最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 お前は何をしたかった?


嘗ての兄との会話。

「フギル・アーカディア!!」

 ルクスは恨み丸出しでそう言いながらソードデバイスを抜いた。

 これまでルクスは3年もの間、雑用をしながらも裏社会の情報を聞き、探し続けた男である。

 そしてルクスはフギルにソードデバイスの切っ先を向けてこう聞いた。

 本来なら向かうべきだがルクスはある事を知っていた。

 それは・・・腰に差しているソードデバイスの機竜の事を・・・。

 するとフギルはルクスに手のひらを見せつけるようにこう言った。

 「まあ待てルクス。俺は今回お前に会うのは戦うわけではない。」

 「どの口がほざく。」

 「本当だ・・・と言っても信じないようだからこのまま話すが」

 「それなら近くにいる人間にもこっちに来るように伝えろ。」

 「!!・・・成程、それなりに潜ってきたのか。」

 フギルとルクスはお互い会話しながらフギルはある人間を呼んだ。

 「来い、『エスシス』」

 「はい。」

 そう言って出てきたのはクルルシファーと同じ・・・青い髪を短く切りそろえた

少女であった。

 それを見たルクスは一目で気づいた。

 「まさか君は・・・『エクスファー』か?」

 「その通りです。」

 そう言って成程と思うと同時にある事が浮かんだ。

 「それで・・・戦うんじゃなくて何をしに来た。」

 そう聞くとフギルはこう答えた。

 「簡単だ。ここにいるヘイズと言う女を知っているか?」

 「・・・・・・・」

 「ああ心配するな。監視人には少し遊び相手をやっておいたから聞いてない。」

 「遊び相手だ・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これはまた・・・」

 ルクスを監視していた少女の周りには多数の人間がいた。

 全員その装束と武装から暗殺者だと見られた。

 然も何人かの少女たちには曰く付きだと思える武器があった。

 然し少女は・・・にっこりと笑ってこう言った。

 「今日まで退屈していましたので・・・準備運動にはちょうどいいですわ。」

 そう言って少女は刀型のソードデバイスを抜き放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ本題だが、俺はヘイズを止めたいがためにここに来たんだ。」

 「・・・あんたがそれをして何の得になるって言うんだ。」

 「簡単だ。本来の行動から外れ始めているから軌道修正しようと思ってな。」

 「5年前もアンタはそう言ってクソ親父を殺したよな。」

 「ほう、実の父親に対してそう言えるとは成長したようだな。賢弟」

 「早く喋ろ。」

 「早い話が俺達は利害が一致しているんだ賢弟。お前は幼馴染の

フィルフィを救いたい。俺はヘイズを止めたい。これで十分だ」

 「・・・・奴と敵対するっていう確約が欲しい。」

 「成程な。口約束ではなく情報をか、それならいい事を教えよう。」

 「フギル様。それは」

 エスシスが何か言いかけるもフギルはそれを手で制した。

 そしてフギルはそう言ってルクスにある事を教えた。

 「ヘイズが持っているあの角笛は『起原種』と言う特別製の奴でな、

唯一無二の品だ。そいつは『ラグナレク』であろうとも命令できる代物だから

壊すか奪えば新たに命令されないはずだ。」

 「さらに言えば『ラグナレク』を倒してしまえばあの幼馴染の害も取り除かれるだろうな、例え半分アビスであろうともな。」

 フギルがそう言うことに対してルクスはこう聞いた。

 「・・・それがアンタの罠なのかどうかは分からないがあいつみたいに

細工するほど僕を過大評価していないって事も真実だよな。」

 そう言うとフギルはこう言った。

 「そうだな、幾らお前でも俺を倒すのは無理だろうな。」

 そう言いながらフギルは腰に差しているソードデバイスを触っていると

こう聞いた。

 「ルクス、少し聞くが俺の言葉が真実だとしてお前は本当にあの幼馴染を

救う気か?」

 「・・・そうだと言ったら。」

 するとフギルはため息交じりでこう返した。

 「矢張り変わらんなお前は。あの時と同じく愚かで弱いお前のままだ」

 「それが悪いのかよ。」

 「・・・何?」

 フギルの言葉を遮るようにルクスはこう続けた。

 「ああそうだよ。僕はフィルフィを助けるために皆に危ない橋を

渡らそうとしている屑さ。場合によっては国を脅かすことにも繋がる。」

 「けどなあ、例え茨の道だろうが悪魔に魂を売っても僕はかけがいのない

仲間達と一緒に戦う覚悟ぐらいなら出来てんだよ!!」

 「だがいずれお前の力を欲する連中はお前を取り込もうとするだろうな。

他ならぬ『新王国の平和を守る』と言う大義名分を掲げてな。」

 「だったらそれ毎食いつくすまでさ。」

 「お前の理想の果てが何もなかった空虚なものだと分かってもか?」

 「それで皆が助かるならそれはそれで空虚じゃなかったって胸を張れるよ。」

 ルクスの答えを聞いたフギルはルクスを見た後・・・空を見上げてこう言った。

 「・・・やはりお前は似ているな。」

 「は?」

 ルクスは何事だと思っているとフギルはソードデバイスを抜いた。

 「!!」

 ルクスは万が一に備えて《ギャラクシーアイズ》の方のソードデバイスを

抜こうとするとフギルはこう言った。

 「これは俺がお前の果てを知りたいがためのプレゼントだ。受け取れ」

 そう言うとルクスの目の前が・・・七色の光で包まれた。

 すると何処からか声が聞こえた。

 ーー期待しているぞ・・・・ルクス、嘗ての俺よ。




 俺の信頼を・・・損なうなよ。
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