太平洋洋上
イージス巡洋艦はぐろ医療室
「止血急いでッ、」
「ここ抑えるの手伝ってくれッ」
「モルヒネ持って来いッ、急げ」
「大丈夫だッ、傷は浅い気をしっかり持て」
「輸血用パックまだかッ?」
「手術台はまだ空かいないのかッ、急がせろッ」
「ッ~~~~~~~~~~~~~~」
声にならない悲鳴と血が医療室を支配する。あの事件後俺達は再び不審船監視の任についてたが目の前の光景は地獄だ。傷つき声にならない悲鳴をあげているのは全部女性だ。ただの海賊・・・そんな常識は通用せず、皮肉にもこっちの世界に来る前に在籍していた「海上自衛隊特殊部隊員」としての技能能力が役にたってしまった。
M4ライフルとプレートキャリアヘルメットを装備した俺のもとに
「艦長、報告します」
医療セクションの責任者が来て報告する
「死亡9、重症3、軽傷2・・・・・まるで地獄です」
いわれ
「ああ、地獄だ・・・」
俺は答えた。警戒中にブルーマーメイドの艦の応援要請を受け現場に急行したらもうこの地獄だった。至急艦内の「特別警備隊SBU」経験者を招集し臨時に特殊部隊として「彼女」らの待つ敵艦内に突入海賊を射殺し数名を拘束しかし最悪の結果となった。至急救護艦艇とヘリの出動を要請しているがヘリはいいとして艦艇は間に合うかいなかそんな事を思ってると
「うっ~~~~~」
苦しんでるブルーマーメイド女性隊員を見つけ
「大丈夫だ、しっかりしろ」
俺は手を握るがその隊員は俺を見て
「お・・・お父・・・さ・・・・ン」
崩れ落ちる
「艦長変わりますッ、除細動機急いでッ」
医官が指示を飛ばし動く
そこにCICから降りてきた高本中佐が来て
「艦長・・・・・」
俺の肩に手を置き
「酷い・・・惨すぎる・・・・」
言った処置台は血で真っ赤に汚れそして隣の部屋には遺体袋に収められたブルーマーメイドの隊員の遺体。海軍特殊部隊員として戦争も戦ってきた自負はあった。でも此処まで凄惨な光景を見たことがあるだろうか・・・・俺達はその後拘束した海賊どもをブルマーに引渡し海軍基地に帰投し報告書を提出した。この時に既に脳裏にこの世界において「海軍特殊部隊」の必要性があったのかもしれない。
宗谷家
帰宅し皆で夕食を食べているとニュースで報道され皆の空気が暗くなる中
「やはり、こういう仕事は海軍に任せるべきですね現場においても女性が足でまといになりかねない生き見本です。」
無意識に手に力が入り
「バキンッ」
音に皆が俺の手に釘付けになり
「如月さん血が・・・」
ましろさんにいわれ手を見るとスプーンをへし折った衝撃で手を切ったのか血が滴り落ちていた。しかし顔はテレビを見たまま
「貴様らに・・・命をかけた彼女らの何が分かる・・・・安全な所でだべってるようなお前らに・・・・」
あまりに怖い顔をしていたのかましろさんが怖がり
「ごめん・・・・」
俺は謝った。夕食後自室にこもり
「海軍・ブルーマーメイド内部に特殊部隊を創設するには?」
ノートに書き込み
「装備の見直し?、搭載携行火器の見直し?、人員の育成方法等。女性隊員の育成方法に関して、陸軍との協力体制、「レンジャー過程」の有無の調査・・・」
色々書いていると
「コンコン」
ドアが鳴り
「どうぞ」
答えると真霜さんが入ってきた。マグカップを持って
「お疲れ様」
そう言い彼女はカップを置き
「今回はキツかったわね、互に」
真霜さんは言い
「・・・・真霜さんブルーマーメイドの装備に防弾装備や重火器は積んでいないんですか」
俺はおもむろに聞き
「痛い所を突かれたわね・・・私達現場は再三具申してるのに上は艦艇の装備を重視する。今回の事も何とも思っていないかもしれない・・・」
いわれ彼女は俺のノートに目を通し
「・・・・特殊部隊の創設についての必要性と有用性・・・・・」
彼女は読み
「コレって・・・・・」
真霜さんは言い
「今回の海賊の射殺、拘束は私が指揮をとりました。今回感じたのはやはりこういった重装備の脅威ある敵に対処するには特殊な訓練を選抜された隊員に施し海軍・ブルーマーメイド僚艦に小隊規模で配置し有事の際には銃撃戦になる可能性のある危険な任務に従事する事が可能な部隊の必要性です。」
俺は言うと
「確かにそうね・・・・海軍はともかくうちには必要な部隊だわ、犠牲を最小限に脅威の排除、・・・もっと詳しく聞かせて?」
真霜さんは言い俺は自身がこの世界に来る前に所属していた海自特殊部隊の事を話した。危険な任務を専門に従事し「海賊の対処」「非正規任務」「人質救出」「特殊戦」などそして作戦の展開規模が世界全域である事、そこからとってこの世界においても「特殊部隊」が絶対に必要だという事を話した。
「詳しい説明ありがとう。さしずめ「ポセイドン」ね海の守護者・・・」
真霜さんは言い
「一長一短にできることではありませんが人員を育て対応する事は必要です。そして真霜さんにはその能力がある。能力のある人間はそれを行使する責任がある。私同様にでなければ今回の事件で殉職していった彼女らが浮かばれない・・・」
俺は語り
「そうね、大石司令に一緒に相談に行きましょう」
真霜さんは言い
「ハイッ」
答えたのだった。この世界においては小さい一歩でもその一歩が大きな一歩になる。
次回~部隊葬と特殊部隊概要~を予定しています。