「ど・・・どうしてアビスがここに!?」
「誰か、早く警備兵・・・いや、軍のドラグナイトを!!」
周りの人間は引き攣った悲鳴を上げながらそう言っている中ルクスはと
言うと・・・。
「(ああもう!またこの展開かよ!!)」
然も最悪だと思いながらルクスは腰のソードデバイスを触っていた。
「(《ライズ・ワイバーン》は修理中だし《ギャラクシーアイズ》はセリスティア先輩対策でアトリエにクランリーゼと一緒に置いているし、何もないと思って
持ってきたのはこいつだけってこいつだけはここで使いたくない!!)」
ちくしょうがと思いながらルクスはアビスを見ていると・・・。
後ろからセリスティアが機竜を纏ってルクスの後ろから突如現れた。
然も・・・無詠唱で。
パスコードを使わずの思念操作だけで機竜を呼び出し纏うことが出来る
「高速機動展開」。
これを使えるのは三大機竜奥義の一つを極めるのと同じくらい難しく、
針の穴を通すほどの緻密な正確さと卓越した思念操作技術がなければ致命的な隙を
晒してしまうほどハイリスクな技である。
が・・・セリスティアはそれが出来たのだ。
キマイラは口から炎を吐き出そうと構えた瞬間・・・《ライトニングランス》が
キマイラの胸部を核毎貫き・・・。
バシィイ!!という音と同時にキマイラは黒焦げになって絶命した。
「・・・マジで?」
ルクスはそれを見て呆然としていた。
キマイラはガーゴイルとは違い、生命力が強くて多彩な攻撃手段を持っているためドラグナイト単騎で戦うにしては厄介な種族である。
然しセリスティアはそれをいとも簡単におまけに初撃で倒すところを見て
その強さを再確認すると・・・セリスティアはルクスの方を見てこう言った。
「倒しました。他に敵の気配はありませんが大丈夫ですか、メラグ?」
セリスティアは《ライトニングランス》をキマイラから引っこ抜いた後に
振り返ってそう聞こうとした瞬間・・・・。
「セリスティア先輩!後ろ!!」
ルクスはセリスティアに向けて大声でそういった。
それと同時にセリスティアの《リンドヴルム》が素早く上昇した。
その場所は先ほどまでセリスティアのいた場所だったがそこに向けて
炎が放たれていた。
「うわ臭!!」
ルクスはその炎から出る高熱とそれにも勝る異臭に眉を顰め、鼻を塞いでいた。
その攻撃をしたのは何と・・・。
「おいおい、嘘だろ」
核を破壊された筈のキマイラであったのだ。
胴体の傷はもう塞がっており黒焦げになった表皮は新しい皮膚は新しくなっていたが・・・問題はそこではない。
「・・・何だありゃ。」
キマイラの目は黒に染まり、瞳孔が大きく開いていた。
更に体表は赤黒い血管のような模様が浮かび上がっていた。
確かにキマイラは生命力は強いほうだが核が破壊されて尚動くという報告は
調査書や記述録からは書かれていなかったのだ。
「どういうことですか?・・・何故、キマイラが?」
空に避難して難を逃れたセリスティアはそう呟きながらも町の退避状況を
確認していた。
現在周りの住民はキマイラが起き上がったのを見てまた逃げ出していった。
できればもう少し遠くにへと思っていた。
自身が持つ特殊武装《スターライト・ゼロ》の威力を最低限にしたとしても
被害を考えても上空でやらなければならないと思っていたが・・・。
「ギィイイ・・・イイイエエエアアアアアアアア!!」
キマイラはルクスの方を見て咆哮を上げた。
恐らく近くて戦いやすそうな相手だと本能で察したのであろう。
「!!くそ・・・が!」
ルクスは最早仕方なしと踏んで黒いほうのソードデバイスを
抜こうとすると・・・。
「メラグ!」
セリスティアがそう言いながらキマイラ目掛けて《ライトニングランス》を
キマイラ目掛けて向けながら突進していくも・・・。
「な!?」
キマイラはセリスティアに目標を瞬時に変えて襲い掛かってきた。
「まさか罠!?」
セリスティアはそう思いながら《ライトニングランス》で貫こうとすと・・・
「ギィイイエアー!!」
キマイラは《ライトニングランス》を掴んで離そうとはしなかった。
そして・・・。
「シャアアアアアアア!!」
尻尾についている蛇が奇声を上げながら紫の毒液を牙に濡らしながら通常の数倍の長さで鞭のようにしなりながら弧を描くかのようにセリスティアの後ろから
襲い掛かってきた。
「!!」
「セリスティア先輩!!」
するとルクスはそれを見抜いて咄嗟にソードデバイスを抜き放ちながら
キマイラの尻尾についている蛇毎断ち切った。
「露払いは終わりました!」
「後は任せてください!!」
ルクスの言葉にセリスティアはそう返した。
そして先ほどよりも数段強い電撃が《ライトニングランス》経由で
キマイラに襲い掛かった。
「グ、ギ・・・!!・・・アア」
その攻撃にキマイラは耐えきれなくなって再び《ライトニングランス》が
体を突き刺して・・・灰燼となって消えた。
「「「「「うわああああああああああ!!!!!」」」」」」
周りの人間が完成を上げる中ルクスは周りを見渡していた。
それは・・・。
「(何処から笛を吹いたんだ?)」
ルクスはそう思いながら周りを見ていた。
犯人は誰だ!?