第1艦隊司令部
「という訳で貴官を第1艦隊隷下第2水上打撃艦隊の群司令官に任命する」
大石司令に言われ、辞令所を渡され
「謹んで拝命致します」
俺は頷き司令官より辞令書を受け取る。そして大石司令は
「君にとっても悪い話ではない。この先経験を積んでいけばそう遠くない将来に君に私も原少将も安心して艦隊司令・艦隊副司令の椅子を明け渡して退役できる。まぁいわば後継者の育成と言った所かな」
言われ
「ハイ」
俺は頷いた。
「大石司令、艦隊の内訳は?」
尋ね
「おっと、そうだったなこれが内訳だ」
大石司令に書類を渡され目を通す
内訳
イージス巡洋艦DCG×1隻{司令艦}
イージス巡洋艦DCG-180[はぐろ]
イージス駆逐艦DDG×2隻
イージス駆逐艦DDG-178[あしがら」
イージス駆逐艦DDG-175[はるな]
多機能フリゲート艦FFM×2隻
多機能フリゲート艦FFM1[もがみ]
多機能フリゲート艦FFM3[すずや]
潜水艦SS
SS-511[しょうりゅう]
SS-512[とうりゅう]
渡された艦隊編成を見て
「最新鋭のFFM、多機能フリゲートを2隻もですか。てっきり汎用駆逐艦を付けるかと思ったのですが・・・・・」
言うと
「その編成については上層部でも大いに迷ったが、旗艦の[はぐろ]には共同交戦能力CECが装備されている。データリンクが全艦共に可能でアリ脅威に対処が可能かと思う。
大石司令は言うが
「お言葉ですが司令、多機能フリゲート艦の装備はイージス艦や汎用駆逐艦にも劣ります。遠洋での長期に渡る活動が可能なのかと意見具申させて頂きます。」
俺は言い
「ふむ・・・・」
大石司令は頷き
「一度、指揮を執ってみると良いだろう。とりあえずは貴官の意見は受け取った。」
言われ
「了解しました」
言い、司令室を後にする。
自身のオフィス
「そうですか、まずはおめでとうございます。イイ事が重なりましたね。結婚に群司令官拝命と・・・」
翼は言いつつも言葉を切り
「ですが艦隊編成にFFMの多機能フリゲート艦ですか・・・・」
翼にも艦隊編成の用紙を見せて言い
「見る限りでは、我々の時代のFFMと変わりはないようですがブルーマーメイドの哨戒艦と大差はあまりないようにも感じます。大丈夫ですかね」
翼も訝しむが
「まぁ・・・一度指揮を実際に執ってみろとの事だったよ。」
俺は言い翼も
「陣形はどうします?」
言い
「ヘリ空機動部隊の輪陣形を参考にすればダイヤモンド型の輪陣形が妥当と私は判断しますね。[はぐろ]を中心として、潜水艦2隻を先行させたうえで、艦隊前衛にまずは多機能FFMフリゲート艦の[もがみ]を配置し[はぐろ]を挟むようにイージス駆逐艦の[あしがら]・[はるな]を配置し艦隊後衛に多機能FFMフリゲート艦の[すずや]を置く」
翼はボードに陣形を書いていく
「確かに、理屈ではそうだな」
言い
「この艦隊のキモはCEC搭載巡洋艦の[はぐろ]が要ですからデータリンクをメインに運用していく。つまりは[はぐろ]が万が一にも被弾、沈没すればその時点でゲームオーバーです」
翼は言い
「そうだな」
俺も頷く。共同交戦能力を利用し全艦の能力をフルに生かす戦い方をしなければならないだろう。対空、対潜、対地、とだが懸念事項はやはりFFMが未知数と言う所だ。個人的にはFFMではなく汎用駆逐艦を配置してほしい所だがない物ねだりを言っても始まらない。
「とりあえず、はこんな所だ」
俺は翼に言い
「了解しました。」
翼と艦隊の運用について話し合いこの日の仕事を終える。
自宅
「ただいま帰りました」
玄関で制帽を取りコートを脱ぐ。
「お帰り」
真霜ニコニコと笑顔で迎えてくれ
「ただいま」
制帽とコートを預け家に入る。
「ただいま戻りました」
ダイニングに入ると
「お帰り、義兄さん」
「お帰り兄貴」
「優也さん、お帰りなさい」
なぜか4人や栞菜さんもニコニコとしている
「?」
思っていると、いきなりクラッカーが鳴らされ
「水上打撃艦隊群司令就任おめでとう~!!」
クラッカーがさらに鳴らされ
「どこからその情報が・・・・」
あんぐりとする俺を他所に
「ふふ、大石司令官と私は互いにパイプがあるからね」
何とお義母さんの真雪さんと大石司令がグルだったという
「なんと・・・こりゃぁまぁ・・・・」
開いた口がふさがらない。それを他所に
「司令の椅子はどうよ」
真冬さんに言われるが
「前途多難・・・・・かな?」
答え座る。
「あら、どうして?」
ご飯を皆に盛り皿を置く真霜にも言われ
「艦隊運用に関しては心得ていますが、ちょっと・・・・」
言葉を濁す俺に
「?どうしたのよ」
真霜に言われ
「いや・・・えっと、艦隊の構成はイージスが巡洋・駆逐合わせて3隻にFFMが2隻そして潜水艦が2隻の合計7隻からなる艦隊なんだが・・・・」
言うと
「?」
「?」
真白ちゃんや真冬さんは?を浮かべるが
「分かったわ」
真霜が言い
「私もですね」
真雪さんも言う。
「優也、そのFFMが何処まで通用するか未知数だから不安なんじゃないの?」
真霜は言い
「海軍の最新鋭艦ですね、多機能フリゲート艦FFMは」
真冬さんも言い
「ええ、水上打撃艦隊でフリゲートが何処まで通用するか、一抹の不安を払拭できない所が痛いです」
言い夕食の時間は過ぎて行った。
寝室
「や・・・・・ゆ・・・・・・・・・・ああっもう!!」
言われ
「うわぁ?!」
振り返るとパジャマに着替えた真霜が少し怒り気味の顔でのぞき込んでいた。
「もう、集中するのもいい事だけども無視しなくとも良いんじゃない!!」
言われ
「ごめん、ごめん」
謝り
「まぁ、しょうがないけれどもさぁ」
真霜は言い
「多機能フリゲート艦FFMについて情報集めてるの?」
言われ
「ああ、そうだ。一応FFMって言う艦種は俺の時代にもあったが装備はどうかと思ってな」
答えた。俺の時代のFFMは海自が人員不足に頭を抱える中少人数で運用可能な艦として開発されたのが多機能フリゲート護衛艦FFMだった。乗員は90名で武器システムもリモート操作が可能など高性能艦としては知っていた。だがこの世界のFFMはどうだろうか?一抹の不安が頭をよぎる、だが
「大丈夫よ」
真霜に言われ
「根拠は私達の哨戒艦のインデペンデンス級でも長期遠洋活動は可能だもの。海軍のFFM多機能フリゲート艦でも十分大丈夫なはずよ」
妻の真霜に言われ
「・・・・・そうか・・・そうだよな」
俺もあれこれと考える事は辞めた。事実FFMとはいえインデペンデンス級よりも装備が優れている事は推測は出来たからだ。
「うん、そうだよな」
俺は再度頷き床に入るのだった。
次回~多機能FFMフリゲート艦~を予定しています。