相棒学園 ファイティングステージ
ABCカップ1日目、相棒学園の恒例イベントということもあり、観客席はいつも以上に多くの生徒でにぎわっていた。そのステージの周りを、カナメのスーツをまとったサキが飛びまわっている。
サキ『さあ皆さんお待ちかね! 1回戦第1試合は、エンシェントワールド使いの阪野京香選手と、
マジックワールド使いの御神楽雫選手の対戦です!』
サキの宣言と同時に、ファイティングステージには京香と雫が向かい合うように現れる。
京香「御神楽先輩、学年が上だからって、手加減はしないッスよ!」
雫「僕だって優勝のために出場したんだ。全力で行かせてもらうよ。」
やる気満々の二人は、お互いのコアデッキケースを構える。
サキ『さあ、試合開始です! 両者、ルミナイズしちゃってください!』
雫「魔法の力で、老若男女勇気百倍! ルミナイズ《ショータイム・マジック》!」
京香「弱きも集えば、デッカイ力に変わるッス! ルミナイズ《スパイラル・絆竜団》!」
『バディーーーファイトッ!!』
オープン・ザ・フラッグ
雫「マジックワールド。」
雫の手札6/ゲージ2/ライフ10
バディ《見習い魔術師 ホーリー》
京香「エンシェントワールドッス!」
京香の手札6/ゲージ2/ライフ10
バディ《雷斧 アギト》
雫のターン
雫「僕のターンからだ。ドロー、チャージ&ドロー。」
雫の手札6→7/ゲージ2→3
雫「まずは装備、《ガンロッド エクスシュタイナー》! 早速センターにバディコール、
《見習い魔術師ホーリー》! コストでデッキの上から2枚をホーリーのソウルへ。」
雫の手札7→5/ゲージ2→0
ホーリー『はいは~い、早速出番だね!』
見習い魔術師 ホーリー
フラッグ:マジックワールド
種類:モンスター 属性:魔術師
サイズ1/攻5000/防5000/打2
■【コールコスト】ゲージ1を払い、君のデッキの上から2枚をソウルに入れる。
■“愉快!ゴーカイ!マジックショー!”このカードが登場した時、手札を1枚捨ててよい。捨てたら、君のデッキからそれぞれ名前の違う魔法2枚を手札に加え、デッキをシャッフルする。“愉快!ゴーカイ!マジックショー!”は、1ターンに1回だけ使える。
■君が魔法を使ったターン中、このカードは【2回攻撃】を得る。
■このカードが破壊されたとき、君のデッキの上から2枚をゲージに置き、君のドロップゾーンの【対抗】を持つ魔法1枚を手札に加える。この能力は1ターンに1回使える。
『移動』『ソウルガード』
FT「ぱんぱかぱーん! ホーリーちゃんのマジックショー、開演です!」
ガンロッド エクスシュタイナー
フラッグ:マジックワールド
種類:アイテム 属性:武器/魔術師
攻6000/打2
■【コールコスト】ゲージ1を払い、ライフ1を払う。
■君が魔法を使ったとき、君のデッキの上から1枚をゲージに置き、そのターン中このカードは『貫通』を得る。この能力は1ターンに1回使える。
■君のターン終了時、君のドロップゾーンに魔法が3枚以上あるなら、手札を1枚捨て、ゲージ1を払ってよい。そうしたら、ドロップゾーンのそれぞれ名前の違う魔法2枚までを手札に加え、相手にダメージ1!
FT「最新型のガンロッド。説明書さえ読めばどんな動物でも使える。」
雫「ホーリーの登場時効果発動。手札の《ソロモンの鍵 上巻》を捨てて、デッキから
《ソロモンの鍵 下巻》と《セフィロトの講義》を手札に加える。」
雫の手札5→6
京香「上巻がドロップに行って下巻が手札にあるってことは…。」
雫「キャスト、《ソロモンの鍵 下巻》。ライフ1回復し、ドロップに上巻があるので1枚ドロー。
エクスシュタイナーの効果で、魔法を使ったためゲージ1追加。このターン魔法を使ったので
キャスト、《セフィロトの講義》。デッキの上から2枚を見て、《ソロモンの壁》を手札に、
残り1枚をゲージに送る。」
雫のゲージ0→2/ライフ10→11
光「御神楽君、先行からかなりカードを使うね。」
尚「マジックワールドはその名の通り、魔法を多く使うワールドよ。使う魔法次第で、
最初からライフやゲージ、手札的にも、大きなアドバンテージを得られるの。」
雫「ゲージ1を払いキャスト、《ナイスワン!(最高だぜ)》。効果で2枚ドロー。レフトにコール、
《伽藍の絶対少女 メアリー・スー》。アタックフェイズ、ホーリーでアタック!」
雫のゲージ2→1
メアリー・スー サイズ2/攻5000/防3000/打2
ホーリー『そ~れ!』
京香「うう…。」
京香のライフ10→8
雫「ここでキャスト、《オゥバースタンド!》。与えたダメージ分、つまり2枚ゲージ追加。
メアリー・スーの効果、魔法を使ったので1枚ドロー。」
雫のゲージ1→3
京香「流石、一向に手札が減らないッス。」
雫「まだまだ! ターン終了時、ホーリーの効果。ドロップに魔法が5枚以上あるため、ライフを
3追加し、1枚ドロー。エクスシュタイナーの効果、手札の《バトルウィザード・ザ・エース》
を捨てて、ゲージ1払って、ナイスワンとセフィロトの講義を手札に。さらに相手に
1ダメージだ!」
京香「あうっ。」
京香のライフ8→7
雫「捨てたエースの効果で、ライフ1払い1ドロー。これでターンエンド。」
雫の手札6→9/ゲージ3→2/ライフ11→13
サキ『御神楽選手、最初のターンにもかかわらず盤面を整えたのみならず、手札とライフも
潤沢だ!』
カナメ『上手いな。バディの能力で欲しい魔法を確実に手にできるため、多くの種類の魔法を
入れても回せる。加えて、防御魔法を手札に入れたことで相手にプレッシャーを与えて
いる。対戦相手はどう出るかな……?』
京香のターン
京香「アタシのターン。ドロー、チャージ&ドロー!」
京香の手札6→7/ゲージ2→3/ライフ7
京香「まずはキャスト、《竜王伝》! ゲージとライフと手札をそれぞれ1増やすッス。」
京香のゲージ3→4/ライフ7→8
京香「ライトに《断固ヒラテ》、レフトに《襲撃タテガミ》、ゲージ2を払いデッキの
上1枚をソウルに入れ、センターにバディコール!!《雷斧アギト》! さらに、
団斧“ワイルドアクス”》を装備ッス!」
アギト『我ら絆竜団! 力を合わせて京香を勝利に導くぞ!』
京香の手札7→3/ゲージ4→2/ライフ8→9
ヒラテ サイズ1/攻3000/防1000/打2
タテガミ サイズ1/攻5000/防1000/打1
アギト サイズ1/攻6000/防3000/打2
ワイルドアクス 攻3000打/1
光「京香はゾーンを埋めたね。」
尚「エンシェントワールドはサイズ3のモンスターを主体に戦うのが基本のワールドなんだけど、
京香ちゃんの使う《絆竜団》は、サイズ2以下のモンスター達が能力を共有しあって
戦うの。」
ガルガ「能力を共有?」
尚「見てればわかるわ。」
京香「絆竜団の『
雫「D・シェア…?」
京香「D・シェアを持つカード同士が、その効果を与える能力ッス! アタシの場のカードは全部
D・シェア持ち。アギトの『2回攻撃』、ヒラテの手札に戻されず、レストされない能力、
タテガミの登場時に相手のソウル1枚をドロップする能力。ワイルドアクスの
攻撃力+3000。各々の能力が、全てのカードに備わるッス!」
ヒラテ 攻3000→6000
タテガミ 攻5000→8000
アギト 攻6000→9000
ワイルドアクス 攻3000→6000
京香「タテガミとアギトの順で登場したので、タテガミの能力が2回分発動ッス! 当然、
ホーリーにある2枚のソウルをドロップ送りッス!」
ホーリー『えぇ!? なにそれズルイ!』
ホーリーのソウル2→0
京香「ゲージ1を払ってキャスト、《絆竜団の狩り》! 場のD・シェアを持つモンスターの数、
ドローしてライフ回復ッス。これでアタックに入るッス! まずはアギトでホーリーに攻撃!
アギトは『貫通』持ちッス!」
京香の手札3→5/ゲージ2→1/ライフ9→12
雫「キャスト、《ソロモンの盾》。攻撃を無効に。メアリー・スーの効果で1枚ドロー!
エクスシュタイナーの効果でゲージ追加!」
雫のゲージ2→3
京香「アギトの2回攻撃ッス!」
雫「もう1度キャスト、ソロモンの盾!」
雫の手札9→8
京香「ワイルドアクスで、ホーリーに攻撃ッス!」
ホーリー『やられちゃった~っ!』ホーリー撃破
雫「破壊されたホーリーのスキル。ゲージを2枚チャージし、ソロモンの盾を手札に!」
雫の手札8→9/ゲージ3→5
京香「ワイルドアクスでファイターに2回目の攻撃!」
雫「受けるよ。」
雫のライフ13→12
京香「ヒラテでファイターにアタック! ヒラテは攻撃時、他の絆竜団の打撃力を1あげるッス。
効果でタテガミの打撃力+1!」
タテガミ 打1→2
雫「それも受けるよ。」
雫のライフ12→10
京香「ヒラテの2回攻撃。再びタテガミの打撃力+1!」
タテガミ 打2→3
雫「受けよう。」
雫のライフ10→8
京香「タテガミでアタックッス!」
雫「ドロップゾーンのソロモンの盾をデッキの下に置き、ゲージ1を払いキャスト、
《ソロモンの壁》! 2つ目の効果で受けるダメージを0に!」
雫の手札9→8/ゲージ5→4
京香「タテガミ、もう1度攻撃ッス!」
雫「キャスト、ソロモンの盾! 攻撃は無効だ。」
雫の手札8→7
京香「デッキの上2枚を捨て、《絆竜団の絆》をキャストッス! 2つあるうちの1つの効果、
ゲージ3プラスして、ライフ1回復ッス!」
京香の手札5→4/ゲージ1→4/ライフ12→13
サキ『京香選手、魔法で一気にゲージを増やした! 何を狙っているのかぁ!』
京香「その答えはこれッス! ゲージ2を払ってキャスト、《絆竜団の誓い》! アタシの場の
D・シェアを持つカードを全てスタンド。これであと4回攻撃可能ッス!」
京香の手札4→3/ゲージ4→2
雫「なんだって!?」
京香「アギトで攻撃ッス!」
雫「ぐぅ…!」
雫のライフ8→6
京香「ワイルドアクス!」
雫「くっ…!」
雫のライフ6→5
京香「ヒラテで攻撃! 効果で三度タテガミの打撃力+1!」
タテガミ 打3→4
雫「うわあ!」
雫のライフ5→3
京香「これでとどめッス! タテガミで攻撃するッス!」
雫「ゲージ1を払ってキャスト、《チェレックス》! ダメージを0にして、ライフ+1!
残念だったね。」
雫の手札7→6/ゲージ4→3/ライフ3→4
京香「いいえ、それを使ってくれるのを待ってたんス。ファイナルフェイズ!」
雫「なに!?」
サキ『おお~っと京香選手、ここでファイナルフェイズ宣言! 何を繰り出すつもりだ?』
京香「場にD・シェアを持つモンスターがいて、相手のライフ4以下、必要ゲージは2。
条件ぴったしッス! 行くッスよみんな、キャスト!」
京香の手札3→2/ゲージ2→0
絆竜団『ウオオオオオオっ!!』
場にいる絆竜団達が咆哮すると、フィールドに巨大な竜巻が雷を纏って出現。京香の両手には電気を纏った2本の斧が出現する。
京香「これこそ必殺、《
ダメージ4を与えるッス!」
京香の投げた斧は竜巻の威力に身を任せ、勢いのついた2本の斧が雫を切り刻んでいく。
雫「う、うわああああ!!」
雫のライフ4→0
サキ『決まったあああああ! 勝者、阪野京香! それぞれの個性を共有する絆竜団の
D・シェアで、なんと1ターンで勝利をおさめた!』
光「京香…すごい…!」
歓声が沸き上がる中で、光はただ一人、京香の実力に呆然とするばかりだった。
第1試合終了後、スタジアムの外で、京香と雫が話していた。
雫「やられたよ。防ぎきる自信はあったんだけどね。」
京香「いえいえ、手札の揃いがよかっただけッスよ。」
ホーリー「そうそう。本当だったら魔法の連続でちょちょいと倒せちゃうんだからね?」
雫「君はまたそうやって…でもまあ、今回は僕の力不足でもある。もっと強くなって、
次にファイトするときは勝たせてもらうよ。」
アギト「ジブン達だって、負けるつもりはないぞ! なあ、京香!」
京香「もちろんッス!」
そうしてお互いをたたえあう2組。光や尚もそんな彼らを見て笑っていた。
光「なんだかんだ、バディファイトっていいね。こうやってファイトが終われば
仲良くなれる。」
尚「そうねえ。」
光に同意する尚は、ふと気づく。近くの木から、弥神レンがこちらを覗いていたこと。尚が見ていることに気付いた途端、スタスタと走り去っていったことに。今は尚は、不思議に思うばかりだった。
キングアギトはまた別の機会ということで。
次回は1回戦第2試合です。