最弱無敗の決闘機竜   作:caose

161 / 378
 こう言う暗躍する会議って・・・たまんなくね?


王国の会議。

さてさて、ルクスが覗き魔達を血の海にしている頃・・・。

 新王国の王城会議室では王侯貴族達が円卓の机に揃って椅子に座っていた。

 新王国女王のラフィと補佐官のナルフ宰相。

 失脚したクロイツァー家を除いた4大貴族とシャリスの父親。

 その部屋の周りでは精鋭の衛兵とドラグライドが配置されていた。

 この時の会議は非公開の会議であり知っているのはごく僅かである。

 そして室内に漂う空気もまた緊迫した今の状況が見て分かるように

張り詰めていた。

 「それでは今回の会議ですが先ず、件の計画について」

 ラフィの後ろにいたナルフ宰相がそう言うと枯れ木のような体をした老人がこう言った。

 「例の馬鹿げた話・・・『帝都奪還計画』についてかな?」

 この老人は現在3大貴族の中で最年長である『ゾグァ・シャルトスト』と言い、

一見最年長のような貫録を醸し出しているように見えるが実際は20歳の頃に旧帝国に兵力を貸したことから始まり、激動の時代と言う荒波に果敢として立ち向かい領地を広げることに成功した一人である。

 然も独自の情報網を保有しておりそれを元手に謀を仕組むのが得意であることからラフィ自身はあまり信用していないようだ。

 まあ・・・残りのもう一人もそうであるが。

 そしてラフィは現在分かっている情報を公開した。

 「現在ヘイブルグ共和国に送っている密偵によれば我が国から逃走した旧帝国軍と皇族の一人は独立部隊として運用されているらしく近いうちに

彼らはこの新王国に強襲するかと思われるようですがどうも・・・おかしな点があるようなんです。」

 「何ですか、それは?」

 シャリスの父親がそう聞くとナルフ宰相が全員に紙を渡した後に

ある大きな紙を机に大きく広げた。

 「これは・・・何じゃ?」

 「これはヘイブルグ共和国内の軍で新たに作られた地図です。」

 「地図によればヘイブルグ共和国よりも南に位置していますがある山を越えた先に国があるのがお分かりですね?」

 「うむ。」

 「この国の名は『ドラグニア竜皇国』と呼ばれ、現在ヘイブルグ共和国はここに軍事学校と軍の工場を置いているらしいという情報が手に入りました。」

 「じゃがここまでは道は遠いぞ。如何やってここに?」

 ゾグァがそう聞くとナルフ宰相はこう返した。

 「それは謎ですが何か方法があるかと思われます。現に軍の幾つかはここに配備され始めているようです。」

 そう言うとラフィはこう締めくくった。

 「彼らがどう出るか気がかりですが皆様はそれぞれの兵士の配置について

今日決めようと思うのですが」

 「ふん、そんなつまらん話に俺を付き合わせる気か?」

 「女王の御前で不遜きわまれないですな?バグライザー殿」

 ナルフ宰相がそう言いながら胡坐をかく大男を見た。

 三大貴族の一角『バグライザー・ガシュトフ』。

 彼もまたラフィ女王にとって信用していない人間の一人である。

 「おお、失礼したな?だがなあ宰相殿よ。吾輩は好き好んでここにいるわけではないぞ。」

 そう言うとバグライザーは自分の頭をこんこんと指で突きながらこう続けた。

 「わしは義理で女王陛下に協力しているだけなのだ。例のめいやくもあって

ここにいることを忘れないでもらおうか?」

 そう言うと今度は正面にいる席からこんな声が上がった。

 「嫌なら帰ればよかろう?バグライザー公」

 「・・・ナニィ?」

 バグライザーが睨んだ先にいたのは眉目秀麗な壮年の男性

『ディスト・ラルグリス』、セリスティアの父親である。

 親子揃って色々と良いところ持ってんなアと思っている皆さんは

大多数いらっしゃるでしょうねえ。

 「不毛な口論に時間を費やすほど我々は暇ではないのだ。帰ってくれたら

それだけ早く終わるのだからな。」

 「・・・ふん」

 バグライザーはディストの言葉を聞くと不満たらたらに座った。

 『ディスト・ラルグリス』だけはラフィ女王に対して無礼な態度がなく

野心よりもこの国と領地の安寧を第一に考える人間であった。

 「それで、近々やってくる旧帝国軍とヘイブルグ共和国の連中を如何やって

対処させる。吾輩の部隊は近々行われる校外対抗戦もあって

優秀なドラグナイト何て何処から・・・・。」

 「・・・『アカデミー』の『シヴァレス』」

 「「「「「!!!!!」」」」」

 ゾグァの言葉を聞いて全員の空気が固まるとゾグァはこう続けた。

 「おおすまんすまん、何も学生ではなくかの『ラグナレク』を

たった一人で倒した咎人『ルクス・アーカディア』を使えば宜しいかと」

 「・・・彼をですか。」 

 ラフィ女王はそれを聞いてヤバいと思っていた。

 彼の正体を知っているのは自身とナルフ宰相も含めて片手で足りるほどでしか

知らず、もし喋った場合の罰も無論承知している。

 「成程、そう言う事なら話は早い。あの咎人は確か校外対抗戦の出場リストにも載っていたようだな。」

 「そうですなあ。あれの父親とは似ても似つかぬほど少女たちに取り入るのが

上手いようですしな。」

 ゾグァとバグライザーの言葉を聞いてラフィ女王は危険を感じた。

 彼らはこれを機にルクスを葬るか重症に追いやりたいと画策している

疑惑が浮上してきたのだ。

 然しナルフ宰相は二人に向かってこう言った。

 「それは難しい相談です。彼は咎人、『旧帝国』の皇族です。

軍や政治の場に彼を介入させれば未だ息を潜めている旧帝国派が

彼を神輿にするかもと考えたことはないのでしょうか?」

 「そうですな・・・だがラフィ女王の命令ならば恐らくそれが出来ますな。」

 「咎人でもあると同時に優秀なドラグナイトでもある彼を対『帝都奪還計画』の切り札にさせるには貴方の命令で何とかできます・・・この国の為にご決断を」

 「・・・・・!!」

 ラフィ女王は口を閉ざしていた。

 それは無論ナルフ宰相も一緒でもあった。

 今ルクスを失えば国の戦力低下では済まないと分かってしまっているからだ。

 国の政治の見直しに軍、警察の再編、そして何よりも重要なのは・・・情報だ。

 №の能力と『パソコン』に書き込まれている技術情報。

 今ルクスを失えば自分たちはあれの中にある物を安易に解き放ってしまうというリスクを負ってしまったのだ。

 ルクスが書簡で伝えたことに対してルクスもこう変身したのだ。

 『あれはパンドラの箱。安易に使ってしまえば厄災となってこの国どころか

世界を焼き尽くす危険性あり。どうか熟慮した上でのご判断を』

 こう書かれていたのだ。

 確かにリーズシャルテが書簡と一緒に書かれていた設計図の一部だけでも

その危険性は分かってしまう物である。

 だからこそルクスの身の安全の保障は=国の安全にも繋がるのだ。

まあそれを知らない彼らからすれば死んでも悼まない咎人なのだが。

 然し現在の戦力だけで旧帝国軍とヘイブルグ共和国を相手に出来るのかと

考えれば正直無理なのが現状とも言える。

 するとゾグァは皺だらけの口元を歪ませてこう言った。

 「もし決断していただけるのであれば彼の身元は妹君も含めて

儂が面倒見ましょう。咎人を陛下のお傍に置かせるのは体裁が悪いですしなあ。」

 「は!流石は老獪。せせこましいなあ。貴公に預からせると

何を吹き込ませるのやら分かったものではないからな。そのガキは吾輩が世話してやる。」

 お互い譲り合わないというよりは・・・ルクスを自身の陣営に

組み込ませたいという思惑が強く出ていた。

 これを見たラフィ女王は人目も図らずにナルフ宰相とため息を漏らしていた。

 魂胆は丸わかりの上にお互い敵視する始末。

 これでは計画の際に遅れがどれだけ出るか考えたくないと

思ってしまっている中でディストが手を上げてこう言った。

 「彼の身は私に預からせてくれませぬか?ラフィ女王」

 「・・・ディスト公」

 ナルフ宰相はディストを見て何だと思っていると彼はこう続けた。

 「もし彼を今回の作戦に加えるのでしたら私の兵を1小隊分

彼の指揮下に加えさせるように手配もします。」

 「「「「「!!!!!」」」」」

 それを聞いて全員が驚いた。

 彼はルクスに戦力を与えると言ってきたのだ。

 それを聞いたバグライザーは少し驚きながらもこう聞いた。

 「そりゃあどういった理屈だ?・・・旧帝国の皇子に自分の戦力を与えて

あわよくばって感じか」

 バグライザーはそう聞いた。

 もし成功しても失敗しても自身の手柄にするように計画しているのかと聞くがディストはこう返した。

 「『帝都奪還計画』阻止の件については私の娘も加わるであろう。

彼を『シヴァレス』に入団することを決めたのは娘の判断だ。

私はそれを尊重したうえで親しくしているようだ。」 

 「ならば娘を通じて彼の処遇を決めたほうが都合が良いとは思わないか?」

 「それに・・・・貴公らでは彼を食いつぶしかねないしなあ。」

 ディストの考えを聞いた後も食い下がるようにバグライザーはこう言った。

 「それは一理あるがよ・・・お前の娘さんって色々と最強に相応しい武勲を

立てているが大層な男嫌いだって噂だぞ」

 そう言うがディストはこう返した。

 「学園の『シヴァレス』入団を決めたのはあの子だ。それ以上私は私情を

入れる気はない。」

 「成程のお。自慢の一人娘を使って咎人を懐柔させるとは中々策士ですなあ

ディスト公?」

 ゾグァの言葉を聞いて一瞬だが目を細めたディストだが直ぐに元に戻した。

 するとラフィ女王はこう答えた。

 「・・・分かりました。当面の間はラルグリス公の考えを尊重します。」

 「ありがとうございます。」

 ディストがそう言った後ラフィ女王は全員に向けてこう言った。

 「それでは今回は閉幕とします。」

 

 

 

 

 

 

 

 そう言って全員が離れるがゾグァはラフィ女王の前に立つとこう聞いた。

 「女王陛下。少し個人的なご確認ですが宜しいでしょうか?」

 「何でしょう?」

 ラフィ女王は緊張感を保ったまま聞くとゾグァはこう言った。

 「『アーク』についてなんですが」

 「!!・・・その話をどこで」

 矢張り油断ならないと思っていた。

 遺跡に関する情報は第1級の機密事項で三大貴族にすら内密である。

 然し何故彼が知っているのかと疑問を持つがラフィ女王はこう考えていた。

 「(おそらくは独自情報網!!・・・裏に誰が)」

 「何、単なる噂話でありますが本題はこれです。陛下の親族でもあられる

ドバル侯爵と『海竜騎士団』が数日前にリエス島に向かったという報告が」

 「な!!・・・まさか」

 「おそらくは、ですがそんなことがあっては困りますなあ。我々の遺跡調査権は前回の『ガーデン』で使い切ってしまいましたし・・・もし回数を超えて

遺跡に侵入した場合この国だけの問題では済まないと言う事を老婆心として

忠告させておきます。では」

 そう言って頭を下げてゾグァは部屋から出て行った。

 するとナルフ宰相がラフィ女王に近寄ってこう聞いた。

 「陛下。ドバル候爵の事がばれてしまうと芋づる式に例の計画が」

 「分かっています。早急に特務隊にリエス島に向かわせてください。

それとディスト公を私の部屋に来させてください。

『ルクス・アーカディア』の件で味方を作ります。」

 「・・・陛下・・・あの情報は」

 「もう・・・頼れるのは彼しかいなさそうですから。」

 「・・・御意。早急に特務隊の招集とディスト公の準備をします。」

 ナルフ宰相はそう言ってディスト公を呼んだ後に例の計画を考えていた。

 「・・・頼みましたよ。レリィ」

 「全ては・・・この国の為に」

 その声を聴くものは誰もいなかった。




 はてさて・・・これは吉となるか凶となあるか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。