ハイスクール・フリート~海の防人達~   作:特殊作戦群

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翌日、指示された通り優也と翼は横須賀女子海洋学校へと向かうが・・・・


第59話~海軍とブルーマーメイド~

翌日、横須賀女子海洋学校前では海軍から派遣される人員を迎える為に職員が主だった職員が集まっていた。

 

「古庄先輩」

 

真霜は声をかけ

 

「いよいよ今日ね、一体全体どんな人が来るのやら」

 

真霜と古庄は言い

 

「緊張します」

 

真霜も言う中、教職員らが整列する中一台の黒塗りの車が向かってきた。

 

「来たわ、海軍の将校の方の様ね」

 

「頑固者じゃないと良いけれども」

 

真雪や古庄は言い、皆が整列する中車が止まり、車から降りてきた二人の将校を見て驚いたのは真霜と真雪の方だった。

 

「大石司令長官の命で派遣されました、宗谷優也海軍准将です」

 

「同海軍中佐、高本翼です」

 

俺と翼は敬礼し、最初こそあっけに取られていたが全員が敬礼し迎えてくれた。そして学校の校舎内の通路で

 

「優也が来るなんて聞いてないわよ。」

 

真霜が言い

 

「悪い、事前に知らせておくべきだったな」

 

俺は言い今度は

 

「今日はよろしくお願い致します、おか・・いえ宗谷校長」

 

真雪さんに言い

 

「古庄指導官も」

 

俺は挨拶し会議室に入った。そして、全員が席に着席し議題となったのは航洋艦の装備の一つ[VLS]についてだった。説明を受け

 

「ふむ・・・・」

 

「成程・・・」

 

俺と翼は考え込む。対空戦闘に全振りの装備をいかにバランスよくとなるとこれが結構大変だったりする。

 

「高本中佐、確かあの3艦はVLSが合計で48セルだったな」

 

俺は言い

 

「ハイ、そうです准将」

 

翼は言い

 

「現状だと対空ミサイルだけで80発、対潜ロケットのASROCが16発、対艦ミサイルが全部で8発、元々が防空駆逐艦だからしょうがないと言えばしょうがない」

 

俺は資料を見て言い

 

「ですが准将、これでは対潜・対艦能力が余りにも低すぎる」

 

翼も言う。そして俺は

 

「そちらとしては、どのようにVLSの配置変更を検討しているかをお聞きしたい」

 

問い

 

「ハイ、それに関しては、一言で言えば[マルチロール]に」

 

宗谷校長は言い、翼が俺に耳打ちし

 

「{これ結構厳しい案件ですね、あれをマルチになんて}」

 

翼が言う中

 

「かなり無理を言って下さる、VLSが48セルあるが、16セルはMk48VLSで既にESSMで埋まってる残りのMk41VLSの配置を見直すしか方法はない。」

 

俺は周りに言い

 

「准将にお伺いしますが、准将としてはどのように?」

 

古庄教官が俺に問い

 

「私でしたら、既に16発のESSMがある事を考慮しつつ、この艦に装備・配備されているMk41VLSであればESSMは1セルに4発は装備できるそれを考慮したうえで以下のようにします」

 

俺は言い、自分の考えを提示した

 

前甲板Mk41VLS 内訳

 

10セル40発のESSMを装備

22セル22発のVLAを装備

 

煙突間Mk48VLS 内訳

 

16セル16発のESSMを装備{固定}

 

提示し

 

「VLSの対潜兵装が22発と少なく感じるかもしれませんが、そこは3連装短魚雷発射管が2基装備されいる事から全部で28発分カバーが可能かと思います」

 

俺は提示した。丁度、ESSMが56発、ASROCが22発+短魚雷が6発で28発バランスはとれる計算だ。そしてもう一つは翼が提示した。

 

「これはかなり無茶ぶりかと思われますが、Mk48VLSを撤廃しそこにMk41VLSを増設する案です。そうすれば拡張性は増します。」

 

プランを2つ提示した。だが翼が言ったのは現実的ではないと俺も翼本人も解っている。Mk48の撤去やそこにMk41が増設できるかと言えば限りなくNOに近い。つまりはいわずもがなと言う事だ。

 

「我々としては前者を推しますね、増改築の手間もなく中身を調整すればすぐにでも教育実習に出られる。後者となれば果たして増改築で済むのか発射は可能かなど手間と予算がいくらあっても足りない」

 

説明する。その他はそこまで苦労する事がない。特にこのはつづき型は船体を大きくし排水量を増加させた結果駆逐艦レベルの物が巡洋艦レベルの物になってしまったこと、そして装備を後付けした事がたたってしまったのだ。

 

「成る程・・・・・・・・・・・・」

 

宗谷校長は考え込み

 

「校長、私は前者を推しますね」

 

教頭は言い

 

「理由は?」

 

校長が尋ねる中

 

「この配置は理にかなっている、対空・個艦防御に対潜・対艦と対処が可能です。それに後者では予算の都合やこれ以上の装備の解体や後付けはやはり船体に負荷をかけます。」

 

教頭は答え

 

「私は半々ね」

 

以外にも宗谷1等保安監督官は言った。

 

「理由としては[はつづき型]は確かに1番艦から3番艦までは巡洋艦クラス、きちんとした装備の線引きを図るべきと言う所と整備性を考慮した時に装備は統一していた方が何かと便利ではあるわ」

 

真霜は言った。これは俺も翼も思っていた事だった。イージス艦らの艦艇のように前甲板と後甲板にそれぞれMk41VLSを配備すれば整備性と装備の統一は取れる。だがそれは予算が追加でいくらかかるか分からない事を指している。

 

「予算の兼ね合いを考えると難しい所ね。やはり」

 

古庄教官も唸りつつ言っている。

 

「{悪い意味での半端な巡洋艦クラス見た事ないですよ、准将}」

 

あれこれと話し合ってる中翼が言い

 

「{ああ、正直言えば一度あの3隻を除籍・解体して新規に造船しなおす事を俺なら進言するわな、だがレーダーシステムとかが高コストなFCS-3Aを使ってるとなればそう簡単に解体する訳にも行くまい、解体・建造のコストもバカにならない}」

 

互いに耳打ちをしあう。あれこれと話が進む中、結論はそう簡単にはつかないかに思えたが意外にも

 

「前者の案を採用」

 

と言う形に落ち着いた事に俺も翼も驚いた。因みに理由としては

 

「直ぐに改装を手配する事は不可能。既存の装備の配置を見直す事でコストのかからない方法を選択するにはこれしかない」

 

事から既存のMk41・Mk48の両VLSの中身を調整する事で装備のバランスを見直す事で一応の結論が付いたのだった。因みに

 

「お二人から見てあの3艦はどう思えますか?」

 

の問いに俺と翼は口をそろえて

 

「「アレを巡洋艦と言って良いレベルなのかは疑問符が付く、俺達ならば上に対して除籍・解体を具申し、新規に1から造船しなおすべきと具申するかなぁ・・・」」

 

答えたのだった。こうして今後の方針がまとまった事により話が進むことになる。




次回~災害出動~を予定しています。

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