最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 化け物は全てを破壊する。


『ラグナレク』戦開始。

「理事長!王都から緊急伝令です!!」

 理事長に若い書記官らしき男性が扉をぶち破るかのように突っ込むも

レリィはその男性に対してこう言った。

 「ええと、緊急伝令って・・・もしかしてあれ関係?」

 そう言いながらレリィは窓の向こうにある演習場に指さすと男はそれを見て・・・こう言った。

 「ア・・・ハイ、ソノトオリデス。」

 口をあんぐりと開けてそう言うとレリィはその男性が持っている資料を

奪うかのように取るとこう命令した。

 「早速で悪いけど一番街区の住民の避難と各街区と遺跡にあるドラグナイトの

救援要請を発信してくれるかしら?」

 そう言いながら上着を脱ぎながら扉に手をかけようとすると・・・

また来客が来た。

 「緊急伝令です!クロスフィードの各街区において所属不明のドラグナイト部隊が多数出現!!全機はそれぞれここに集まってくるようです!!!」

 「また!・・・ああもうわかったわ!!各街区にいるドラグナイトにそれの相手をさせるように伝えておいて!!」

 そう言った後レリィは手をたたいてこう言った。

 「ほらほら!!さっさと動きなさい!!」

 それを聞いて二人は急いで部屋に出た後レリィは持っていた資料を歩きながら

読んでいた。

 「《『ラグナレク』は石のまま崩れ去った。》・・・成程、擬態とはねえ。・・・それにしても」

 そう言いながらレリィはその資料をクシャっと握りしめてこう言った。

 「・・・やってくれるじゃない、ヘイブルグ共和国」

 

 

 

 

 

 

 

 「おいおい・・・マジかよ。」

 ルクスは演習場上空でそれを見ながら頭を描いていた。

 正しくあの巨大さから『ラグナレク』だと推測してもいいだろうと思っていた。

 「まさかあれが・・・『ラグナレク』」

 そして少し離れた所でセリスティアがそう言っていた。

 「(ヘイブルグ共和国からの情報によれば目覚めるのはもう少し先・・・

あいつ等!ガセ情報を攫ませやがったな!!)」

 ルクスは頭の中でヘイブルグ共和国の策略をこう読んでいた。

 「(おそらく目的は僕らを疲弊させて遺跡調査権を多く取ろうとする

算段何だろうがやることが屑だなおい!!)」

 まあ少し漏れがあるのだが大体は合っているのであろう。

 だが本来『クラーケン』型のような海洋生物系のアビスは海中を主戦場に

しているにも関わらず、あれ程の力を出していることからやはりと言うべきで

あろう。

 現に余力のあるドラグライドを纏っていた生徒たちも観客席にいる生徒を

守るために応戦しているが『ラグナレク』の持つ数百本の触手は

ブレードやキャノンを器用にとってまるで見せびらかすかのように破壊していた。

 それを見ていた生徒達は戦意を喪失していた。

 「ちょっと・・・こんな奴がいるなんて聞いてないわよ!!」

 「何ですの!?このアビスは!!?・・私達じゃとても」

 「た、助けて!『シヴァレス』でも、誰でもいいから助けてよーー!!」

 最早外聞も関係なく大声でそう泣き叫んでいた。

 本来ならここにいるべき『シヴァレス』のメンバーの殆どがこの場にいないためライグリィ教官達が指示を出しながら奮戦していた。

 だが少しずつ減らされていく生徒に対して触手はどんどん増えていく

一方であり・・・。

 「きゃあアアアアアアア!!」

 一人の生徒が触手に絡めとられていた。

 「助けてーー!!」

 そしてそのまま上に向かおうとしたその時に・・・それが現れた。

 「うおおおおお!!」

 大声と同時に触手が切り捨てられたのだ。

 そして少女を助けたのは・・・。

 「大丈夫か!?」

 透流であった。

 『ワイアーム』を身に纏っていた透流は少女を座席に座らせた後にまた触手が

出てきたが・・・。

 「油断大敵ですよ。」

 クランリーゼが『ワイバーン』を纏ってそう言っていた。

 「二人とも!!」

 ルクスは二人を見て下に降りると怒鳴るように言うがああもうと頭を掻きながらこう言った。

 「今すぐ二人は逃げ遅れている人達の避難!それと危ないことはしない!!」

 分かったねと言って直ぐにルクスは『ラグナレク』を見ていた。

 するとクランリーゼがルクスにあることを言った。

 「ルクスさん。あれはおそらく第三遺跡『箱舟(アーク)』の

『ラグナレク』です。あれを倒せば『アーク』を停止させることが出来る

『グランフォース・コア』を手に入れることが出来ます。」

 「・・・そのためにはあれを倒さなくちゃいけないってかよ。」

 ルクスはクランリーゼの説明を聞いてどんな無茶ゲーだよと思いながら

どう倒そうかと考えていた。

 すると・・・ドオン!!と言う爆音が鳴り響いた。

 「何だ!?」

 透流は何事だと思っていると『竜声』で通信が来た。

 〈ルクスか!?〉

 「リーズシャルテ様!!って一体何で機竜からって・・・まさか!?」

 〈ああ、そのまさかだ。今から私とクルルシファーは爆発のあった場所に

『ワイバーン』と『ワイアーム』で向かっている!!〉

 「クルルシファーさんもかよってアンタら未だ怪我が!!」

 〈そう言うこと言ってられないわよ。ルクス君。〉

 ルクスは通信の向こう側でリーズシャルテと一緒にいるであろうクルルシファーからもこう言った。

 〈遠目から見たけど如何やら反乱軍とは違うようよ。〉

 「・・・どういう事です?」

 ルクスはクルルシファーの言葉から何故かと聞くとクルルシファーは

こう答えた。

 〈まず第一に統制がなってないわ。旧帝国の軍人だとしても最低限の統制は

されているはずよ。〉

 〈第二に機竜の機体の色がバラバラであること。旧帝国なら全機灰色で

統一されているはずなのにこの部隊は全員違う色であること。

これから導き出される答えは一つ〉

 「・・・傭兵。」

 〈その通りだ。だから我々は奴らを出来るだけ足止めしておくから・・・早めに奴をぶっ潰せ!!〉

 そしてリーズシャルテの言葉と同時に通信が途切れた。

 恐らく接敵して交戦状態に入ったのであろう。

 そしてルクスは透流とクランリーゼにあることを言った。

 「・・・二人はここが終わったら戦闘域にいる非戦闘員を非難させて。」

 任せるよと言うと透流とクランリーゼが揃ってこう返事した。

 「「はい!!」」

 そして二人は別々に向かった。

 そしてルクスも戦いの準備をしている中あることを思いついた。

 そしてセリスティアを見たルクスは真剣な表情で「竜声」をかけた。

 

 

 

 

 

 

 「?どちらですか」

 〈僕です。セリスティア先輩〉

 「!!・・・『ルクス・アーカディア』、何の用でしょうか?

私はこれから一人で」

 〈ちょっと作戦を立てたので幾つか聞きたいことがあって。〉

 「・・・何でしょうか??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〈出来ますか?〉

 「・・・それなら心配ご無用ですがあれは時間が」

 〈だから僕が引き付けておきますのでよろしくお願いします。〉

 「その計画には異議を」

 〈それじゃあタイミングは追って伝えるのでそれじゃあ〉

 「ちょ!待って」

 セリスティアが何か言いかけた途端にルクスは「竜声」を切った。

 そしてセリスティアはルクスの方を見てこう言った。

 「・・・何で貴方達一族は・・・何時も・・・私を。」

 その時のセリスティアの声は・・・震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと・・・」

 ルクスは無理やり「竜声」を切った後武装を構えて『ラグナレク』向けて

こう言った。

 「よう!煮ても焼いても揚げても食えねえ化け物が!」

 それを聞いたのかどうか分からないが『ラグナレク』がルクスの方を向けると

ルクスはこう言った。

 「ちょいとダンスを踊ってもらうが・・・荒っぽいから付いてこいや!!」

 そう言うと《ギャラクシーアイズ》の装甲から光が幾つも漏れ出しながら

相手をしようとする中ルクスはあることを考えていた。

 それは・・・。

 「(フィーちゃん。無事だと良いけどな。)」

 そう思いながらもルクスは『ラグナレク』目掛けて突撃した。




 次回は透流らへんだと思います。

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