最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 一対一って言いながら必ず割込みってあるよな。


決闘は割り込みがよくある。

 ところ変わって演習場ではと言うと・・・最早演習場は戦場になっていた。

 ルクス対セリスティアの頂上決戦と言うこれまで『シヴァレス』の

誰もが見たかったものが見れるのだがもう演習では済まなくなっていた。

 「・・・もうここ使えねえだろうな。」

 そう思いながら透流はその戦いを食い入るように見ていた。

 「《竜咬爆火(バイティング・フレア)》」

 フィルフィが纏っている《テュポーン》の右腕が赤く輝き始めた。

 《テュポーン》の特殊武装の一つであり、それに掴まれた物体は

エネルギーを無理やり送り込まれて爆破されるというこの娘にしては

残忍な能力である。

 然もそれをフィルフィは演習場の地面にぶつけて火山の爆発のようにして

急ごしらえの煙幕にして全身に装備されている《パイル・アンカー》を

セリスティア目掛けて射出した。

 然しセリスティアはそれを《ライトニングランス》で弾いた後

セリスティアはダガーを投擲するもフィルフィはそれを掴みながら反転して

投げ返した。

 「・・・くっ!!」

 セリスティアは何やら舌打ちした後にそれらを飛行して回避した。

 然しフィルフィは《パイル・アンカー》を地面に向けて射出した途端に

弾かれるように空へ飛び、セリスティア目掛けて殴りかかるもセリスティアはそれを《ライトニングランス》で弾いた。

 そしてフィルフィはもう一度《パイル・アンカー》を使って縦横無尽に

空を駆けた。

 今のところ五分五分のように見えるがセリスティアはある事を考えていた。

 それは・・・。

 「(何故神装が発動しないのです!?)」

 そう、今のセリスティアは《リンドヴルム》の神装が使えないのだ。

 まあその理由は・・・分かっているのだけどね。

「ヒィイイイイイイイイイ!!」

 「オラオラオラ!!まだまだ逝くぞーー!!」

 「字が違うーー!!」

 シャリスをフルボッコしているルクスのせいである。

 今のルクスの機竜《ギャラクシーアイズ》の

神装《フォトン・ディブリベーション》の効果で《リンドヴルム》の神装と

それに使われるエネルギーは《ギャラクシーアイズ》に付与されているのだ。

 それによりこれまで回避と奇襲にこそ適していた《ディバイン・ゲート》が

使えなくなってしまったのだ。

 まあそんな中でフィルフィとやりあえるだけ結構強いのだが。

 そして・・・。

 ズドーーンと言う音とともに巨大な土煙が立ちこんでいた。

 そこから現れたのは・・・。

 「・・・キュ~~~。」

 ボロボロの《ワイバーン》を纏ったシャリス(殺してないし五体満足です)が

そこにいた。

 そしてライグリィ教官が医療班を引き連れてシャリスを連れて行った。

 更に・・・。

 「はあ・・・はあ・・・はーっ。」

 フィルフィの《テュポーン》も強制解除された。

 本人の体力が限界に達したことによる強制解除でありこれも失格となる。

 「はあ・・・はあ・・・ごめん、ね・・・ルーちゃん。」

 「大丈夫だよ、フィルフィ。」

 ルクスはフィルフィを支えるようにして扉にへと向かった。

 今の彼女は全身汗だくで息を切らしていた。

 フィルフィは開始直後からセリスティア相手に戦っていたが結局決定打を

与えられなかった。

 どうやら本当にリーズシャルテとクルルシファーに対しては本気を

出していなかったのであろうがそれがクルルシファーの一撃を喰らうという

結果となったのだ。

 然しフィルフィのおかげでセリスティアの槍裁きを完璧に覚えた。

 これまでパソコンから見た映像を何度も何度も見続け、観察したことで

成しえたのだ。

 「・・・何故ですか?」

 「・・・は?」

 セリスティアはルクスに何かを聞こうとしていた。

 今まさに互いにパートナーが撤退し、一騎打ちと言う状況になったところで

聞こうとするとなるととルクスはこう考えていた。

 「(・・・如何やら余裕がなくなっているようだな。)」

 そう思っていたが大体合っていた。

 現在のセリスティアの武装は《リンドヴルム》の固有武装以外

全部使用出来なくなってしまったからだ。

 するとセリスティアはこう聞いた。

 「何故貴方は戦うのですか?男性社会の再興ですか?それとも貴族子女達が集うこの学園で功績を上げ、この国に関わろうとしているのですか??

嘗てこの国を支配した、旧帝国の生き残りとしてー」

 セリスティアはいつも通り超然とした・・・どこか迷いがありそうな声で

そう聞いた。

 「答えてください。ルクス、貴方は」

 「阿保らしい。」

 「・・・は?」

 セリスティアはルクスの答えに目が点となってしまった。

 然しルクスはこう続けた。

 「男性社会の再興?男女平等になっているこのご時世に

そんな原始時代的な思想を振りかざす事しませんよ。」

 「功績を上げてこの国に関わる?そんな面倒くさい事

こっちからお断りですよ。」

 ただでさえ関わってんのにこれ以上はごめんだねと心の中でそう思っていた。

 そしてこう言った。

 「・・・僕は嘗て正しいと思っていた道が間違っていたって気づかされた時があったんです。」

 「・・・・」

 「どうするべきだったのか、あの時こうすれば良かったんじゃないかと

思った時なんて両手の指ですら足りない程考えてましたよ。」

 「けど・・・ある人がこう言ったんだ。」

 

 

 

 

 

 『過去は過去、変えられないことはあるけれどね・・・

未来なら希望はあるよ。』

 

 

 

 

 

 

 嘗て小春おばあちゃんがルクスに言った言葉である。

 過去を振り向いても変えられないのならそれを未来に向けて生かせれば良いんじゃないかとそう言ったのだ。

 「それを聞いた後僕の中で何かがストンと落ちたんです。

たったそれだけなんですけどね。」

 「・・・・」

 ハハハと笑っているが未だセリスティアは無言であった。

 「まあ戦う理由があるとしたら・・・これかな。」

 「何です?」

 セリスティアはルクスの言葉に何かと思った。

 そして出た言葉は・・・。

 「・・・僕って・・・弟がいたんです。」

 「弟さん・・・ですか?」

 「あ!っと言っても血の繋がりがないんですけどね。」

 「それでも僕にとってはあの家族は僕にとってもう一つの家族だったんです。」

 「その弟分は何時も出来ないことをやろうとして失敗するんですよ。

それも何度も。」

 そう言いながら笑っていたがルクスの顔はまるで自慢の家族話をするかのようであった。

 「けどそれでも諦めるって事しなかったんですよ。何でだか分かりますか?」

 「・・・いえ」

 「『かっとビング』」

 「何です?その言葉は」

 セリスティアはルクスの聞きなれない言葉に何だと聞くとルクスはこう答えた。

 「諦めずに前を向いて自分を貫き通すと言う言葉です。」

 「だから僕は諦めたくないんです。もし諦めたら・・・たぶん僕は一生弟と、

会えないような・・・そんな気持ちがするんです。」

 だからと言ってルクスは《パラディン》をセリスティアに向けるとこう言った。

 「さてと・・・時間はあと3分だからさ、・・・決着を付けましょうよ」

 「・・・良いでしょう。」

 ルクスの言葉にセリスティアは《ライトニングランス》を向けた。

 本来なら《スターライト・ゼロ》なのだがあれはチャージに

時間がかかるだけではなく隙も生まれるため《ライトニングランス》しか

ないのだ。

 「勝負です。『ルクス・アーカディア』!!」

 「ああ・・・『セリスティア・ラルグリス』!!」

 すると《ライトニングランス》が電流を発し始め、《パラディン》は青白く

輝いていた。

 お互いが自分の武器にエネルギーを蓄積させて攻撃しようとした次の瞬間・・。

 「---グ、ォォォォォオオォォォォォォォォン!」

 突如異形の鳴き声のようなのが響き渡った。

 すると同時に凄まじい地鳴りと共に、演習場と観客席がガタガタと揺れ始めた。

 「え、何?」

 「何なのこれ!?」

 周りの女生徒が何事だと思っていた中透流はこれはやばいと思っていた。

 「地震!!!」

 然しそれは違っていた。

 ゴバァ!!と数十の触手が柱のように一斉に這い出てきた。

 「な・・・何だこりゃ嗚呼!!」

 ルクスはそう言いながら飛翔した。

 そして上空に着くとそれが明らかになった。

 「おいおい・・・まさかあれって」

 それは海中に現れると聞く烏賊型のアビス「クラーケン」に似ているが

それよりも巨大で禍々しい存在、・・・それこそ

 「『ラグナレク』かよ!!」

 七体しかいないと言われる伝説のアビス『ラグナレク』であった。




 次回はおそらく『ラグナレク』だと思います。
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