ルクス派対セリスティア派における校内選抜戦の話は瞬く間に校内全体に広がっていった。
然し当のルクスは現在・・・最大のピンチを迎えていた。
「こんばんわ。ニイサン。」
穏やかな口調でアイリがそう言った。
二人がいるのはノクトとアイリの部屋でルクスはアイリに呼ばれたのだ。
漆黒のオーラが只漏れして後ろには七つの傷を持った男が何故かスタンバっているスタンドをしているがね・・・。
「ええと・・・・もしかして・・・・怒ってる?」
ルクスは少しビビりながらそう聞いた。
尚、透流とクランリーゼはと言うと・・・。
「「(・・・怖ぇーーーー)」」
ルクスの後ろでそう思っていた。(冷や汗ダラダラで)
「・・・あららら・・・・私のどこが怒ってるのデスカー?」
「すみませんでした----!!!!」
アイリの一言にすぐさまスライディング土下座したルクスであった。
「ウフフフフ、よくもまあ宣戦布告何てしちゃってくれてどういう流れで
そうなったのか説明シテクダサイネー。」
「はい!そりゃあもう全部話します!!!」
その光景を見た二人はと言うと・・・。
「「(アイリさんは絶対に怒らせちゃ駄目だ!コロコロされる!!!)」」」
カタカタと二人は恐怖していた。
因みにコロコロとは・・・殺される*2である。
~~事情説明中~~
「・・・はあ~~~~。全く兄さん、幾らセリスティア先輩がそう言うこと
言ってたからって『馬鹿か?』って言った挙句に『自殺希望者』とかよく言えますね~~。」
「・・・ホント、考えたら僕何でこんなこと言ったのだろうなと思ってるよ。」
今更ですねとアイリはクランリーゼが用意してくれた紅茶を飲みながら
そう言った。
「・・・卑怯です。」
「え?」
アイリが何か呟いたのでルクスはなんだと思った。
しかしアイリはこう続けた。
「最終的には私が許すしかないと知っているから勝手に行動して
いつもいつも・・・」
「あの~~。アイリさん??」
小声で聞き取れなかったのでルクスは何なのかとアイリに聞こうとすると・・。
「・・・ナニカ?」
「何でもありません!!」
ちょっと目が据わってしまったので聞くのをやめた。
だって・・・藪をつついて蛇どころか鬼が出そうだもんね。
「ま、今回の件はこれくらいで許しておきますがいいですね!」
「は、はい!(良かった~~。前みたいにぶち殴られなくって。)」
ルクスは心の中でそう思っていた。
「それでは・・・本題に入りますよ。兄さん」
「!!」
ルクスはアイリの言葉を聞いて姿勢を正した。
おそらくこれが最もアイリが伝えたいことであろう。
「これは先ほど学園長が極秘に聞かれたことですが・・・。」
ゴクッ。
誰かは分からないが唾を飲んだ音がした。
そしてアイリはこう言った。
「王都の監獄で投獄されていたバルゼリット・クロイツァーと
ベルバット・バルトがアビスによって全員殺されました。」
「・・・・はあ(*´Д`*)!!」
ルクスはアイリの言葉を聞いて驚いていた。
監獄には幾つもの機竜や、何人もの監視人がそこにおり、しかも二人は
最重要人物として専用の牢獄に収容されていたにも関わらずにだ。
然しルクスはアイリの言葉を聞いて慌ててはいたがこう言った。
「くそが!アビスが王都に来たってことは!!」
「ええ、兄さんの思っていることと同じようですね。」
「・・・スパイですね」
ルクスとアイリの思っていることをクランリーゼが代弁した。
本来、アビスは遺跡の周りにいるため王都に来ること自体がまれであり、
然もそこまで行くには幾つもの防衛拠点にたどり着かなければいけないため潜伏も儘ならないはずなのだ。
其れでもできたということは・・・。
「現に何名かの帝国から移籍した機竜乗りも行方不明だそうです。」
アイリの言葉でまたかよとルクスはそう思っていた。
「(もし学園から追放されたときはいの一番に内部調査の組織編成を
願ってやる!!)」
ルクスはそう思っていた。
そしてアイリはこう続けた。
「彼ら二人は最近各国で暗躍している『闇商人』という人物との関与が証言に
出ているのでもう少し取り調べるつもりだったのですが。」
「それにその『闇商人』は『ヘイブルグ共和国』に傭兵部隊と最近新たに
発見された国家『ドラグニア竜皇国』に機竜等の武力を流しているという情報も
ありますがもしかしたら・・・」
「いや、それはないだろう。」
アイリが何か言いかけるとルクスはスパッと否定した。
「ちょ!ちょっと待ってくださいよ兄さん!!幾ら何でも否定する証拠は」
「アイリ、正直言うけど・・・フギルがそんなせこい事すると思う?」
「え・・・・ええと・・・」
「だけど『ヘイブルグ共和国』については少し気になったことがあるんだ。」
「何です?兄さん」
ルクスの言葉にアイリはなんだと思っていた。
「あの国がなぜこんな時期に『ラグナレク討伐』をユミル教国と連名で、
然も期限を設けたのかは・・・分かるよね?」
「それくらいなら、ここで国の機竜乗りでも最高戦力に数えられるセリスティア先輩を疲弊又は、倒すことによってこちらの戦力を削るということですね。」
「そして校外対抗戦で遺跡の調査権をこっちよりも多く手に入れようとしてるんだろうね。全くケチで卑怯な戦略だよ。」
ルクスとアイリはお互いの考えを言った後透流達と部屋に出た。
そしてルクスは透流にこう聞いた。
「えっと・・・話の内容は分かったかな?」
「あああ・・・・あんまりですかね。最初は口封じだっていうのは分かったけど後のはなんかチンプンカンプンで。」
すみませんと言うとルクスはこう言った。
「いや、そういうのはゆっくりと覚えておけばいいさ。だからこそ
僕がラグナレクを倒さないといけないなって思ってさ。」
クルルシファーさんやリーズシャルテ様は重要な人だから参戦できないしね。と言って透流を部屋に戻した後ルクスも自分の部屋に戻っていった。
「・・・・・」
同時刻、セリスティアは自室でいつも持っている本を読んでいた。
ルームメイトのシャリスはいつもの通り見回りに行っている。
セリスティアが読んでいるのは剣技や体技、機竜乗りに必要な技術を
セリスティアが自ら教わり、学んだものを抜粋して、1冊の技能書として
纏められたものである。
彼女はそれを読みながら昼休みでのルクスの事を思い出していた。
「ルクス・アーカディア。やはり彼はアーカディア皇帝よりもあなたに
よく似ていましたね。」
ですがと言ってこう思い出していた。
「あの殺気、まるで幾つもの死線を潜らなければできないものでした。」
「それに・・・あの子は一体。」
それはルクスが殺気を出していた時にいた・・・青い髪の少女がルクスの後ろでほほ笑んでいた事。
「何にしても私は彼を、そして学園の生徒を守るためにはこれしか
思いつかなかったのです。」
「今度は・・・間違っていませんよね?」
セリスティアはそう言いながらこう呟いた。
「・・・ウェイド先生」
その覚悟を決めた言葉を聞くものは・・・・たった一人しかいなかった。
「間違ってない・・・ふん、何をいまさら言ってんのよ。」
その人間は扉の後ろでセリスティアの言葉を聞いて苦々しくそう言った。
「あんたのせいでどれだけの人間が不幸になったのかを教えてあげるわ。」
そしてその人間は拳を思いっきり、血が出るか否かなぐらい強く握って
「・・・死の間際にね、セリスティア・ラルグリス」
悪魔のように残忍な笑顔を浮かべてそう言ったのを知るものは・・・
誰もいなかったのだ。
そう・・・誰も。
その笑顔は一体どういう意味か?・・・次回に続く。