ソロモンの盾!」

雫の手札9→8

 

京香「ワイルドアクスで、ホーリーに攻撃ッス!」

 

ホーリー『やられちゃった~っ!』ホーリー撃破

 

雫「破壊されたホーリーのスキル。ゲージを2枚チャージし、ソロモンの盾を手札に!」

雫の手札8→9/ゲージ3→5

 

京香「ワイルドアクスでファイターに2回目の攻撃!」

 

雫「受けるよ。」

雫のライフ13→12

 

京香「ヒラテでファイターにアタック! ヒラテは攻撃時、他の絆竜団の打撃力を1あげるッス。

   効果でタテガミの打撃力+1!」

タテガミ 打1→2

 

雫「それも受けるよ。」

雫のライフ12→10

 

京香「ヒラテの2回攻撃。再びタテガミの打撃力+1!」

タテガミ 打2→3

 

雫「受けよう。」

雫のライフ10→8

 

京香「タテガミでアタックッス!」

 

雫「ドロップゾーンのソロモンの盾をデッキの下に置き、ゲージ1を払いキャスト、

  《ソロモンの壁》! 2つ目の効果で受けるダメージを0に!」

雫の手札9→8/ゲージ5→4

 

京香「タテガミ、もう1度攻撃ッス!」

 

雫「キャスト、ソロモンの盾! 攻撃は無効だ。」

雫の手札8→7

 

京香「デッキの上2枚を捨て、《絆竜団の絆》をキャストッス! 2つあるうちの1つの効果、

   ゲージ3プラスして、ライフ1回復ッス!」

京香の手札5→4/ゲージ1→4/ライフ12→13

 

サキ『京香選手、魔法で一気にゲージを増やした! 何を狙っているのかぁ!』

 

京香「その答えはこれッス! ゲージ2を払ってキャスト、《絆竜団の誓い》! アタシの場の

   D・シェアを持つカードを全てスタンド。これであと4回攻撃可能ッス!」

京香の手札4→3/ゲージ4→2

 

雫「なんだって!?」

 

京香「アギトで攻撃ッス!」

 

雫「ぐぅ…!」

雫のライフ8→6

 

京香「ワイルドアクス!」

 

雫「くっ…!」

雫のライフ6→5

 

京香「ヒラテで攻撃! 効果で三度タテガミの打撃力+1!」

タテガミ 打3→4

 

雫「うわあ!」

雫のライフ5→3

 

京香「これでとどめッス! タテガミで攻撃するッス!」

 

雫「ゲージ1を払ってキャスト、《チェレックス》! ダメージを0にして、ライフ+1!

  残念だったね。」

雫の手札7→6/ゲージ4→3/ライフ3→4

 

京香「いいえ、それを使ってくれるのを待ってたんス。ファイナルフェイズ!」

 

雫「なに!?」

 

サキ『おお~っと京香選手、ここでファイナルフェイズ宣言! 何を繰り出すつもりだ?』

 

京香「場にD・シェアを持つモンスターがいて、相手のライフ4以下、必要ゲージは2。

   条件ぴったしッス! 行くッスよみんな、キャスト!」

京香の手札3→2/ゲージ2→0

 

絆竜団『ウオオオオオオっ!!』

 

場にいる絆竜団達が咆哮すると、フィールドに巨大な竜巻が雷を纏って出現。京香の両手には電気を纏った2本の斧が出現する。

 

京香「これこそ必殺、《雷電竜巻嵐舞(サンダー・トルネード・ライヴ)》!! 相手に

   ダメージ4を与えるッス!」

 

京香の投げた斧は竜巻の威力に身を任せ、勢いのついた2本の斧が雫を切り刻んでいく。

 

雫「う、うわああああ!!」

雫のライフ4→0

 

サキ『決まったあああああ! 勝者、阪野京香! それぞれの個性を共有する絆竜団の

   D・シェアで、なんと1ターンで勝利をおさめた!』

 

光「京香…すごい…!」

 

歓声が沸き上がる中で、光はただ一人、京香の実力に呆然とするばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1試合終了後、スタジアムの外で、京香と雫が話していた。

 

雫「やられたよ。防ぎきる自信はあったんだけどね。」

 

京香「いえいえ、手札の揃いがよかっただけッスよ。」

 

ホーリー「そうそう。本当だったら魔法の連続でちょちょいと倒せちゃうんだからね?」

 

雫「君はまたそうやって…でもまあ、今回は僕の力不足でもある。もっと強くなって、

  次にファイトするときは勝たせてもらうよ。」

 

アギト「ジブン達だって、負けるつもりはないぞ! なあ、京香!」

 

京香「もちろんッス!」

 

そうしてお互いをたたえあう2組。光や尚もそんな彼らを見て笑っていた。

 

光「なんだかんだ、バディファイトっていいね。こうやってファイトが終われば

  仲良くなれる。」

 

尚「そうねえ。」

 

光に同意する尚は、ふと気づく。近くの木から、弥神レンがこちらを覗いていたこと。尚が見ていることに気付いた途端、スタスタと走り去っていったことに。今は尚は、不思議に思うばかりだった。

 




キングアギトはまた別の機会ということで。

次回は1回戦第2試合です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。