「これでどうにか一安心って言いたいところだけどリーシャ様、ドバル候達は」
「ああ、あいつ等ならここの機竜格納庫に押し込むつもりだ。鍵をかけた後
街の町長にも伝えて島の警備隊に監視させるつもりだ、ドバル自身は船の物置に
ぶち込んでおいたし船員には事情を話した後監視させることにしたよ。」
レリィはリーズシャルテに彼らの事を聞かれた後のそう答えた。
無論馬鹿なことはしない様に徹底的にしたのだが本人曰く。
「お前らルクスじゃなくて良かったなあ、あいつだったらこの世の地獄を徹底的に味わされていたことだろうなあ」
そう脅しておいたらしいが・・・まあ実際の所もしルクスがそこにいたら死体すらなかったであろうことは明白である。
「それにしても最悪ね。島の住民すら見捨てるだなんて。」
「おまけにあたしたちを追い出すためだけの理由でらしいよ~~。
もう最悪だよ!!」
クルルシファーとティルファーがお互い感想を言った後に今後の事を話し合った。
「ですが8階と甲板を結ぶ事が出来ましたし、これで後は・・・」
「はい、管理室と最深層に辿り着くだけです。」
セリスティアとクランリーゼがそう言った後レリィは全員に向けてこう言った。
「それじゃあ明日に備えて就寝としましょ。」
そう言って全員が就寝した後、ルクスはフィルフィのいる部屋にへと向かった。
あの後フィルフィは目覚めたが如何やらオルトロスを追っていたところまでは
覚えているがそこから修道院で起きるまで記憶がないようだ。
まあ、暴走とヘイズとの会話が聞かれていないことから大丈夫だなと思っていた。
「気分は如何?フィーちゃん」
「ん・・・・お腹減った、かな」
「ああ・・・そう」
ベッドの上でそう言うのを聞いて何となくだがルクスはほっとしていた。
「それじゃあクルルシファーさんが持ってきてくれた果物があるから
それ切っておくね。」
「うん。ありがとう」
そう言ってルクスはフィルフィが食べているところを見てほっとしていた。
するとフィルフィが残っている果物を見てこう言った。
「ルーちゃんも一緒に食べよ?」
フィルフィがそう言って静かにフォークでオレンジを突き刺した後に
それをルクスの口元に差し出してきた。
「え!ぼ、僕は良いよ。それに・・・・」
「(同じフォークでしょそれ!間接キスになっちゃうからああ!!)」
ルクスは頭を抱えて気恥ずかしくそう思っていたが当のフィルフィは
普通にしていた。
「はい」
「・・・・・拒否権は?」
「・・・・」フルフル
ルクスはフィルフィにそう聞くが当の本人は首を横に振ってそう答えた。
そしてとうとう・・・。
「あ~~~ん。」
「おいしい?」
「・・・うん、美味しいよ。」
「・・・よかった。」
少し顔を赤くしていたルクスはそう言うとフィルフィは笑ってそう言った。
「・・・それじゃあ体が治るまではゆっくり休んで何かあったら
直ぐに呼んでね。」
そう言いながらルクスは部屋から出ようとしていた。
今のフィルフィは心臓に植え付けられている《ラタトスク》の影響で
ヘイズ経由でユグドラシルからの命令を拒否し続けていることから
体が弱り始めていたのだ。
そしていつさっきの様になっても可笑しくなかったルクスは緊張しながら
部屋から出ようとしているとフィルフィがルクスに向けてこう言った。
「ルーちゃん。」
「ん?」
「あんまり無茶したら、だめだよ」
「大丈夫だよフィーちゃん、僕h・・・・!!」
ルクスはフィルフィの目を見て凍り付いた。
本人には分からないようだが片目がアビスになっていたのだ。
それを見たルクスは少し時間をおいてこう答えた。
「・・・うん、分かってるよ。無茶はしない。」
そう答えるとルクスは部屋から出る前にフィルフィにこう言った。
「お休み、フィーちゃん」
そう言って扉を閉めて少し進んだ後で・・・・。
「うぷ。」
ルクスは窓から身を乗り出し・・・・吐き出してしまった。
「うおおお・・・・うええええええ」
そしてそのまま窓から離れて壁際に座り込んでしまった。
「ああ・・・くそ」
ルクスはあの時に見た記憶らしきものを思い出していた。
あの時もしかしたらフィルフィがいたであろうこと。
そして何よりも時間をおいても忘れてしまっている記憶。
「・・・僕は一体何なんだ?」
「フィーの看病の事ありがとうね。ルクス君。」
するとレリィが現れた。
だがそれは何時ものお道化た様なではなく、何処か神妙な顔つきをしていた。
「少し話しない?」
そう聞くとルクスはこう言った。
「・・・フィーちゃんの中にいる事でしょう?」
「ええ・・・気づいてしまったようね。」
「何処かの国の軍師に教わりましたからね。」
虚ろな表情でルクスはそう言うとレリィは周りを気にしてこう言った。
「私の部屋に来ない?お酒用意するから♪」
「・・・何未成年に酒を」
「お願い、今日だけは」
「・・・分かりました。」
レリィの真剣な顔つきにルクスは諦めとように答えた後、
部屋にへと向かって行った。
その様子を一人の少女が鏡で見ていた。
夜風にたなびく黒の長髪。
暗闇であるのに分かるほどの白い肌。
一見すれば日本の着物を改造したような衣装。
蒼と紫のオッドアイの瞳をした・・・少女がそこにいた。
腰には刀のような形をしたソードデバイスをかざしながら。
「あのお方が旧帝国の忘れ形見ですか。」
「・・・・・・・」
「ええ、もう一人いましたがあのお方は女性です。やはり男性でなければ。」
「・・・・・・」
「分かってますわ。・・・それでも私は誓いましたから。」
「・・・・・・・。」
「ありがとう。『天照』ですから見定めましょう。」
「彼が本当に旧帝国の皇に相応しいのかを。」
次回はレリィとの会話。