ルクスの3連勝に伴い、1,2年生連合が奮起して今日だけで何と引き分けに
持ち込めるぐらいに至ったのだ。
これによりおそらく3年生勢は本気になるのではないかと言う憶測も飛び交うが
ルクスはそれよりもヤバい問題を抱えてしまっっているのだ。
「そ・・・それでさ、アイリ。・・・明日の事なんだけど」
「ノクト、私今すぐ兄さんを殴り飛ばしたいのですが」
「No,それはダメです、アイリ。やるのなら選抜対抗戦を終えてからが
都合が良いかと?」
「いや、止めましょうよ。」
「ルクス様は如何やら天然の女たらしだなと記録しておきます。」
「それだけは止めて!!」
ルクスの言いにくいところを見たアイリはにこやかに笑いながら言うが、ノクトの非情な言葉に透流が待ったをかけ、クランリーゼがぼそっと言った言葉に
ルクスは止めていた。
「全く、兄さんも兄さんです。明日はあのセリス先輩とデートの・・・
まあ女装している時の兄さんですがホント、一度この学園から出て行ってくれた方が良かったかもしれませんね。」
「うわ!!ひでぇーなー。・・・まあ確かに約束しちゃったけどあっちからだしあの時はまさかこんな事になるとは考えもつかなかったんだよ~~。」
ルクスはアイリの言葉を聞いて頭を抱えていた。
まさか自分が思っているよりも早くセリスティアが行動を起こすとは
思いつきもしなかったからだ。
因みに約束と言うのは・・・前回のセリスティアにマッサージした時であるが何故それで今更問題になったのかと言うと・・・学園である事情があったのだ。
校内選抜戦は5日間あるがその中日には丸一日の休息日が存在しており、
全校生徒はその日だけは緊急時を除いてドラグライドの使用を禁じているのだ。
・・・ある例外を除いては。
「そういえば、透流も明日はドラグライドを使って訓練するんだっけ?」
ルクスが透流にそう聞くと透流はアハハとこう答えた。
「ええ、まあ。ノクトさんが教えてくれることになってますので。」
「YES、この世界にいる以上機竜に触れて見て知っておいたほうが
今後何かあった時に便利ですし。」
私は乗れませんがねと言った後ルクスは透流に向けてこう言った。
「まあ大丈夫だと思うけど気を付けてね。怪我とかは
一番気を付けるようにね。」
「はい!」
透流はそう返事して答えた後アイリが咳き込ませてこっちに視線を向けさせた。
「然しどうしたものでしょうね?」
「?」
「何せセリスティア先輩が約束したのは兄さんが女装した少女ですから
まあこの際無視して動向を見守るか、いっそのこと全部ばらして楽になるかの
どっちにすべきですが・・・。」
アイリはそう一呼吸おいてルクスを見た後こう言った。
「まあ兄さんの場合は無視するは無理ですね。性格的に」
「当たり前だろ?最初なら未だしも二回目はこっちも騙してしまったん
だから。」
アイリの言葉を聞いてルクスは頭を掻きながらそう言った。
向こうは待ってくれると言い、それに答えてしまった以上行かないのは人として酷いことだと言っているのだがノクトはもう一つの方についてこう言った。
「ですがばらしてしまうと明後日の試合前にはルクスさんは墓の中で永遠に
眠っている可能性があるので論外ですね。」
串刺しで死ぬという死因付きですがと言った瞬間、ルクスは顔を真っ青に
していた。
何せセリスティアの男嫌いはこの学園では有名であるため
この大切な選抜対抗戦でそんなこと言えば・・・・。
『よくも私の体を触りましたねルクス・アーカディア!!』
そう言いながらあのでかいランスに串刺しにされただけではなく
電流で黒焦げにした後磔にされるという最悪な未来を予想してしまったのだ。
「でしたらどうします?セリスティアさんにそうされることなく且つ
ルクスさんが納得する手段って?」
透流は二つの事を聞きながらそう言うとクランリーゼが手を上げてこう言った。
「でしたらルクスさんがまた女装してあの残姉さんと会えば宜しいんじゃ
ないんでしょうか?」
それを聞いたルクスと透流を除いた全員がこう言った。
「「それだ!!」」
「ふざけんな!!」
それを聞いてルクスはめちゃ怒った。
「声が大きいですよ兄さん。もう夜なんですから。」
「それとこれとは話が別じゃ!それして誰が喜ぶの!?」
「残姉さんと・・・我々女性陣です。」
「お前もかい!!」
クランリーゼの言葉を聞いて頭を抱えるがルクスはあっと言ってにこやかにこう言った。
「残念でしたあ~~。あれはもうレリィさんに返し」
「そう言うと思ったのですでに代わりの・・・私の私服ですが
これ使ってください。」
あと鬘は後で用意するのでと言ったクランリーゼの言葉を聞いてルクスは膝からガクンと落ちてこう言った。
「畜生がーーー!!!」
「まあでもこれはこれでチャンスじゃないんですか?姉・・・兄さん?」
「おい待て、今何て言いかけたアイリ?」
ルクスはクランリーゼから女装セットをカバンに入れながらそう言うがアイリは素知らぬ顔でこう続けた。
「デート中にセリスティア先輩が何故男嫌いなのかを知れば
今後の対策になれますs」
「アイリ、それはいくら何でも駄目だよ。」
ルクスはアイリに向けてそう言った。
只でさえ完成度の高い変装で騙してしまっているのだ。
それで彼女の本音を分からせようなどとすれば多分自分は遊馬に面と向かって
会えないんじゃないんだろうかと思ってしまっているのだ。
そんな外道なやり方をしてまでアカデミーに残るという真似はしたく
なかったのだ。
「ま、お人よしの兄さんならそう言うと思っていますが少し厄介事が
起きそうなんですよ。」
「・・・・」
ルクスはアイリの目が真剣な表情になったのを見て目を鋭くさせた。
無論透流達も姿勢を正した。
「先ず、新王国はヘイブルグ共和国にいる『ラグナレク』の斥候に
向かいました。あわよくば石化している状態で倒す事も念頭に入れて。」
「となると『シヴァレス』もお呼びがかかるな。」
ルクスがそう聞くと透流は慌てながらこう言った。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!未だ学生なのにそんな事もしなきゃ
ならないんですか!?」
透流はそう言うがルクスはそういえばとこう言った。
「未だ言ってなかったけどこっちじゃ・・・まあ国によって違うけど
この国は未だ建国して未だ5年ぐらいで軍部がちゃんと整ってないんだ。
だから士官候補生でもある僕らにも御呼ばれがかかるんだ。」
「この国は戦力を遊ばせる余裕なんてないですからね。
まあ当然といえば当然ですが。」
ルクスとアイリの言葉を聞いて流石は異世界だなあと透流はそう思っていた。
もし自分の世界の人間がいたら間違いなく反対意見や口論が起きそうだなあと思っているからだ。
「それとこれは未だ調査中ですが数日前から密入国者が数十名ほど、新王国領の王都近辺の村や町で確認されたそうですがもしかしたら・・・」
「この選抜対抗戦を利用して何か起こそうとしている・・・そう言うこと?」
「まあ・・・時期が時期ですし、もし巻き込まれて機竜・・・
《ライズ・ワイバーン》を使わないで下さいね。ばれますから」
それに兄さんだと容赦ないですからねとアイリが釘を刺してそう言った。
「うん、分かったよ。お休みアイリ。」
アイリの言葉を聞いてルクスはそう言ったが突如部屋の前で止まって
こう言った。
「あ、女性陣は絶対来ないでね、特にクランリーゼが」
「「えーーー・・・。」」
「・・・ちぃ。」
それを聞いてアイリとノクトは不満たらたらに、クランリーゼは
舌打ちしていた。
「おい、本当に来るなよな!絶対駄目だからな!!もし来たら・・・
ノクトは僕の機体でデスマッチダカラネ」
「YES、分かりました!!」
それを聞いたノクトは敬礼してそう答えた。
ルクスとのデスマッチだなんて死刑宣告以外の何物でもないからね。
そしてルクスはため息交じりでそのまま自室に向かった。
決戦は明日!
いざ行け戦場へと!!