最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 夜の墓場って・・・怖いよねえ。


夜の墓。

 その日の夜・・・。

 ルクス達は透流と一緒にあるところにへと向かって行った。

 それは墓所。

 透流の妹、音羽の遺体を安置するためである。

 ルクスはシャリス達とリーズシャルテ、アイリ、クルルシファー、フィルフィを

引き連れてそこに向かった。

 そして墓所に着くと恐らくシャリスの父親辺りが頼んだのであろう既に穴と

簡易的だが墓石があった。

 そこにはこう書かれていた。

 『異国からの少女の魂が安らかであるように』と・・・刻まれていた。

 ルクスは馬車から音羽の遺体が入った棺を機竜で持ち上げて下した後透流に向けてこう聞いた。

 「それじゃあ・・・良いね?」

 「・・・はい」

 ルクスの言葉に透流は頷いた。

 そしてルクスはその棺をシャリスと一緒に抱えてその棺を穴のある場所に向かって行った。

 そして穴のすぐ近くにまで行った後ルクスは棺を開けて音羽の遺体を見た。

 服はノクト達に頼んでもらって簡易な白いドレスにして周りにはルクスが雑用で

働いていた花屋から安く貰い受け、それを敷き詰めた。

 それと簡単にだが化粧もしてもらい死に化粧とはいえ綺麗なものであった。

 そしてルクスは棺を閉じてシャリスと一緒に棺を穴の中に入れた。

 そしてノクト達が穴を閉じるために掘った地面を戻そうとすると透流が

こう言った。

 「すみません・・・俺にやらせてください。」

 それを聞いたティルファーは驚いた様子でこう言った。

 「えええ!!けどこの土結構あるよ!これを一人でって」

 「音羽は俺の家族なんです。最後に家族として・・・・お願いします!!」

 透流はそう言って頭を下げた。

 ティルファーはどうしようかと思っているとルクスがあるものを持ってきた。

 「・・・・・・はい。」

 それは近くに置かれていたスコップであった。

 それを透流に渡すと透流はルクスを見てこう言った。

 「ありがとうございます!!」

 「ちょっと!ルクッチ!!」

 ティルファーは止めようとするもすぐそこにいたフィルフィがそれを止めて

こう言った。

 「やらせてあげて」

 そしてルクスがこう続けた。

 「今の透流にはこれが必要なんだ。・・・自分自身にとってね」

 そう言いながらルクスは透流を見た。

 既に透流は土を入れ始めていた。

 その顔はまるで必死の形相であった。

 そしてティルファーもそれを見て・・・しょうがないなあと思って見守ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 そして1時間が経った。

 透流は何も言わずに、時折穴を見て涙を流しながら穴を塞いでいった。

 そしてさらに30分経ち・・・。

 「はあ・・・はあ・・・はああ」

 透流は穴を塞ぎ終えた。

 念入りに穴の周りの土をポンポンと優しく叩きながら塞いだ。

 「・・・大丈夫かい?」

 ルクスは透流に近寄ってそう聞くと透流はこう言った。

 「俺・・・実はまだ夢じゃないかって思ってたんです。」

 「え?」

 「実は今までのが夢で起きたら家の自分の部屋にいて」

 「起きたらお袋が飯を作っていて」

 「親父が台所のテーブルにある椅子でコーヒー飲みながら新聞を読んで」

 「音羽がこう言うんです。」

 『おはよう、お兄ちゃん』

 「そんで学校に行って」

 「友達と喋ってて」

 「道場に行って・・・あいつと稽古してて」

 「そんでそれが終わって音羽と家に帰って」

 「・・・晩飯食って」

 「・・・・テレビ見ながら一緒にいて」

 「そんで・・・・そんで・・・」

 すると透流は涙交じりでこう言った。

 「いつもと変わらない一日だったなあって思いながらずっと一緒に入れると

思ってたのに!!」

 「何で・・・・何で・・・・ナンデ目が覚めねえんだよ!!」

 「もう朝だぞって起こしてもいいのに何で!!ナンデ!!!ナンデ・・・

起きねえんだよ・・・」

 そう言って透流は泣き崩れながらこう言った。

 「・・・ナンデ死んじまったんだよ~~。・・・音羽」

 そう言いながら透流は泣き始めた。

 それは現実を認めたくないという思いからであろう。

 するとルクスは透流に向けてこう言った。

 「透流君、君の気持ちは僕も肉親を失ったんだ。」

 「でもあの時はアイリがいたし僕がしっかりしなきゃって思ってたんだけど、時々部屋で泣いてた時があったんだ。」

 「そんな時にフィーちゃんは僕のことを気にかけてくれたから何とかなったけど異世界に行ったときはやばかったなあ。」

 「君みたいに知っている人はいなかったけどみんな親切で優しかったし

頼ってくれたり・・・支えてくれた人もいたよ。」

 「だから君を見て決めたんだ。」

 「僕が君を・・・いや、僕らみんなが君を支えるよ。」

 「アイリにノクト、ティルファー、シャリスさん、リーズシャルテ様、

クルルシファーさん、フィーちゃん、皆で支えるからさ・・・」

 「だから・・・立ち上がろう。透流君」

 そう言ってルクスは透流に手を差し伸ばした。

 その光景はまるで幼く道に迷った子供を元の道まで送らせようとする聖人のようであった。

 この時、透流はその手を取ろうかとるまいかと思っていた。

 こんな自分をどう思っているのか怖かったのだ。

 然し後ろから・・・声が聞こえた。

 『頑張って・・・お兄ちゃん』

 その言葉を聞いた透流はその手を取った。

 この時から運命は狂った。

 復讐に誓いを立て、力を得ようとした少年の未来は消え、

代わりに得たのは・・・。

 後に『死神の一番弟子』と呼ばれる少年がそこにいた。




 もしかしたら『アブソリュート・デュオ』これ書くかも。
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