虚無少年りょうま☆ドワオ   作:ぬらくも

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やっぱり、全然話が進まないorz



2話

〈side流りょうま〉

 

 

転校生の暁美が貧血で倒れたらしい。転校初日で緊張していたんだろうな。少し、心配だ。

でも、すぐに何事もなかったのように教室に戻ってきて、授業を受けていた。

 

しかし、暁美はすごく優秀なやつだ。数学の授業では難しい問題をスラスラと解いてしまったり、そして今、体育の授業で行われた走り高跳びではまさか、県内記録程の結果を出す運動神経抜群な人だった。

 

クラスの皆は、転校生暁美ほむらのすごさに驚き、暁美はもうクラスの人気者だ。

 

 

 

だが、何故か暁美は時折こちらを睨んでくるように感じる…いや、睨まれてる……何か、失礼なことをしてしまったか?でも、暁美とは挨拶の言葉すらしてないぞ……何故だ?

 

 

 

「次の男子、準備して!」

 

考え事をしていると、俺が走る順番がやってきた。

 

トラックに移動している最中、一緒に走るクラスメートの男子、中沢が話しかけてきた。

 

「流と走んのホント最悪だよ。勝てるわけねぇんだもん」

 

「分からんぞ、今日は誰か俺を抜くかもな」

 

「無理無理、流の足に勝てるやつなんてウチのクラスにはいね~よ。いや、もしかしたら暁美さんとならいい勝負できるんじゃないか?」

 

「…かもな」

 

中沢との雑談を終わりにし、走る位置に着くと

 

「りょうまく~ん!がんばって!」

 

まどかが声援を送ってくれた。

少し恥ずかしいが、嬉しいのは事実だ。

 

俺はまどかの声援に、手を挙げて応える。

 

俺たちのこのやり取りに、女子からはキャーという黄色い声が上がったり、男子からはブーイングが上がる。

それと同時に、凄まじい悪寒を感じた。

 

悪寒を感じた方に目を向けるとそこには

 

 

鬼のような形相で、俺を睨みつける暁美がいた。

 

いったい、何なんだよっ!?

 

 

「位置についてー」

 

そうこうしているうちに、スタートの合図がかかる。

 

わけわからんことを考えるのはやめにして、走ることに集中する。

 

「よーい」

 

バンッというピストルの音の合図とともに、俺は駆け出す。

 

 

 

100メートルを走り切った俺のタイムは、県内記録をたたき出した。

 

 

 

 

 

放課後、まどかたちに誘われて喫茶店に行くことになった。父さんに今朝、鍛錬のことを言われているが…多分、大丈夫だろう。

 

 

 

「何それ、文武両道で才色兼備かと思いきや実はサイコな電波さん!?どこまでキャラ立てすんのよあの転校生は!萌えか?そこが萌えなのか!?」

 

「言ってる意味がわからん」

 

まどかが暁美を保健室に案内しているときに、何やら友人は大切かどうとかわけわからんことを言われたらしい。

 

 

「まどかさん、本当に暁美さんとは初対面ですの?」

 

志筑にそう聞かれたまどかは少し困ったよう顔をして、話し出した。

 

「…あのね、昨夜の夢のなかで会ったような……」

 

まどかの言葉が可笑しかったのか、美樹たちは笑い出した。

 

「ひ、ひどいよ~私まじめに悩んでたのに」

 

「そうだぜ、笑うなんて失礼だろ。クックック」

 

「もう!りょうま君まで」

 

 

でも、夢か……そういえば俺も、変な夢を見たっけな……志筑が夢は深層心理がどうのこうのと言っているが…まぁただの夢だ。深く考えても仕方ない。

 

 

 

志筑が習い事の時間のため喫茶店を後にし、今度は美樹の買い物に付き合うことになった。恭介の奴に何か買っていくんだろう。俺も今度、見舞いにいくか。

 

 

CDショップについてまどかと一緒に物色していると、まどかの様子が変なことに気付いた。

 

「どうした、まどか?」

 

「私を呼んでる声が聞こえるの…」

 

「声?」

 

「ほら、また……りょうま君には聞こえない?」

 

「いや、俺には聞こえない」

 

「…助けを求めてるみたい」

 

「何処から聞こえる」

 

「たぶん…あっち」

 

俺には声が聞こえないが、助けを求める声を無視するわけにもいかない。

まどかは声が聞こえてくるという方へ移動をはじめ、俺もそれについていく。

 

 

「誰なの?…どこにいるの?」

 

気が付けば俺たちは、改装中で立ち入り禁止の場所の中まで来ていた。

 

 

室内の中ほどまで進んだ瞬間

天井から、ゴトンッと物音がして目を向けると、何か白い物体が落ちてきた。

 

何だあれ?生き物なのか?

 

 

まどかがその白い物体に駆け寄っていくので、俺もそれに続く。

 

「あなたなの!?」

 

「助けてぇ…」

 

「喋った!?」

 

聞き間違いでなければ、この謎の白い生物が人の言葉を発した。

そして、白い生物は傷だらけだった…襲われてたのか?だとしてたら、嫌な予感がする…

まどかに、この場を離れようと言おうとしたとき

 

数本の鎖が落ちてきてジャラジャラのいう音が室内に響き渡った。

 

今度は何だっ!?

 

俺は咄嗟にまどかを庇うように前に出る。

 

状況が二転三転するなか、この場に現れたその人物に驚いた。

 

 

「お前はっ…」

 

「ほむら…ちゃん!?」

 

暁美が何故ここに?

 

 

 

「そいつから、離れて」

 

「えっ?」

 

そいつってのは、この白い生物のことか?

 

「でも、この子ケガしてる…だめだよ、ひどいことしないで!」

 

「あなたには関係ない」

 

「ちょっと待て、暁美…お前、何するつもりだ?」

 

問答無用で近づいてくる暁美に、静止の言葉を投げかける。

俺の言葉が気に食わなかったのか、暁美は見るからに不機嫌な顔をした。

 

「流りょうま、だったかしら?何故、あなたがここにいるの?」

 

「何故って、この…なんだかわからんがこの白いやつが、助けを求めてきたんだよ。そうだよな、まどか?」

 

「聞こえたんだよっ!助けてって!」

 

 

暁美と俺たちの間で、睨み合いが続く…

この状況を解決しようにも、策など思い浮かばん!そもそも何でこうなってんだよ俺たちは!?

原因であろうこの白いやつが、段々恨めしく思えるぞ。

 

 

そして、いつまでも続いていたこの睨み合いは、唐突に終わりとなった。

 

いきなり、白い煙が暁美を包み込んだ。

 

「まどか、りょうまこっち!」

 

「美樹かっ!?」

 

「さやかちゃん!」

 

美樹が消火器を、暁美に向けて放っていた。

 

この隙に、俺たちはこの場から離れ、非常口に向かって走り出す。

 

 

 

「なんなのよあいつ、今度はコスプレで通り魔かよっ!?」

 

この状況で、んなこと言えるお前の発想力すげぇな!?

 

「つかなにそれ?ぬいぐるみじゃないよね?生き物!?」

 

「わかんない…わかんないけど、この子助けなきゃ!」

 

走っているなか、俺は周りの状況に違和感を感じた。

 

「二人とも止まれ!周りが変だ!どこだここ!?」

 

さっきまで何の変哲もなかった周りの景色が歪み、まるで絵の具をぶちまけたような気味の悪い光景に変化していく。

 

「なによこれ?非常口は!?」

 

「変だよここ、どんどん道が変わってちゃう!」

 

「どうなってやがる!?」

 

嫌な予感しかしねぇぞ、ちくしょう!

 

「なにかいる!?」

 

「まどか!美樹!俺の後ろにいろ!」

 

二人を危険に晒すわけにはいかない。

 

まどかが言った『何か』は、本当に『何か』としか言いようがなかった。

綿みたいな頭?に、絵に描いたような黒ひげをしてる意味わからん『何か』だ。

そいつは一体だけではなく、周りを見るとあちこちにいる。

さらに物騒なことに、茨のはさみなんてものまで出てきやがる。

 

「…冗談だよね?…わたし悪い夢でも見てるんだよね!?」

 

まずいことに、俺たちは完全に包囲されてしまった。

 

「怖いよ…りょうま君」

 

まどかが俺の手を握りしめてくる…その手はとても震えていた……

 

 

四の五の考えるな、流りょうま!

今は二人を全身全霊、全力で守ることだけ考えろっ!

 

 

「まどか、美樹…そこから動くなよ」

 

 

握られていた手を解き、制服の上着の脱ぐ…これで少しは、動きやすい。

精神を集中させ、周りに意識を向ける…こいつらが、どこから来てもいいように……

 

「お前らが本当に襲ってくるってんなら、容赦しねぇぞ…」

 

こいつらに言葉が通じるかわからんが、一応言ってみるが………

 

 

返答がこれかっ!

 

 

斜め後ろから飛びかかってきた奴を裏拳で迎え討つ。

 

「きゃぁ!」

 

まどかたちには、触れさせやしない!

 

 

今の一体を皮切りに、こいつらは次々と襲い掛かってきた。

 

「うらっ!」

 

腕、脚、頭…今、俺が使えるものすべてを行使する。父さんから空手を教わって、これほど感謝を感じたのは初めてだ。

 

「次ぃ!」

 

肘打ち!裏拳!正拳!うぉらぁぁぁぁー!!ついでに、シャイニングウィザード!

まどかと美樹に近づけないように、一体一体確実に対処する。

 

「やっちまえ、りょうま!」

 

「りょうま君!右から来てるっ!」

 

二人とも少し落ち着いてきたようだ。まどかは周りの状況を叫んで教えてくれている。

 

それに、こいつら対して強くないじゃねぇか

これなら、隙を見つけて逃げることができるか?

ここから脱出する手立てはないかと考え始める。

 

 

しかし、それがいけなかった…この状況で少しでも気をそらしてはいけなかった……強くない相手であっても、数は圧倒的に奴らの方が多かったのだから……

 

「ぐっ!?」

 

右腕に痛みが走る。右腕には、茨のはさみが突き刺さっていた。

 

「りょうま君っ!!」

 

「まどかっ!危ない!!」

 

しまった、くそっ!

 

一瞬の油断が、まずい状況をつくっていく…奴らが、まどかに襲い掛かろうとしていた。

 

 

「うぉーらっしゃぁー!!」

 

傷口が広がるだとか関係なしに、刺さっている茨のはさみを強引に引き抜き、まどかのところへ急ぐ。

 

「まどかぁ!!」

 

まどかに迫っていた奴を蹴り飛ばし、二人を連れて奴らから距離を取る。

 

「りょうま君、腕がっ!」

 

「やばいよ!ねぇ!りょうまっ!」

 

青ざめた二人の顔が目に映る……

 

………なんとかしなければっ!……このままじゃ俺たちは……

 

 

 

その時、俺たちの周りが眩い輝きに包み込まれた。

 

 

「危なかったわね。でも、もう大丈夫よ」

 

突然現れたのは、見滝原中学の制服を着た女子生徒だった。

 

 

〈sideout〉




主人公の思考に、本家流竜馬の面影が感じられない…

感想、アドバイス、誤字脱字報告などありましたら、よろしくお願いします。
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